1号機は「メルトダウン」…底部の穴から漏水
東京電力福島第一原子力発電所1号機で、原子炉内の核燃料の大半が溶融し、高熱で圧力容器底部が損傷した問題で、東電は12日、直径数センチ程度の穴に相当する損傷部から水が漏れていると発表した。
溶融した燃料は圧力容器の底部にたまっていると見られ、東電は、この状態が、核燃料の「メルトダウン(炉心溶融)」であることを認めた。
東電はこれまで、燃料の一部損傷などと説明していた。
東電は、圧力容器の温度は100〜120度と安定しているため、事態がさらに悪化する可能性は低いと見ているが、圧力容器を覆う格納容器からも水が漏れだしている可能性が高く、格納容器を水で満たす「冠水(水棺)」など事故収束に向けた作業は難航も予想される。
東電の松本純一原子力立地本部長代理は同日夕の記者会見で「燃料が形状を維持せず、圧力容器下部に崩れ落ちた状態」と現状を説明し、メルトダウンを認めた。
東電によると、1号機では現在、燃料を冷却するため圧力容器内への注水(毎時約8トン)が続き、累積注水量はすでに1万立方メートルを超えている。ところが、10日に圧力容器の水位計を調整した結果、冷却水の水位が容器の底部から最大4メートル程度しかないことが判明。この漏水量から圧力容器の損傷を計算したところ、直径数センチの穴に相当することが分かった。
関連トピックス
関連ニュース
- 1号機の燃料大半が溶融、東電解析結果(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト) 05月16日 15:55
- 1号機メルトダウン 東電認める 格納容器へ漏出か(産経新聞) 05月13日 08:00
- 福島原発1号機、格納容器に漏出「打つ手なし」 核燃料100%損傷か(産経新聞) 05月13日 08:00
- 燃料の大量溶融、東電認める 福島第一1号機(朝日新聞) 05月13日 03:01
- 東日本大震災2カ月 原発安定に総力戦 東電「工程表」立ちはだかる「壁」(産経新聞) 05月11日 08:00
関連写真ニュース
震災翌朝メルトダウン=東電が解析発表 5月15日(日) 21時22分 (時事通信) |
過去1時間で最も読まれた社会ニュース
- 震災のがれき処理で事故相次ぐ 7人死亡約100人けが(朝日新聞) 5月16日 15:05
- メルトダウンは3月11日…初動の遅れ裏付け(読売新聞) 5月16日 8:58
- えびす系列店、未開封肉から「O111」初検出(読売新聞) 5月17日 1:12
- 孫正義氏の寄付金100億円、配分先決まる(読売新聞) 5月16日 18:44
- 3号機の不安定さ続く 温度上昇・窒素ガス注入できず(朝日新聞) 5月16日 13:54