「飛行機の席なんてどうでもいい」という事をコメントしてきた輩がいる。

一つ言えるのは、その輩は飛行機に乗ったことすらないんだろうということ。

この人間社会で飛行機のキャビンクラスほど、
あからさまな「クラス分け」がされている空間はないだろう。

まあ一般的ではないけど「クルーズシップ」の船室もそうだけど、
船室の場合、ドアが閉まっていて他人の部屋を強制的にみせられることもない。

国際線だけではない。
アメリカの国内線のファーストクラスにもプリボーディング（優先搭乗）がある。

最初にお乗り戴くのはファーストクラスのお客様だ。

この時点で既に人としての「クラス分け」が始まっている。

プリボーディングしてファーストの椅子にかけて
いると「お飲み物は何になさいますか？」とくる。
赤ワインなど飲みながら機内誌とかを読んで
リラックスモードに入っていると、
コーチクラス（エコノミー）の一般客が入ってくる。

当然子連れの人たちもいるのだが、
そんな中に
「ママ、僕ココに座りたいよ」と言い出す子供をよく見かける。
子供は正直だ。
ママとかパパはちょっとたじろぎながら
「ここはファーストクラス。いつかココに座ろうね」
とか言っている。

ファーストクラスに座る人は
会社でそれなりのポジションにいて経費で落とせる立場にいるか、
自分で金を使えるか、頻繁に飛行機に乗ることが出来て
エリート会員としてアップグレードしてもらえる立場にいる人たちである。

過程はどうでもいい。白黒ハッキリした世界。

前（ファースト）か後ろ（コーチ）かは
歴然としたクラス分けなのである。

日本の国内線には「スーパーシート」というものが存在し
ほんの数千円払えばスーパーシートに座れるが
アメリカの国内線のファーストとコーチの値段の差は数倍違う。
ファーストがガラガラな場合、当日になって「100ドルでアップグレードできます」
とかもやっているが、アメリカの国内線に関しては
マイレージプログラムのエリート会員（一般的に年間5万マイル以上
飛んでいる人）のアップグレードが大半である。

以前アメリカに住んでいた某専門誌の某記者は
「あれほど勝ち組と負け組のハッキリした世界はありませんね」
とまで言っていた。

改めて言いたいが、GHCチャンピオンがエコノミークラスっていうのは
業界全体のことを考えてもよろしくない。

プロレスラーは一般人に夢を与える存在じゃなければいけない。

例えば運動神経抜群でプロレスラー志望の少年ファンがいたとする。
大手自動車で働いていてドイツに赴任となる父親と、母親と妹、家族全員で
ビジネスクラスでフランクフルトに行く際、憧れていたスター選手が
同じ飛行機のエコノミーだったら、ガックリこない？

乗る車もそう。
私の子供の頃に流行ったアニメのタイガーマスク。
伊達直人はカッコいいスポーツカーに乗っていたけど
ようはスターレスラーは金持ちじゃないといけないわけだ。

ノアは看板選手の杉浦選手とかKENTA選手にいくら払っているんだろう。
ポケットマネーでふいっと差額を払ってビジネスクラスに…なんて出来ない
レベルのギャラなわけ？