福島第一原発事故に伴う放射線について
都内では健康に影響を及ぼす放射線量は観測されていません
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所事故に伴い、その周辺では住民への避難指示がでていますが、現地での被ばく検査において、発電所作業員以外で健康に影響があるような数値を示された方はいません。
- 原子力災害発生時に住民がとる対応(防護対策の指示内容、正確な情報を入手、緊急情報メールサービス)
周辺の住民だけでなく、そちらに血縁や知人がいらっしゃる方、その付近に行かれた方など、不安・心配はつきないと察しますが、正しい情報に基づく行動をお願いします。 - 放射線の健康への影響(放射線・放射能・放射性物質、放射線量の測定、放射線量の評価、詳細情報リンク、メール相談)
東京都内でも、微量の放射線や放射性物質が測定されていますが、健康に影響を及ぼす量ではありません。
外国語による情報は、東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター東日本大震災に関する被災者向け情報<多言語版>にお進みください。
各リンク先ホームページは、多くの方がアクセスしているため、画面が表示されるまで時間がかかることがありますので、ご了承ください。
原子力災害発生時に住民がとる対応
防災活動は、事業所からの報告に始まって、災害対策本部の設置、対策の実施などを経て平常に戻るまで、いろいろな過程があります。詳しくは、文部科学省環境防災Nネットのホームページ原子力防災早わかりをご覧ください。
防護対策の指示内容
原子力災害時に、何の対策も講じず屋外に居続ければ被ばくすると予想される線量(予測線量)を、放出源情報・気象条件・地形データを基に予測するシステム(SPEEDI)があります。予測線量が、わたしたちが日常生活の中で1年間で受ける 自然放射線量の4倍を超えて大きくなるにしたがって
- 飲食物摂取制限
- 屋内退避
- コンクリート屋内退避
- 避難
の指示が出されます。詳しくは、、文部科学省SPEEDIによる計算結果・原子力災害発生時の住民としての対応、文部科学省環境防災Nネット防護対策の実施をご覧ください。
正確な情報を入手
国や自治体が住民へ影響を与える可能性があると判断した場合、様々な通報手段により必要な情報と指示が住民へ出されます。噂やデマに惑わされず、近隣の人と情報の発信元を確認して、協力しあってください。
現在の国の対応の詳細は、首相官邸東日本大震災への対応をご覧ください。
- 放射線医学総合研究所ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません-インターネット等に流れている根拠のない情報に注意(PDF形式:62KB)
- 中野区消費生活センター消費者相談の現場から「震災に便乗した悪質商法」2011年4月(ワード形式:179KB)
緊急情報メールサービス(モバイル保安院)
経済産業省原子力安全・保安院では、原子力施設立地地域にて大規模災害等が発生した際、直接、原子力施設の状況やモニタリング情報などの緊急情報を、携帯電話にメールにてお知らせしています。登録方法など詳細は、原子力安全・保安院緊急時情報ホームページをご覧ください。
放射線の健康への影響
放射線・放射能・放射性物質
放射線とは物質と反応して電離を起こす粒子や電磁波で、放射線を出す能力が放射能です。放射性物質とは、放射能をもった、放射線を出している物質です。
放射性物質は地球が誕生したときから存在しており、現在も宇宙や地球の空気・地面・食べ物だけでなく、私たちの身体の中にも存在しています。これらの放射性物質から出る放射線(自然放射線)によって、ヒトは1年間でおよそ2ミリシーベルト(2千マイクロシーベルト)被ばくします。放射線はヒトを構成する物質に電離を起こしますが、放射線と共存しつづけてきたヒトには、電離を修復するさまざまな機能が備わっています。さらに科学は進歩し、今や日本は世界でも長寿の国です。
人工的な放射線被ばくの代表は、健診や治療の放射線診療で受けるものです。例えば、胸のエックス線検査は1回でおよそ0.05ミリシーベルト(50マイクロシーベルト)、胃の透視検査は1回でおよそ3ミリシーベルト(3千マイクロシーベルト)、胸のCT検査は1回でおよそ6ミリシーベルト(6千マイクロシーベルト)被ばくします。
必要のない放射線をできるだけ受けないようにすることは、大切です。しかし、過剰な対策は、生活に支障をきたしたり、偏見を産み出したりすることにもつながります。
- 放射線医学総合研究所放射線被ばく早見図(PDF形式:442KB)(福島第一原子力発電所の事故による影響と身の回りの放射線による影響の比較)
- 東京都健康安全センター身の回りの放射線
放射線量の測定
国(文部科学省)は放射線量の広域的な調査(サーベイランス)・測定(モニタリング)体制を確立しており、東京都では新宿区の健康安全研究センターにおいて大気中の放射線量を1時間ごとに測定しています。3月15日一時的に上がった1時間当たり0.8マイクロシーベルト(0.0008ミリシーベルト)でも、1年間の自然放射線量のおよそ3千分の1、胸のエックス線検査のおよそ50分の1の線量であり、現在ところ健康に影響を及ぼす測定値は得られていません。
また、3月 22 日に金町浄水場の飲料水から乳児の規制値を超える放射性物質(ヨウ素131)が検出されましたが、その後は他の浄水場の飲料水、食品、母乳などの放射能量は、不検出または極めて微量であり、現在ところ健康に影響を及ぼす測定値は得られていません。
- 東京都の放射線量:東京都健康安全研究センター都内の環境放射線測定結果
- 全国の放射線量:経済産業省各機関のモニタリングデータ
- 福島県・関東地方の母乳の放射性物質濃度:厚生労働省母乳の放射性物質濃度等に関する調査について
- 調査体制の強化:文部科学省モニタリング計画について、厚生労働省関係都県における食品・水道水中の放射性物質に関する検査計画の策定・実施状況について
放射線量の評価
公表された放射線量から、個人の被ばく線量が推計できます。詳しくは独立行政法人放射線医学総合研究所放射線被ばくに関する基礎知識 第6報をご覧ください。
人の健康に影響を及ぼす放射線量については、放射線医学総合研究所放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版 第1号(Ver1.0)、東京都健康安全センター放射線量についてを参考にご覧ください。
- 放射線量の評価:原子力安全委員会「環境モニタリングの結果」に対する原子力安全委員会による評価結果について
- 飲食物の評価:食品安全委員会「放射性物質に関する緊急とりまとめ」
詳細情報リンク
- 文部科学省放射能を正しく理解するために
- 財団法人放射線影響協会放射線の影響がわかる本
- 独立行政法人放射線医学総合研究所
- 財団法人放射線影響研究所
- 国立がん研究センター今回の震災に関連する放射性物質による発がんについて
- 国立保健医療科学院放射線診療への不安にお答えします
- 東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター東日本大震災に関する被災者向け情報<多言語版>
メール相談
日本放射線公衆安全学会では、Web上から福島原発事故に関わる放射線と被ばくに関する質問を受付けています(メール限定)。詳しくはここをクリックしてください。
関連ファイル
- ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません-インターネット等に流れている根拠のない情報に注意(PDF形式 62キロバイト)
- 放射線被ばく早見図(PDF形式 442キロバイト)
- 消費者相談の現場から「震災に便乗した悪質商法」2011年4月(ワード形式 179キロバイト)
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