2011年3月22日 20時0分 更新:3月22日 21時3分
高木義明文部科学相は22日、セ・リーグが29日に公式戦を開幕するとした決定を受け、日本野球機構(NPB)に改めて4月中の東北電力・東京電力管内でのナイター開催自粛などを要請した。この日、文科省にNPBの方針などを報告に訪れた加藤良三コミッショナー、セ・リーグの新純生、パ・リーグの井上智治両理事長に伝えた。これを受け、セ・リーグは24日に臨時理事会、NPBは26日に12球団の臨時オーナー会議を開催し、対応を協議する。
高木文科相は、セが両電力管内で4月上旬にナイターを行う予定であることを「いつ一斉停電が起きてもおかしくない。計画停電も実施している中で、ナイター開催は国民の理解を得られない」とした。さらに「セが千葉ロッテの球場を使用するとかも考えてほしい」と、セ・パの枠組みを超えた取り組みを求めた。
加藤コミッショナーらはこの日、経済産業省と蓮舫節電啓発担当相にも報告した。蓮舫担当相はNPB側との会談後、パについては「相当考えていただいた」としたものの、セに関しては「今の電力供給量や選手会の思いをくみ取っているとは到底思えない」と批判した。
一方、加藤コミッショナーは3官庁への報告後に東京都内で会見。「野球を超えた問題になっている。この国難に(プロ野球が)どうするかだ」と話した。セ・パ同時開幕とする可能性については「考えているが(両リーグの)意向を考えないといけない」と話した。
今季のプロ野球は25日に両リーグ同時開幕の予定だったが、パは楽天の本拠地・仙台市が被災したため、開幕を4月12日に延期。さらに21日の臨時オーナー会議で4月いっぱいは両電力管内でナイターを開催しないことを決めた。一方、セは19日の緊急理事会で開幕を29日に延ばし、照明を減らした試合を行うなどの節電対策を打ち出したが、ナイターは4月5日から実施するとしている。【鈴木篤志】