産経新聞ファンクラブ「ウェーブ産経」大阪事務局

「田辺大根を味わう」を開催しました。

  101115tanabe01.jpg なにわの伝統野菜を、ゆかりの地で食べて学ぶウェーブ産経のイベント「田辺大根を味わう」が15日、大阪市東住吉区山坂の法楽寺で開かれました。会員約100人が参加し、田辺大根を使った特製弁当を味わい、保存普及活動の現状などを学びました。

 この日は、地下鉄谷町線の田辺駅に集合し、まず向かったのが、田辺大根を完全無農薬栽培している田辺小学校です。同小では校庭の畑を土作りから進め、肥料は学校給食の残飯を活用しEM菌で作ったボカシを使うとか。9月末にまいた田辺大根がすくすく育ち、虫食いのない葉が子どもたちの努力を伝えています。

101115tanabe2.jpg 近くの「模擬原爆投下跡の碑」を経て、訪ねたのが「うどんや風一夜薬(かぜいちやくすり)本舗」の本社。戦前の大阪では、うどん屋に同社の薬が置いてあり、熱々のうどんとこの薬でひきはじめの風邪なら治ったそうです。同社ではしょうが湯を振る舞ってもらい、サンプルもいただきました。隣には住吉大社の神馬の飼育を、代々この地区で行ってきたことにちなむ「神馬塚」もありました。少し歩いただけですが、田辺地区の歴史の古さや奥深さを感じさせ、思わぬ勉強になりました。

101115tanabe3.jpg 到着した法楽寺は「田辺のお不動さん」として親しまれている古社で、樹齢800年以上という大楠(府指定天然記念物)は見事です。本堂で小松庸祐住職の読経を拝聴してホールへ。小松住職は平重盛が創建したという同寺の由来や、12月の「終い不動」の日には、田辺大根炊きを振る舞っていることなどを紹介してくれました。

101115tanabe4.jpg 次いで、都市化などで畑が消滅し“まぼろしの野菜”となっていた田辺大根を10年前に“再発見”し復活に尽力してきた農学博士の森下正博さんが登場。「薬味に使えるような辛さで肉質は緻密」「法楽寺の横門周辺で盛んに栽培されていたため“横門大根”とも呼ばれた」などと解説してくれました。

101115tanabe5.jpg お待ちかねの食事は、風呂吹き大根と「特製・田辺大根となにわ伝統野菜の旬彩弁当」。弁当のおかずは▽鰤(ぶり)大根▽田辺大根サラダ▽門真蓮根梅揚げ浸し▽田辺大根と鶏ささみの和え物▽干し田辺大根の旨煮-など多彩で、大根の魅力を存分に堪能することができました。

101115tanabe6.jpg 食後は、道中を案内してくれた「田辺大根ふやしたろう会」世話人の吉村直樹さんが、地域の人に種を配って育ててもらい、収穫期の12月には品評会を開くなど活動を紹介。地元菓子店・松屋の「郷土銘菓 田辺大根」や、同・パティスリーランの「田辺大根ロールケーキ」が配られ、全員に田辺大根のプレゼントもあるなど、充実した内容に会員のみなさんも満足した様子でした。
 

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