リビア:欧米、アラブ連盟が武力行使で合意 

2011年3月20日 1時4分 更新:3月20日 1時11分

 【パリ福原直樹、カイロ樋口直樹】リビアのカダフィ政権への武力行使を認めた国連安保理決議(17日)を受け、英仏独首脳とクリントン米国務長官、アラブ連盟代表などは19日、決議の履行について協議する多国間会合をパリで開き、カダフィ政権が即時停戦などを求める決議に違反していると認定、武力行使で合意した。サルコジ仏大統領は同日、仏機などがリビア上空で政府軍の「空爆を阻止している」と既に軍事行動を開始したことを明らかにした。仏機はまた19日、リビア上空で情報収集も行った。

 サルコジ大統領はまた、市民に発砲している戦車なども標的にすることを明らかにした。関係者によると19日夜(日本時間20日未明)にも空爆が始まる可能性がある。

 サルコジ大統領は「フランスはアラブや欧米諸国と責任を果たし、国連決議に基づくあらゆる手段を取ることを決めた」と述べた。

 会合はカダフィ政権が安保理決議の求める停戦受け入れを約束しながら反体制派の拠点都市、北東部ベンガジを19日に攻撃、少なくとも26人が死亡したことを重視、軍事介入を決めた。キャメロン英首相はカダフィ政権が「自ら約束した停戦を破り国際社会を欺いた。市民を虐殺しており行動の時が来た」と話した。

 一方でサルコジ大統領は、カダフィ政権が決議を順守し反体制派への攻撃をやめれば「外交のドアは開かれる」と交渉の余地があるとの考えを示した。

 仏国防省筋によると同日、複数の仏空軍のラファール戦闘機がリビア上空で展開しているが、大統領はこれをリビア政府側の戦闘機の活動を抑止するものだと指摘した。

 仏国防筋によると空爆の場合、第1波は仏、英、ノルウェーなどが中心となり実施。仏の攻撃主力はラファール、ミラージュ戦闘機となる予定で、仏は地中海で空母やヘリコプター搭載の強襲揚陸艦も展開する見通し。仏政府筋はAFP通信に「緊急会議の終了後、数時間で攻撃を開始する可能性がある」としている。

 リビアの最高指導者カダフィ大佐は仏英などにあてたメッセージの中で、安保理決議は内政干渉で「無効」であり、武力行使は「侵略」だと主張した。

 米英仏が18日に出した最後通告は、カダフィ政権に対しベンガジへの進軍停止、北西部ミスラタなど3都市からの撤退を求めた。

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