東京電力は、福島第一原子力発電所の使用済み燃料プールを安定的に冷やすため、冷却装置の設置を前倒しして進めることになり、このうち、原子炉建屋に水蒸気が充満し作業に支障が出ている2号機では、早ければ今月末にも冷却装置が稼働する見通しとなりました。
使用済み燃料プールの冷却装置の設置は、17日に発表された新たな工程表でも3か月程度前倒しして進められることになり、東京電力が1号機から4号機のプールで準備を進めています。このうち、2号機では現在、装置に電気を供給するケーブルの敷設工事が進められており、週明けには実際に水を冷やす熱交換機も運び込まれたあと、早ければ今月末にも稼働する見通しとなりました。2号機の原子炉建屋では、18日、3月15日の爆発以来、初めて4人の作業員が原子炉建屋に入り、放射線の量を計測しましたが、内部には水蒸気が充満していて、14分間しか作業を行うことができませんでした。この水蒸気は、損傷しているとみられる圧力抑制室のほか、使用済み燃料プールからも発生しているとみられていて、冷却装置が稼働すれば原子炉建屋の水蒸気は減少し、その後の作業環境が改善するとみられています。これについて、東京電力の松本純一本部長代理は「2号機は、建屋が水素爆発で壊れた1号機や3号機と違って、屋根が残っているために水蒸気が充満しやすい。プールの冷却を進めれば、建屋の中の水蒸気を減らすことができるのではないか」と話しています。