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がれき広域処理に宮城県悲鳴 経費精算複雑「国直轄化を」

 東日本大震災で発生したがれきの広域処理をめぐり、宮城県が経費精算の複雑な仕組みに頭を痛めている。被災市町が1次仮置き場へ撤去した後は県が処理業務を代行するが、精算は市町経由で行うため、県は市町別、がれきの種類別に処理量を把握しなければならない。村井嘉浩知事は「国直轄事業にすればややこしくなくなる」と述べ、国に改善を求めている。

 1次仮置き場から県内5カ所に設置する2次仮置き場へのがれきの運搬、破砕・焼却処理は本来は被災市町の業務だが、今回は原則として県が代行し、業者に委託する。
 処理経費の流れは図の通り。国は全額を国庫負担とする方針で補助金は市町に交付する。県は業者から処理実績の報告を受け、被災市町に経費を請求。市町は環境省に補助金を申請する一方、借金に当たる災害対策債を発行し、県を経由して業者に代金を支払う。
 県からの請求額は市町ごとに異なり、業者がどの市町のがれきをどれだけ処理したか、詳細な把握が求められる。がれきは分別処理するため、木くず、紙、プラスチック、家電など種類別の把握も必要になる。
 県の担当者は「処理実績把握だけで膨大な作業量で、それに職員を割く余裕はない」と悲鳴を上げる。市町の境界線付近のがれきはどうするかなど、業者が戸惑う場面も想定される。
 村井知事は19日の災害対策本部会議で1次仮置き以降のがれき処理は国直轄事業とするよう要請する方針を表明した。20日に上京し、官邸と各省庁に要望書を提出する。
 仙谷由人官房副長官は今月8日、がれき処理の現行制度を見直し、国直轄事業とする方向で検討に入る考えを明らかにしたが、省庁側が難色を示し、立ち消えになろうとしている。
 村井知事は「現在の仕組みは金の流れが複雑で無駄が多く、時間もかかる。経費は国が全額負担するのだから、処理業務も国直轄にするのがベストだ」と話した。


2011年05月20日金曜日


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