福島第1原発:2、5号機通電 冷却回復準備へ

2011年3月20日 19時51分 更新:3月21日 10時40分

福島第1原発=2011年3月16日(東京電力提供のビデオから)
福島第1原発=2011年3月16日(東京電力提供のビデオから)

 東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発で、政府や東京電力は20日、放水や電源復旧の作業を続けた。2号機と5号機は外部からの送電線を通じて受電を再開した。原発の運転を監視する中央制御室の稼働や冷却機能の回復への第一歩だが機器は損傷しており、復旧は不透明だ。3号機では原子炉格納容器内の圧力が一時急上昇した。枝野幸男官房長官は20日、「(放水で)一定の効果を上げているが、予断を許す状況ではない」と語った。

 2号機への通電は20日午後3時46分に確認され、その後5号機でも復旧した。2号機の北西0.5キロの放射線量は19日午後2時の毎時3443マイクロシーベルトから20日午前8時半に同2625マイクロシーベルトに減った。

 非常用発電機で電力供給中の5、6号機では、使用済み核燃料プールの水温が40度前後に下がった。格納容器内の水温も100度未満の「冷温停止状態」になった。

 3、4号機では建屋外の電源ケーブル敷設は22日ごろまでかかる見通し。3号機では19日、仮設電源をつないで圧力容器周辺の温度を測ると、通常運転時よりやや高い380~390度と判明。東電は同日午後、圧力容器への注水量を2.2倍まで増やし、温度は下がったが、周囲の格納容器内の圧力は1.6気圧から20日午前に3.4気圧に上昇した。炉の安全性が懸念され放射性物質を含む蒸気を大気中に放出することが検討されたが、その後圧力は下がり、作業は見送られた。【江口一、酒造唯、小山由宇】

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