映画「太陽の季節」「にあんちゃん」などで銀幕を飾った俳優の長門裕之(本名・加藤晃夫)さんが21日午後5時40分、都内の病院で、肺炎による合併症のため死去した。77歳だった。長門さんは昨年8月、解離性大動脈瘤(りゅう)のため心臓の手術を受け、今年1月に舞台に復帰したが、最近は体調を崩していた。09年10月には妻で女優の南田洋子さん(享年76歳)を亡くし、「すごい喪失感と失恋を味わった」と語っていた。
長門さんと60年来の友人で日活仲間の女優・浅丘ルリ子(70)はこの日、午後10時半に長門さんの自宅に駆け付けた。沈痛な面持ちで報道陣の問いかけには無言。津川の娘で女優の真由子(37)に肩を抱かれ、家に入った。
長門さんは1988年の日本テレビ系「最後の恋」で弟の津川とドラマ初共演。その“仕掛け人”が浅丘だった。「予算があまりないの。お願い」と友人の長門に出演を依頼し、津川が知らぬ間に共演が決まったという。兄弟共演は57年の映画「十七才の抵抗」と「月下の若武者」以来、31年ぶり。長門さんは「2人ともギャラも高いから、普通のドラマなら、どっちかが泣きを見なきゃいけない」と照れた。同じ日活出身の3人がそろったのは「十七才―」の一度だけで、浅丘は「なんだか同窓会みたいね」と大喜びだった。小さいころから長門さんと公私ともに歩んできた浅丘。突然の別れに、そのショックは計り知れない。
[2011/5/22-06:01 スポーツ報知]