2011年3月24日 19時44分 更新:3月24日 23時8分
東京都葛飾区の金町浄水場の水道水から乳児(0歳児)の飲用に関する国の基準を超える放射性ヨウ素が検出された問題で、都は24日、「水道水の摂取を控える必要はなくなった」として制限を解除した。同日午前6時に同浄水場で採取した水道水の放射性ヨウ素が1キログラム当たり79ベクレルと、基準の100ベクレルを下回ったため。
同浄水場の水道水を巡っては、22日採取分から210ベクレル、23日採取分から190ベクレルを検出。都は同浄水場が供給する23区、武蔵野、町田、多摩、稲城、三鷹市を対象に、乳児の飲用にしないよう呼びかけていた。
都は「数値が大幅に改善された。水道管に残っている可能性があり、検査は続けるが、2日間で水は入れ替わる。国の基準は長期にわたって摂取した場合の健康被害を考慮したもので、一時的に基準を超えても心配ない」と説明した。
都によると、金町浄水場は放射性物質を低減させるため、浄水過程の最初の「沈砂池」に入れる活性炭粉末の量を増やしている。通常は水1トンに5グラムの割合を、21日深夜から3倍、23日午後2時からは4倍とした。文献などで効果があるとされており、当面は4倍で継続するという。
24日から対象地域の乳児を対象に始めた550ミリリットル入り飲料水の配布は、「念のため」として25日も続ける。【石川隆宣、渡辺暖】