(cache) 首相指示による中断否定 東電が海水を「試験注入」 - 47NEWS(よんななニュース)
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  • 首相指示による中断否定 東電が海水を「試験注入」

     東日本大震災翌日の3月12日、福島第1原発1号機で始めた海水注入が一時中断されたことについて、政府・東京電力統合対策室は21日、中断前の注入は東電による「試験注入」だったと発表した。

     細野豪志首相補佐官は記者会見で「(試験による)海水注入の事実を知らなかった。注入を止めたわけではない」と述べ、菅直人首相の指示で中断されたとの見方を否定した。

     細野氏によると、原子炉への真水注入が止まり、12日午後6時から官邸で首相の指示で海水注入を検討、原子力安全委員会の班目春樹委員長から「再臨界の危険性がある」との意見が出された。

     東電の武黒一郎フェローと松本純一原子力・立地本部長代理によると、第1原発所長の判断で午後7時4分に試験注入を始めたが、官邸で海水注入を検討中との状況が伝わり中止した。その後、首相から海水注入の指示があり、午後8時20分に再開、臨界を防ぐホウ酸を加えた。

     東電は、試験注入について経済産業省原子力安全・保安院に口頭で連絡したとしているが、保安院側で連絡を受けた記憶がある人はいないという。また松本氏は「試験的に始めたが、問題なければ続行するつもりでいた」と述べ、政府の意向がなければそのまま本格注入に移行する状況だったとの認識を示した。

     1号機は12日朝には、燃料が溶け落ちるメルトダウンが起きたと東電は暫定評価している。

      【共同通信】