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「いじめ後遺症」自殺訴訟:名古屋地裁であす判決

 中学時代のいじめに起因する神経症と診断され、06年に自殺した愛知県岩倉市の高橋美桜子さん(当時16歳)の母典子さん(53)が、学校法人市邨学園(名古屋市)や担任教諭らを相手取り、約4260万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、名古屋地裁で言い渡される。「いじめの後遺症で自殺した」と主張する遺族側に対し、学園側は「いじめは事実無根」としており、いじめの有無が争点。いじめがあったと認められた場合、神経症発症や自殺との因果関係をどう判断するかが注目される。

 訴状によると、同学園が運営する名古屋経済大市邨中に02年入学した美桜子さんは、同年夏ごろから同級生にいじめを受けたと遺族側は主張。靴に画びょうを入れられたり、「きもい」「死ね」などと言葉によるいじめを受け、1年で転校した。その後も無言電話などの嫌がらせが続き、パニック症状などが起き、解離性障害と診断されたとしている。

 美桜子さんは高校2年だった06年8月、住んでいたマンションから飛び降りて死亡した。遺族側は09年8月、いじめ防止の義務を怠り、いじめを知りながら適切な対応をしなかったなどとして学園や校長らを提訴した。いじめで美桜子さんを解離性障害にし自殺させたとして同級生8人と保護者も提訴したが、「被告の立場を離れて謝罪の言葉を述べてほしい」として10年11月に和解した。【福島祥】

毎日新聞 2011年5月19日 2時20分

 

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