ログイン

ようこそguestさま
ログインする

今日:43342 昨日:47403
合計:16505424
重たい掲示板


(※旧名:気軽にではなく重たい気持ちで書く掲示板)
[会員(新規・ご継続)のお申し込み] [本のコーナー] [ビデオのコーナー]

[ホームにもどる] [携帯用(工事中)] [過去ログ(工事中)]

[副島隆彦宛メール] [副島文献目録] [84-90] [91-95] [96-00] [01-05]

[旧掲示板]

[投稿する前に]
■■■投稿規定■■■
・この掲示板に投稿するためには、下記のすべての条件を満たし、遵守する必要がある。
【前提条件】
・副島隆彦の本を5冊以上、読んでいる。
【当掲示板への初回投稿時の条件】
・簡単な自己紹介をして、自分の関心あることを限定してみんなに提起する(但し実名投稿である必要はない)。
【副島隆彦に議論を挑みたい場合の条件】
・礼儀正しく、自分の立場や政治思想(思考)を明らかにしてからする。

【投稿後の条件】
・自己が投稿した文章に関して、一切の権利を主張しない(著作権に関しては、市場で利益を生まない文章には始めから発生しません)。




※ログイン後に投稿フォームが表示されます。





[537]放射線医学者・山下俊一長崎大教授を私たちは強く支持します。
投稿者:副島隆彦
投稿日:2011-05-20 05:23:02

 副島隆彦です。 以下の 長崎大学教授で、現在、放射能の健康被害の問題で、原発事故のあとの早い時期から、福島県放射線健康リスク管理アドバイザー に 就任している、長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 研究科長 の 山下俊一(やましたしゅんいち)教授の 現地・福島での 果敢な闘いに、私たち学問道場は、一丸となって、強い 支持をしたいと思います。

 以下の山下教授の 二本松市での 講演のあとの 聴衆との 激しいやり取り(応酬)を読んでいますと、血沸き肉躍(おど)るという感じです。 私は、以下の山下俊一という徹底的に冷静で、かつ峻厳な人格者 の姿に 深く胸を打たれます。 

以下の 受け答え(質疑応答)の中の 山下教授の 次の 

「私の孫を福島に連れてこい、というのなら、そうします」以下の

「・・・・もし私がそれをしたら信じてくれますか?  私 は基本的に被ばく二世で、親戚郎党(ろうとう)みんな原爆で亡くなりました。 親たちの代は 私たちを連れて、みんな汚染された水を飲み、復 興してくれました。広島の方々も一緒だと思います」 

と話している。 この山下教授の言葉に、私は涙が流れる。

 長崎、広島の人たちよ。山下教授と共に、もっともっと本当のことを、現地の福島の人たちに、そして、「放射能こわい、こわい」でヒステリーを起こしている愚か者たちに、どんどん、本当のことを話してやってください。

 この 過剰反応の 放射能恐怖症の 愚か者たちのその扇動者たちを 私たちは、徹底的に 順次実名の名指しで、撃滅(げきめつ)しなければいけないと思います。

 長年の”原子力村”の原発御用学者(げんぱつごようがくしゃ)たち(東電からものすごいカネを、一人当たり、何億円も長年もらって汚れまくっている)とは全く違って、放射線医学、放射線防護学 の 医者たちの ほとんどは、まじめで誠実だ。

 彼らは放射線治療の現場にいるから真実を知っている。彼らは、今も本当のことを言いつ続けているのに、扇動者たちから、まとめて袋叩きにされている。

 彼ら放射線医学者たちを、私たち日本国民が守らなくてはならない。

原発・放射能恐怖症(こわい、こわい派)の 扇動者の愚か者ども。お前たちを、正義の言論戦で打倒してみせる。

 その中でも、特に薄汚(うすぎたば)いのは、長年、原発推進派だったくせにコロリと態度を変えて、今は原発反対派のリーダーになりおおせている愚劣極まりない者たちだ。私、副島隆彦はこの 変節漢(へんせつかん)たちを絶対に許さない。 お前たちが、”波乗りサーフィン”よろしく、コロコロ態度を変えて、次の時代の寵児(ちょうじ)になることを全力で阻止する。 

以下の山下俊一教授の以下の講演会場での聴衆(参加者)との、丁々発止(ちょうちょうはっし)の受け答えに、私は、我がことのように 胸はすく思いがする。

 日本政府 (その実態はバカ官僚ども )自らが、「放射能、こわい、こわい」の風評被害をまき散らすことで、日本国の信用と国力を落としている現状に、私は、大きな危機感を抱いている。 このままでは、日本は没落して、三等国に転落して今う。 この危機を跳ね返して、私たち国民が、団結して乗り切らなければならないと真剣に思います。  

私は、この山下俊一教授の 放射能の人体(生体)への影響の論文を、3月の早い時期に、私たちの会員で、たったひとりで、原発10キロ圏の双葉町、浪江町の 犬猫たち を助けるために、何度も自力で現地に入った 川本さん(女医さん)から送ってもらって読みました。ありがとうございます、  


副島隆彦拝


(転載貼り付け始め)

 副島隆彦さまへ

 さきほど電話でお話しした山下俊一教授のネットの記事です。二本松市 での講演会の質疑応答がまとめられていますが、きわめて適切で誠実な回答ぶりだと感心 しました。  ****から

(以下引用)

●「「100ミリ以下は安全」放射線アドバイザー山下俊一氏に苦言殺到 」

2011年5月6日

 福島県放射線健康リスク管理アドバイザー・山下俊一長崎県大学教授が、就任以降、福島県内のメディアや講演で、「100ミリシーベ ルトは大丈夫。毎時10マイクロシーベルト以下なら外で遊んでも大丈夫」と発言してきたことに対し、3日に福島県二本松市で開催され た講演会で、住民から次々と厳しい意見が飛んだ。
 
 これに対し、山下氏は「今でも100ミリシーベルトの積算量にリクスがあるとは思っていない」としながらも、「(原子力安全委員会か ら)私は多分指導されるでしょう。甘んじてそれを受けなくはいけないと考えます。」と回答した。
 
 また「将来、子どもたちに何か影響があった場合に、責任がもてるか」との質問に対しては、「将来のことは誰も予知できない」とした上 で、起こった病気が放射線のせいかどうかを調査するには、福島県民全員による、何十年間もかけた疫学調査が必要と回答した。
 

 質疑応答(一部抜粋)

質問:先生にも覚悟をもっていただきたい。安全というなら、お孫さんを連れて砂場で遊んで頂きた い。
 
山下:もし私がそれをしたら信じてくれますか? 私 は基本的に被ばく二世で、親戚ろうとうみんな原爆で亡くなりました。親たちの代は私たちを連れて、みんな汚染された水を飲み、復 興してくれました。広島の方々も一緒だと思います。 

 他にチョイスがない、逃げられない人たちはそこで自分で自分の 道を切り開いていったんですね。もちろん、今、住職さんの言われた私への期待は重いほどよくわかります。私がそれに応えて、孫を連れ てきて砂場で遊んで、みんなが信じてくれるのだったら、お安い御用だと思います。私は住職さんとのお約束を守りたいと思います。
 
質問: これまで、福島は安全です。安全ですと言い続けてきたが 将来、子どもたちに何か影響があった場合に、責任がもてますか?イエスかノーでお答えください。
 
山下: 基本的に大切なことは、将来のことは誰も予知できないんですね。神様しかできないんです。 彼の質問に答えるには、膨大な数の疫学調査がいるんです。
起こった病気が放射線のせいかどうかを調査するには、福島県民全員の協力が必要となります。

 正しい診断をし、正しい経過を把握するには、何十年間も必要なんです。数年、5年、10年ではなかなかその結果はでない。そのレベル の話ですので残念ながら、今の質問にはイエスともノーとも答えられません。
 
質問:市政だよりなどに、マスクもしなくても大丈夫だと先生の話が書かれていて100ミリ先生の 言葉を信じて、戻ってきている人もいる。20ミリが最大だ、その下は自己責任になりますところっと話が変わっている。今までが間違っ ていたのか、話して欲しい
 
山下: これがみなさんの混乱の一つの原因だと思います。私は、みなさんの基準を作る人間ではあり ません。みなさんへ基準を提示したのは国です。私は日本国民の一人として国の指針に従う義務があります。

 科学者としては、100ミリ シーベルト以下では発ガンリスクは証明できない。だが 不安を持って将来を悲観するよりも、今、安心して、安全だと思って活動しなさ いととずっと言い続けました。ですから、今でも、100ミリシーベルトの積算線量で、リスクがあるとは思っていません。これは日本の 国が決めたことです。私たちは日本国民です。
 
質問:文部科学省は、先生が100ミリ以下は安全だと言っているということに対し「指導する」と 昨日、テレビで言ってましたよね。
 
山下:私は多分指導されるでしょう。甘んじてそれを受けなくはいけないと考えます。
 
質問:マスクはしなくていいんですか。先生は気休めだと言っている。
 
山下:はい、今の状況はまったくそうです。大気中に放射線ヨウ素はもうありません。ほぼ放射線セ シウム137です。

 衛生上、それをきちんとするということは、子どもたちに注意を喚起する用心するということでは非常に重要だと思います。ですから、私 ともう一人の放射線アドバイザー神谷先生は、しっかりとそのことをご説明していると思います。
 
質問:布団は干しとか、洗濯物を外に干すのは大丈夫か?
幼児に対する日常生活の注意点は?
 
山下:こうした個別の質問、たくさんあると思います。当初は数字が提示されていませんでしたか ら、単純に10μSv/h以下になればそんなに心配はないですよ。1μSv/hだったら全く心配ありませんよ。その間は、明確な結論 が出せずに、話をしていました。

 しかし国は20mSvをもって、3.8μSv/hというのを出しましたからやはり測って、それのレベ ルを遵守するということが重要になります。
私は皆さんとずっとお話して来た当初は、クライシスコミュニケーショんといって危機をいかに未然に防ぐかという話をきてきました。し かし、今日、皆さん方が来てよくわかるように、具体的にどうするか放射線とどう付き合うかということが、皆さんのメインのテーマだと 思います。

 先ほどの質問で「二本松は危険だから逃げろ」というのがありましたがとんでもない話です。今のレベルは全く心配ありません。その保証 を、私の首をかけろというならかけますが、私は子どもたちよりも早く死にます。

 もし文科省が私を喚問するのであれば、私はそれに行かなければならないと思います。ただ伝えたい根拠は理論ではありません。現実で す。皆さん、現実、ここに住んでいる。ここに住み続けなければなりません。

 広島、長崎もそうでした。チェルノブイリも550万人もそ ういう状況で生活しています。そういう中で、明らかな病気は、事故直後のヨウ素による子どもの甲状腺がんのみでした。私はその現実を 持って皆様にお話をしています。ですから国の指針が出た段階では国の指針に従うと、国民の義務だと思いますからそのような内容でしか お答えできません。

 今の環境庁がもし、年間20mSv以下であれば外に布団を干すということもご自由ですし、何もしても自由です。国がその線引きをし ちゃったのです。線引きをした段階でちょっとでも超えると危ない、問題だということに対してじゃあこれをどう考えましょうか。

 ということを私は皆さんと一緒に問おています。お母さんのご心配も十二分に分かります。でも、この二本松で、3.8mSv/h以下で あれば、そこで干そうが子どもを遊ばせようと問題ないと思います。
 
質問:私は学校に勤めていて、文科省が出した3.8mSv/hという基準に悩んでいる。もうヨウ 素はないと言われているが、土壌の検査の結果では、ヨウ素6200ベクレル、セシウムは16900ベクレルある。飯館はホットスポッ トだが、それ以外で見ると中通の線量が高いが線量が非常に高かった3月15日頃、みんな知らずに、マスクさえつけなかった。年間20 ミリシーベルトという指針が出されているが文科省の累積に3月23日までの線量、内部被ばくも入っていない。

 年間20ミリシーベルトになるのではないかと心配だし、その基準にも疑問。山下先生はアドバイスをする立場にいるので県なり、文科省 なり、行政に私たちが安心して暮らせるようなアドバイスをしていただきたい。
 
山下:過去の積算が出されていないというのはまさに仰る通り、3月12日から3月いっぱいのデー タも当然公開されると思います。それを踏まえた上で、20mSvについて安全か、安全でないか議論されます。

 そして今すぐ何ができるかという問題を提言されました。残念ながら、この福島の中通り地区も、みんな汚染をしました。放射線物質が降 り注いだという非常事態にあります。その渦中で、そういう措置をすることがすることが本当に適切か。自分のところだけで済まない、多 くの方々の対応をどう統合していくかということを早急に多分、教育委員会や県、国が対応して回答を出すだろうと思いますのでこれはし ばらくお待ちいただきたいと思います。
 
質問:国の基準に従うしかないというお話をされたのですが、先生は、県を通して国に提案する立場 にはないでしょうか。
 
山下:直接国に話をできます。話をしています。
 
質問:原子力安全委員会の防災対策で示されている基準は10ミリシーベルトというのが一つの規準 なっている。しかし、現在、私達に関しては、屋内退避も退避勧告もない以上、逃げても国からの保障が一切無い。逃げることに対しての リスクを全部自分で背負わなければならない。

 福島市の積算量は10ミリシーベルト超えることが予想されているが、これに対して、屋内 退避の勧告をして、原子力事故に対する保障の対象にすれば、住民の選択肢が広がると思う。それに対して提言はしていただけないか。
 
山下:極めて重要なポイントで、どこまでを原子力災害損害賠償紛争審査会に取り上げるかというこ とになります。精神的な障害と風評被害にみえるということも、当然そこに入ってきます。今後第二次指針の中でそういうの議論がされて いくと思うので、私自身は何もお約束できませんが、自主非難に対する保障というのは重要な問題だと認識しています。
 
質問:現在の規準は20ミリシーベルトですが、原子力安全委員会の今までの取りまとめをみると、 緊急時、高い線量が観察されたとしても、数日中に必ず何らかの手立てが採られるはずだから、これぐらいの規準でかまわないということ がレポートに書いてある。実際、福島原発に関しては、東電のスケジュールをみても6ヶ月から9ヶ月かかるという。原子力安全委員会の 10ミリシーベルトでもかまわないという前提と大きく違うのですが、これに関して考え直す必要があるのでは。
 
山下:これはまさに議論されているところです。私の言える立場ではありませんが、整合性をいかに つけるか、そして説明をどのようにやっていくか、ということがこれからなされると思います。
 
質問:放射線に対する子どもの感受性が高いことから、子どもの安全をいかに守るかということを大 人がまず最初に考慮しなければいけないと思う。空気中に漂う放射性物質は爆発直後に比べて落ちているんが、土に落ちているものも含め て、塵となって吸引する可能性がある。

 塵も水も食べ物も、すべて内部被ばくが子どもに対して重要になってくるわけですが、それぞれの 基準がばらばらに設定されていて、内部被ばくの総合的なリスクに対する提言が何もされていないことに非常に不安がある。
 
山下: これは出来ないですね。内部被ばくを細かく検証することは、それぞれ分けて計算ができない ので、今は出せませんが、唯一チェルノブイリの経験で、いくつかの式が出来てます。理論値です。

 そういうものが、それぞれ複合的なも ののパラメータを入れて、どのくらいってのは計算されると思うのですが、1パーセントから数十パーセントまで非常に誤差があります。 ですからこれをどうにかしてみなさまにお見せするかということに関しては、厚労省、農水省も含めて時間がかかると思います。
 
質問:最終的には100ミリシーベルトを基準にして概算法で、しきい値はないとする考え方と、し きい値以下ならほとんど健康に害がないという考え方という、二種類の対立する考え方がある。しかし、基本的にはしきい値がない考え方 のほうが、リスクを考える上では安全だと思う。テレビに出られる先生方の話を聞いて気になるのは、0.5~1パーセントがんの発生率 が高まるだけと言っているんですけど、それは1000人いれば、5~10人発症するということ。

 確率論から言うと0.5から1という 数字なのかもしれないけど、その5人10人というのは人間。その人間は本来放射線被ばくを受けなければがんというリスクを負わなくて 良かった人です。少なくともリスクがある以上それを排除するのが国や自治体の姿勢だと思うんですけど、それに対して先生は「これくら いの線量だったら遊ばせていいんですよ。

 マスクもする必要ない。」と言っている。しかし、もう少し「守る」ほうの意見を出していただ けると安心だと思う。先生があまりにも「安全だ」と言い過ぎるものですから、それについては異論がある以上一番安全なラインでお話し ていただかないと困ると思う。
  
山下:おっしゃるとおりで、「安全」という言葉を安易には使いません。皆様方に少しでも「安心」 してもらえればということで話をしています…
 
会場:「安全」と「安心」とどう違うの?…

山下:まったく違います。「安全」は誰が見ても安全ということを認知できます。「安心」は一人 一人全部違うんですね。リスクの認知の仕方っていうのは、まったく個人によって異なります。この3.8マイクロシーベルト/hという のが絶対安全域かというと一つの大きな問題。

 これは基準値であって、参考値なんですね。これで一ヶ月過ごしましょうってことで、当然 日にちが経てばこのレベルを下げてくると思うんです。今はしかし、これを採った以上は、これで行動規範をつくる必要があるというふう に考えます。ですからおっしゃるように、防護策をもっと提出していけということですよね。それはもうこれからもずっとされていくと思 います。
 
質問:チェルノブイリの後に、オーストリア政府はオーストリア国民が受けた損失額の見積もりを出 して、空間線量からの被ばくが15%、直近からの内部被ばくが80%と出しましたが、先生はどういった割合で内部被ばくと外部被ばく があると考えますか。
  
山下:今、チェルノブイリの人たちは、内部被ばくと外部被ばくはほとんど無視できるくらいです。 事故直後、1991年から95年、96年の間は、実は内部被ばくの方が少し多かったですね。放射性セシウムというのがずーっと入って ましたから。ただその被ばく線量年間にすると、だいたいレントゲン数枚程度です。これは非常に低い。ミリシーベルトに届かない量であ るので、食べ物と外からの比はなかなか出しづらいというのが今までの見解です。
  
質問:今現在、(チェルノブイリの時の)オーストラリアの見解が適用されたとして、空間線量は 15%と考えて行動したほうがより安心であるといえる。そういうことですか。
  
山下:マイクロシーベルトは内部も外部も含めて出しているんですね。分けられないんですよ。そう いう基準値だと思ってください。ですから安心安全ということではなくて、これそのものがそういう基準であると考えてもらったほうがい いと思います。
  
質問:モニタリングポストで出ているデータは外部だけですよね。考えうる内部被ばくの割合はどう あるべきなのか。今ここの空間線量で被ばくする状態というのは、内部被ばくよりもさらに低いと見積もって、それ以上に被ばくする。足 し算的に被ばくしていく。というふうに考えることがより安全に近い考え方だ、ということには、どう思われますか。
 
山下:環境放射線と人体の影響のパラメータで議論して計算して出しますから、私はこのプロではあ りませんから、簡単に回答できませんが、いろんな考え方があると思います。しかしそれをすぐに肯定することはできません。
  
質問:子どもが転んで怪我をし、傷口から地表に体積した放射性物質を取り込んでしまい、放射線の ゼロ距離射撃にあってしまう。ゼロ距離射撃とそうでないときは、人体への影響が違うわけなんですけど、そのようなケースの話をあまり 聞かないんですけど、これはどうされるべきだとお考えですか。
  
山下:一番わかりやすいのは、原発の作業労働者が怪我をして、汚染地域で皮膚を汚染したという場 合はたいてい洗うと流れてしまいます。血液に入る量はほとんどありません。ですからそういう心配に対してすぐに対応する必要はないと 考えます。
  
質問: 原発の作業労働者に適用された労災の表を見ると、一番低い人で、4ヶ月くらいで40ミリ シーベルトかそんなもんで、骨髄性の白血病だとかなんかで労災を受けてるんです。40ミリシーベルトということ、20ミリシーベルト なら2年ですよね。そこに居続けるならということですが、これについて先生の学者としての見解についてお聞きしたいです。
  
山下: 今のは労災との関係ですよね。これは裁判の事例になりますので、この値についての検討は個 別の症例になりますから出来ないと思います。裁判の結果に従うしかないんだろうというふうに思います。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝





[536]5月16日(月)河野太郎議員の講話
投稿者:原 正寛
投稿日:2011-05-18 23:09:11

原です。
2011年5月16日に開催された、河野太郎氏緊急講演会 「日本は『フクシマ』を乗り超えられるか?」のUstreamアーカイブです。(IWJより)
http://www.ustream.tv/recorded/14745486#utm_campaign=synclickback&source=http://iwakamiyasumi.com/&medium=14745486
 前半1時間ほどに「核燃料サイクル」に関してホワイトボードを用いながら河野議員がとてもわかりやすく解説してくださっています。

 メディアなどでは今後のエネルギー政策の課題として「発電量」「コスト」などを特にあげています。しかしこの「核燃料サイクル」に関しては、あまり扱われていないと思います。
今後原発の問題を議論するうえでは、
「日本が保有している(海外に預けているものも含め)45tものプルトニウムをどうするか」
「高速増殖炉は少なくとも2050年までは稼動しないのに、使用済み核燃料を再処理して毎年8tものプルトニウムをつくる(作ろうとしている)のはどうか」など、「核燃料サイクル」について知ることが必要不可欠だと感じました。
 実際河野議員の話を聞いて、「一貫して反原発(核燃料サイクルに生じる矛盾)を唱え続けている、数少ない議員の1人なんだろうな」と感じました。
 あと、ユーストリームだから流せる内容なんだろうなって思いました。



[535]原発に呼び戻されるときは「赤紙」が来るんだと。
投稿者:川端優美子
投稿日:2011-05-18 21:25:53

群馬のゆみこ(川端優美子)です。
こないだ電話で聞いたんだけど、避難している原発作業員が原発に呼び戻されるときは、封筒も中身も赤い紙の通知が来るんだと。電話の主は、その作業員と避難所で仲良くなって、ちょっと家族みたいな気分になっているから「本当に戦場に送り出すようだ」と言ってたぃな。すこしふざけて「最後の晩餐(ばんさん)だ」っつって、その人だけ一品多くつけて、お酒もつけてやったんだと。その人は「俺、国のために頑張ってくるよ」と言い、周りは「一回行って、帰ってきて、もう行くな」と言ったんだと。



[534]RE:RE;[530]「半減期」について
投稿者:赤馬
投稿日:2011-05-18 08:47:14

六城様

ご丁寧なご教示を戴き、有難うございました。六城様は現場経験が豊富な
方と拝察いたしました。

「よくわかりました」と申し上げたいのですが、恥ずかしながら素人には
完璧な理解まで至っておりません。

  ご例示戴きましたリンクなどにより、勉強いたします。



[533] Re:[530]「半減期」について
投稿者:六城雅敦
投稿日:2011-05-17 13:50:20

赤馬様

慌てて書いたので言葉足らずでありました。
なんせこの掲示板はあとからは修正できませんので。

指数関数のイメージを捉えやすく、発言したつもりでいました。
実際に書き込むときに頭の中で描いていたのはべき関数です。
ビジネスの世界ではロングテールの法則(20:80)の法則というやつです。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%AA%E4%B9%97%E5%89%87

普通に指数関数では
半減期が30年であるので、経過時間をX、その時の線量をYとすると
Y=(1/2)^(X/30)
対数をとって
LogY=-(X/30)Log2

では数値が半減ではなく、Y=3/4になる時間Xは
X=30(Log3-2Log2)/(-Log2)
X=12.4年
最初に半分の半分(75%)に要する時間は15年ではなく12.4年です。
同様に計算して半減期の半分の半分(62.5%)になる時間は20年です。直線で低減する場合との差は3年です。

あくまでも時間の経過30年毎に半分(50%)、半分(25%)、半分(12.5%)・・・となると赤馬さんの考えでおかしくないと思います。

ここからは言い訳です。
半減期が30年ですが、この半減期が短いものはどんどん<えぐれた>グラフになります。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%87%E6%95%B0%E5%88%86%E5%B8%83
(半減期が短い→λが大きくなる)

実際、非破壊検査の現場でコバルト60やイリジウム192といった<人工的な>放射能物質では理論値よりももう少し大きな割合で減少しているという話を聞いたことがあります。
もし実際には30年で1/3になってしまったら、12年ではなく8年程度で25%が消えることになります。
理論と現場感覚の違いですね。



[532]福島の東電・原発ビジネスは綺麗(きれい)事ではありません。 福島の会員からのメールを載せます。
投稿者:副島隆彦
投稿日:2011-05-17 13:46:51

副島隆彦です。 

 私たち学問道場の主要な読み物である「今日のぼやき」の方に、昨日、福島の現地に復興のための活動本部を作りましたことのお知らせを載せました。6月4日(土)、5日(日)に 事務所開きをします。会員は来てください。

以下に載せるメールは、私たちの会員で福島市に在住する人からのものです。世の中の裏側や、かなりの奥深い真実を知っている人です。 甘(あま)ちゃんの キレイごとの表面でしか物事(ものごと)を考えられないような人は、結局、いくつになっても子供さんで、お子様ランチです。

暴力団(やくざ者)と政治、官僚、大企業の裏の繋つながりまで実感で知っていて、それなりに分かって、それで初めて一人前の大人(おとな)です。

福島の原発事故の前からの、現場の原発作業員たち という人々が一体、どういう人たちなのかを、薄ら薄らと皆、わかる。

 どうして彼ら作業員たちが、今も原発の裏の事務所の床や 土間に雑魚寝をして、レトルト食品ののようなものばかりを食べて生きているか、を週刊誌のグラビアとかで見ることになった。 そして皆で驚いたふりをしている。

すべては、手配師(てはいし)と呼ばれる広域組織謀略団と、東電の人事・労役担当の部署が、長年、作ってやってきた「タコ部屋」、「ひと買い」強制労働の実態が大事故のあおりで チラリと表に出たのだ。

 長年やってきた刊行を、急に原発事故で”英雄”にされて、それで、急に原発作業員たちを、立派なベッドで寝せるわけには、東電としてはできないのだ。長年の慣行というのは恐ろしいもので、ちょっとぐらいの大きさのボロ隠しでは、とても覆い隠せない。

「そうでっか。サラ金のカネ600万円、返せない言うのでんな。いいやろ。そんなら ゲンパツに行ってもらおうか。しっかり働いてや 」 というようなものだ。マンガの劇画「難波金融道(なにわきんゆうどう)」の世界そのままの世界だ。

福島原発のひどい労務実態が、どんどん口伝え、ネット伝えで、世の中に噂(うわさ)として広がったので、あわてたのは、厚労省の 労働行政の 労働基準監督署の 幹部どもである。 自分たちの監督責任が問われる、ということになって、あわてて、泥縄で、こういう新聞記事になる。

●「【雇用】 だまして原発で働かせないよう、東電などに要請 厚生労働省  大阪労働局 が 職業安定法違反の疑いで調査」 
2011年5月12日 

という新聞記事だ。役人たちは自分の保身と責任逃れしか考えない。

 こういうことは世の中を実感で生きている人たちなら、全員知っている。それが現実の下層社会に人間たちの世界だ。 きれいごとばかりで世の中を見ていると、勘違いをする若者が出てくるので、本当の実社会というのも、私は教えたい。

○○さん。あなたは仮名でいいですから(他の人はダメです。実名で書きなさい)、今後とも実感のこもった真実の福島を、和たちに教えてください。 お願いします。  副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

From:************
Sent: Monday, May 16, 2011 10:37 PM
To: snsi@mwb.biglobe.ne.jp
Subject: 福島市の****と申します。

副島隆彦さまへ

○○です。 最近、福島市でも地元でやくざがらみの話をよく聞くようになりました。

掲示板に投稿されたの皆さんの安全が心配ですのでご報告します。
私が日ごろ親しくお付き合いしています 今年**歳になる元自民党福島県議会の***だった方から5月始めにお聞きした話です。

 内容は、福島原発立地の話が出た約40年前のことです。元県議が**歳頃でこの人の絶頂期の頃の回顧話です。 当時の福島県知事は木村守江(、きむらもりえ)氏でした。

 あの悪名を馳せた政商の福島交通のドンで、現在も地元ナンバーワンの地方紙の福島民報のオーナーだった小針暦二(こばりれきじ)氏とつるんで、木村知事はやりたい放題をやっていた頃です。全くとんでもない知事でした。

 とはいえ、今の佐藤雄平 知事よりは、人間味があってまだましでした。
小針氏は、栃木県の渡辺美智雄(わたなべみちお、ミッチー)代議士のスポンサーでもありました。ミッチーのの黒幕も、巨万の富を築いた小針暦二氏でした。 余談ですが小針氏の愛人は女優の池内淳子さんです。

 元県議によると、福島原発の作業員たちは、今回の原発事故で現在大変な活躍をしていますが、どうして大活躍するかというと、これは山口組が元締めだからだそうです。

 自己破産で窮地に追い込まれた人や、ホームレスたちを、東電が、山口組を使って恫喝し、原発事故の最先端での仕事を強要しているからだとのことです。

 これは、原発ができた昭和40年始め頃からずっと続いていることだそうです。現場から逃げようとすると殺されてしまうそうです。ですので、本気になって仕事をするとのことです。

私は個人的にはそれなりになるほどなあと思い、納得しています。

 3月11日の大震災では、各地に「神戸」「なにわ」ナンバーの重機、クレーン車が続々と被災地に入ったそうです。目撃者も多数います。

 阪神大震災で培ったマニュアル通り、被災地での強奪の限りをつくしたそうです。3月11日の大震災当時は、携帯電話、固定電話も通じなく、停電でテレビ情報も全くありませんでした。

 私も原発被災で福島市の避難所に逃げて来ていた人たちから話を直接聞きました。 3月12,13日当たりは、大窃盗団がはいってきた(原発事故の情報は当時はありません)ので、自分たちは避難することになったのだと話している人が多数いました。

このあたりのこと私が直接聞いたのでおそらく間違いはありません。
着の身着のまま避難された人の多くは、全くの情報切断状態でえすから、かえって原発事故のことはほとんど知らない人が多かった。

 山口組(らしい)の窃盗団が、福島県にある東邦銀行、福島銀行、大東銀行、相双信用組合やらの各支店の場所を探して、それらの金庫ごと重機を使って根こそぎもっていってしまったそうです。そこからが大変です。

 原発半径20?圏内は、ただちに 一般住民が表向き立ち入り禁止の無法地帯になったので、彼らはやりたい放題になってしまったようです。

 ところで、大熊町、双葉町の住民の7割近くが原発関連業務に勤務し、避難した先の町々の人たちよりも、年収が3倍ぐらいあるということが最近わかってきました。

 地元で頑張って被災者と避難民を助けたボランィアの人たちの年収を聞いて彼ら原発城下町の人たちから小馬鹿にされることも多々起きています。

 大熊町、双葉町、浪江町、富岡町 の住人たちは、今でも東電関連の企業から給与が出ていて、ほかにも漁業権や 定住による裏補償などで1人3000万円ぐらいの収入があったそうです。1世帯4人だと実に1億2000万円になります。

 その人たちが体育館などの1次避難所から、会津磐梯山の温泉街など1人あたり3食付きで1日5000円の補償がある2次避難所に避難しています。

ここからが、頭が痛い話です。
 磐梯山の温泉街の従業員の所得と、避難してきた人たちとの収入は
かけ離れています。
避難してきた人たちのかなりの人が昼間はパチンコ屋に入り浸りで、夕方からは、飲み屋街で飲みまくる、などあまりいい話を聞きません。

 こうなると、避難者たちを精一杯助けてきた私などは、一体何がいいのか、悪いのか全く訳がわからない状況になってしまいました。 失礼します。

****



福島市の ****さまへ

副島隆彦から

 丁寧なメールをありがとうございます。
貴重な真実の情報をありがとうございます。

 遠洋漁業のマグロ漁船に乗るか、ダム現場に行くか(今はもうダム建設はあまりありません)、それとも原発に行くか と暴力団サラ金から聞かれて、それで 原発に来たという 作業員たちがゲンパツにたくさんいるのだ と私も聞いています。

 私が聞いた大阪の人の話では、原発事故のあった日から一週間目の3月19日には、特別仕立ての 夜行高速バスが列をなして、福島からやってきたそうだ。大阪にまで直通で、多くの労働者が福島の原発周辺からやってきて、無料券のサウナのカプセルホテル で 一週間ぶりの風呂に入っていたと聞きました。 

 考えてみれば、これも山口組が組織決定で動かして、仕立てた 緊急の災害、原発救援活動だったのでしょう。自分たちの配下にある労働者たちを急いで救出した、ということでしょう。さすがです。

 綺麗ごとだけの表面の話でなく、こういう裏の話も、私たち学問道場は どんどん書いて発表したいと思います。 しかし、私以外は、書き手がまだ30代の ガキばかりですから、学問道場は、どうしても インテリ・ボンボン風の集団です。 

 それでも、あまり 暴力団(ヨゴレ)たちに近寄ると いいことはない、と私は腹の底から知っていますから、痛い人生の教訓としても、「絶対に あんな連中とは関係を持たない」と決めています。 それは人生を難なく生きる鉄則だと思っています。 

 それよりも やはり、国家暴力団、国家ヤクザ組織である 官僚どもや、警察たちや国税庁 の方が、ずっと きたないし悪いことをしていると 私はずっと考えています。

 ですから生き方がものすごく下手な 落ちこぼれの人間たちが寄せ集まって作ったのが 下層民の 自衛組織としての 自主的な 社会福祉団体 暴力団と言うのだと、私は、ずっと昔に書きました。 」

 そして、彼らの為に 国家がやっている公式の福祉施設の方を刑務所というのでしょう。 この考えの方が奥行きがあると 私は思っています。

 **さんが ここまでなら危なくないと思われるギリギリのことろで、これらの真実の話を どうか重掲に どんどん書いていただきたい。それが出来なければ、私が伏字にして、**さんの文だと分からないように工夫して、重掲に転載しようと思います。 いかがでしょうか。

浪江、双葉、大熊、富岡 の 住民たちの多くがが 東電から落ちてくるカネで、汚(よご)れているのだ、という、あちこちからこぼれ落ちてくる話も、真実である限り、私たちは一切、臆することなく書かなければいけないと私は考えます。 

 日本の下層社会の間でだけ、風評として広がる、「 原発の世話にさんざんなった くせに、今頃になって埼玉まで 逃げて来るなよ。放射能を持ってくるな 」という ひどいコトバも 下層の 人間たちは平気で吐くようです。 そういうことも 隠さないで、書くべきだと、私は思います。

 真実は、多重の構造をしていて、多くの層からなっているのだと思います。それをキレイにまとめようとすると大事なことが隠されて見えなくなります。  私、副島隆彦は、一切の言論規制をするな、すべてを書くべきだ、といつも言っています。

6月4、5日に、都路でお会いできますことを大変 楽しみにしています。  
副島隆彦拝 

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝



[531]福島旅行報告4: 1号機の炉心のフタをもちゃげる でっけぇクレーンが、地震でぼっこれて、ぶっ倒れてるんだと。
投稿者:川端優美子
投稿日:2011-05-16 22:25:30

群馬のゆみこ(川端優美子)です。[516][518][526]に続けて、GWに行った福島旅行報告4をします。5月4日の午後に、原発20km圏内(浪江町など)から福島県内に避難している知人を訪ねました。そこで知人を含め、何人かの避難者(原発で働いていた人もいる)から聞いた話です。

○事実として避難者から聞いたこと

・原発から20km圏内が立入禁止(罰則付き)になる話は、新聞やラジオで初めて知った。役所(県)からの連絡は、そのあとに来た文書のみ。

・浪江町長は原発事故後、へこたれて、鬱病(うつびょう)で入院。最近退院してきた。

・一人が4月23日に町長に会いに行ったが、来客中ということで、面会できなかった。
(これは、「避難区域に指定する権限はその自治体の長のはずだ」と大川さんが言い、では集団で町長に文句を言いに行けば良いのではないかという話になったときに出た話。)

・福島第一原発の1号機は工事も杜撰(ずさん)でボロボロ。2,3,4号機とはぜんぜん違う。

・うまく燃料棒の冷却ができても、そのあとに、重たい炉心の蓋(ふた)を開けて燃料棒を引き抜いて移動させなくてはならない。1号機では、その蓋を開けるための大きなクレーンが地震のときに壊れて倒れている(原発の上に倒れているのだったかな?)。

・今も原子炉の現場で復旧作業をしている作業員から聞いたが、上から「何もしゃべるな」と言われている。

・津波は1号機の5階建てのリアクタービルの2階まで来た。正門までは津波は来ていない。
(海→5mの防波堤→循環水ポンプ→ECCSの燃料タンク→タービン建屋→リアクタービル→すごい法面(のりめん・人工的な斜面)→(ずっと上に)正門)

・タービン建屋の緊急用冷却装置(ECCS)のディーゼル発電機は地下にあり、そこへ入るドアは普通のドアであり、防水ではなかった。燃料タンクは津波で流された。

・「マグナ通信」という会社が電気系統の修理をする仕事をしている。
(これは、こちらの「マグナという会社が入っているか」という質問に答えて。)


○避難している人たちの意見や気持ち

・冷却装置の電源はまだ回復していないので、まだ爆発するかもしれないという不安がある。だから、家に帰りたい気持ちもあるが、原発から離れていたいという気持ちもある。

・1号機の炉心の蓋(ふた)を持ち上げるクレーンが壊れており、クレーンなしでどうやってあの重たい炉心の蓋を持ち上げるのか。代用のクレーンを設置するとしても、建屋が吹っ飛んでいるあのような状態でどうやって代用品を設置するのだろうか。建屋があれば、まだ何とかなる(放射能が外に漏れないように蓋を開けられる)だろうが、建屋も吹っ飛んでしまっているから、冷やした燃料棒の移動をどうやってするのか疑問だ。

・9ヶ月で原発事故を終息させるのは不可能であろう。

・東京電力の社員はたくさんいるのだろうから、避難者を一軒一軒(一人ひとり)訪問して、現状と今後の見通しを説明して回るべきだ。そんなことは常識だろう。

・農作物をいつ植えられるようになるのか知りたい。

・牛のことが心配だ。

・副島先生の「20km圏内に金網を張って、放射性廃棄物処理場にするのではないか」という話を読んで、それは無理だと思った。なぜなら、20km圏内の山や土地、そのほかの財産をすべて東電が買い上げるということは、金銭的に無理であろうから。

・ヨウ素が何ミリシーベルトとか言うけど、ほかの物質がどれくらい出ているのか知りたい。MOX燃料についても不安。そういうことが分からないと、帰れるか帰れないか決められない。

・とにかく腹が立つ。いつ帰れるのか分からないので、いらいらする。


タイトル解説:「1号機の炉心のフタをもちゃげる でっけぇクレーンが、地震でぼっこれて、ぶっ倒れてるんだと。」=「1号機の炉心のフタを持ち上げる大きいクレーンが、地震で壊れて(ぶっ壊れて)倒れているそうだ。」

以上



[530]「半減期」について
投稿者:赤馬
投稿日:2011-05-16 22:08:05

会員番号4513 赤馬と申します。初めて投稿致します。

527 六城様の御投稿中「半減期」のご説明を拝読致しました。

以下引用

放射能の減少(放射性崩壊)は指数関数的に減っていきます。簡単に言えば最初に一気に減って、やがて徐々に減るカーブを描いたグラフになります。
直線で徐々に減っていくわけではなく、あるていど半減期の始めの一割や2割程度の期間でドカーンと減ってしまいます。ですから半減期が30年でも、わずか数年でほぼ半分になることが予想されます。

引用終り

 上記のご説明中「半減期が30年でも、わずか数年でほぼ半分になる」という点がよくわかりません。

 私は、放射能が半分になるまでの期間が「半減期」と理解しています。更にそのまた半分(つまり4分の1)になるまでに同じ期間を要し、以下同様に繰り返すのではないでしょうか。

 従って引例の「半減期30年」で考えますと、90年経過しても初期の8分の1、180年でやっと64分の1に減衰するものと考えております。

 計算上は、値は極めて僅かになってもゼロにはならず、未来永劫に放射能を出し続ける(最初にドカーンと減るのは間違いありませんが)のではないでしょうか?

 間違っておりましたらご教示ください。



[529]河野太郎という若い政治家の優れた 「原子力行政」の文章を載せます。
投稿者:副島隆彦
投稿日:2011-05-16 08:26:10

副島隆彦です。

 皆さん、どうか、この下の「528」番の 原正寛氏が転載してくれた、西村肇(にしむらはじめ)東大名誉教授の今度の原発事故・放射能漏れの大事故の原因の究明についての、決定的に重要な、ユーストリームの 動画を熱心に見てください。そして、何が真実であるのかを、自分の頭でしっかり考えてください。

  そして私が今らか載せますネット上にあった文は、自民党のハト派の、若手(もう若くもないか)の河野太郎 議員(今は、ようやく自民党の執行部入りしている)の文章です。

 彼が原子力行政について、2008年と言う早い時期に書いたものです。 大変優れています。 福島の原発巨大事故が起きてからなら何とでも書ける。今頃になって、原発反対派になって、豹変してまるで、昔から原発反対のリーダーだったみたない顔をしている者たちは、すべて徹底的に過去の発言や書いたものを調べられるべきである。

 私は、河野太郎をやがて日本国の首相にするべきであると思う。これほどの優れた政治家としての頭脳と手腕を持っている人間は、そうそうはいない。やはり、戦後の優れた「全方位外交」の鳩山一郎の若き盟友だった 河野一郎(こうのいちろう)の孫だけのことはある。

 河野太郎はアメリカ留学暮らしが長い。だから凶暴なネオコン派の連中とも深い付き合いがある。しかし河野太郎は決して国を売らない、日米間の厳しい交渉事も徹底してやるだろう。自分が抜擢されたらすぐに売国奴になってアメリカの言いなりになって自己保身に走るような人間たちとは違う。 

 ただ、私が河野太郎に対して、気に入らないのは、山本一太や世耕弘茂(せこうひろしげ)のような、アメリカの為なら違法な謀略政治でもなんでやって来た若手のゴロツキ政治家たちと仲がいいことである。 他にもっともまともな議員仲間はいなのだろうか。

 河野太郎は、中曽根康弘や 森喜朗( 竹下登の“根草忍者40年”の男。暴力団山口組の裏側の本当の大幹部。今の相撲界の賭博騒ぎも森叩きだ)ら、裏側で、日本の自力の核武装(核保有)を、東電の木川田一隆(きかわだかずたか)や平岩外四(ひらいわがいし)たちと密かに実行してきた者たち からずっとひどく嫌われてきた。だから、河野太郎は偉いのだ。彼は本当のことを書く、新しい種類の政治家だ。

 使用済みウランとプルトニウムの再処理による 38トンものプルトニウムを日本政府は隠し持っている。しかし、IAEA(国際原子力委員会)によって、日本側の核保有のたくらみは、ずっと丸裸にバレている。それでも国家目標のために、この愚か者の国民殺しの、タカ派の政治家たちは、ずっとこの青森六ヶ所村での再処理施設を目くらましの表の施設として、やってきた。本当はもっと他の施設でやっている。それらが今度の福島原発事故で、大きく頓挫した。

 それでも、彼らタカ派の政治家たちはまだ、この自力での核保有の道を諦(あきら)めていない。福島第一原発の事故のあとの処理で、どうやら、放射能廃棄物の最終処分場をここに密かに作りそうである。このことが、日本国民にとっての、次の新たなる悲劇なのである。 

 私は、ようやく「 どうして、あんなに、日本政府は、原発事故は3月16日にはもう治まって、もうほとんど放射性物質の拡散、放出はなくなったのに、4月に入ってから、急に、『危険だ、危険だ。今からでも避難しなければいけない。福島県からも避難しなさい、の狂騒、集団ヒステリー状態と、愚か者の専門家と、確信犯の専門家たちを、動員してまでやろうとするのか。

 そうか、大事故をきっかけにして、この福島第一原発に敷地を、核廃棄物のこのまま、最終処分場にしてしまう気だな。だから、20キロ圏内の住民たちを、自分の家に帰らせない(立ち入り禁止の罰則付き)、という 恐ろしい強行策に出たのだ。これで、現地の原発避難民たちにとっての地獄が始まっている。 “原発・放射能まだまだ、こわい、こわい派”の人々は、自分たちが、巧妙に操(あやつ)られて、扇動されていることに気付かないのだ』

 私は、副島隆彦は、このように考えます。 このことは、このあと、すぐに、私の「報告文 16」として、続けて書きます。

 まずは、以下の河野太郎の極めて優れた、一国の指導者としての重責を十分に担えるだけの内容の文章をじっくりと読んでください。これほどの内容のある文をスラスラと書けるのは彼ならではです。 この文を、今度の事故のすでに3年前(2008年6月)に書いていたことに私は驚嘆します。  
副島隆彦拝


(転載貼り付け始め)

 「河野太郎のごまめの歯ぎしり」
http://www.taro.org/policy/saishori2.php から

●「再処理工場の稼働に反対する2」
2008年6月9日

六ヶ所村の再処理工場の稼働に反対する

 六ヶ所村に使用済み核燃料の再処理工場が造られ、この工場の稼働が迫っている。
 問題は、この工場の稼働が本当に必要なのかという議論が極めていい加減に行われてきたことだ。単純に言うと、この工場の稼働を稼働させることなく凍結すれば国民負担は4兆円で済むところを、ひとたび工場を稼働させると(つまり核で工場が汚染されることになると)国民負担は十数兆円にふくれあがる。

 ここでそういう計画だからと議論無しに稼働を強行すれば、年金とグリーンピアのようなことになる(つまり負担が顕在化した時に、なんであのときにそんな馬鹿なことを止めなかったのか、と)。

 再処理工場とは、ウランを原発で燃やした時に出てくる使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す工場だ。

 本来、プルトニウムを取り出して高速増殖炉で燃やす予定だったのが、95年のもんじゅの事故で高速増殖炉の実現が極めて難しくなり、プルトニウムを燃やすことができなくなった。通産省はあわてて高速増殖炉に代わり、プルサーマルという敗戦処理技術(あまりメリットがない)を位置づけたが、これも計画通り進まない。

 ところが再処理だけはヨーロッパに委託したり、東海村で始めたりと先行してしまった。その結果、六ヶ所村の新工場を稼働させる前でもプルトニウム がどんどん貯まり、いまや国内に38トンもある。IAEAの査察費用のかなりの部分が日本のプルトニウムのために使われている。日本国内にあるはずのプル トニウム量と実際の量の誤差(MUFという)が200kgもある。

 プルトニウムは、ウランの何万倍もの発ガン性を持つ極めて危険な物質であり、わずか5kgで核爆弾ができてしまうため警備が大変で、さらにコストも非常に高いというデメリットがある。

 六ヶ所村の再処理工場を稼働させると、さらにこのプルトニウムが貯まっていく。六ヶ所村の工場本体は当初計画で8000億円のはずだったのが、建ててみたら三兆円もかかった。しかもステンレスの溶接という確立された技術を使ったところにひび割れが発生するという問題が起きている。

 六ヶ所村の工場ではジルコニウムとステンレスの配管を異材継ぎ手という新しい技術でつないでいるところが何万カ所だか何十万カ所だかある。動燃の東海村の再処理工場も当初の稼働率は無茶苦茶低かったことを考えると、六ヶ所村の工場の稼働がスムーズにいくとは思えない。再処理した時の総費用は11兆円と言われているが、これも発表の半年前には16兆円と言われていた。

 11兆円という数字は、通産省がでっちあげた原発の発電コストである5.9円よりも高すぎず(高すぎれば再処理を止めろと言われる)、ある程度高く(ある程度費用がかかることにしないと電力会社に国が補助を出せない)という観点から創られた数字なのだ。だから、国民負担がいくらになるかやってみなければわからないというのが現実なのだ。

 2005年といわれる再処理工場の稼働開始を凍結し、再処理が本当に必要なのか、コストがいくらかかるのか、ということを検証し、きちんと合理的に議論してから結論を出すべきだというのが我々の主張だ。原子力発電が、夏場の一時期の需要期を除き必要不可欠でもないということは、去年の原発の全面運転停止でも立証された。

 本来ならば、水素ベースのエネルギー路線に転換するための研究開発や自然エネルギーで本当にどこまでやれるのかという政策転換が必要なのだが、そ れを担当する経済産業省は、自然エネルギーを殺している。自然エネルギーが着実に増加すると、原子力はいらないではないかという議論になっていくことをおそれている。

 電力会社に対して自然エネルギーによる発電を求めたRPSという制度でも異様に低い数値設定をして、しかもその設定が前半は極端に低く、2010年以降は現在、設定がないという新規事業者の参入を阻止するための設定になっている。このため、風力発電に関しては、日本には未来がないような状況だ(風 力発電事業者は2010年以降の需要を示せないために、そこから先の資金手当をすることができない)。

 太陽光発電に関しても、ドイツが80円相当で買い入れるという法改正をして、先頭を走る日本に追いつこうとしているのに対し、日本はまったく逆を行っている。日本の太陽光発電のためのパネルメーカーも日本市場を相手にせず、ヨーロッパ、特にドイツを狙っている。

 競争力のない産業を整理し、新たな産業を興すということが国策になりつつあるこの時代に経済産業という名前を持つ役所が、新規産業の有望な種を省益のために平気で殺している。

 政治は何をやっているのかと言えば、自民党の電力族と経済産業省べったりの政治屋どもは民主党の電力総連の息がかかった議員どもと一緒に、電力の自由化が叫ばれているこの時代に、原子力発電は国策と位置づけようと必死になっている。なぜ原子力を国策と位置づけたいかといえば、国策ならば国が金を出しても当然という議論ができるからだ。

 つまり電力会社は原子力発電を維持しきれなくなっている。原発でウランを燃やした時に出てくる使用済み核燃料の処理ができなくなっているのだ。
 電力会社の経営にとって、原発のバックエンドをどうするかは極めて大きな経営判断になる。電力会社は自分の会社が負担するよりは、血税で尻ぬぐいをしてもらいたい。

 経済産業省は自分たちの政策ミスを表には出したくないし、天下りやらなんやらのおいしい蜜である原子力を維持したい(まさに厚生省の年金と同じだ)。政治家は原発によって地元に落ちる補助金を維持したい。労組は原発による雇用を維持したい。

 ババを引くのは一般納税者、高い電力を買わされる消費者、そして地球環境ということになる。自民党の中でエネルギー問題の責任者を務めたこともある亀井善之農水大臣も、自らの著作の中で原子力はもはや国策ではない、見直しが不可欠だと訴えている。にもかかわらず、与野党の中に暴走する議員がいる。

 グリーンピアの悲劇を目の当たりにして憤慨している納税者よ、今、原子力政策の見直しを求めて立ち上がれ。年金問題で特集を組んでいるマスコミよ、原発の問題の特集を組め。今、動けば十兆円以上の国民負担をストップできる。電力会社、特に東京電力は、自らの都合で六ヶ所村の再処理工場を稼働させたがっている。

 原子力発電所は、運転すればかならず燃やしたウランが使用済み核燃料となって出てくる。日本の原発が抱えている直近の課題は、この使用済み核燃料を貯蔵するスペースが無くなりつつあるということだ。

 とくに東電の福島第二では、この使用済み核燃料の貯蔵スペースが後二年分程度しかない。日本の原発トータルで見ても、今のままならばあと七、八年で貯蔵スペースがなくなる。

 そこで、2010年をめどに、青森のむつに、中間集中貯蔵施設を造ることになっている。ところが、これはあくまでも中間貯蔵であって最終的な処分 では無いということになっている。そのために、六ヶ所村の再処理工場を稼働させることにより、中間貯蔵しているものも再処理してよそへ持っていきますとい うことで、むつの施設を認めてもらっている。だから電力会社は、六ヶ所村の再処理工場を稼働させないと原発の稼働が止まってしまうので、あせっている。

 しかし、再処理工場などにかかるコストを誰が負担するのかということが明確に合意されない限り、この費用は電力会社の経営の命取りになりかねない。原子力発電所はいいことだけではない。使用済み核燃料という核のゴミがどんどん出てきているのだ。

 これを処理する方法は二つある。ひとつは、ウランを燃やした時に出てくる使用済み核燃料、つまり今、原発からでている核のゴミをそのまま処分する方法。

 もう一つは、再処理をしてプルトニウムを取り出す方法。再処理をしてプルトニウムを取り出すと、使用済み核燃料は高レベル放射性廃棄物と呼ばれる タチの悪いゴミに代わる。再処理をするとTRU(トランスウラニウム)と呼ばれるコバルトやストロンチウムよりも毒性が強くしかも半減期が何万年、何十万 年と非常に長い物質が出てくるのだ。

 再処理を推進しようとする経産省などは、再処理をすると処分しなければならない量が減るから(1トンの使用済み核燃料を再処理すると0.7トンの 高レベル放射性廃棄物になる)、処分しやすいと主張する。これは大きな間違いだと思う。

 なぜならば処分すべき核のゴミは三割減るかもしれないが、TRUを 作り出してしまえばTRUそのものの量の何倍もの体積のTRUに汚染された廃棄物が生まれる。処分の難しさは重さではなく体積で決まる。だから重さは三割 減っても、処分すべき体積は何倍にもふくれあがる。

 経産省の見積もりではTRUの処理に8100億円かかる。この見積もりは甘いと僕は思う。再処理工場本体の見積もりが三倍以上にふくれあがったように、このTRUの処理コストも何倍にもなると僕は考えている。

 そして、この高レベル放射性廃棄物の最終処理場所は決まっていない。(六ヶ所村でたしか40年間の中間貯蔵をすることになっているが、その後どう するかは未定である。経産省はその後、数百年間にわたり、地層処分、つまり地中深く穴を掘って埋めると主張している。問題はどこに、ということだ。)

 いずれにせよ、今のずさんな見積もりと国民に対する説明責任もあいまいなまま、再処理工場を稼働させ、再処理をして燃やし方も決まらない大量のプ ルトニウムを取り出して、高レベル放射性廃棄物を最終処分するか、再処理を当面凍結し、使用済み核燃料の中間貯蔵期間を伸ばす方策を考え、その間に再処理 が必要なのかどうかを検討し、コストを精査して、国民的な議論をきっちりとやるかの分かれ道に立っている。


「河野太郎のごまめの歯ぎしり」から

●「再処理工場の稼働に反対する 1 」

2008年6月9日

http://www.taro.org/policy/saishori1.php

六ヶ所村の再処理工場の稼働に反対する

 ウラン鉱山から天然ウランを掘り出し、それを濃縮、加工して、燃料を作り、これを原子炉で燃やしてエネルギーを取り出すのが原子力発 電です。とこ ろが我が国の原子力政策はそこで終わりません。

 原子炉でウランを燃やすと、どうしても燃え残りが出ます。これを使用済み核燃料といいます。このウランの燃 え残りを「再処理」するとプルトニウムがとりだされます。そして、「再処理」で取り出されたプルトニウムを高速増殖炉という特別の原子炉 に入れて燃やすと、理論的には投入した以上のプルトニウムが取り出され、つまり燃やした燃料以上の燃料が生産されるはずです。これを「核燃料サイクル」と呼びます。

 1967年に国の原子力委員会は、この「核燃料サイクル」の実現を国策として目指していくという基本方針を打ち出しました。地下資源 に恵まれない 我が国にとって、原子力発電所の燃料のウランも火力発電所の燃料の石油も海外からの輸入に頼っていることにはかわりありません。

 そして、1970年代のオ イルショックで石油の価格が暴騰すると、国際的なウランの価格もあっという間に跳ね上がりました。輸入したウランからプルトニウムを取り 出し、そのプルト ニウムを使って発電することができれば、燃料コストを引き下げると同時に燃料の安定供給にもつながると考えられたのです。

 ある時代には正しい政策も、時代が変わると合理的ではない政策になるということはよくあります。厚生年金で作った大規模保養施設グ リーンピアなど がその良い例です。そして1960年代から1970年代にかけては合理的な政策だった「核燃料サイクル」もその後の環境変化によって、誤った政策になって しまいました。

 1970年代には比較的埋蔵量が少ないと思われ非常に高価だったウランでしたが、2003年に発行されたハーバード大学のレポートに よれば経済的 に採掘が可能なウラン資源は原子力発電が急成長しても100年分以上あるといわれています。1970年代のウラン価格に比べ、最近の価格は非常に安くなっ ていて、プルトニウムを取り出す方がよっぽどコストがかかることになりました。

 つまりコストや安定供給の面からは「核燃料サイクル」の必 要性がなくなった のです。もっと困ったことに、プルトニウムを燃やすための高速増殖炉とよばれる原子炉が、計画から三十年たった今も実現していないのです。ナ トリウム漏れ の大事故を起こした「もんじゅ」は、この高速増殖炉の実験のための原子炉でした。三十年前に三十年後の技術と言われた核燃料サイクルは、三十年たった今、 やはり三十年後の技術なのです。

 プルトニウムは危ない物質です。同じ核物質であるウランなどと比べてもその毒性は飛び抜けています。そして、プルトニウムは核兵器の 原料であり、IAEA の厳重な監視下におかれています。

 最近、北朝鮮がプルトニウムを使って国際社会に揺さぶりをかけていますが、北朝鮮が入手したプルトニウムの量は約5kgと言われてい ます。それに 比べてこの三十年間、核燃料サイクルの実現を言い続けてきた我が国はずっとプルトニウムを溜め続けてきました。今や、日本が所有するプルトニウムは、38 トンを超えています。かたやキログラム、かたやトンです! 

 IAEAは、毎年その査察予算のかなりの部分を北朝鮮ではなく日本が保有する プルトニウムを査 察するために使っているのです。

 「もんじゅ」計画が頓挫して、プルトニウムを燃やすことができなくなったため、経済産業省と電力会社は、大あわてでプルトニウムをウ ランと混ぜて ふつうの原子炉で燃やすために「プルサーマル」という計画を立案しましたが、この計画もまだ実現していません。仮にプルサーマルの原子炉が一基稼働して も、38トンのプルトニウムを燃やすのに、35年かかり、発電コストはウラン発電の約四倍になります。

 ウランの燃えかすからプルトニウムを取り出すことにコスト的なメリットもなくなり、しかも、国内にはこの危険なプルトニウムが余って 処分ができなくて困っているというのに、なんと三十年前の計画に沿ってプルトニウムを取り出そうという計画が着々と進行しています。

 青森県の六ヶ所村にプルトニウムを取り出すために当初予算七千億円、完成してみたら二兆円のコストで「再処理」工場が完成しました。 この再処理工 場からは年間5トンのプルトニウムが生産されます。時々、日本は核兵器を作るのではないかという話が海外からありますが、疑われるのも無理ありません。

 再処理工場にかかる費用は莫大です。再処理工場を計画通りに稼働させるコストは13兆円です。厚生年金で作られたグリーンピアが大き な問題になり ましたが、グリーンピアとそのほかの年金福祉施設にかかった費用をすべて合計しても、数千億円の単位でした。それに比べて、再処理工場にかかる費用がいか に大きいかよくわかると思います。

 しかも、この数字には大きな疑問符がついています。この十三兆円という数字は、半年前にはもう少し高かったのです。費用負担が多いと 言われること を恐れた関係者が鉛筆をなめて数字を下げて作った数字だといわれています。それを裏付けるように、工場の建設費用が当初七千億円と見積もられていたのに、 完成してみたら二兆円、つまり約三倍の誤差があったのです。この調子でいったら三十九兆円の国民負担になりかねません。

 しかも、この再処理工場は稼働前からトラブルが続いています。既に確立された技術であるはずのステンレスの溶接部分ですらひび割れす るという事故 が起きています。そして、この再処理工場ではジルコニウムとステンレスの異材継ぎ手という全く新しい技術が何万カ所にも使われていて、関係者ですら何も問 題が起きないとは思っていないのです。

 この再処理工場は、本格的に稼働させる前に、ウランを使ったテスト、そしてプルトニウムを使ったテストを実施することになっていま す。今年中にで もテストを開始したいと関係者は公言しています。しかし、一度プルトニウムを使ったテストが行われてしまえば、この工場全体がプルトニウムで汚染されてし まいます。

 そうなってから核燃料サイクルを見直して、やっぱり再処理をやめようということにしても、核で汚染された工場を解体するために は兆の単位の莫大
な費用がかかります。なぜ、十兆円を超える莫大なコストをかけて、当面必要のないプルトニウムを取り出すこの再処理工場を稼働させなくてはならないので しょうか。なぜ、三十年前に立てた計画を変更し、再処理を中止することができないのでしょうか。

 余っているプルトニウムのこと、六ヶ所村の再処理工場のこと、あるいはそれに伴い国民負担が少なくみても十数兆円もかかるということ を初めて聞く方も多いと思います。年金問題に匹敵するようなことなのに、何でニュースで聞いた覚えがないのだろうと思いませんか。

 マスコミはみんなこの問題に気がついています。しかし、新聞もテレビも報道してきませんでした。なぜならば、電力会社が莫大な広告宣 伝費を使って いるからです。電力会社の広告はマスコミにとって大きな収入源になっています。だから、公に発表されるような事故でもない限り、原子力の政策に関する報 道、とくに国の政策に異を唱えるような報道はマスコミはそろって避けているのです。

 経済産業省はいまだに核燃料サイクルの実現を至上の命題とした政策を遂行しようとしてあらゆる手だてを尽くし、挙げ句の果てには原子 力発電の邪魔 になるような自然エネルギーを徹底的に妨害し続けてきました。(つまり太陽光発電や風力発電が増えれば、原子力発電はいらないではないかという声があがる のを恐れているのです)

 与党の政治家は電力会社と経済産業省に鼻薬をかがされ、野党の政治家は電力会社の労働組合から様々な支援を受けているためにモノが言 えません。

 電力会社にいたっては、もっとひどい理由です。日本の原子力発電所は、それぞれの発電所の中にプールを作り、ウランを燃やした時に出 る使用済み核 燃料を貯蔵しています。しかし東京電力の福島第二原子力発電所では、あと一、二年でこのプールが一杯になってしまいます。

 貯蔵プールが一杯になれば、それ 以上ウランを燃やすことができませんから必然的に発電所を止めなければならなくなります。福島の次は中部電力の浜岡発電所、九州電力の玄 海発電所、そして北海道電力の泊発電所と次々にこの数年間で使用済み燃料の貯蔵プールが一杯になるために発電所が止まってしまうという事態に直面しつつあります。

 そこで、電力会社は六ヶ所村の再処理工場の近くに使用済み核燃料の貯蔵プールを作り、もし福島第二のプールが一杯になれば、六ヶ所村 のプールに移 動しようとしているのです。 ですから電力会社にとって、再処理工場本体が動くかどうかは問題ではありません。再処理工場に付属した貯蔵プールが使えれば 良いし、使えなければ後一、二年で原発停止という事態になってしまうのです。

 電力会社の中にもそれはおかしいと思っている人がいます。経済産業省の若い課長クラスにも核燃料サイクルは止めるべきだと思っている 人がいます。 自民党の中にも河野太郎のように声を上げている人間はいますし、他の党にも同調する声がないわけではありません。マスコミの中にも再処理工場にまつわる取 材を綿密にやる記者もいます(ただ、異動させられました)。

 でも、自民党でも野党でも、経済産業省でも電力会社でもマスコミでも真ん中に座っている人間たちは目と耳をふさいでじっとしているだ けです。そして国民負担が十兆円を超えます。これって、国家規模の陰謀以外の何物でもないと思いませんか。

(河野太郎 ごまめの歯ぎしり 第二十三号)

http://www.taro.org/policy/saishori2.php から

●「再処理工場の稼働に反対する 1、2」

2008年6月9日


(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝



[528]西村肇教授講演続編(5/14撮影)
投稿者:原 正寛
投稿日:2011-05-15 11:31:45

原です。
世間は大きく言えば「原発危ない危ない」が大多数ですが、私自身はどうしても腑に落ちません。
再度西村肇東大名誉教授の動画を見て勉強しようと思いましたら、続編がでていたようですので、こちらに転載させていただきます。
『続 理論物理計算が示す福島原発事故の真相』
http://www.ustream.tv/recorded/14674639

Video streaming by Ustream
西村先生の理論が違うと思うのであれば、マスコミであれ有識者であれ「反論」していただきたいのに、完全に「黙殺」「無視」されているように感じます。
 ある時期から「マスコミを信じないひとびと」も「マスコミ」も同調する意見が増え、小出裕章助教(京都大学原子炉実験所)が「異端の学者」として結構取り上げられてます。
 小出助教を否定する知識を持ち合わせておりませが、しかしマスコミが真実を言うとはこれぽっちも思っておりません。

 もう20km圏内に入れないですから、情報はすべて牛耳られています。どのようにでも操作できるといっても過言ではないと思います。

 別件ですが25日(水)19時~「若者討論会」を開催いたします。「モノ言う国民」が増えないかぎり、根本解決にはならないと考え行動いたします。
テーマは「原発です」。
詳細は「ネットメディアと主権在民を考える会」ホームページをご覧ください。http://www.netshuken.info/







※以下のフォームから自分の投稿した記事を削除できます。
■記事No ■削除番号