2011年3月25日 19時23分 更新:3月26日 3時16分
北沢俊美防衛相は25日の記者会見で、東京電力福島第1原発の冷却に必要な真水を補給するため、米軍から真水を積載できるバージ船(はしけ)2隻や給水ポンプ1機の提供を受けることを明らかにした。海上自衛隊の補給艦などと連携し、週明けから冷却作業で活用する。バージ船のうち1隻は25日に米軍横須賀基地を出港し、もう1隻は26日に出港する予定。
自衛隊は高圧消防車で海水を使って放水してきたが、米側から「(塩水による)機材の腐食を防ぐには真水に変更すべきだ」との強い要請があり、活動のあり方を再検討。東電が復旧を進める「補給水系」の注水ポンプに真水を補給する方向に切り替えた。
バージ船は全長約50メートルで真水約1100トンを積載できるが、速度が遅いため、自衛隊の支援艦がえい航して28日にも到着する。バージ船は原発近くに接岸し、米軍から別途提供を受ける給水ポンプを通じて、冷却水タンク(容量約3500トン)に真水を送る計画だ。バージ船の真水がなくなった場合、沖合の自衛艦から補給を受け、繰り返し運搬するという。
給水作業は東電側が行う予定だが、自衛隊員も作業を行う場合に備えて訓練に参加するという。【本多健、犬飼直幸】