2011年3月25日 22時15分 更新:3月25日 22時49分
東京電力の計画停電で、信号が消灯中の交差点でトラックにはねられたさいたま市内の女性(65)が、搬送先の病院で停電のためコンピューター断層撮影装置(CT)の検査ができず、重体となっていることがわかった。
厚生労働省が25日、明らかにした。同省やさいたま市消防局などによると、女性は17日午後5時20分ごろ、同市北区の国道交差点を自転車で横断中にトラックにはねられ、頭を打ち意識不明の重体となった。同日午後6時ごろさいたま赤十字病院(同市中央区)に運ばれたが、病院は同6時20分からの計画停電に備え、CTなどの電源を切っていた。脳の損傷などは検査できず、気管挿管などの応急処置後、同6時50分ごろ埼玉医科大学総合医療センター(川越市)に移送され、緊急手術をした。
消防によると、赤十字病院は計画停電のため受け入れをいったん断ったが、他の搬送先がなく、応急処置目的で受け入れたという。同省は「CTは消費電力が大きく、あらかじめ電源を切っていたようだ。病院からは、転院が医学的に容体に影響を与えたとは考えていないと聞いている」としている。【野倉恵】