2011年3月24日 23時16分
枝野幸男官房長官は24日の記者会見で、東京電力福島第1原発から20~30キロ圏内の地域住民に出している屋内退避指示について「放射線による影響という(危険性の)問題とは別に、社会的な要請によって対応をどうするかは検討しないといけない」と述べ、圏外に出るよう求める避難指示に切り替えることも検討する考えを示した。
20~30キロ地域の屋内退避は15日に菅直人首相が指示して以降、長期化し、圏外へ自主避難した住民も多い。生活物資の流通が滞るなどの問題も表面化しており、24日に政府と与野党が開いた震災対策合同会議では「屋内退避は政府による監禁、軟禁だ」などとして、20キロ圏内に出ている避難指示を30キロ圏内に広げるよう政府に求める意見が相次いだ。
これを受け枝野長官は会見で「(屋内退避が)長期間にわたってきている。今のままのやり方で十分、生活を継続できるかどうか、検証を指示している」と述べ、住民側に避難指示を求める「社会的な要請」があるかを見極めて判断する考えを表明。同時に「危険がさらに広がったのかという間違ったメッセージにしてはいけない」とも述べ、放射性物質による危険地域は広がっていないとの政府見解を強調した。【影山哲也】