飯舘村 放射性物質の除去実験
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飯舘村 放射性物質の除去実験

5月19日 22時56分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

原発事故の影響で計画的避難区域に設定された福島県飯舘村で、放射線の専門家で作るNPO法人などが、特殊な薬品などを使って住宅の屋根や土壌に付着した放射性物質を取り除く実験を行いました。

この実験は、東京のNPO法人「放射線安全フォーラム」や茨城大学などが行ったもので、放射線の専門家ら20人が飯舘村の長泥地区を訪れました。はじめに住宅の中と屋外の放射線量を測ったあと、屋根に上って高圧の水を吹きつけて、瓦の上や雨どいにたまった木の葉などを洗い落としました。その結果、雨どいでは、放射線量が1時間当たり170マイクロシーベルトほどあったものが10分の1以下まで下がったほか、住宅の中も8.7マイクロシーベルトから5.7マイクロシーベルトに下がったということです。また、玄関先の地面に放射性物質を吸着する性質のあるゼオライトとポリイオンという2種類の薬品を混ぜた特殊な液体をまきました。この液体は数日で固まるため、放射性物質を飛散させずに土ごと取り除くことができるということです。NPOなどでは、この液体を水田や牧草地にも撒く予定で、来週、固まった土を取り除いて放射線量を計測し、効果が確認できれば新たな除染の方法として国に提案したいとしています。国の原子力安全委員会の委員も務めたNPO法人の田中俊一副理事長は「住民が村に戻るためには放射性物質を取り除かなければならない。実験を通して手間やコストなどを見極めて、除染の手段として国に提案していきたい」と話していました。