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・前回のあらすじ
混沌の中枢へと向かう蒼真の前に現れた巨大なカオスリング
激しい戦いの中、ハマーに託された秘薬によって危機を打開し
ついに混沌の中枢へと侵入する
その先に待つものは希望か、それとも…
「俺、この戦いが終わったら、弥那達と一緒に遊園地に行くんだ…」
※あらすじには死亡フラグが含まれています。
次回『来須蒼真、死す』。ドゥエルスタンバイ!
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――ズズズッ…ズズズッ…
沈んでいく。
何も見えない真っ暗な空間。
だが確かに感じるその場所へ。
まだ足りない。
もっと、もっと深く…
――ズズズッ…ズルッ…
…捉えた。
――オオオ…ォォォ…!
「…うぉっ、まぶしっ(棒)」
暗闇を抜けた先に現れた物。
それは漆黒の太陽。
身に纏う闇を晴らすことなく発光するソレは、禍々しくもふつくしい。
これこそが人の…というか地上の生物の総意識。
俺が今ここで観測することで形を得て現出した混沌(カオス)そのもの。
――ドクンッ…ドクンッ…
…なんか脈打ってる。
気持ち悪い。
とにかくこれを破壊すれば全てが終わる。
問題は…
――オオオ…ォォォ…!
「でけぇ…」
デカすぎワロス。
俺の知ってる原作と違うんだが。
大きく見積もっても運動会の大玉サイズだと思ってたんだが、
目の前にあるソレは近年(2035年)あまりみなくなったガスタンク(正式名称ガスホルダー)くらいあるんじゃないか?
――スッ…スッ…
歩いても音を立てない空間を移動し触れられるほどの距離まで近づく。
…やはりでかい。
目の前まで来ればまるで壁のようにすら思える。
どうやって破壊したものかな…
「とりあえず斬りかかってみるか…?」
クラウ・ソラスを振りかぶる。
「せーのっ…そぉいっ!」
――スパッ!
「…もょ?」
手応えもなくアッサリと白い切れ目が入った。
――オオオ…ォォォ…
「おっ…?」
切れ目が、広がっていく。
白が黒い面を塗りつぶしていく。
「おっ…おおっ…!?」
白色が視界を埋め尽くした。
思わず距離を取る。
俺のいれた切れ目を中心にソレはドンドンと広がっていく。
切れ目っていうレベルじゃねぇぞ、おい。
――オオオ…ォォォ…
…止まった?
白い切れ目だったものは漆黒の太陽を一回り小さくしたくらいの大きさになると広がるのを止めた。
――ゾクッ…
…!
違和感に体が震える。
何かが足りない。
「あっ…!」
思い出すと同時に気を張り詰める。
…来る!
――ギュォッ!
「うぉぁぁぁ!?」
そこから巨大なナニカが飛び出してきた。
慌ててバックステップで距離を取る。
――ゴゥッ!
「…っ!」
飛び出したソレは漆黒の太陽を中心に旋回し、再び襲ってきた。
離れるように大きく飛び退き、あらためてソレの正体を見極める。
「こいつは…!」
白く巨大な龍…いや蛇。
そういえばこんなのもいたな…
さっきの違和感で思い出さなければ直撃だった。
存在自体は先刻の巨大カオスリングと限り無く近い気配がする。
なるほど…混沌がひとつの生き物のようになってるんだから防衛機能くらいついてるわけだ。
蛇は漆黒の太陽の周りを縦横無尽に高速で旋回している。
混沌を破壊するにはこれを避けて接近する必要がある。
だがその前にさっきのクラウ・ソラスの一撃があまり効果がなかったことを考えると、なにか別の手が必要だ。
「さて…」
――オオオ…ォォォ…
蛇は混沌に近づかなければ襲ってこないようだ。
少し落ち着いて考えるか。
どうしたものか。
とりあえず二つほど攻略法を考える。
ひとつめ、蛇を避けながらチマチマ斬りかかる。
これの問題点はクラウ・ソラスによる攻撃の効果の程か。
原作のサイズだったらこれが一番無難だと思うんだが、なんかでかいし。
効果は薄そうだ。
ふたつめ、来須蒼真全身全霊をかけた一撃で正面からぶっかます。
魔王の知識をフル活用してデモニックメギドなど超威力の一撃を加える。
問題点はそれなりに集中力が必要なので一撃加えたあと隙だらけになること。
だがこれならさすがに効果はあるはず…
「ってか、はじめからふたつめしか選択しないな…」
これでダメージがなかったら、対抗手段が全くなくなる。
もっとも効率のいい選択肢…だと思う。たぶん、きっと。
漆黒の太陽に蛇を避けながら近づいてデモニックメギドを叩き込む。
なかなかシンプルじゃないか。
――オオオ…ォォォ…
漆黒の太陽は変わらず禍々しく輝いている。
――スゥゥゥ…ハァァァ…
何の音かと思ったら自分自身の深呼吸の音だった。
「…落ち着け、俺。
俺はできる、やればできる子…!」
――パチンッ!
頬を軽く叩き気合を入れる。
…行け!
「…ぉぉぉおおお!」
漆黒の太陽へと走りよる。
――ギュォォォ…!
捻じれながら俺の体を捉えようと蛇が襲いかかってくるのを避けながら走り続ける。
今までの戦いのおかげか、軌道が読める。
俺は…強くなっている!
さらにスピードを上げて、最後の一踏みで混沌へと飛びついた。
――オオオ…ォォォ…
「これで…終わりだ! <デモニックメギド>」
カオスリングから送り込まれる莫大な魔力が、
俺という変換器を通して空間に解き放たれた。
――キュォッ!
視界を埋める魔力の黒い炎。
有史以来おそらくもっとも破壊力のある術式。
全力で放てば混沌から生み出された悪魔城すらも傷つけることの可能な力。
…混沌から生み出された?
カオスリングから送り込まれる魔力の源は…
――ドゴォッ!
「がっ…!?」
腹部に衝撃。
蛇の頭が俺の体に接触していた。
――パキィィィン…
「…!? ぞんな…」
エバーシングが、砕け散った。
吹き飛ばされる中、破片となったエバーシングが空間にばらまかれていく。
俺はドサッという音もなく地面に落ちた。
「ぐっ…がっ…」
内蔵が…
ポーションを残っているだけ全て飲み干す。
ボコボコと体の奥で損傷が再生していく奇妙な感覚。
…完全じゃないけど、だいぶマシだ。
そして見る。
――オオオ…ォォォ…
未だ無傷で輝く漆黒の太陽を。
当たり前といえば当たり前。
カオスリングから得られる魔力は混沌由来の物。
いくら変換を施したとしても混沌の破壊に使うことができるわけがなかったのだ。
くそっ…どこぞの世界の魔道士の基本じゃないか。
どうする…どうすればいい…!
最も威力のある攻撃を封じられた。
むしろ俺のあらゆる攻撃の元になる魔力が通用していない。
悪魔城由来の魔剣等の秘宝も大本は混沌だ。
カオスリングを通さない俺自身の魔力を使う?
駄目だ、出力が足りなすぎる。
どうする…どうするんだ…!
――オオオ…ォォォ…
漆黒の太陽は変わらず輝き、蛇はその周りをうねるように飛び回っている。
どうしたらいいんだ…
なにか…だれかアドバイスを…イツキ…
「…!」
[蒼真…きっと…]
混沌へと飛び込むとき、イツキは俺に何を言おうとしたのだろうか。
――パチンッ!
「…っ!」
頬を自分で叩く。
初めて全力で自分の頬を叩いたような気がする。
痛い、とても。
だが、最高にスッキリした気分だ。
そうだ、有角…アルカードやユリウスも言ってたじゃないか。
俺にはソレが出来るだけの力があるって。
考えろ!
能力は十分なはずだ。
足りないのは考えること…!
時間は十分にある…!
混沌、人の、生命体の総意識。
破壊する方法…あくまで俺という観測者がいるから現出しているだけ…不安定。
俺の力…魔王…支配の力…魔物の魂…
破壊できない…矛盾…同種の…
「…!」
見つけた。
混沌に対抗する手段。
あとは方法。
あるはずだ…魔王の知識の中に…必ず…
魔王、というよりもドラキュラの残した知識の海。
その中にある小さな欠片を探し出す。
…見つけた。
――スッ…
立ち上がり漆黒の太陽、混沌へと向きあう。
――オオオ…ォォォ…
俺は左手の指からカオスリングを抜き取り、
右手の手のひらに載せた。
「…いくぜ」
――バシュッ…バシュッ…バシュッ…!
俺の体から支配していた無数の魔物の魂が抜け出ていく。
その魂は全て右手の上に置かれたカオスリングへと集まっていく。
「ぐっ…!」
想像以上にキツイ…
これが魂を扱うということか…!
最後の魂がカオスリングへと集まった。
――ギュッ!
ソレを強く握りしめた。
感じる。
混沌と同種の力。
俺の支配の力で集められた無数の魂。
それらを含めた俺自身は、いわば小さき混沌!
同種で別の力なら間違いなく効果はある!
「…ぁぁぁあああ!」
――ギュォォォッ!
走る。
蛇を避けながら、走り抜ける。
ただ前に向かって。
そして…
「…砕けろぉぉぉ!」
俺は漆黒の太陽へと右手を叩きつけた。
――キュォッ…ズォォォ!
視界の全てが、白に染まった。
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――ゴゴゴッ!
「キャッ!?」
「…!」
急激な振動に有角を含めすべての人が驚愕した。
「アル…有角! これは…!?」
口を滑らせそうになったヨーコに咎めるように目を向けると彼女はすぐに言い直した。
だが動揺していることは赤の他人が見たとしても人目でわかるだろう。
「城が…揺れて…?」
「おいっ、大丈夫なのか、これ?」
これは…蒼真か…?
だとしたら…
――シュンッ!
「…っ、全員一箇所にまとまってこの陣の中に入れ!」
「ちょっと…この陣って…」
「ユリウス、力を貸せ」
「何をする気だ?」
「準備をしながら話す」
まだ…間に合うはずだ…!
「ぐっ…蒼真…僕は…!」
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「…へっ」
激しい爆発で微かに残っていたエバーシングの残骸、そして洋服が消し飛んだ。
「へへへっ…」
つまり全裸。
アイアムネイキッド。
「ふへへへ!?」
ここまでやって
――オオオ…ォォォ…!
混沌は依然、健在である。
(・3・)アルェー?
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・オマケ
――ゴゴゴッ!
「「「キャァァァ!?」」」
「うろたえるんじゃあないっ! プロセルピナはうろたえないっ!」
「君が一番落ち着け」
「…隊長…冷静ですね」
「君くらい冷静さを失う奴が近くに入れば冷静にもなるさ」
――グォォォッ!
「隊長! 振動であの子の首輪が外れました!」
「なにぃ!?」
――幻夢宮の嵐、(首輪が)ポロリもあるよ
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・ステータス
来須蒼真ネイキッド(クルスソウマ)
・装備
防具 ネイキッド
他1 首蔵
他2 ゴールドリング
他3 カオスリング
・新しいソウル
・PIT
魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑
・武器
コンバットナイフ
ウィップソード
グラム
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
レーヴァテイン
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
ジョワユース
ダインスレイブ
アスカロン
クラウ・ソラス
やすつな(安綱)
妖刀村正
エクスカリバー
トールハンマー
ゲイボルク
ブリューナク
ロンギヌスの槍
カイザーナックル
シルバーガン
・防具
ぐんぷく
オルロックスーツ
ドラキュラの服
てつのむねあて
ゴールドプレート
エルフのローブ
ブロッキングメイル
アーミージャケット
・アクセサリー
首蔵
真紅のマント
ゴールドリング
カオスリング
・その他
手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテxたくさん
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投稿間隔が広まる一方のユージンです。
さて、ここで前回のあとがきを振り返りましょうか。
『これで最終回までロケットでつきぬけることができそうです。』
ロケットでつきぬける…!
ロケットでつきぬけると書いたが…
前回その時間の指定まではしていない
そのことをどうか諸君らも思い出していただきたい
つまり…ユージンがその気になれば
本文投稿は10年後20年後ということも可能だろう…ということ…!
ごめんなさい。
ロックマンエグゼ1~3通しプレイしてました。
セレナードかわいいよセレナード…
俺のカオスwww∩___∩ ∩___∩
♪ | ノ ⌒ ⌒ヽハッ ___,,-ー,, ハッ / ⌒ ⌒ 丶|
/ (●) (●) ハッ (/ "つ` ハッ (●) (●) 丶 カッコ付けて叫んで倒せないとかwww
| (_●_) ミ :/ 蒼真 :::::I: ミ (_●_) | ねぇ、どんな気持ち?
___彡 |∪| ミ :I ─::!,, ミ、|∪| 、彡____
ヽ___ ヽノ、`\ ヽ ...:::IJ(_::● /ヽノ ___/
/ /ヽ < r" .r ミノ~. 〉 /\ 丶
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| /ヽ } :.,' ::( :::} } ヘ /
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ソ トントン ソ トントン