2011年5月17日22時30分
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、全国で初めて、4月下旬から小中学校と保育所、幼稚園で校庭や園庭の表土除去を始めた郡山市は17日、対象をさらに拡大して市内の小中学校と保育所の表土を除去すると発表した。
市が設けた除去の新基準は、地表から高さ1センチの地点で保育所・小学校が毎時1.5マイクロシーベルト以上、中学校が毎時2マイクロシーベルト以上。これまでの毎時3.8マイクロシーベルト以上から、さらに厳しくした。市は「子どもたちの健康を守るために、より厳しい基準を設定し、除去する」と説明している。
文部科学省の基準では、地上50センチ〜1メートルで毎時3.8マイクロシーベルト以上となっている。
市によると、新基準に該当するのは保育所8カ所、小学校19カ所、中学校1カ所。準備が整い次第、除去工事を実施するという。
文部科学省は校庭土の処理法法として今月11日、表土の上下入れ替え方式と穴埋め方式の2方式を示しているが、市はこれに従うことなく、従来通り校庭や園庭の隅に山として積み上げ、飛散防止のために樹脂で固めた上で、東京電力と国に迅速な処理を求めるという。
市がこれまでに表土除去をした幼稚園、保育所、小中学校67カ所では、市がこれまでに設定していた地表1センチ地点での放射線量、毎時3.8マイクロシーベルト以上の基準をすべて下回った。(斎藤健一郎)