2011年3月29日 19時19分 更新:3月30日 2時29分
一般会計総額92兆4116億円と過去最大の11年度予算が29日、成立した。ただ、11年度予算の財源となる赤字国債の発行に必要な特例公債法案は野党の反対で成立のめどは立っていない。政府・与党は東日本大震災の復旧・復興に向け、11年度補正予算案の編成に着手するが、巨額に上るとみられる復興費の財源確保と野党の協力を得るために、11年度予算に盛りこんだ法人税減税や高速道路無料化など目玉政策の見直しを進める方針だ。
予算案は同日の参院本会議で野党の反対多数で否決された。参院と衆院で議決が異なったため、衆参の代表による両院協議会が開かれたが不調に終わったことから、衆院の議決を優先する憲法の規定により成立した。予算は1999年度から13年連続で年度内成立となった。
11年度予算の内容には震災対策は含まれていないが、予備費1兆1600億円を当面の震災対策に活用することが可能になった。
菅直人首相は同日の参院予算委員会で「震災対策の補正予算を与野党含めて議論しなければならない」と述べ、11年度補正予算案を4月中にも編成する意向を表明。首相は11年度税制改正法案に盛り込んだ法人税率5%減税の見送りの検討にも言及した。
11年度予算は一般会計総額が10年度当初予算比で0.1%増。税収40兆9270億円に対し、新規国債発行額は44兆2980億円で、2年連続で税収を上回る。【中山裕司】