神戸学院大で女性と警官刺される　容疑者の男現行犯逮捕

　１７日午後２時５０分ごろ、神戸市西区伊川谷町有瀬の神戸学院大で、兵庫県明石市の４年生の女子学生（２１）が男に刃物で背中などを刺され、現場に駆けつけた警察官も右太ももを刺されて、いずれも重傷を負った。県警は埼玉県鳩ケ谷市南３丁目、無職伊崎義晃（いざき・よしみつ）容疑者（２５）を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。

　伊崎容疑者は「大学の駐輪場で待ち伏せし、殺すつもりだった」と容疑を認めているという。「３月に婚約を破棄され、そのせいで仕事もやめることになった。連絡も取れなくなり、話をしたくて会いに行った。話も拒否され、警察も呼ばれて逮捕されると思ったので刺した」などとも供述しているという。

　神戸西署などによると、午後２時４３分ごろ、女子学生から１１０番通報があった。署員３人が北門前の警備室に到着し、事情を聴こうとしたところ、女子学生の背後から伊崎容疑者がいきなり刃渡り約２５センチの包丁で女子学生を刺したという。同署の曽田泰広巡査部長（４０）も取り押さえる途中で負傷した。包丁は数日前に神戸市内のホームセンターで購入したといい、かばんの中には別の包丁１本もあったという。

　県警などによると、伊崎容疑者は女子学生の元交際相手で、この春に同大を卒業して就職し、埼玉に移り住んだ。女子学生とは３月に別れたが、その後も電話やメールを繰り返し、「東京に来い」と要求していたという。４月１６日には車で連れ出して復縁を迫り、翌１７日に同大学のトイレで首をつって自殺を図ったという。

　県警によると、女子学生は４月１９日に明石署にストーカー被害を相談。「付き合っていた男にしつこく電話やメールをされて困っている」「自宅前で車で待ちぶせされる」と訴えた。神戸西署が伊崎容疑者や家族に口頭で注意し、つきまとわないという誓約書も同月２５日に取っていたという。

　神戸学院大企画部の担当者は「４月に女子大生から相談を受け、神戸西署、明石署と緊密に連携しながら注意を払ってきた。このようなことになり、残念でならない。被害者が早く回復することを祈ります」とコメントした。