2011年05月13日
ロバート・アラン・フェルドマン | モルガン・スタンレーMUFG証券 マネジング・ディレクター経済調査部長 | 経歴はこちら>> |
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読者の皆様は百も承知のことと思うが、復興費用で苦しむ日本は既に多額の財政赤字に直面している。更に負担が大きくなった日本の財政を診療するために「ビジネス・ライン」という概念から政府活動を見る必要がある。民間企業が大きくなるといくつかのビジネス・ラインに分けて取り組むように、政府にも似たことが言える。即ち、公共財(防衛、義務教育、警察、司法)という「営業活動」に加えて、社会活動(医療保険、年金等)などがある。加えて、利払い勘定ももちろんある。
「ビジネス・ライン」で政府活動をみよう
政府活動をどのように分けて分析すると赤字の原因が理解しやすくなるだろうか。その第一歩は、それぞれの歳入及び歳出をビジネス・ラインに分けることである。ここでは、「政府」は国民経済計算の「一般政府」とする。一般政府とは、国、地方、社会保障基金を連結ベースでみる概念である。そこで、それぞれの歳入、歳出を分ける必要がある。