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福島原発事故収拾を任された英雄たちの真実、7次・8次下請け労働者もザラ(4) - 11/05/12 | 12:13

 
 加えて労災申請を阻む業界特有の事情もある。関東で労災申請にかかわった専門家は語る。「申請したらその発注者から二度と仕事が回ってこないのは、どの業界でも同じ。それでも、たとえば建設業なら他社にいくらでも当たれるが、電力業界では発注者は東電のみ。彼らににらまれたら関東圏では事業を続けられない」。
 
 そのためか、今回の事故後も下請け会社の関係者は一様に口が重い。実際、「現場では箝口令が敷かれている」(前出の20代原発作業員)。

 厚生労働省は今回の事故後、緊急時の作業員の被曝上限を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げた。圧倒的な力関係、多重下請け構造を残したままでは、不安を訴える労働者の声はかき消されかねない。
 
 事態収拾まで長期化が見込まれる中、末端労働者の使い捨てを前提とした就労形態を徹底的に見直す必要がある。

(週刊東洋経済2011年4月23日号)
※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

写真提供:東京電力

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