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避難先で感謝の田植え「地域に恩返しを」 山元の農家ら
 | 苗を運び、田植えを手伝う宮城県山元町からの避難者たち=13日、宮城県柴田町 |
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東日本大震災で被災した宮城県山元町の住民が13日、2次避難先の同県柴田町で、田植え作業の手伝いを始めた。柴田町で受けた温かいもてなしに対する感謝の思いを込め、地元農家とともに汗を流している。
初日は、柴田町の保養施設「太陽の村」で暮らす山元町磯地区の住民4人が早朝から、柴田町の下名生生産組合の水田でひとめぼれの苗を運ぶなどして、田植え作業を手伝った。20日ごろまでに16ヘクタールの田植えを終える予定だ。 津波で自宅を失った山元町の農業門間等さん(61)は「地元にいれば今ごろ田植えだったかと思うと複雑な気持ちだが、避難所にいるばかりだと気がめいるし、体もなまる。農業支援は新たな出発にもなる」と話した。 下名生生産組合の斎藤幸一組合長(71)は「震災の影響で、連休中を予定していた田植えの時期が遅れ、人手不足が心配だったが、手伝ってもらって助かった。これを機会に交流を図りたい」と感謝する。 太陽の村には磯地区の住民65人が2次避難している。受け入れ先の柴田町の協力を得て、4月中旬から時給制で農業支援活動に取り組んでいる。 磯地区の行政区長を務める星新一さん(63)は「柴田町の人たちが避難先で押し花教室や音楽鑑賞会を開いてくれるなど、人の温かさを感じている。農業支援を通じて地域に恩返しをしたい」と語った。
2011年05月14日土曜日
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