2011年3月29日 20時34分 更新:3月29日 22時18分
気象庁は29日、東日本大震災後に発表した45回の緊急地震速報の分析結果をまとめた。適切な発表は15回で、実際の揺れが発表基準に満たない「空振り」が震災前より増えたことが明らかになった。
同庁地震火山部管理課によると、震度5弱以上の揺れを観測した22回中、速報を発表しなかった「見逃し」は7回(約32%)で、大震災前の約44%と大差はない。一方、震度4以上と予測しながら2以下の地域があった空振りの回数は30回(約67%)で、大震災前の約29%から急増した。
適切に発表ができない原因は、複数の地震を一つの地震として処理してしまうことや地震計のダウン。同課の上垣内修課長は「複数の地震を正しく分離して処理する改善を進めているが、数カ月以上かかる。地震波が観測されたのは確かなので、本当に強い揺れが来ると考え身を守る行動をとってほしい」と説明した。【飯田和樹】