柏戦で先発に復帰する闘莉王(左)とダニルソン=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(木本邦彦撮影)
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名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(46)が20日、自宅のあるパリから来日し、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターの練習で、21日の柏戦(豊田ス)に向けた最終チェックを行った。首位との一戦でDF闘莉王、MFダニルソンの先発復帰を決め、強いグランパスを取り戻す。
白い半袖シャツに衣替えしたストイコビッチ監督は、気分も新たにしていた。
「いいニュースだ。彼も分かっているはずだ。必要なことをやってきたと思う」
闘莉王が4試合ぶりに戻ってくる。15日の甲府戦で途中出場したダニルソンも今季初先発の準備万端。安定感と爆発力をもたらす2人の復帰が頼もしい。清水から移籍した藤本も含め昨季のJ1ベストイレブン6人のうちケネディ、増川の2人を欠くが、4人もいれば前向きになれる。闘莉王は「本当は(復帰まで)もう1週間ほしかったけど、状況が状況だから」と意を決し、ダニルソンは「先週よりはいいパフォーマンスができると思う。戦術的なことも思い出してきたしね」と自信も取り戻した。
11日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグ、アルアイン戦、甲府戦と続けて1−3で敗れた。「最悪」と繰り返したピクシー監督は、一時離日して憂うつな気分を吹き飛ばしてきた。長女の通うパリの大学の卒業式に出席して「感動的だった。ちょっと泣けた」と父親の顔。練習を2日間、空けたが、信頼するスタッフに任せていたので、心配はしていない。
セットプレーを確認して準備完了。ピクシー監督は、まだハッピーになれないグランパスにも、負の感情は捨てていた。
「首位の柏には敬意を払うが、全員が犠牲心を持ってプレーすれば、いい結果が出る。だれかに期待するのではなく、全員でプレーする」
強力な2人の復帰と、首位撃破。反撃の足掛かりにする状況は整った。 (木本邦彦)
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