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◆安藤美姫 落ち着いて臨んだものの、ミスの許されない日本勢SP1番バッターは、ジャンプを3回転ルッツ+2回転トーループと確実性を選んだ。3つのジャンプ要素は、ほぼ完璧。スピンの回転の安定と独創性、そこには大人のしっとりとした仕草に自信が加わり、スローテンポの曲に合わせてのステップ。いつもと少し違う流れの中での演技に、「うぅーん!」と観客はうなり、うっとり! 好スタートの1位、シーズンベストもうれしい。今シーズンは全試合(5試合)パーフェクトの演技。シーズンを通して大人の完成されたポジションと美しさが目を引き、後半ビシビシ決まる5連続ジャンプは大きな得点源だ。欲を言えば、もう少しスピードとつなぎのステップは必要だと思うが、実力を充分発揮出来た大会。強さを示して堂々と優勝した。世界で4人目の200点を超えた得点からも、精神的にも落ち着いてきている。また、女性としての魅力も感じられる。一歩成長したスーパー・スケーターの貴重な存在を、日本のフィギュア界も世間も認識を新たにするべきだろう。
◆浅田真央 SPはトリプルアクセルの着地が両足になり、リズムも崩れた。単独3回転ループは合格点も、ジャンプコンビネーションの最初の3回転フリップのタッチダウンと、まだまだジャンプは練習が本番につながらないところ。スピンのポジションはオリジナリティがあり、ならではのものは生き返っていた。全体を通じて、要素と要素のつながりが少し欠けているようにも見える、今一つの流れとスピードが欲しい。一歩ずつ向上して来たとはいえ、まだまだで、演技には「薄紙が掛かっている」思いがした。翌日のフリーではウォームアップで目を引き、少しずつ蘇(よみがえ)ってくる感じがした。トリプルアクセルもクリーンで降りる回数が増えた。ジャンプの難度を少し落としてのプログラム構成は、自信を付けていけるようにとの配慮だろう。随所に振り付けを手直し、ポジション、ステップが中々良い。スピンは彼女の華麗さが映えていて、とても素敵だ。妖精から大人の女性に変わりつつある魅力が氷上に出始めて、再生されつつある彼女に新しい息吹が感じられる。プログラム構成点はわずかながら安藤を上回った、これも復活の証だろう。
◆長洲未来 最初の3回転ルッツ+2回転トーループのコンビネェーションは、SPでは最も大事なジャンプだが、3回転ルッツで回転不足の軽いタッチダウン。続く3回転フリップでは間違ったエッジの踏切での減点になったが、他の要素は合格点で評価の加点を貰い、2つのジャンプのミスを払しょくした感じ。残りの要素は勢いのあるジャンプ、スピンときちっとしたポジションで演技。2つの曲の組み合わせも、それぞれの曲調の特徴を生かすプログラム構成も自分のものにしていて、好感が持てた。3位レイチェル・フラットに続き4位で米国勢が上位に来た。フリーは、3回転フリップの間違ったエッジの踏切以外は全部、技術評価点の加点の嵐。曲の中で途切れない演技にジャンプも流れがあり、久々に生き生きとした姿を見ることが出来た。最初の3連続ジャンプが2連続となり、それを後半リカバーし、ミスのないようなジャンプに切り替え3連続を遂行。彼女の機転の良さも出る余裕に、全米選手権敗れ世界選手権の切符を逃した悔しさを学習して来たのだろう。曲のアレンジも相乗効果になり、良さが出た演技で、銅メダルに輝いた。
◆鈴木明子 いつもの調子が出ない大会だった。SPの冒頭はスピード感はありこのまま行けると思ったが、3回転フリップで間違ったエッジの踏切と回転不足の大ミスで、減点3を付けるジャッジがいるほど印象の悪い出だしとなった。ジャンプに流れが見られず、後半になりようやく演技が戻って来たが…。6位と出遅れた。フリーではジャンプの正確さに欠け、まとまったプログラムの感じがなく、プツプツと途切れる感じが見られ「屋根の上のバイオリン弾き」の曲想を演じ切る良さが発揮できなかった。やはり、世界選手権出場に出場出来ないと言う気落ちからだろうか?
この大会で世界選手権出場の美姫と真央、それぞれに課題は見つかっただろう。美姫はほぼ完成に近いと言えるが、3+3+3(3連続3回転ジャンプ)を試みる手はあると言う。ならばさらに、つなぎのステップを効果的に使う努力が課題だろう。真央は確実なジャンプと、回転不足にも注意が必要だろう。さらに流れの中での要素が、演技構成点を今一つ上げて行くということだと思う。日本に来るだろう(世界選手権出場)と思っていた長洲の不出場で、もしかしたら日本勢初の表彰台独占になるかもしれない。試合と言うものは何が起きるかわからないが…。これで世界選手権に希望が持てる。それぞれ違う個性を持ち合う2人、美姫&真央の対決も楽しみだ。
(2011年3月1日18時17分 スポーツ報知)
1946年7月4日、東京都生まれ。立大卒。選手時代はシングルとアイスダンスで活躍し、全日本選手権ダンス部門2連覇。現役引退後は日本スケート連盟で選手強化を手掛け、長野五輪からトリノ五輪までフィギュア強化部長を歴任。また、国際審判員とレフェリー資格を持ち、五輪をはじめ多くの国際試合でレフェリー&ジャッジも務める。
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