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大連立構想:福田康夫元首相が回想 月刊誌インタビュー

福田康夫元首相
福田康夫元首相

 自民党の福田康夫元首相は10日発売の月刊誌「文芸春秋」のインタビューで、首相時代の07年秋に民主党の小沢一郎代表(当時)と協議した大連立構想について、「私は党内のポイント、ポイントで根回しをしていたが、小沢さんはそれをやっておられなかったようだ」と振り返り、小沢元代表の根回し不足が失敗の一因だったとした。

 福田氏は「小沢さんが民主党を統括できるという大前提があって、話がきた。小沢さんもできると思い込んでいた。ところが、フタを開けてみればそうではなかった」とも述べた。ただ、小沢元代表の行動自体は「ねじれ国会で国政が停滞している状況を真面目に考えておられた。政治全体への危機感があった」と理解を示した。

 対照的に、東日本大震災を受けて浮上した民自両党の大連立については「政権の延命に利用しようという思いが根底にあれば、難しいだろう」と述べ、政策協議抜きに谷垣禎一総裁に入閣要請した菅直人首相の手法を暗に批判した。

 福田氏は「行政機構はフルに活用しなくてはならないと考える自民と、政治主導だからそれはいらないという民主とでは、手法がまったく違う」と主張。「大連立ができたとして、菅首相は、部下である官僚たちがみんな自民と連携しているのを黙って見ていられるのだろうか」と皮肉った。「大連立をするなら福田首班ではないか」と問われると「そういうことは絶対にない」と否定した。【中田卓二】

毎日新聞 2011年5月9日 19時43分(最終更新 5月9日 22時22分)

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