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放射性物質:「荒茶」検査に静岡県が反発 要望書を提出

 茨城、神奈川両県産の一部の茶葉から放射性セシウムが検出されたことを受けて厚生労働省が自治体に依頼した「荒茶」の検査に、茶どころの静岡県が反発している。茶葉は暫定規制値を超えていないのに、加工段階だと超える可能性があるためだ。岩瀬洋一郎副知事らは17日同省を訪ね、細川律夫厚労相に荒茶を検査対象にしないよう求める要望書を提出した。

 厚労省は16日、生の茶葉に加え乾燥させた「荒茶」も検査し規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超えるものが流通しないよう東北、関東などの14都県に通知した。加工工程でセシウムが5倍程度濃縮するので、安全管理のため検査が必要と判断したという。

 要望書は「荒茶は消費者が直接口にするものではない」「生葉と飲用茶で規制値を下回った茶葉が、荒茶で規制値を上回る矛盾が生じる」と指摘。生葉と飲用茶だけで検査するよう求めた。細川厚労相は「よく検討したい」と話したという。

 神奈川県も17日、黒岩祐治知事名で厚労相、農相あてに、生葉だけを検査するよう求める要望書を提出した。【佐々木洋、仲田力行、北川仁士】

毎日新聞 2011年5月17日 21時08分(最終更新 5月17日 23時15分)

 

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