東日本大震災:栃木、群馬のホウレンソウからも放射性物質

2011年3月20日 17時14分 更新:3月21日 9時11分

 福島県内の原乳や茨城県産の露地栽培のホウレンソウから食品衛生法に基づく暫定規制値を超える放射性ヨウ素が検出された問題で、栃木県と群馬県が20日夜、露地栽培されたホウレンソウなどから放射性物質を検出したことを明らかにした。東京都内に出荷された千葉県産春菊からも放射性ヨウ素を検出。各県は健康への影響を否定しながらも、生産団体などに出荷自粛を求めた。また都は、検査をする地域や品目、出荷規制の対象など統一基準を設けるよう政府に緊急要望した。

 群馬県によると、19日に採取した伊勢崎市のホウレンソウから規制値(1キログラムあたり2000ベクレル)の1.3倍の2630ベクレルの放射性ヨウ素を検出。また高崎市内で同日採取したかき菜から検出された放射性セシウムが規制値(同500ベクレル)の1.1倍に相当する555ベクレルだったことを明らかにした。

 栃木県では壬生町など4市町7カ所のホウレンソウから最高で規制値の2.85倍の放射性ヨウ素を検出。福田富一知事は20日、すべての出荷済みのホウレンソウとかき菜の自主回収と出荷自粛を農業団体に要請したことを明らかにした。原乳(同300ベクレル)は規制値を下回っている。

 東京都は同日、ホウレンソウなど築地市場(中央区)に流通していた「葉物」野菜7検体を検査し、千葉県旭市産の春菊から食品衛生法に基づく暫定規制値の2.15倍にあたる4300ベクレルの放射性ヨウ素を検出したと発表した。また都は、出荷者などに対し春菊を含む市内産の青果物の出荷自粛を要請。千葉県は出荷者に対して、流通状況を調べて回収するよう指示した。

 一方、茨城県は同日、高萩市でハウス栽培されたホウレンソウから暫定規制値の5.5倍に相当する1万1000ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたと発表した。ハウス野菜で放射性物質が確認されたのは東日本大震災後、初めて。露地ホウレンソウでは県北地域を中心に放射性ヨウ素が6市9カ所で、また放射性セシウムも4市7カ所で規制値を上回った。

 福島県では、原乳の暫定規制値を超えた自治体が5市町村に増えた。同県は20日、県内37市町村の全酪農家616戸に原乳の出荷停止と自家消費の自粛を要請した。同県は調査中の野菜について21日からの出荷自粛を農家に要請することを決めた。【大久保陽一、関雄輔、泉谷由梨子、石川隆宣】

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