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>病名・症状>エコノミークラス症候群 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
関連情報 |
「肺塞栓」「突然死」「血栓」 |
飛行機 | ●最悪の場合、死亡 「ロンドンから成田行きの飛行機に乗った50際の女性が到着前にトイレに行こうと立ち上がったが、すぐに意識を失い倒れてしまった。その後、意識は戻ったが胸の痛みや息苦しさは続き、到着後、成田赤十字病院に運び込まれた。 この女性は『肺塞栓症』と診断された。肺動脈に血の塊がつまって呼吸困難になり、心臓の機能が低下する病気だ。血栓を溶かす薬を投与すれば助かることが多いが、手当が遅れたり重症だったりすると、死亡することもある。 肺塞栓で成田赤十字病院に運び込まれた国際線の乗客は最近5年間で17人。うち2人は以前にも息苦しさなど肺塞栓と思われる軽度の発作を起こしていた。こうしたことから同病院の森尾比呂志内科副部長は「軽症の患者はかなりいる可能性が高い」と見ている。 患者にはエコノミークラスの乗客が多いので、『エコノミークラス症候群』と呼ばれていたが、実際にはビジネスやファーストクラス、鉄道、車でも起きるため、今では『旅行血栓症』という名前で通っている。 肺動脈をつまらせる血栓は太ももの奥の方の静脈に出来る。長時間、座り続けると、この部分の血管が圧迫されて血の巡りが悪くなり、血栓が出来る。」 ●過度の飲酒は要注意 「座り続けると足もむくむが、これは血液中の水分が血管の外にしみ出てくるためだ。水分を失った血液は濃度が高くなり、血栓が出来るのを助長する。アルコールを飲むと尿が出やすくなるので、血中の水分の減少に拍車をかける。このようにして血栓が出来た状態で立ち上がって歩き出すと、太ももの静脈の血液が勢いよく流れ、血栓が血流にのって移動し、胚にある細い血管をつまらせる。 要注意なのは静脈が強く圧迫されやすい肥満の人や、経口避妊薬など血液を固める作用がある薬を飲んでいる人。 ただ、気をつければ肺塞栓を防ぐことは可能だ。 「1時間に1回程度は足を上げ、足首を曲げ伸ばす運動をするのが有効」と日本航空健康管理室の大越裕文医師はアドバイスする。足を動かして血流の停滞を防ぎ、血栓が出来ないようにする。 水を入れたペットボトルを持参し、1時間当たりコップ半分程度の水をこまめに飲んで水分を補給したり、過度の飲酒を控えたりするのも大切だ。アスピリンは血が固まるのを防ぐ働きがあるので、飛行機に乗る前に少量服用すると予防効果が期待できる。 |
1万メートルの上空では、機内の気圧は0.7〜0.8気圧、湿度は0〜10 %しか無い。そのため10時間で約1リットルの水分が体から蒸発する | |
耳が急に痛くなる『航空性中耳炎』も機内で起きる急病の1つ。飛行機の上昇時には機内の気圧が急低下し、加工時には急上昇するので、鼓膜の内と外に気圧差が生じる。このため、離陸時には鼓膜が外向きに膨らみ、着陸時には内側にへこんで耳がツンとする。 このように鼓膜に無理な力が加わると、場合によっては炎症が起きて航空性中耳炎になる。「海外旅行では飛行機を何度も乗り換えると、鼓膜に繰り返し無理なチキが加わるので要注意」(大越医師) 機内で赤ちゃんがひどく泣いている時は、航空性中耳炎を疑う必要がある。ツバを飲み込んだり、鼻をつまんで息を詰めたり(鼻をつまんで鼻をかむ)すると、鼻の奥と中耳の間を結ぶ耳管に空気が流れて気圧差がなくなり、耳の痛みを防げる。 |
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機内で赤ちゃんがひどく泣いている時は、航空性中耳炎を疑う必要がある。 ツバを飲み込んだり、鼻をつまんで息を詰めたり(鼻をつまんで鼻をかむ)すると、鼻の奥と中耳の間を結ぶ耳管に空気が流れて気圧差がなくなり、耳の痛みを防げる。 |
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予防 | ▽水分をとる(アルコール・コーヒーは避ける) ▽1時間ごとに機内の少し離れたトイレに行く。 ▽座席で3〜5分間、足の上下運動をする。 ▽ゆったりした衣服を着て、ベルトをゆるめる。 ▽血行が悪くなるので足は組まない。 ▽睡眠薬は使わない。 ▽長いフライトの前後は禁煙する |
タクシー 運転手 |
勤務中に肺梗塞で死亡した大阪府門真市の男性タクシー運転手(当時57)に対し、大阪労働局が長時間座り続けたことによるエコノミークラス症候群が原因だったとして労災認定していた。 認定によると、運転手は2000年7月、大阪市淀川区のビル2階の飲食店まで客を呼びにゆき、階段を降りる途中で倒れた。病院に運ばれたが3日後に死亡。死因は肺の血管が詰まる肺梗塞と診断された。 遺族の労災申請を受けた大阪労働局の調べて、運転手は約7時間20分にわたり、ほぼ座り続けて勤務していたことが判明。運転手に血栓が出来る病歴など無いため、大阪労働局はエコノミークラス症候群と判断、2003年7/14日に労災認定した。 |