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栃ノ心、2敗守って10年ぶりの平幕V残った

 栃ノ心(左)が寄り切りで琴奨菊を破る=両国国技館
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 栃ノ心(左)が寄り切りで琴奨菊を破る=両国国技館

 「大相撲技量審査場所14日目」(21日、両国国技館)

 栃ノ心が関脇琴奨菊を寄り切って2敗を守り、優勝戦線に踏みとどまった。千秋楽で大関日馬富士に勝ち、横綱白鵬が大関魁皇に敗れれば、01秋場所の琴光喜以来となる平幕優勝をかけて優勝決定戦に挑む。朝青龍(元横綱)の史上最多記録に並ぶ7連覇を目指す白鵬は、把瑠都を寄り切って1敗を死守した。

  ◇  ◇

 胸の高鳴りを抑えて支度部屋のモニターを見つめた。結びの一番。白鵬が得意でない左四つで、把瑠都が両まわしを引くと、栃ノ心は思わず「よしっ」と声をあげた。「優勝は考えてないです」と平静を装いながらも、自分の気持ちにうそはつけなかった。

 自分の相撲では大関昇進を目指す琴奨菊の攻めを封じ込めた。左に動き上手を取ると差した右腕も返して攻めた。「悪くない」と納得の内容で、09年の九州場所に並ぶ自身最多の12勝目。今、乗りに乗っている。

 好調を支えているのが、今場所から着けている濃紺色の締め込み(まわし)だ。実は、後援者に贈られた金色に近いものを使うつもりでいたが、あまりに派手で部屋関係者に止められた。以前のものは傷んでいたため、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)が現役で使ったものを譲り受けた。

 師匠は「締め込みを替えるのは勇気がいる。ならし運転が(昔に)済んでいたってことなのかな」と思わぬまわし効果に驚いていた。ただ、栃ノ心は自分のものに未練があるのか、まわしの話題には苦笑いを浮かべるばかりだった。

 千秋楽は白鵬の敗戦を待つ身だが、師匠のまわしが幸運をもたらすかもしれない。グルジア出身の成長株は「いつものようにやるだけ」と気を引き締め直した。

(2011年5月22日)

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