Q:本郷や駒場と比較すると、柏の値が高いように見えますが、なぜですか?
A:測定点近傍にある天然石や地質などの影響で、平時でも放射線量率が若干高めになっているところがあります。現在、私たちが公表している柏のデータ(東大柏キャンパス内に設けられた測定点です)は、確かに、他に比べて少々高めの線量の傾向を示しています。これは平時の線量が若干高めであることと、加えて、福島の原子力発電所に関連した放射性物質が気流に乗って運ばれ、雨などで地面に沈着したこと、のふたつが主たる原因であると考えています。気流等で運ばれてきた物質がどの場所に多く存在するか、沈着したかは、気流や雨の状況、周辺の建物の状況や地形などで決まります。結論としては、少々高めの線量率であることは事実ですが、人体に影響を与えるレベルではなく、健康にはなんら問題はないと考えています。
Q:公表されている線量率には平時の値(バックグランド)が含まれていますか?
A:はい。平時の値(バックグランド)を含んだ線量率(暫定値)のまま掲載しています。
Q:測定をしている場所はどこですか?
A:公表しているデータは、すべて東京大学のキャンパス敷地内に設けられた測定点のものです。本郷と柏のデータとして、複数点のデータを公表させていただいています。その趣旨は、同じ敷地内でも、測定時間、測定器の設置場所、気象などの環境条件によって、値にある程度のバラツキがあることをご理解いただきたい点にあります。
測定地 | 測定高さ | 地面 | |
土壌 | コンクリート・敷石 | ||
本郷(1) | 地上1m | ○ | △ |
本郷(2) | 6階相当 | ― | ○ |
本郷(3) | 地上1m | △ | ○ |
駒場 | 3階相当 | ― | ○ |
柏(1) | 地上1m | △ | ○ |
柏(2) | 地上1m | ○ | △ |
Q:測定器の種類はなんですか?
A:NaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータを使用しています。
Q:東京大学にも放射線関係施設があると思いますが、地震の影響はありませんでしたか?
A:震度4以上の地震が観測されたときには、施設ごとに決められた方法で、施設の点検が行われます。今回、大きな地震のあとも群発的な余震が続いていますが、東大が所管するすべての放射線施設に関して、放射線や放射性物質の漏えいはなく、施設の状況に応じた適切な状態での管理が継続されています。今後も各施設の放射線管理担当者が日常的な管理に加え、地震のたびに点検を継続します。
≪東京大学環境放射線対策プロジェクト≫