約3週間ぶりに練習に合流した闘莉王=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのDF田中マルクス闘莉王(30)が18日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで、約3週間ぶりに練習に合流した。先月29日の川崎戦(瑞穂陸)で右足太もも裏肉離れを起こして戦線離脱したが、この日は午前、午後合わせて約3時間のハードメニューを消化。21日の柏戦(豊田ス)に向け、テンションが上がってきた。
首位を走る柏との対決に、間に合いそうな動きだった。「まだ分かんない」と闘莉王は慎重だったが、体は正直だ。4対4のミニゲームの終盤、磯村に迫力満点のタックルを見舞って、試運転は上々だった。
体が悲鳴を上げたのはJ再開2戦目となった川崎戦の前半。「体がよく動く時ほど、ピリッとくる」という筋肉系の故障だけに、様子を見ながらの再発進。指示の声も全開ではなかったが、攻撃練習がうまくいかなかった時に「あんまり、イライラさせるんじゃないぞ」と低く抑えた声を発すると、張り詰めた空気が漂った。
チームは開幕から5試合で勝ち点5と低空飛行。それでも闘莉王は、可能性を信じている。
「いい練習ができた。きょうみたいに集中して練習していけばいい。当たり前のことをやれば、いい試合ができるんだから」
午後の攻撃練習では、積極的にゴール前へ仕掛けるコンビネーションの確認。横パスが多くなっている現状打破へ、最後尾から組み立てる闘莉王は、調子が上向く気配を感じていた。
日本代表の南米選手権辞退が決まり、ブラジル生まれの闘莉王は「残念だね。選ばれるかは分からないけど、子どものころからあこがれていた大会だったから」と話した。楽しみの1つが消えたが、今は柏戦復帰に向けて集中する。練習はあと2日。家庭の事情で試合前日の20日に再来日するストイコビッチ監督のゴーサインを待つだけの体に整える。 (木本邦彦)
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