古巣・柏戦に向けて調整する玉田(右)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのFW玉田圭司(30)が古巣の進撃に待ったをかける。21日の柏戦(豊田)に向け19日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで約2時間、攻撃練習を行った玉田は、首位を走る柏に「このまま乗せるわけにはいかない」と、先輩ストライカー・北島との対決も注目を集める戦いに、気持ちを高ぶらせた。
古巣との対戦はいつも特別な思いがあるが、柏が首位を走っているとなれば、譲れない気持ちは一層、高まってくる。
2005年まで在籍した柏の好調ぶりに、玉田は「攻撃的で、いいチームというイメージがある。でも、このまま走らせるわけにはいかないからね」と息巻いた。
好調なストライカー対決は、ポイントの1つ。4得点でJ1トップタイの柏FW北島は、玉田の2年先輩で、99年から4年間、柏で一緒にプレー。「プライベートでよく面倒みてもらったし、ツートップで出た時も、いいコンビでやれた」と玉田は振り返る。北島はエースとして活躍した後、03年に清水へ移籍。引き継ぐように、玉田がエース格として台頭した。現在3得点の玉田は「まだ序盤だし、気にしてはいない」と先輩との得点王争いには無関心だが、J1復帰1年目で勢いづく柏に、前年度王者としての意地をのぞかせた。
感傷的になっている余裕はない。連覇を狙う今季、グランパスは過密日程で故障者が続出して 停滞が続いている。玉田は故障明けの川崎戦で2得点したのに続き清水戦でもゴールを決めたが、絶好調という自覚はなかった。「試合終盤はいつもキツくなるけど、そこで足が動くようにならなければ」と自己分析。UAE遠征から外れたのを機に、ダッシュを中心に、体力強化に力を注いできた。
チームが中東から帰国して3日後の甲府戦(15日・中銀スタ)は完敗したが、今回は中5日と久しぶりに戦術面を修正する時間もできた。玉田は「いい感じで準備ができている」と連係を深め、充実した表情。
「言葉で何か言うより、やるしかない」。柏戦もケネディ欠場が濃厚。玉田は自分に求められる責任をかみしめるように、低迷打開に向かう。 (木本邦彦)
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