「大相撲技量審査場所12日目」(19日、両国国技館)
朝青龍に並ぶ史上最多の7場所連続優勝を目指す横綱白鵬が、阿覧を上手投げで下し初日から12連勝を飾った。1敗だった栃ノ心と魁聖がともに敗れたため、優勝争いは後続に2差をつけて独走態勢に入った。2敗は大関把瑠都ら3人で、13日目に把瑠都と栃ノ心の2敗対決があるため、優勝決定は14日目以降になる。
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白鵬が慎重に“クセ者”を退けた。阿覧の突進を受け止め、右四つに組み合う。先に左上手を奪われても慌てず、じっくりと好機をうかがい、左上手を取るや豪快に投げ捨てた。
今場所自身最長となる51秒2の大相撲に、「ちょっと腰を引いた部分がある。見て立った分、長い相撲につながった」。最後は得意の左上手投げで勝負を決め、「ああなれば自分の形ですから」と息をついた。
1敗で追っていた平幕の2人が敗れ、優勝争いは2差がついた。史上最多タイの7場所連続優勝に大きく近づいたが、「自分のことで精一杯」と厳しい表情を崩さず、「引っ張っていけるように頑張るだけです」と力を込めた。
白鵬が12日目を終えた時点で後続に2差以上をつけて単独トップに立つのは7度目で、過去6度はすべて全勝優勝を果たしている。今場所も全勝優勝となれば自身9回目で、昭和の大横綱、双葉山と大鵬を超えて史上最多記録となる。
横綱審議委員会の鶴田卓彦委員長は、場所後に白鵬を特別表彰する考えを披露した。「基本は朝青龍の7連覇を超えた時」としながらも、「全勝で双葉山、大鵬を超えるとあったら(23日の)会合で考える」と明言。白鵬は歴代2位の63連勝を達成した際にも、横綱審議委員会から特別表彰を受けている。
数々の記録を打ち立て、着実に『史上最強横綱』への歩みを進めている。今場所はさらに強さが際立っており、白鵬は「『何だろう』っていうのがある。姿勢というか気持ちが違う」と明かした。全勝で7連覇を成し遂げ、自身の“進化”を証明する。
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