福島第1原発:大気中の放射線量は横ばい…都道府県別

2011年3月23日 21時4分 更新:3月23日 23時32分

 文部科学省は23日、福島第1原発から北西40キロの飯舘村内など10地点の土壌調査で、土1キログラム当たりから放射性ヨウ素6970~117万ベクレル、放射性セシウム1260~16万3000ベクレルが検出されたと発表した。文科省は「土から出ている放射線量は小さく体外被ばくの危険はないが、周辺の土地で作った農作物に影響がどう出るのか予測できない数値で、内閣府の原子力安全委員会の評価を待つしかない」と説明した。

 18~22日に採取した原発から25~45キロの土壌を調査し、飯舘村(放射性ヨウ素117万ベクレル、放射性セシウム16万3000ベクレル、20日採取)が最も高かった。そのほかの数値は▽同村(同30万ベクレル、同2万8100ベクレル、19日採取)▽北西約45キロの川俣町(同8万5400ベクレル、同8690ベクレル、19日採取)▽北約25キロの南相馬市(同3万5800ベクレル、同4040ベクレル、19日採取)--など。放射線量が半分になる「半減期」は、放射線ヨウ素で約8日、放射性セシウムで約30年とされ、文科省は「このレベルの放射性セシウムが検出されると、将来的に土地の使用方法を考える必要も出てくる」と分析した。

 23日午前9時までの24時間で採取した1平方メートル当たりの定時降下物(雨やちりなど)では、岩手や茨城、東京など13都県で2~3万6000ベクレルの放射性ヨウ素が、秋田や東京、神奈川など11都県の降下物から1.8~1900ベクレルの放射性セシウムが検出された。前日より低下傾向で、首都圏の数値がやや上がったのは雨が降ったためとみられる。

 都道府県で22日に採取した水道水では、12都県で1キログラム当たりの放射性ヨウ素が0.14~19ベクレル、4都県で放射性セシウムが0.31~5.3ベクレル検出された。

 都道府県に設置するモニタリングポスト(MP、自動観測局)は、23日午後5時時点(埼玉県は計画停電のため午後3時時点)で、茨城0.343マイクロシーベルトなど8都県で大気中の1時間当たりの放射線量が通常値を超えた。前日比で数値はほぼ横ばい。

 一方、福島第1原発から20~60キロ離れた福島県内の34カ所の屋外で、23日午前7時50分~午後3時11分にモニタリングカーで調査したところ、1時間当たりの大気中の放射線量は0.8~103マイクロシーベルトだった。【篠原成行】

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