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[政治]ニュース トピック:防衛オフレコ放談
【防衛オフレコ放談】白昼堂々「尖閣占領」 極秘有事シナリオの重大欠陥
2011.5.15 18:00
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宮古・石垣両島への武力侵攻までシナリオに入れたのは、確実に防衛出動が発令され、自衛隊が行動できる舞台を用意する必要があったためだ。裏を返せば、シナリオ(3)の段階に至らない限り、自衛隊は出動できないという防衛省の危機感のあらわれでもある。
中国にしてみれば、漁船1隻と数人の海上民兵で尖閣諸島を占領することはいともたやすい。防衛省の中国専門家は「尖閣での中国の狙いは正規軍同士でない非対称戦だ」と指摘し、領土を守るための実効的な措置を講じる必要性を説く。
何より、政府を挙げて法制度を整備することが急務だ。「平時」から常に自衛隊が海保、警察を支援できる法体系を整え、武器使用基準も定める。これが国の総力を結集するための「領域警備法」の肝であり、海上警備行動、治安・防衛出動に至るまで自衛隊が間断なく対処できる法的枠組みとなる。
しかし、万事場当たり的で定見を欠く菅政権の問題意識は低い。領域警備にまつわる法的不備は昨年9月の中国漁船衝突事件直後から指摘されてきたが、政権は放置し続けている。
昨年12月に策定した新たな「防衛計画の大綱」では、脅威認識として島(とう)嶼(しょ)部攻撃をはじめ各種の事態を列挙したが、国を挙げての対応策については「平素からの関係機関との連携を確保」と記しただけだ。自衛隊と海保、警察の協力強化の方策は何ら提示されていない。
このおそまつさで「実効的な抑止と対処」が担保されると考えているのであれば笑止千万。領土を死守する気概すらない政権の延命に、中国はほくそ笑んでいるに違いない。(半沢尚久)
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