2011年3月26日 11時5分 更新:3月26日 17時4分
大相撲の八百長問題の調査長期化に伴い、日本相撲協会が5月の夏場所(東京・両国国技館)の通常開催を断念し、新番付を編成するためだけの「技量審査」の場とする方向で検討に入ったことが26日、分かった。無期限中止中の本場所の再開は、7月の名古屋場所まで見送られる。4月1日の理事会で、八百長への関与を認定された二十数人と、その師匠の処分を決めた後、具体的論議に入る。
関係者によると、技量審査は両国国技館で実施する計画だが、一般公開するかどうかは未定。ただ、公開しても入場料は取らない意向だ。懸賞など通常の興行色を一切排し、外部表彰も辞退する方向。
ある協会幹部は「7月場所は絶対にやらねばならないから、その時の番付を作らなければならない。番付編成のための技量審査は必要となる」と説明。その上で、「客を入れないという意見もあるが、『見たい』というファンがいるかもしれない。ただ、十両の力士が半分ぐらいいなくなり、客に見せられるような相撲にならないかもしれないので、『無料で見てください』ということになる可能性もある」としている。
夏場所開催は、八百長への関与を認めた竹縄親方(35)=元前頭・春日錦=の証言などで疑惑対象が約35人に広がった今月初旬時点で絶望的になっていた。その後、東日本大震災が発生し、スポーツ界に自粛ムードが広がったことも判断に影響したと見られる。
監督官庁の文部科学省は開催に否定的な意見を強めていた。一方、横綱審議委員会が夏場所の実施を全会一致の意見として要望するなど、一部で場所再開を求める声が上がっていた。