IMF専務理事の暴行事件は実に奇怪

国際通貨基金（ＩＭＦ）のストロスカーン専務理事が性的暴行容疑で訴追されました。６２歳の彼はプロフィールもよろしく、次のフランス大統領の最有力候補でした。ＩＭＦの任期も７月に迫っている中、あわただしいニューヨークへの出張中のこの事件はある意味奇怪でミステリーチックな部分も残す格好のゴシップネタになりそうです。

タイムズスクエアのそばのフランス系高級ホテル「ソフィテル」に滞在中、ストロスカーン氏は昼頃にシャワーを浴びていたところ、誰もいないと思って入ってきた３２歳のメードに素っ裸のストロスカーンが襲い掛かってきたというのがストーリー。その後、あわてて部屋を出たが携帯電話をベッドの上に忘れていきました。

ミステリーはまず、１２時半にニューヨークにいる自分の娘と食事の約束がありフロントでチェックアウトのサインをきちんとしていることから本当に彼だったのだろうか？という疑惑。それとメードが入ってきたというけれどストロスカーンほどの大人物の部屋にチェックアウト前にメードが入るとは考えられないし、ストロスカーンも部屋の内側からカギを閉めていなかったのか、という疑問が残ります。

本人は無罪を主張しているものの保釈金１ミリオンドルの提示も却下され、本人はジェイルの中。真相はいまだ闇の中です。ストロスカーンの年収は４０００万円近くで夫人のアンシンクレアは最も高給な元テレビジャーナリストでした。それほどの収入、名声、地位等を持つ彼がホテルのメイドに手を出す行為は奇怪という言葉しか出てきません。

欧米では時としてとてつもないセックススキャンダルが起こります。いや、案外どこでも起きているのかもしれないけれど有名人だから取り上げられるのかも知れません。クリントン元大統領だってそうでしたよね。

もしもこの事件が事実だとしたら有名人だろうが、名声ある人だろうが、人間が人間の理性を抑えられず本性を表した行為であり、血気盛んな欧米の人にありがちな理解不能事態と解釈すべきでしょうか？

が、一方でストロスカーンがはめられた、としたらこれは緻密な計画が裏に潜んでいることになります。

ストロスカーンは世界金融では世界銀行と並ぶ最高峰、ＩＭＦの専務理事です。欧州危機の際も彼の名前が新聞紙面から出なかった日はありませんでした。その世銀のトップはいつもアメリカ、ＩＭＦは欧州から出ることが暗黙の了解になっています。もしもこの辺に揺さぶりを掛けようとする策略があったとすればこれほど恐ろしいことはないでしょう。

時に、欧州はギリシャのデフォルトの危機、ポルトガルもかなり詰まってきています。欧州経済の沈静化には程遠い状況でしたので彼の任期をわずか一月ちょっと残すだけのこの時期にこんなばかばかしい事件が起きたとすればフランス人にとって青天の霹靂であることには違いありませんね。

僕は今回の事件を単なる暴行事件として聞き流すにはちょっと引っかかりがありすぎます。
真相の解明が待たれます。

・IMF専務理事の暴行事件は実に奇怪 - 外から見る日本、見られる日本人（2011年5月17日）
・ここヘンJAPAN - 公式サイト

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