枝野幸男官房長官は20日の記者会見で、福島第1原発事故による放射性物質の拡散予測を示すデータが、東日本大震災発生翌日の3月12日未明に首相官邸に届いたにもかかわらず、菅直人首相や枝野氏、危機管理監らに報告されていなかったと明らかにした。
枝野氏によると、放射性物質の飛散状況を予測する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)のデータは、12日午前1時35分ごろ経済産業省原子力安全・保安院から官邸内の危機管理センターにファクスで届いた。しかし、そこから同センター内で首相らが指揮をとる部屋には伝わらなかったという。
枝野氏は「その時点で報告があれば、避難指示にあたっての参考になっていた。大変遺憾だ」と述べた。「結果的に重要な情報でないと判断したとしか考えられない」とも語った。
枝野氏は近く立ち上げる原発事故検証委員会で検証するテーマになるとの認識も示した。首相は官邸がデータを受け取った後の12日早朝に自衛隊ヘリで福島第1原発を視察している。
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