東京電力福島第一原子力発電所周辺の環境調査で、3号機の取水口付近で18日朝に採取した海水の放射性セシウムの濃度は、国の基準の1800倍で、前の日から大幅に上昇しました。
東京電力によりますと、福島第一原発の3号機の取水口付近で18日朝に採取した海水の放射性物質の濃度を分析した結果、セシウム134が1cc当たり110ベクレル検出されました。これは国の基準の1800倍にあたる濃度で、前の日の550倍から大幅に上昇しました。また、セシウム137も1cc当たり120ベクレルと、基準の1300倍に上昇しました。3号機の取水口付近は、今月11日、「ピット」と呼ばれる作業用の縦穴から高濃度の汚染水が海に流れ出ているのが見つかり、海水から基準の3万2000倍の放射性セシウムが検出された場所です。また、先月2日に同じように「ピット」から高濃度の汚染水が流れ出ていた2号機の取水口付近で採取した海水の放射性ヨウ素は、16日の1900倍から、17日はおよそ630倍まで低下しました。一方、沿岸の4つの調査ポイントでは、18日、1号機から4号機の放水口の南側330メートルで基準の1.8倍のセシウム134を検出するなど、2か所で基準を上回りました。東京電力は「放射性物質の濃度が上がっているところもあるが、ここ数日の変動の範囲内に収まっていて、全体的には減少傾向にある」としています。