シリア:内閣総辞職 民主化デモ収拾遅れで

2011年3月29日 23時2分 更新:3月29日 23時22分

 【カイロ和田浩明】シリアの国営メディアは29日、内閣が総辞職したと報じた。民主化要求デモの武力弾圧で多数の死傷者が出たことに対する事態収拾が遅れていることについて、アサド大統領が内閣に責任を取らせた形だ。大統領はこの譲歩策で市民の不満を緩和し、チュニジアやエジプトで起きた民衆革命の波及を阻止したい考えだ。

 国営シリア・アラブ通信によると、オタリ内閣はアサド大統領に辞表を提出し受領された。新内閣発足まで暫定的に業務を続ける。

 今回の内閣総辞職が民主化デモの収束に結びつくかは不透明だ。男性人権活動家は毎日新聞の取材に「改革は長年言われているが実現されておらず、信じられない」と不信感をあらわにしている。

 一方、中東の衛星放送アルジャジーラによると、首都ダマスカスではこの日、数万人規模の大統領派の集会も行われた。参加者らはアサド氏の顔写真や国旗を掲げ、現政権支持のスローガンを叫んだ。北西部アレッポや中部ハマでも同様の集会が行われた。ロイター通信によると、当局の動員で集まった参加者もいる。

 一方、63年以来施行された非常事態宣言解除が同日中に発表されるとの観測もある。

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