2011年3月28日 21時44分
水俣病の未認定患者でつくる水俣病不知火(しらぬい)患者会(大石利生会長)の会員306人が、国や熊本県、原因企業チッソ(東京)に賠償を求めた訴訟は28日、大阪地裁(村岡寛裁判長)で和解が成立した。一連の訴訟では東京、熊本両地裁でも和解が成立しており、同患者会の訴訟は終結した。
和解内容は被告側が、1人210万円の一時金▽1人当たり月額1万2900~1万7700円の療養手当▽患者会への加算金3億円--を支払うことが柱。原告、被告双方が選出した医師で作る第三者委員会が、症状などに基づき支払い対象者の判定作業を進め、282人が一時金や療養手当の支払い対象となった。療養費支給のみが認められた原告が1人。この原告を含め、一時金の対象から漏れた計24人に対し、患者会が加算金から一時金と同額を支給する。【村松洋】