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1号機、地震翌朝にメルトダウン 短時間に温度上昇

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 福島第1原発について、模型を使って説明する東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理=15日夜、東京・内幸町の本店

 東京電力福島第1原発1号機=3月20日(エア・フォート・サービス提供)

 メルトダウン(全炉心溶融)が判明した福島第1原発1号機で、東京電力は15日、地震から約5時間後の3月11日午後7時半には燃料の損傷が始まり、16時間後の翌12日午前6時50分ごろには大部分の燃料が原子炉圧力容器の底に溶け落ちていたとの暫定評価を発表した。

 1号機をめぐっては、燃料破損の恐れがあるとの発表があったのは12日午前中で、地震で発生した津波後早期にメルトダウンという危機を迎えていながら、東電が状況を把握できていなかったことが明らかになった。東電は注水開始が妥当だったか検証する方針。

 東電は、11日午後2時46分の地震から約45分後の津波で冷却機能が失われたと仮定して解析。地震直後の自動停止から3時間後の11日午後6時ごろには燃料の上端まで水位が低下。午後7時半ごろには燃料がすべて水面から露出して燃料本体を覆う被覆管の損傷が始まり、午後7時50分ごろには燃料の中央上部が崩落した。

 午後9時ごろには、炉心の最高温度が燃料本体が溶ける2800度に達し、12日午前6時ごろには燃料の溶融が進んで午前6時50分ごろには燃料の大部分が落下した。

 原子炉への注水が始まったのは12日午前5時50分ごろ。いったん水位が上がり、午前6時すぎに水位が急に下がった時点で、圧力容器に穴が開いたとみている。損傷は限定的だったという。

 東電は「注水がなぜこの時間になったかは、今後の検証」と説明。2、3号機でも同様に炉心損傷があったとみて、解析を進める。

(2011/05/15 23:55 更新)

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