現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. おくやみ・訃報
  4. 記事

俳優の長門裕之さん死去 77歳

2011年5月22日0時57分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真長門裕之さん

 「にあんちゃん」「豚と軍艦」などの映画やテレビ、舞台で軽妙な演技を見せ、故・南田洋子さんとのおしどり夫婦ぶりでも知られた俳優の長門裕之(ながと・ひろゆき、本名加藤晃夫〈かとう・あきお〉)さんが21日午後5時20分、肺炎による合併症のため都内の病院で亡くなった。77歳だった。

 京都市生まれ。俳優の沢村国太郎と女優のマキノ智子の長男で、俳優の津川雅彦さんは弟。祖父が映画草創期の監督・牧野省三、おじにマキノ雅広と加東大介、おばに沢村貞子という映画人の一家に育ち、「無法松の一生」などで子役を務めた。

 立命館大の学生時代に相次いで映画に出演したあと中退して東宝に入社、まもなく日活に移った。「七つボタン」(55年)を皮切りに、「銀(しろがね)心中」(56年)などでスターに。今村昌平監督作品での評価が高く、「にあんちゃん」(59年)では炭鉱で働く在日朝鮮人役の演技でブルーリボン主演男優賞を受賞、「豚と軍艦」(61年)でもこっけいなちんぴら役で観客を笑わせた。

 映画「太陽の季節」(56年)などで共演した南田洋子さんと61年に結婚。フジテレビ系の「ミュージックフェア」では夫婦で司会を務めた。向田邦子原作のドラマを舞台化した「阿修羅のごとく」でも夫婦で共演、全国を巡回公演した。

 85年に出版した「洋子へ」で、妻への告白というかたちで自身の女性関係を明かし、話題になった。その一方で、05年ごろから南田さんに認知症の症状が出てくると、09年に亡くなるまで介護し、その様子はテレビ番組でも紹介された。同年には、老老介護の日々をつづった「待ってくれ、洋子」を出版した。

 昨年秋に心臓の手術を受け、リハビリ中だった。

PR情報
検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介