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[20761] 【習作】おれドラキュラくん(2035年 悪魔城 転生)
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/11/22 21:28
**********

本作品は悪魔城ドラキュラシリーズの二次創作作品です。
オリジナルな展開、オリジナルキャラクターが登場することもあります。
作者の独自解釈や誤解、及びその他の事情により元作品との乖離が発生する場合があります。(悪魔城内部の構成変更、原作キャラクターの性格についてなど)
また人によっては不快に感じるネタなどが存在することも有りますので、閲覧についてはある程度の自己責任を持ってしていただけるとありがたいです。

舞台は2035年、すなわちキャッスルヴァニア暁月の円舞曲の時代を始まりとして物語を始めます。

**********

ユージンといいます。

練習です。練習です。
大事なことなので二回言いました。

ずっとやってみたかったんです。

たぶんツッコミどころ満載です。

ユージンは日本語が不自由だと友人に言われるので、
(日本生まれ日本育ちですが)
構成上もしくは文法上の問題点を箇条書きで教えていただけると、
今後のためになりとても嬉しいです。
もちろん他のツッコミも所望しております。

また続くか続かないかもわかりません。
いけるとこまで行ってみようと思います。

よろしくお願いします。
あと私は厨二病と妄想癖です。



[20761] 暁月編プロローグ
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:32
う~~、神社神社。
今 神社をもとめて全力疾走している僕は
高校に通うごく一般的な男の子
強いて違うところを挙げるとすれば
トラックに轢かれてないのに転生したってところかナーー
名前は来須蒼真(クルスソウマ)

ごめん。マジふざけすぎた。
転生してもう18年。
ぶっちゃけこの年までイベントが起きないと、転生した理由がわからん。
せっかく4歳から筋トレかかさずやって割れた腹筋を手にいれたのに。
魔王でも攻めてこねーかな。
現在2035年。
個人情報端末が幼稚園児にまで持たされる科学の時代にそんなことはおきるはずもにゃい。
話は変わるが、この時代驚きなのは電線がめちゃくちゃ減ったことだな。
端末の電波と干渉するとかなんとか。
まぁそんなことはどうでもいい。
重要なのは、結局俺が転生したのには特に理由も原因もなかったってことだ。
前世の名前、齋宗真(イツキソウマ)から名前だけ変わってなかったの幸運だった。
俺にとって得しかない、この転生は。
かつて160cmに届かなかった俺の身長は、今では172cm!
たぷんたぷんだった腹は引き締まり割れた腹筋(前述)!
そしてイケメン!
ダメ押しのグリリバヴォイス! 自爆スイッチを押せって言いたくなるね。なるよね。
それと幼馴染。
ここまで揃って高校三年までイベントなしってただの強くてニューゲームじゃね?
少し残念なのは前世で最後に母さんに送った誕生日プレゼントのお礼のメールを見ていないことくらいだ。
就活始まる前に転生したせいで、面接とか練習してないのも痛いな・・・。
まぁなんにせよ転生なら仕方ないね。仕方ないね。

・・・ん?幼馴染?弥那は嫁になんぞやらん!
おk。Koolになろう。
白馬弥那(ハクバミナ)。隣の白馬神社の一人娘。
フラグだと思ったか!? 俺もだよ!
小さい時から「蒼真くん、蒼真くん」いいながら後ろをついてくるのが可愛くてな。
光源氏計画みたいなことしてたんよ、中学入るまで。
気づいたら妹みたいになっちゃって。
なんかこう踏み込めなくなったみたいな。
・・・何?血の繋がらない妹?
高校で突然そんなのが現れたら燃えるかもしれんが、小さい時から一緒にいても萌えるだけよ。
そんなこんなでときどき弥那を見ながらニヨニヨしている俺勝ち組。
友達少なねーがな!
高校でも友達ができません。
中学までは転生者オーラのせいだと思っていたが、そんなことはなかったぜ。
弥那に情報収集を依頼したところ、
来須蒼真の評価B-。
「目が怖い」「近寄れない」「何だこのプレッシャーは」「怖い」「白い」
俺が何をしたorz
っていうか目は仕方ないだろう。
これって就職に不利なんだろうか?

まあそんなことはどうでもいい。
今俺は皆既日食を見るために白馬神社へ向かっている。
瓶コーラ片手に。
ラムネと迷ったが今はコーラな気分だった。
弥那のためにオレンジジュース(缶)もコート(弥那からの誕生日プレゼント)のポケットに入っている。
境内でみる皆既日食はたいそういいもののはずだ。
押しかける形になったのは、電話にでない弥那が悪い。弥那が悪い。

しかし毎度のことながら階段長いな・・・。
コーラもポケットに入れてしまおうか?ポケットの入り口が伸びてしまうが仕方ない。

そんなわけで白馬神社の鳥居までやって来たのだ。
ふと見ると御神木の枝に一匹のコウモリがいた。

「ウホッ! いいコウモ・・・あれ・・・?」
意識が薄れて。
「ちょま・・・」
ブラックアウト。


レポート
来須蒼真(クルスソウマ)
男 18歳
覚醒未確認
幼少時より奇行が目立つが、現在まで能力の発現は確認されていない。
両親とのなかは良好。
日食に対し興味を示しているが単なる好奇心の模様。
引き続き監視を続ける。



[20761] 暁月編1[目覚め(※いろんな意味で)]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:38
「う、ううん…」

眠い。眠すぎる。
っと思ったがそんなことはなかった。

「あっ、気がついたみたい」

んん?
その声は弥那か?

「よっ、おは…どういう事なの?」

ここはどこですか。
そしてなぜ俺は寝ていた。

「やっと御目覚めか…? いい気なものだ」
「へぇあっ? 誰…ですか?」

初対面の相手には礼儀正しく。
それが俺のジャスティス。
たとえイケメン相手でもだ。

「あっ、蒼真君。この人は、有角さんって言う人で…」
「有角さんさんですね、わかりま「そんなことはどうでもいい」orz」

「それより、お前に聞きたいことがある」



「なんですか?」


「なぜ、ここに来た?」


・・・哲学的な質問だ。自己啓発セミナーですか? ならば…。

「俺が、俺自身が…俺であるために(キリッ)」

初対面の人相手に俺は何を言っているんだ。

「! お前…既に? いや…報告には…(ブツブツ)」

思考の海に沈むイケメン。絵になりすぎててムカつくwww
とりあえず質問させろや。

「失礼ですが、有角さん…でしたか?」
「…なんだ?」
「Q.ここはどこですか」
「A.ここは、ドラキュラ城だ」

どういうことだキバヤシ。

「ヨーロッパへの長距離ワープ航路…既に完成していたとは…」
「いや、正確に言えば日食の中だ」

オワタ。残念なイケメンに確定だ。会話が危ない。

「確認しますが、ドッキリですか?」
「蒼真君! 聞いて、本当のことなの…」

どういうことなの。

「説明求む、なう」
「(なう?) それはだな…!? 敵か!」

!? なんですと!?

「ちょ、ま、ちょっと、いや大概待てよ!?」

骸骨が動いてるぅー↑↓!?

「ハッ!!」

そして砕けたー!?
木っ端微塵だー!

「しまった! 彼女を頼む!」

なんかきたー!?

「キャア!」

現状説明、空飛ぶ骸骨が槍を持って襲ってきた。
後ろには倒れた幼なじみ。

「・・・ォオオオオ!? ボクアルバイトォォォオオ!?」

結果、コーラ瓶で頭骨をかち割りました。
弾ける骨。と瓶。
ってなんかまた中からでたよぉ!?
こっちキター!?

「うわぁ!?」

胸に入ってきたんですけど。

「な、何だ…、今のは…」

胸がドキドキする。

「やはり、目覚めたか…」

これが…恋…?

「お前の身体に入った物は、今倒した、モンスターの魂だ。
お前には、モンスターの魂を自分の能力にする力がある」

違いました。

「な、何で…。そんな力が…(※今更的な意味で)」
「力を得た今、お前はこの城の城主の間へいかなければならない」
「一体何の為に?」
「彼女と、元の世界に戻りたくはないのか?」

え、なにそれこわい。出れないのここ?

「元の世界に戻りたければ城主の間に行くことだ。
そうすれば、全てが分かる」

いやいやいや。なにそのラスボスがそこにいますよフラグ。

「いやいやドラキュラ城の城主の間ってことはまんまドラキュラがいるんでないですか?」
「既にドラキュラは滅んだ。今のドラキュラ城はその魔力の残滓にすぎん」
「でも、なんかさっきみたいなモンスターのすごい版がいる気がするんだけどなー、
っていうかああいう類はヘルシング機関とかベルモンドとか埋葬機関とかに任せておくべきだと思います」
「…ベルモンドは行方不明だ。教会も動いてはいるが、もはや日食の内側に入ることはかなわんだろう」

いるの!?
驚愕の事実。転生先は悪魔城ドラキュラの世界でした。
日本が舞台のなんてあったっけ? シャノアさんに会いたいです。


「生身の人間がこの城に長くとどまることは、死を意味する」


「! つまり弥那は…」
「そうだ、彼女を助けることが出来るのは、お前だけだ」

…なんてこった。いきなり命の危険かよ。

「ここに結界を張っておく。魔物に襲われることは無い。
…俺にはこの城でやらねばならない事がある」

厄介なことになったな…。だが

「行くしかないか」

急ごう。

「待て」



「なんだよ?」
「これを持っていけ」

変な首飾りと変な玉と普通の剣をもらいました。

「なんだこれ?」
「その首飾りにはある程度のものを入れておける。
卵は常に身につけるようにしろ。剣は武器だ」

最後のはわかるよ。有角よ。
とりあえず卵はポケットにいれといて。
首飾りは…どうやって使うのかと思ったら何となく分かった。
剣を入れてって…

「つまり武器を使うような目に会うと…」

欝い。

「時間は少ない。さあ、行け!」

目的地は城主の間か…。

「行くか」



その後、彼の姿を見たものはいない…。


ってならないようにだけ気をつけよう。


ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 ショートソード
防具 コート
他1 首蔵
他2 卵?

ソウル

ウィングスケルトン

その他

オレンジジュース(缶)
PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末


だんだん「礼儀正しく」が適当になっていくのは仕様です。
あとこの蒼真は厨二病です。突然不思議さんになることがあります。



[20761] 暁月編2[激逃]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:41
「ハァ…ハァ…」

俺はいま全速力で走っている。逃げるためだ。

あいつから。

あいつは俺を、俺だけを狙っている。

わかるのだ。今もあいつの視線を感じる。

「ハァ…ハァ…くそっ!」

限界だ。瓦礫に身を隠す。

剣は折れてしまった。魔力もすっからかんだ。

(どこかに休む場所でもあれば…!?)

休ませるつもりもないようだ。
瓦礫がはじけ飛び、中から

「ホァァァイ!!」
「なんなんだこいつはぁぁぁ!?」

真紅のマントに身を包んだ骸骨が飛び出した。


**********

やぁ、俺、来須蒼真(クルスソウマ)
高校生にして転生人だ。

あの後初めて見たゾンビにびっくりしたり、
魔力をソウルに流しこんで発動できるようになったりといろいろあった。

で、剣の扱い(といっても振り回すことしかできないが)やら、
ソウルの扱い(魔力を扱えるようになりました)の練習も兼ねて、
隠れながらゾンビを倒していたのですよ。

ゾンビ
一般に知られる動く死体。伝承によっては腐ってたり新鮮だったり。

悪魔城のは腐ってました。
はじめに驚いて剣を叩きつけたら、
頭頂部から真っ二つ。素晴らしきみたいになった。

何か数体倒してわかったけど崩れた肉や骨を無理やり魔力で人の形にしているみたいだ。
ある程度体が崩れるともう戻れない。
だから剣をたたきつけるだけで、真っ二つだぞ!

ソウルの方は簡単に説明すると、
俺の中に吸収したモンスターの魂があってそれに(俺の)魔力を流し込むと、
その魂の構成情報に従って特殊な能力が発動するという仕組み…たぶん。

なんでこんな能力に目覚めたんだろう?

1. 実は悪魔城作品の主人公だったんだよ!
2. 実は転生したときに神様にもらってたんだよ!
3. 別に理由はなかったんだよ!

多分2だろうな。
1は魔物の力をコピーだったら主人公だったかもしれん。でも吸収だとセルっぽい。
3はないと信じたい。
2ならテンプレ通りだ。

っていうか魔物の魂を吸収って…暴走フラグっぽくね?
ほら、なんか「もうこれ以上は…抑えきれない…ウボァー」って。
ちょうこわい。

吸収の条件も分からんしな。
ゾンビを十数体狩ってそのうち魂が出たのが二つ。
効果は毒物への耐性…たぶん。

もう少し詳しく調べてみる必要がありそうだ。
この吸魔の力(命名)は。

ナンカオラワクワクシテキタドー

「もう少し殺ってみるか」

首蔵(命名)から剣を出すのにも慣れてきた。
ちなみにコートは中にしまった。

早くもこちらに気づかぬ哀れなゾンビっ娘(性別仮)を発見した。

(こっちだ…もっとこっちに来いい…)

なんだか好戦的になっている気がする。
俺は大丈夫だろうか。

きた!

「ヒャッハー! 新鮮な「待てい!!」!?」

だれやねーん!?

そこにいたのは

**********

「チェストォォォ!」
「ヴォォォオオオ!?」

ありえねぇよ!?

はじめにみた羽根つき骨より速い、硬い、強い。
キックで剣折るし、空跳び回るし。
殴っても硬くて突き指しかけたし。
槍(ソウル)は避けるし。

あれ? 打つ手なくね?

「貴様のような! 貴様達のような!
自らの欲を満たすだけに!
罪の無い哀れなゾンビの少女を滅せようとするような輩に!
この私が! この"サスケ・ザ・キシン"が敗れるものかよぉ!」

…キシンとな?
もうダメかもわからんね。




ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 拳
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵?

ソウル

ウィングスケルトン
ゾンビ

その他

初めての魔力(本)
オレンジジュース(缶)
PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末


ユージン、イン自動車合宿教習所なう



[20761] 暁月編3[鬼神の如く]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:43
キシン流
多分「鬼神流」。
分身、高速移動、(中世ヨーロッパでは)特殊な剣を使う。
以上のことから古い時代に日本とかから伝わった退魔術かなんかだと予測される。
ムッムッホァイ!


勝てねぇよ。

「アチョー!」

この蹴りだ。空中から加速するこのライダーキックだけはもらってはいけない。
ショートソードが折れる蹴りってなんよ?

「くっ…!」

まだ避けれる。いっぱいいっぱいですがなにか?

「ぬぅ…ここまで避けるとはな…」

着地の衝撃で砂埃を巻き上げながら静かに語りかけてくる骨(ライダー)。
いやいや、あたったら死ぬ気がするから。

「貴様のことを甘く見ていたようだ」

! 嫌な予感が…。

「ここからは全力で行かせてもらう!」

ですよねー。

コォォォ…という音と共になんだか素敵なオーラのようなものを纏う骨(強化仕様)。
背景が歪んで見えるんですけど。

「これで…終わりだ!トアァ!」

跳び上がる骨(赤オーラ)
ライダーにやられる怪人の気持ちが今ならわかる。
ありえん(笑)

「ホアァァァァァ!」

速い! 無理だ! 避けられねぇ!

っとそう思った瞬間

ゴッ…

頭を後ろから踏みつけられました。

「ひぎぃ!? ぬあっ…!?」

俺の頭を踏みつけて跳び上がったのもまた骨だった。
ただし青マント。

「やらせぬ!」
「貴様は!?」

ぶつかり合う骨と骨。
お互いに後方にはじかれた。

「久しいな…サスケよ…」
「ぬう…まさかまだ生きていたとはな…」

いや死んでいると思うが。

「だが今更何をしに来た!兄者…"ハンゾウ・ザ・キシン"!」

なんですと?

「サスケェ…なぜ貴様は人を襲う…?」
「我らは既に人ではない!」
「ならば食すためか」
「奴は襲われたわけでもないのに、自らの力を試さんとするためだけに魔物を襲ったのだ!」

ごめんなさい。

「人と魔は相いれぬ。それは自然の摂理」
「否、既に魔物たちの魂は王より解き放たれた!
ただ生きようとするものたちを滅ぼすことなど許せるのか! 貴様は!」
「変わらぬな貴様は…」
「私はただすべての生きようとするものには平等に権利があると考えているだけだ!」
「ただ本能のままに人を襲う魔物たちにも…か?」
「当然だ!」
「…やはりお前は一族に生まれるべきではなかったのだ。ここでその魂、祓わせてもらう!」
「やってみせろよ、この"サスケ・ザ・キシン"にぃ!」
「貴様にその名を名乗る資格はない! 消えよ!亡霊!」

どういうことなの。
そしてなぜ説明口調なの。あまり説明になってないけど。

両者空中跳び上がり、赤と青のオーラを纏いぶつかり合う。

…今のうちに逃げようかな。


そうまはにげだした。

だがまわりこまれた!

「逃すかぁ!」
「ぬぉ!?」
「やらせぬ!」

骨(赤)のこうげき!
骨(青)はそうまをかばった。
骨(青)はばらばらになった。

ヤベーよ。頭骨以外木っ端微塵だよ。跡形も無いよ。

「ふんっもはや邪魔者もいない…」

アチャー。俺オワタ。

[少年よ…]

幻聴!?

[頼む…奴を…止めてくれ…]

骨(青)か!

[私の…残った力を…君に…]

うぉ!?

「ぬっ!?」
「こっ…これは…」

青オーラが…体からふきでてます。
体が馬鹿みたいに軽い。

[チャンスは一撃だ…頼む…]

いきなり無茶ぶりですね。

「クククッ所詮付け焼き刃よ!止めだ!」

また跳び上がる骨(赤)

[奴の弱点は…]

既に骨(赤)との距離はほぼない。

[頭だ…]

接触。




「馬鹿な…この"サスケ・ザ・キシン"が…この…よ…な…」

適当にとにかく頭を蹴ろうとしたらすごいことになった。
相手のキックが肩にかすったときに俺の体が回転。
すごい勢いで上段回し蹴り。しかも頭にあたった。

「生きてる…」

想像していたよりも俺の運は強いらしい。
肩がすごく痛いが。

頭骨を砕かれた骨(赤)は残った骨をバラバラにしながら崩れていった。
そして塵となって消えていった。

頭蓋骨が本体なのか?

[少年よ…感謝する…]

…うぉ!? 忘れてた。

「骨(青)…」
[なんなのだそれは…]

「結局あんたらなんだったんだ…」
[我らはかつてこの城にドラキュラを倒すためにきた退魔の一族だ…]
「ほぅほぅそれで?」
[奴…サスケは優しい男でな…祓うべき魔にも情けをかけてしまうような男だった…]

(ありがちだな、おい)

[かつてドラキュラが滅ぼされる前まで城のあらゆる魔物たちは完全に人の敵対者だった…]
「えっ、今は違うの?」
[ドラキュラが滅び…城の主がいなくなった頃から…
少しづつ人の敵対者ではない魔物が現れるようになった…。
我らも…この姿になったことを自覚した…]
「それは…(ミイラ取りが乙)」
[私は…人を襲うものを人が倒すことは自然だと考えている…]

「…さすがに襲ってきた奴相手には情けはかけられねえわな」

[ああ…それでいい…
だが…人を襲わない魔物に出会ったら…むやみには襲わないでやって欲しい…
既にただの生き物とかわらぬように生きている魔物もいるのだ…]

まあ意思の疎通ができるなら…あるいは。

[少年よ…最後にもう一度…感…謝を…あり…とう…]

そうして骨(青)は塵になっ…!? ソウル!?

ポシュッ

…吸収しちゃった。
なんだかなあ。




一回弥那のところに帰ろう。




ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 拳
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵?

ソウル

ウィングスケルトン
ゾンビ
スケルトンキッカー

その他

初めての魔力(本)
オレンジジュース(缶)
PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末


ユージン、イン自動車合宿教習所なう
カオスです。
主にユージンの頭の中が。
そしてまだグレイブキーパーのとこまでも進んでない件について。




[20761] 暁月編4[休憩中1]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:47
**********

前回のあらすじ

「うぉぉーー!」
「さぁ来い蒼真! 実は私は頭を蹴られると一撃で死ぬぞー!」

デュクシ

「ぬわーー!」

「ハァハァ…やっと骨(赤)を倒したぞ!」
「クククッよくやったな蒼真…だが奴はキシン流でも最弱…」
「うぉぉーー!」

デュクシ

「ぬわーー!」

「フッ…やるじゃないか。これなら安心して君にこの力を託せるぞ」
「やった!ライダーキックができるようになったぞ!」
「わが人生に一辺の悔いなし!」
「骨(青)さん…無茶しやがって…」

**********

「っと、まあこんな感じだったな」
「へぇー、蒼真くん大変だった…えーっと…う、嘘だ!」
「なかなか分かってきたじゃないか、あとでジュースを奢ってやろう」
「…やっぱり9本もいらないよぅ」
「京都のぶぶ漬けみたいなものだからとりあえず言わなきゃいけないんだって」

帰ってきて(オレンジジュースを渡しながら)適当に現状報告。だいたいあってるはず。

「体はもう大丈夫なのか?」
「うん。とりあえずは大丈夫。蒼真くんこそ無理してない?」
「もちろんさぁ☆ (嘘、実際にはやせ我慢でしかない)」
「有角さんが結界を張ってくれたから、ゆっくり休んでいってね」

結界
害意を持ったものを近づけさせなくするらしい。
便利なものだ。使ってみたい。
ところで

「弥那、そうじゃない。ゆっくりしていってね、だ」
「…そんなに重要なのかなぁ?」
「ああ…間違えれば地軸がずれる! (これも嘘、言うまでもないが)」
「ええっ!? そ、そんなわけ……どうしよう…どうしたらいいの蒼真くん!?」
「うつです。違った、嘘ですが」
「……」

癒されるなぁ…骨に追いかけられていたのが夢のようだ。
あの後手に入れたソウルにどれだけ魔力を流しても、あの素敵オーラは発現しなかった。
ただ空中で斜めにキック、要するにライダーキックができるようになっただけだ。

「…こんな時でも落ち着いてるんだね」
「ああ、操作系能力者だからな」
「?」

マイペース。

「そういえば有角はどこいったんだ?」

もはや呼び捨てである。

「えっ? えっと…何かやらないといけないことがあるって…そうだ! 伝言があるの!」
「伝言?」

なんだ?

「えっとね。まずこれ、PITに魔物図鑑の機能を追加するチップだって.
それともし剣が折れたり曲がったりしてもそのへんを探せばまた見つかるかもって」
「…さすが悪魔城! あらゆるものは現地調達! サバイボウ!」
「あのね…水とご飯は用意していってくれたの。蒼真くんの分も。はい、これ」

とりあえず受け取り首蔵に入れる。こらこら弥那さん、欲しそうにしないの。

「その首飾りってひとつしかないのかなぁ?」
「有角にきいてみたらいいんじゃないか?」

ってか結構食料あるな。これをスーツの中に隠していた…いや、担いで持ってきた…?

「有角さんも持ってたし」

ですよね。そんなわけないよね。
もう少しでイケメンのシュール画像が脳内に完成しそうだった。
……ん?

「なあ弥那」
「なーに?」
「有角って…お前のなんなんだ?」
「!? ゲホッケホッ…」
「ちょ、おい大丈夫か?」
「…大丈夫、うん、大丈夫。
有角さん? 有角さんは…えっと…お世話になっている人…なのかなぁ?」

何故に疑問。

「昔から、よく家に来てたみたいなんだけど…よくは知らないの」
「ほうほうそれで?」
「国の諜報機関にいるって、聞いたことはあるけど…」
「諜報機関? あれだろ。CIAだったかFBIだったかNBAだっけか? まあスパイ、つまりボンド」
「(接着剤…)なんだか不思議な人なの」

見ればわかる。

「普通の人って、10年も経ったら、
少しぐらい変わるものでしょう?」
「そりゃあなあ」
「全然、変わらないの」
「気のせいじゃなくて?」
「そうなのかな…」

スパイで年をとらない美形?

「でも、顔だって綺麗過ぎるし、人間離れしてると思わない?」
「…弥那。よく聞くんだ。それ以上いけない」
「…え?」
「奴は危険だ。奴はきっと過去に幾人もの女性を泣かせてきたに違いないんだ、たぶん。
もしも、あーゆうのがお前の好みだとしたら、
俺はあいつがごめんなさいというまで綺麗な顔をぶん殴ってやる!」
「な、何、言ってるのよ! 私はどっちかといえば…。
!?
関係無いじゃないそんなこと!」
「冗談だよ。お前が本気だというなら止めはしないさ。だがその道はイバラのみ「違うってば!」むぅ…」

奴は確かにイケメンだ。間違いない。何が違ったのだろうか…。
しかし、年をとらない色白の美形か…吸血鬼だったりして。
いや、日当たってたしなあ。
いや日食の中なのに日が当たるってのもそもそもおかしいしなあ。

「もう…蒼真くんのバカ…」
「ワード”バカ”を抽出しました。バカとはなんだねバカとは」
「そんなことより!」

そんなこと…。

「蒼真君もここにいたほうがよくないかな?」
「んー、いや。ここから出るためには、
城のあちこちに隠された7つの宝玉を集めて最上階の祭壇に捧げなくてはいけないらしいんだ。
ちょうど退魔の力に目覚めたんだ。有角も忙しそうだし行ってくるよ」

でも骸骨(オーラ)は勘弁な!

「そうなんだ…。でも、気をつけてね」
「ああ、全力で気をつけ尽くしてやるさ。
あっ! これ読むか? 暇つぶしの道具にでもなるかも」
「…一応預かっておくね」

初めての魔力

っと、

「弥那?」
「何?」
「俺の事、信じてくれるか?」
「うん。蒼真くん危ない嘘はつかないもの」

(ちょっとからかってるだけなのに)

「じゃ泥舟に乗った気分で待っていてくれ。
ここから戻る方法を必ず見つけ出してみせるさ」
「泥舟はいやだなぁ…」
「ならノアの箱舟にでも気分で変えてくれ」
「うん。待ってるから。
絶対に、無理だけはしないでね」
「まかせとけって」

さて長くここにいたら危ないって事は、黙って置いた方がいいかな…。

「いってきます」
「いってらっしゃい」


とりあえずは武器の調達だ。
行こう。


おまけ
「あと有角さんがね」
「ああ」
「かつてない強大な魔力の塊が二体ほどこの近くをうろついているから気をつけろって」
「……(先に言えよ)」



ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 拳
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵?

ソウル

ウィングスケルトン
ゾンビ
スケルトンキッカー

その他

PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末
魔物図鑑機能


ユージン、イン自動車合宿教習所なう

どう考えてもあのコートを高校生が着るのは妙だ→誕生日なら仕方ない

コーラ瓶の蓋はベルトのホックで開けたりもできるらしいです。見たこと無いけど。

有角に対してはイケメンという印象が強すぎたということで…。

状況描写が少ないのは単純にユージンの力量不足です。
申し訳ないです。

ぼくドラキュラくんから題名をとっています。

宗真は悪魔城のメインと有名な外伝はあらかたやっていたりします。

悪魔城の新作PS3かXBox360で希望



[20761] 暁月編5[魔物との戦い・初級編]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:50
**********
前回のあらすじ

「きゅ、休憩しました…」
「ああ…つぎは武器調達だ…」

以上

**********

(恐怖が麻痺しているのだろうか)

ぜんぜんゾンビが怖くない。
主に骨(紫)のせい、たぶん。

ゾンビはライダーキックで倒した。
触りたくないから。

(ゾンビさん踏み台役乙です)


襲ってくる奴以外を無視して進んでいたら、
あっさり瓦礫の道を抜けた。
骨(紫)がいなければ普通にここまでこれたのに。

っお? …水の流れる音だ。
これはなんだろう。池か? 池っていっていいのか?
地下水を組みだして貯めているのだろうか。

「シャー!」
「シャー?」
「シャー!」

なんかいる。
っとこんな時は…隠れてっと。

(お前の出番だ…いでよポ○モン図鑑)

カメラから取り込んだ映像を読み取らせる。
ちなみに、俺のPITは自作の改造品でありシャッター音はない。
…でた。

はんぎょじん
水辺に生息し近寄る獲物を襲う

…えっ? 弱点とかでないの?
だめじゃん。

あれ? いくつか知らないデータが…

ゾンビ
はんぎょじん(New!)
ウイングスケルトン
スケルトンキッカー

ああ。倒した奴の名前がわかるのか。
仕組みはわからんが。

適当に閲覧する。

判明。

写真があれば名前がわかる。
ソウルを手にいれればその他もろもろもわかる。

(なかなか便利じゃないか…)

あの骨(紫)ってスケルトンキッカーだったのか…。
てっきり新種だと思ってたよ。


とにかく、あいつらはこっちに気がついていないようだし一気に駆け抜けよう。

あいつが振り返った瞬間に後頭部を踏みつけて飛び越える!

…今!

「ぃよっと」
「ぎょ!?」

成功。
あとは地雷原を一気に駆け抜けてや…なんだあれは?

なんといえばいいのか。
魂を瓶詰めにしたようなものがあった。
これはいったい…。

「シャー!」

しまった!?
忘れてた!

ブバッ

「うぉぉ!?」

口から水吐き出しやがった。
しかもすごい威力だ。
バケツで水をぶっかけられる以上の衝撃だ。
痛えし、冷てえ。

吹っ飛ばされました。
さっきのなんだかよくわからないものの方向に。

ガシャン

あ…壊しちゃった。
飛び出した魂を吸収と同時に池にボチャン。

水の中ではんぎょじんの団体さんとご対面。

**********

急いで陸に上がって逃げてきた。
水の中の奴らマジパネェ。
槍とかあっさり避けるんだもの。

(しっかしびしょ濡れだな…)

服が水を吸って、すごく…重いです。
コートしまっておいてほんとに良かった。


…この部屋に入った途端あいつら追いかけてこなくなったな。
原因は…

「これか…」

女神像
俺にもわかる。
これからはなにか神聖なそれっぽいアレがでている。

ここで休憩しよう。
さすがに服が乾くまでは待っていられんが、
軽く絞っておけば動いているうちに乾くだろう。

そういえばさっきの瓶詰めソウル(仮)はなんだったんだろうか。
壊してよかったのだろうか。
あとで弁償とか…!

[既にドラキュラは滅んだ]

なんてこった。
別に壊しても怒られねーじゃねーか。
所有者はもういないし。
過去のベルモンズなんてあちこちの燭台壊しまくってたんだし。
…よし。大丈夫だ。

あとはさっき手に入れたソウルを確認するか。
陸まで追っかけてきたはんぎょじんを倒したときにソウルも手に入れた。
さっきの水鉄砲が撃てるみたいだ。

もうひとつは瓶詰めの方。
魔力を流すと、

カカッ

「おぉ?」

バックステップ。これはいいものだ。
回避に使えそうだ。
相手に背中を見せないですむ。


ギュッギュッ

と服も絞った。

出発しよう。

**********

部屋をでたら目の前がはんぎょじんでいっぱいだったらどうしよう。
っと思っていたがそんなことはなかった。
もう既にあいつらは池の方に戻っていた。
気付かれないように別の道に行けそうだ。

**********

途中でこうもりに襲われたけど、
私は元気です。

ソウルも取れました。
普通のこうもりじゃないのだろう。
悪魔城だし。

さて、また入口付近のような瓦礫の道にもどってきたわけだが。

骸骨がいる。
複数。

俺は骸骨に苦手意識を持ってしまったのだろうか。
近づきたくない。
はじめてゾンビをみたときよりひどいかもしれない。

隠れて進もう。

**********

バレませんでした。
よかった。

今度は整備された道にでた。
やっと城って感じがする道だ。
道の端には鎧が飾られている。

…その中の一本を素早く首蔵に入れる。

ブロードソードを手に入れた。

(…別に火事場泥棒とかじゃないんだから! 勘違いしないでよね!)

気持ち悪いね。


ギシギシッ
ゴゴゴッ


!?
周りを見渡す。
あるのは鎧だけだ…!?
待て。あんな所に鎧があったか。
っていうか

ブワッ

「あぶねえ!」

斧投げてきた。
死ぬかと思った。刃物だよ。
骨(紫)の時とは違う、現実的な死の感触がした。

ガシャッガシャッ

こいつの正体は魔物図鑑なんてなくてもわかる。

アックスアーマー

悪魔城シリーズほぼ皆勤のザコモンスター。

こいつがザコ? ねーよ。
刃物投げてくる奴がザコとか。

だが今のこいつは斧を投げたせいで無手。
今なら倒せる!

「くらえ!」

[蒼真! 伏せて!]

!?

ブワッ

頭の上を通りすぎる巨大な質量。
それを奴が受け止めるのと同時に、俺は全力で獲物を奴に叩きつけた。

**********

忘れていた。
こいつらは斧をブーメランにするタイプもいるんだった。

塵となり消えていく鎧(と折れた剣)を見ながら思う。

[蒼真! 伏せて!]

しかしあの声はいったい…?

また骨(青)が助けてくれたのだろうか。
…いや。

(女の子の声だったよな…)

まあいい。
とにかく先に進もう。

**********

あの扉の向こうから大きめの魔力を感じる。

「…よし! イクゾー!」

入った先には

「あ…ああ…」

巨大な骨

どうやら俺は骨に縁があるらしい。



ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 拳
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵?

ソウル

ウィングスケルトン
ゾンビ
スケルトンキッカー
はんぎょじん
グレイブキーパー
こうもり

その他

PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末
魔物図鑑機能


ユージン、イン自動車合宿教習所なう

文章上不自然な部分などは、
箇条書きで教えていただけるととてもありがたいです。




[20761] 暁月編6[退魔の心得・初級編]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:52
**********

前回のあらすじ





以上

**********


「あ…ああ…」

それは人間の骨の形をしていた。
人間の上半身。
だがあまりに大きすぎた。
頭蓋骨だけで俺の身長くらいある。

ありえない。
なんだこれは。
いったいなんの骨からこんなものができたんだ。

恐怖で体が動かない。
骨(赤)と戦ったときほどの威圧感はないのに。
奴が右腕を振り上げているのに。

[避けて!]



ドゴッ

奴のもつホネこんぼうは地面に突き刺さった。
危なかった。
バックステップがなければ即死だった。
いや、それ以前にあの声がなければ動くこともできなかった。

「くそっ!」

情けない。
ビビって動けないなんて!
とにかく一旦距離を開けないと…。

[怖がっちゃだめだよ! 恐怖は魔を強めるの!]
「さっきからいったい誰なんだ!」
[いまはそんなことより目の前の敵に集中して! くるよ!]
「く…」

振り回されるホネこんぼうを避けながら考える。
今俺は武器を持っていない。
相手のリーチは長い。
ソウルを使っても今の俺じゃあ相手の間合いに入らないと当てられない。

しかし…

(あの間合いに入る度胸がない…)

そもそも俺はビビリだ。
ゾンビやはんぎょじん、アックスアーマーと戦ってきて、
恐怖が麻痺していたのかと思ったらそんなことはなかった。

くそ…くそ…どうする!?

[とまっちゃダメ!]
「なっ…グッ!?」

奴の振り回した腕にあたったようだ。
吹き飛ばされて壁にたたきつけられた。
痛い。

「うぇ…」

口の中切った…。
だが距離は開いた。
今のうちに

「おい! あいつはどうやったら倒せる!」

口の中の血を吐き出しながら問いかける。


「おい! 答えろよ!」

返答はない。

ちくしょうめ。
ついに天の声にまで見放されたか。

近づいてくる骨。

もともと無理だったのか?
転生したとはいえ、
ただの一般人だった俺が少し体を鍛えた程度じゃあ悪魔城に挑むなんて無理だったのか?

右腕を振り上げる骨。

[…まの…み…も、こい…は倒せる!]



[魔物は人間の心から生まれているんだ!
本来なら人間が負けるはずがないんだよ!
でも恐怖を持って触れてしまえばそれだけ強く見えてしまうだけ!
倒すという気持ちがあれば倒せるはずだよ!]

「簡単にいうねぇ…」

[こんなところで終わったらあの娘と一緒に帰れないんだよ!]

!?

振り下ろされるホネこんぼう。

(…ああ、終われねえよ)

やってやるさ。
その綺麗な頭蓋骨をぶん殴ってやる!

ドゴッ

バックステップで避け、そしてその腕を駆け上がる。

「ぉぉおおお!」

[とにかくはやくこいつを倒してよ! 揺れが…]

そして俺は

「くらええぇぇ!」

全身の体重をのせた右ストレートをその眉間に叩きつけた。

**********

消えてゆく骨の体を見ながら、
俺はその左腕に引っかかっていた卵(仮)を拾い上げた。

「お前がさっきからの天の声だな」
[アル…有角から何も聞いてないの?]
「ただ持っておけとしかきいてねえよ!」

さっきからの声の正体は卵(仮)でした。

[まさか何も伝えていないとは思わなかったな…]
「結局お前なんなんだよ?」
[僕? 僕はまだ卵だから生まれてみないとわからないな]
「どういうことなの。…まあいい。とりあえず助かったよ」
[そう頼まれているからね]
「卵なのに」
[卵だからだよ。僕は君の魔力を少しずつもらって成長するんだよ]
「…つまりしゃべれるようになったのはアックスアーマーの時か?」
[その通り。君より少しはこの城に詳しいからね。サポートしてあげるよ?]

なるほど。サポートか。

「そうか。じゃあよろしく頼む。改めて、来須蒼真だ」
[よろしく。僕の名前はまだないから生まれたときに名前をつけてね]
「名付け親か…」
[ゆっくり考えてね]


フワッ

!?
何だこの珠は!?

[大丈夫だよ]
「なんだよこれ?」
[触れてご覧。さっきの骨の魔力の塊だよ。確か傷も直してくれるはずだよ]
「ほう…そういうものもあるのか…」

触れると一気に口の中の傷が治った。
これはすごい。
実は口の中を切った以外は大したケガはなかったのだが。

[蒼真]
「ん? なんだ?」
[これから魔物と戦う上で絶対に覚えておいてほしいことがあるんだ]

なんだ?

[恐怖に飲まれないこと!
恐怖を感じないようにすればいいんじゃない。
それじゃただの馬鹿だしね。
それに飲まれないことが大事なんだ]
「…難しいな。やっぱり怖いさ」

これからも戦えるだろうか?

[大丈夫だよ。さっきの君なら及第点だ!]
「むう…まあがんばるさ」

ふむ。
とりあえずサポートも手に入ったし、これからも戦えそうだ。
頑張ろう。





オマケ

しかしボクっ娘か…生まれるのが楽しみだ。

[ん?なに?]
「いや何でもない」




ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 拳
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵(サポート)

ソウル

ウィングスケルトン
ゾンビ
スケルトンキッカー
はんぎょじん
グレイブキーパー
こうもり

その他

PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末
魔物図鑑機能


ユージン、イン自動車合宿教習所なう

文章上不自然な部分などは、
箇条書きで教えていただけるととてもありがたいです。

サザンアイズ全巻読みました。
合宿で何やってんだろ…。




[20761] 暁月編7[覗き目]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:54
**********

前回のあらすじ

ついに己の恐怖に打ち勝ち、真の勇気と力を取り戻した蒼真。
だがそれは有角の仕組んだ巧妙な罠だった!
新たなる仲間と共に、蒼真は最後の戦いに赴く…。

**********

「というのを思いついたんだが」
[それじゃ有角がラスボスみたいじゃん。
どうでもいいから早くその地図開いてみてよ]
「見えんのか?」
「君の目を通して見るんだって! ほらはやく!」

今、俺は卵(孵化するまでそのまま呼ぶことにした)と一緒に、
拾った地図をみている。

[うわっ。だいぶ形が変わってるや]
「悪魔城経験者なのか?」
[一応ね。でも悪魔城は混沌から生み出されてるから]
「入るたびに形が変わる、と…」

それなんて不思議のダンジョン?
正確には復活するたびにだけどねー、と話す卵。

しかしこいつはいつ悪魔城に入ったのだろうか?
こんなサポート役が悪魔城にいるなんて知らない。
せいぜい二人組で入った時に相談ができるくらいだったと思うんだが…。

「なあ」
[なに?]

「お前はいつここに来たんだ?」

直接聞いたほうがはやい。

[えっとね…前回は確か…30年くらい前…1999年だったかな?]
「ほう? その年ってなんかあったのか?」
[さあ? アル…有角は何も教えてくれなかったし、途中からおいてかれちゃったからわかんない]

おいていかれたって…

[卵に戻されてポーン…っていうのは言い過ぎだけどそのまま道具袋の中にいたらしいよ]
「へー。で、その前は?」
[その前? その前は…ごめん。ちょっと記憶が足りなくてわかんないや]
「なんと! 記憶喪失とな!」
[知識は殆ど残ってるし、君の魔力を吸収し続けてれば少しずつもどっていくはずだよ]
「ふーん。吸いすぎないでくれよ? こっちはど素人なんだから」
[大丈夫大丈夫。普段発散している無駄な魔力もらってるだけだから]

記憶が戻ったらまたきこう。


さて地図を見ているわけだが…

「卵。今俺の後ろから凄まじい気配というか視線を感じるんだが」
[ごめん、言うの忘れてた。後ろからピーピングアイが近づいてるよ]

(そういうことは…)
「先に言え!」

前に飛び出し、後ろを振り向く。
そこには

「このロリコンどもめ!」
[なにいってんの?]
「いやあんなの見たら言わざるをえないだろう?
まさかバックベアード様がご降臨されるとは…」
[ピーピングアイだって。そんな上級の魔物じゃないよ]
「なにっ! やはりベアード様もいるのか!」
[伝説やら人の噂になるものだったら大体存在する可能性があるよ。悪魔城には]
「そうなのか」
[そうなのだ。っま、戦うんならこいつはぶつかってくるだけだから簡単に倒せるよ]
「ほうっておくのは?」
[ずっと見られる…っていうのは人の精神を衰弱させるんだよ。
これからのことを考えるなら、一度目をつけられたなら潰しておいたほうがいい]
「なんか不良の掟みたいだが、仕方ないな」

グシャッ

ぶつかってくるピーピングアイを地面に叩きつける。

「やっぱり武器は必要だな…」

手が何かぬめぬめする。
すぐに塵になって消えるとはいえ、あまり好ましくない。

ボシュッ

ソウルだ。
吸収する。

[へえ…それが蒼真の力か]
「名づけて吸魔の力。俺には魔物の魂を吸収して使う力がある」
[で、ピーピングアイの能力は?]
「ちょっと待てよ。
…ソウルの受ける魔力の量が少ないっていうか低燃費だ。
これなら慣れればずっと使っていられそうだ」

こういうソウルもあるのか。
さて能力は…ん?

「卵。この壁変じゃないか?」
[…んー。わかんない]
「たぶん壊せる…」
[そういえば悪魔城にはそんな壁もあったね]
「こいつの能力だな。俺にはそんな洞察力はないし」

洞察力が上がるのか。
戦闘の役に立つかもしれないな。
しばらく魔力を流し続けてみよう。

「さて、壊せそうだがスコップやらツルハシが都合よく落ちてたりしないかね?」
[素手で殴ってみれば?]

ほう…

「フタエノキワミ、アッーーー!」

ドゴッ

[いいパンチじゃん。魔物にも効くわけだ]

まさか本当に壊れるとは…。
まあいい。
さて奥には何があるかな?

[右のほうだよ]
「これは…」
[よかったじゃん。武器が手に入って]

クレイモアを手に入れた。

ブンッブンッ

「ふう。振り回せるな…大丈夫だ」

武器調達…完!

[あのさ、蒼真]
「ん? なんだ?」
[実は魔物と戦った経験あったりする?]

なにを馬鹿なことを。

「この城に来て初めてですがなにか?」
[うーん。身体能力が上位の退魔師並なんだよね。魔力も]

マジで!? ちょっと嬉しい。

「ちっちゃい頃から鍛えてたからな」
[それにしたってちょっと強すぎかな。
実は記憶喪失だったり、前世の記憶があったりする?]

!?

「…笑わないなら言う」
[いいよ]
「実は断片的に前世の記憶があったりする(半嘘)」

ほぼ前世のままです。

[うーん? 実は前世で凄腕の退魔師だったとか?]

それはない。

「まあ結局強いのは力だけなんだろ? 技もない、心もなっていないんだ。頼りにしてるよ?」
[そりゃ全力でサポートするけど…なんか違和感があるなぁ?]


首を傾げる(?)卵と共に、俺はさらに悪魔城の探索を続けた。





オマケ

「前世の記憶がある!? …いや、それならベルモンドを知っていてもおかしくない?
しかし報告書では未覚醒のはずだ…。蒼真…お前はいったい…」
卵とリンクしている人がいたり。



ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵(サポート)

新しいソウル

ピーピングアイ

その他

PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末
魔物図鑑機能


ユージン、イン自動車合宿教習所なう

文章上不自然な部分などは、
箇条書きで教えていただけるととてもありがたいです。

バガボンド(1-20)、グルグル(1-10)読みました。
学科模擬の点数が取れないです。
交通ルールって難しい。

鼻悪魔! それもありか…? いや…しかし…。



[20761] 暁月編8[休憩中2+α]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 20:57
**********

前回のあらすじ

「このロリコンどもめ!」

以上

**********

「重力。
地球上のすべての存在が受け続ける宿命を負った力場だ。
この力によって空気抵抗などを考えなければ、
落下する物体は毎秒約9.8m/sづつ地上方向に加速することになる。
つまり何が言いたいかというと…
[単に高いところが苦手なだけでしょ?]
…Exactly(そのとおりでございます)」

俺達は今六階建てのビルの屋上、そのくらいの高さの瓦礫の山の頂点にいる。
地図のとおりに来たんだけどなー。

「ほんとにこっちなのか?」
[だってちゃんと道もあるじゃん]
「…あれか?」

瓦礫を支える壁の反対側に確かに道はある。


「この距離を飛び移るのは無理だろう?」
[やってみれば?]
「なんと死ねと申すか」

さすがにこれはないわ。

[こういう時はどこかに方法があるはずだよ]
「そんなもんかね。とりあえずさっきの階段を下ってみるか」




「地下水路かよ…」
[ここなら進めそうだね]

せっかく服が乾いてきたのに。
まあ諦めるわけにもいかないので、水の中に入る。

バシャッ

「冷たい。とても」
[地下水はたいてい冷たいものだよ]

不親切な設計だ…!?

「痛ッ!?」
[あ、キラーフィッシュだ]
「痛ッ! こんのっ!」

クレイモアを水中のキラーフィッシュに突き刺す。
キラーフィッシュはあっけなく泡になっていった。

「うわ…噛み付かれたところ血でてるよ…」
[そのくらいならほっといても治るよ。でも水の中にずっといるのはよくないな]

ちくしょう。

「とっとと進もう」
[ちょっと待って!あれ!]
「あれは…」

瓶詰めソウル発見。

「なかにソウルが入ってるんだ」
[ソウルキーパー。復活しやすい魔物なんかを魂を切り離して封印してるんだ。
普通なら壊すと復活しちゃうんだけど…]
「俺なら吸収できるな」
[うん。壊しちゃおう]
「了ー解」

ガシャ

クレイモアをフルスイング。
木っ端微塵になったソウルキーパーから魔物の魂が飛び出した!

やったー。
フライングアーマーのソウルをつかまえた。

[能力は?]
「落下速度の減速…パラシュートみたいなもんかな?」
[さっきのところそれを使って飛び移れない?]

うーむ。

「試してみるのは怖いなぁ…」
[怖いからって]
「それよりも有角から伝言があるかもしれないから、いったん弥那のところに戻ってみよう」
[後回しにしても多分あそこしか道ないとおもうけどなー]
「っく…」

まあ弥那ちゃんにも会ってみたかったし別にいいけどねー。
と卵。
べ、別に怖くなんかないんだから!勘違い…これまえにやったなー…


まあそんなこんなで弥那のところに帰ることになりました。
ちゃんと服は絞った。

帰ってきました。

「おかえりなさい」
「ただいま。体の具合とか、平気か?」
「全然、平気よ」
「そか」

まだ大丈夫みたいだな。

「有角さんから伝言預かってるの」
「ほう。どんな?」
「えっとね。
落下速度を遅く出来れば、ジャンプした時の飛距離を伸ばせるって」
「…」

あいつはエスパーか。

[ほら。やっぱりさっきの道であってるんだよ]
「いやでも怖いしなぁ」
[女の子の前でカッコつけなくてどうすんのさ]
「そんなこといってもなぁ」

こわいもんは怖い。

「そ…蒼真くん?」
「ん? どうした?」
「え…あの…誰と話してるのかなー…って…」

Oh。

「これだ」
[イエーイ]

卵を見せる。
弥那は少し卵を見て…

「しゃべるの? これ…?」
「…卵よ。もしかして…」
[魔力が足りなくて、音は出せないんだ。
ちょっと弥那ちゃんに持ってもらって]

卵を手渡すと、弥那は興味深くそれを見ている。

[これでラインが繋がったはずだよ]
「キャッ! び、びっくりした…」
「ほう。なにか弥那の体に負担とかは?」
[ないよ。僕が波長を合わせただけだから]

なら安心だ。

「…女の子なんだ」
[まだ生まれてないからわからないけどね。
改めてはじめまして、サポートの卵だよ]
「あ…こちらこそはじめまして、白馬弥那です」
「なら俺の名前は…
「[知ってる]」
…orz」

いってから突っ込んで欲しかった。

それから適当に今までのことを報告したあと(骨にビビったことは隠した)、
出発することになった。

「また来てね。有角さんから伝言あるかもしれないから」
「わかった」

「いってらっしゃい」
「[いってきます]」


もどってきて

[さあ! 跳ぶんだ蒼真!]
「ちょっと待った。一回降りて地上で試してからでも…」
[僕たちには時間がないんだ!]
「適当なこと言ってないか…?」

うだうだいっていても仕方ないので、
ソウルに魔力を通す。

ブワッ

風とともに羽の生えた鎧が背中に現れた。
この感触だとパラシュートというよりグライダーのようだ。
これなら大丈夫だ。大丈夫のはずだ。

「行くぞ…」

バッ
フワッ
ストッ

無事についた。
が、あの一瞬の浮遊感は気を失いかける威力があった。

[これで進めるね]
「これで行き止まりだったら泣くけどな」
[悲観的になったりすると魔物が寄ってくるよ。ほら]

さて、さっそく来たか…。
なかなか好戦的な魔物たちじゃないか。

「よし! 卵よ!」
[うん]
「隠れてやり過ごそう!」
[やっぱりか]

とっとと先に進もう。





オマケ

「そういえば有角に首蔵が余ってるか聞いたのか?」
[首蔵?]
「これのことだよ」
[あーこれか]
「うん。でもやっぱり余ってないって」
[そりゃ結構なレアアイテムだからね]
「そうなの? でも有角さん自分のを渡そうとしてくれたのよ?」
「…」

やはり弥那狙いなのか…?





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵(サポート)

新しいソウル

フライングアーマー

その他

PIT(ポータブルインフォメーションターミナル)小型情報端末
魔物図鑑機能


ユージン、イン自動車合宿教習所なう

文章上不自然な部分などは、
箇条書きで教えていただけるととてもありがたいです。

見直すと小学校の頃書いた感想文みたいになってるような気がせんでもないとも言い切れ無い感じになってることは、
よくあることですよね?



[20761] 暁月編9[蛇と宗教家]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 21:02
**********

前回のあらすじ

高いところなんてぜんぜん怖くなんかないよ!

以上

**********

悪魔城。
あまたの魔物が跋扈するこの空間にそれはあった。

[(ほんとにばれないの?)]
「(実際ばれてないだろ? 魔物も不自然だとは思ってるみたいだけど襲ってこないし)」

段ボール箱である。
休憩に行ったときに弥那にことわり、食料の入っていたダンボールをもらってきたのだ。

これまでの魔物の反応を見る限り、
このへんのゾンビやらスケルトンやらは直接俺の姿を確認しない限り襲ってこない。
また、気配を感じたりといった能力もないようだ。

まあ新しい魔物がいたらまた別だが…


いました。

「(図鑑図鑑…あった)」

ゾンビアーミー

[(あれは…1999年の時に乗り込んできた軍人さんの死体だね…)]
「(退魔師以外の人間をいれたのか?)」
[(あの時はどこの国も自分たちの国こそが魔王を倒した英雄だっていうのを望んでいたからね…。
教会からやめるようには言われていたみたいだけど、この量だと裏で勝手に軍を動かしてたんだね…。
はじめから専門家に任せておけばここまで被害はでなかったと思うけど)]

うーむ。
まあ少数の人間に人類の未来を任せてしまうというのもちょっとな。

コロンコロン…

「[ん?]」

足元にピンの刺さった丸い形をした物体。
どう見ても手榴弾です。本当にありがとうございます。

「!?」
[あ! ちょっ!]

ガバッ

とっさにダンボールを首蔵にしまい、手榴弾を拾い上げ遠くに放り投げた。

「び、びっくりした…」

はじめて本物をみた。
ピンは刺さっていてもびびるわぁ…。

[あのさ…蒼真…]
「ん?」

「「「アー…アー…」」」

ゾンビアーミーに囲まれていました。
みんな手榴弾を持って。

「!?!?」

ザワ…ザワ…

[後ろからもきてるよ! ってか全部憑いてきてるんじゃん!]
「と、突破するぞ!」

手榴弾を投げつけられた。
だがあくまでゾンビ、動きは遅い…!

「その頭を…踏み越える!」

ポーン
シュタッ

[とにかく安全なところまで!]
「走り抜ける!…!?」

ドカーン! ドカーン!

後ろで起きた爆発に巻き込まれました。

「うおぉぉぉ!?」

**********

あの後俺は、吹っ飛ばされた先に地面がなくてフリーフォールを体験することになったりしたんだが
(フライングアーマーがなければ即死だった)それは置いておく。

「というわけなんですよ」
「それは災難でしたね」
「しかしグラハムさんは日本語が上手ですね」
「ふふっ。今回この日食を観に来るために勉強しましたからね」

近くにあった扉をくぐった先にたまたま人間がいたので話をしているのだ。
グラハム・ジョーンズさん。宗教家らしい。
神社にいた人間はみんな日食に巻き込まれたそうな。

「あなたはどのようにしてこの城に来たのですか? 神社では見かけませんでしたが…」
「よくわかんないんですけど、鳥居をくぐったときに気を失って気づいたら…」
「なるほど、そうでしたか」

この人は状況に詳しそうだな…

「ちょっと質問してもいいですか?」
「はい、かまいませんよ」
「ここはドラキュラ城ですよね? なんで日本の日食に出現しているんですか?」
「…ふむ。あなたはどれくらいこの城のことを知っていますか?」
「とりあえずは…
1. 吸血鬼ドラキュラの魔力の結晶であること
2. ドラキュラが滅んでその魔力の残りカスであること
3. 復活するたびにその姿が変化すること
…ほかにもなにかありそうだけどこれくらいです」
「…一般人にしてはちょっと詳しすぎる気も…
「オカルト趣味なんです(嘘)」
…まあいいでしょう」

危なかった。前世の記憶でドラキュラの生誕秘話とか話す勢いだった。

「ノストラダムスの大予言を知っていますね?
恐怖の大王…ドラキュラは1999年に完全な力を持って復活しました。
しかしヴァンパイアハンターたちがドラキュラを完全に滅ぼしました。
その結果魔王が復活の輪廻から放たれ、その力の象徴であるこの城が”日食”という現象に封印されたのです」

つまり日本のである必要はなく”日食”があればどこにでも現れるのか。

「しかし、続きとも言える別の予言が存在したのです」

!?

「2035年…。
城は新たな城主を迎え、力を受け継ぐ者が現れる」

…アルカードは?
いやそれよりも

「2035年…今か…」
「ご理解いただけたようですね。
おっと、話が過ぎました。もう、行かなくては…」
「あっ、有難うございました」
「では、失礼。くれぐれも、気をつけて」
「グラハムさんも」

コツッコツッコツッ

行っちゃったな。

[蒼真…さっきの男には気をつけたほうがいい]
「うぉ!? ずっと黙ってたと思えば…さっきの男…グラハムさん?」

なぜに? いい人っぽいが…

[確かに言っていることは間違ってない。でもなにか違和感があるんだ]
「違和感?」
[…とにかく気をつけて]
「ふーん…」

ぬぅ…実はサンジェルマン伯爵だったとか?
ないか。

まあ次会ったら考えよう。
とりあえずまとめると
ドラキュラは完全に消滅。
だがその力は消えていない。
今ちょうど後継者が現れる。

…待てよ?
有角は城主の間を目指せって言ってたよな?
どういうことだ?

[蒼真?どうしたの?]
「ん? いや、たいしたことじゃない」


次弥那のところに戻ったら有角への伝言を頼んでみるとして、
今はとりあえず先に進もう。






オマケ

「ところで手榴弾の威力が、数の割に思いのほか弱かった気がするんだが…」
[あれは魔力で作られたまがい物だよ。昔持ち込んだ本物が混じってたみたいだけど。
魔力で作られた方はそこまですごい威力じゃないはずだよ。低級の魔物の作ったものだから]
「そういえばソウル手に入れてたな。えい」

ポンッ

「ピンはないのかよ!?」
[早く捨てないと!]

ボフッ

[…ね? あんまり威力無いでしょ?]
「すごく痛いけどな…」





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵(サポート)

新しいソウル

ゾンビアーミー

その他

PIT
魔物図鑑機能
段ボール箱

ユージン、イン自動車合宿教習所なう

文章上不自然な部分などは、
箇条書きで教えていただけるととてもありがたいです。




[20761] 暁月編10[礼拝堂散策]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 21:04
**********

前回のあらすじ

兵など所詮捨て駒よ…
この気持ち…まさしく愛だ!(宗教的な意味で)

以上

**********

廊下を抜けるとそこは礼拝堂だった。

「悪魔城という名前なのに礼拝堂とはこれいかに?」
[礼拝堂とかは無駄に清浄な空間になっているから、結界がなくなると魔物とかの巣になっちゃうんだよ]

いや、そういうことじゃなくて何考えて城の中に礼拝堂を作ったのかと。
ドラキュラが魔王になる前に設計したのか?
作ったのは大工だろうが。

「火の玉…ゴーストがブンブン飛んでるな」
[生きているものに吸い寄せられる悪霊だね]

近づいてきたら叩き落すということで、ほっといて進もう。

「そういえばあとどれくらいで記憶が戻ったり、体を作れたりするんだ?」
[んー、あとちょっとかな?大型の魔物を倒せれば魔力の塊ですぐかも]
「あんまり戦いたくないんだけどな」

魔物を説得とかができればいいのに。

「今のところ骨(紫)以外はみんなオレサママルカジリ型だからなぁ…」
[なにそれ?]
「問答無用で襲ってくるって意味だよ」

魔物と会話できるソウルもあるかもしれんな。
考えておこう。

群がってくるゴーストを適当にさばきながら進んでいると、
前方からこのまえ倒したがしゃどくろ(図鑑より)とおなじくらいのサイズのゴーストが飛んできた。
ふつうのゴーストと違い、炎の中に頭蓋骨が見える。
つくづく骨に縁がある。

[大丈夫?]
「大丈夫だ…こ、怖くなんかないんだから! 心配しないでよね!」
[………]

うけなかったorz

さてそんなことを言っている間にビッグゴースト(仮)もこちらに気づいたようだ。

[広い場所で戦ったほうがいい]
「たしか地図だとこの先は広い空間があったはずだな」

体当たりをしてくるビッグゴーストの横を通りすぎ隣の部屋に移動すると、
確かに広い部屋に出た。

「だが、足場が階段じゃあ戦えないんでないかい?」
[とりあえず踊り場まで移動しなよ]

トットットットッ…

階段を下っていく。
リヒターってすごかったんだな。
階段でジャンプなんて、ぼくにはとてもできない。

ストッ

さてビッグゴーストはどのへんかな?
そう思い後ろを振り返るとそこにはなにもいなかった。

「…振り切ったかな?」
[いや、来るよ!]

ヌポッ

そんな音はしていないが、階段の中腹辺りからビッグゴーストの頭が見え出した。
そりゃあ幽霊だから障害物なんて関係ないわな。

とりあえず俺はクレイモアを振りかぶり、全力で叩きつけた。

「せいっ!」

あっけなく崩れていく悪霊。

「障害物は通り抜けるのに武器は通り抜けないのか」
[人が持つものはある程度魔力がこもるからね。それよりまだ終わってないよ!]

崩れたビッグゴーストの下顎がぶつかってきた。

「なんの!」

サッ

バックステップで華麗に避ける。
だいぶ戦うのにも慣れてきた。と思っていた。

ガッ

「あ」
[ここ階段だよ…]

ゴロゴロゴロ

階段を転げ落ちる。
地形をしっかり判断しないといけないと心に刻んだ。
自称中級者が一番危ないというのは本当だった。

「いてて…」
[鼻血出てるよ…]
「ぬう…」

俺ってカッコ悪いorz
なんだか魔物と戦うよりそれ以外で地味に痛い思いをしていることが多い気がする。

ビッグゴーストは崩れていったようだ。
鼻にティッシュで栓をして先を進むことにしよう。

[蒼真…カッコ悪い…]
「ほっとけ」

**********

[ここを下だね]
「今度は螺旋階段か」

階段ばっかだな、ここ。
欝陶しいゴーストをはたき落としながら進む。

トットットッ…

まだ階段はつづいているが、扉を見つけた。
なかはいつぞやの女神像だった。

「ちょっと休憩していこう」
[そうだね]

というか鼻の奥にティッシュがはいってしまったのをとってしまいたい。

「卵、これがなんだか知ってるか?」

せっかくなので聞いておく。
(ただしティッシュをとるために変な顔である)

[…魔物が人の心から生まれるって前に話したよね?
この城も人の心から生まれているんだよ]
「ドラキュラの心から?」
[違うよ。個人のじゃなくて、人の意識の集合体みたいなものかな?
だから、人の希望とかが集まってこういう場所ができるんだ。と思う]

人の総意識…阿羅耶ですね、わかります。

…うお。血が止まってなかった。

[像に触れてみなよ。軽いキズは治るし、服も乾くはずだよ?]

触る! その発想はなかった!

触れてみると本当に鼻血は止まった。
なるほど、触るのか。
前回はこういう像とかの美術品は触ってはいけないものというイメージがあったので、触らなかったのだが。
ただの休憩場所ではなかったということか。

**********

「よし、行こう」
[下にまだ先があるね]

トットットットッ…

螺旋階段はやはり目が回る。
真ん中に空洞はあるが、さすがに飛び降りる気はない。

トットットッ

下までついた。
ゴーストもだいぶ振り切ったようだ。

[そっちの道だね]

地図を見ながらふと思う。

「地図って誰が作ったんだ?」
[ここで便利なものは、さっきのと同じように人のプラス面の結晶だと思うよ]

人の希望とかなんやらを背負う俺。
めっちゃ勇者じゃん。

「クククッ…悪くない…」
[早くいきなよ]
「おう」

卵のツッコミ力が足りない。

**********

「あれがノミ男か」
[すばしっこいよ。気をつけて]

「また爆弾か」
[隙をみて手榴弾でも投げつけたら?]

「うわ! きもっ!」
[ウネだよ。突然変異すると可愛くなるよ]

いろいろな魔物と闘いましたが、ソウルはウネしか出ませんでした。

「ソウルのでてくる条件ってなんなんだ?」
[さあ?]




「またこの扉か」
[なかに強いのがいるみたいだよ]
「さて鬼が出るか蛇が出るか…」

ゴゴゴッ

「ライオンが出たよ」
[さそりでもあるね]

「ガアァァァ!」

混ざったなにかと遭遇した。





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア
防具 ふだんぎ
他1 首蔵
他2 卵(サポート)

新しいソウル

ウネ

その他

PIT
魔物図鑑機能
段ボール箱

ユージン、イン自動車合宿教習所なう

文章上不自然な部分などは、
箇条書きで教えていただけるととてもありがたいです。




[20761] 暁月編11[魔獣戦線]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 21:08
**********

前回のあらすじ

人の希望 = 悪魔城で便利なものすべて
階段 = 敵

以上

**********

「羽の生えたサソリの尻尾をもったライオンだな」
[確かにそうだね]
「あれか? キメラとかキマイラとかそんなのか?」
[たぶん天然物だからマンティコアじゃないかな? 違いは知らないけど]

大丈夫だ…。骨ほど恐怖は感じていない…。
戦える!

わたしには ひるいなき ゆうきが みについた。

「ガアァァァ!」

この バックステップで きみらのこうげきは さけるぞ。

サッ

パーフェクト…

バサッ

!?
はばたいた!?

ザシュッ

無理でした。
爪で服を破かれました。

ちくしょう。やっぱり飛ぶのかよ。
滑空飛行して攻撃範囲を広めるとは。
完全に避けれるタイミングだったのに。

ならばその機動力を奪う!

「着地取りぃぃぃ!」

ザシュッ

大きく一歩踏み出し、すれ違い、翼を斬りつける。

「グガアァァァ!」

もしかして今俺はものすごくカッコ良いのではないだろうか?
まるで剣の達人…本物だったら片翼と言わず一瞬で両翼を細切れにするんだろうな…。
ん? 影が…

[前に跳んで!]

ゴッ

その声の一瞬あと、俺のいた場所をマンティコアのしっぽが貫いていた。
あ、あぶねえ…。
とっさに前に飛び出さなかったらえらいことになっていた。

「ナイスだ卵」
[油断しないで。あのしっぽ…かなり厄介だよ]

やけにあっさり斬られると思ったら、しっぽがあったか。
だがもう滑空は…あれ?

「おい卵」
[なに?]
「翼が元通りなのはどういうことだ」
[再生してたよ]

おいい!?

「再生ってどうすんだよ!?」

適当にウィングスケルトンの槍で牽制しながら話す。

[大丈夫。強い再生力はないよ。それに再生するのに体力を使うみたいだ]
「地道にチクチク体力を削るのか?」
[いや、それよりも再生できない威力の攻撃で倒したほうがいい。
あのしっぽ…たぶん毒だよ]

さそりだからな。

「ガァ!」

ボワッ

「うお!?」

くそ、火もはくのか。
距離をとるのは危険か。

一撃…一撃を決めるためには…

「ガアァァァ!」

くそ!

「もう少し待てよ!」

水鉄砲で顔面を撃つ。

バシャッ

「ガアァァァ!?」

サッ

そしてバックステップ。

バサッ

!? ミスった! 滑空して当ててくる!

ブワッ

と思ったが、その爪は俺のやや手前を空振りした。
水が目潰しになったようだ。

ゴッ

さらに先程まで俺のいた場所にしっぽが突き刺さった。
前が見えてなくてもしっぽを動かしてくるのか。


「卵! 全力で剣を叩きつければしっぽって切れるか?」
[蒼真の力なら…根元ならたぶん切れるよ]

だったら…

「グルルルル…」

めっさ怒ってらっしゃる。
これなら挑発する必要もないな。

俺は一番近い壁の方に走りだした。

「来い!」
「ガアァァァ!」

怒りで火を吐くことも忘れているようだ。
ただ追いかけてくる。
この距離なら追いつかれない!

壁の間際で振り向き、
もう一度水鉄砲で顔面を撃つ。
そしてバックステップ、ではなく前転して後ろに回り込む。
こうすると最初のようにしっぽが飛んでくるはずなのだが、

バサッ
ゴスッ

前も見えず滑空したマンティコアは壁に頭をぶつけたのだ。

「ガアァァァ!?」
「古典的で悪いね!」

頭をぶつけた衝撃か、のた打ち回るマンティコア。
そのしっぽの根元に、俺は全力でクレイモアを叩きつけた。

ズバッ

「グギャァァァ!?」
「さすがに完全にちぎれちまったら再生すんのにも時間がかかるだろ」

憎しみのこもった瞳でこちらを振り向こうとするマンティコア。

「グルルル…」

だが

「!?」

足元にすれ違いざまに植えつけたウネによって足を絡め取られた。
しっぽを切り落とされ力も弱っているのだ。
魔力を全部つぎ込んだウネはそう簡単には取れないだろう。

バサッバサッ…

はばたいて逃れようとするマンティコア。
その翼を根元から切り離す。

「グギャァァァ!」
「悪いな。言葉が伝わらない相手に情けはかけられないんでな」

そして、俺はクレイモアをマンティコアの脳天に突き刺した。

**********

[蒼真…大丈夫?]
「なんとかな…」

普通に戦えた。
疲れた。

[とりあえず、もう恐怖にとり殺される心配はないみたいだね]
「ちっと生物を斬った感が手に残っててやなんだが…」

ちょっと憂鬱。
完全にオレサマオマエマルカジリ型だから仕方ないが。

フワッ

魔力の珠だ。

「これって服とかも直ったりするのか?」
[さすがにそこまではしてくれないと思うけど…]

むう。
今回はケガらしいケガもしてないしなあ。

「この魔力の珠、全部お前が吸収するとかどうよ?」
[んー、ちょっと吸収量より多すぎるかな。とりあえず蒼真がとってよ。
あとで蒼真から吸収するからさ]

さいですか。
珠に触れると、疲労は一気に取れた。

これで一段落か。


[あ…]
「ん? どうした?」
[う…]

う?

[生まれる…]

!?

「え、ちょっ、おま!? うぇ!?」
[僕が…]

ですよね。

「ど、どうすればいい!?」
[大丈夫…ポケットから出して…手のひらに置いといて…]

卵を取り出すと、光を放っていた。
すげえ。
その光がひときわ強くなり、卵は糸のようにほどけながら中身をあらわにしていった。
とても神秘的だった。

そして

「蒼真。改めて自己紹介だ」

俺は

「半分は自然の妖精、半分は君の魔力からできた半妖精だ」

手のひらサイズの少女に出会った。



「ちゃんと名前は考えてあるのかな?」

だが服を着ていなかった。





オマケ

「無事に孵化したか…」
「? どうしたの、有角さん?」
「いや、蒼真にこれを渡しておいてくれ」
「これって…人形の服?」
「必ず必要になるはずだ。俺はもう行く」
「え? あ、ちょっと…いっちゃった…」
なにに使うんだろう?





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア
防具 ふだんぎ(破け)
他1 首蔵

新しいソウル

なし

その他

PIT
魔物図鑑機能
段ボール箱

ユージン、イン自動車合宿教習所なう
仮免ライダーになりました(MT普通)

地の文は増やすことがユージンの技量的に難しいのです。
申し訳ありません。
今後少しずつでも増やしていけるように頑張ります。

とある・・・氏には…ていうかみんなたぶんわかってましたね。
半妖精名前募集中
鼻悪魔と言われてちょっと迷ったりもしました。

なぜこの合宿所の漫画はすべて完結間際の巻がないのだ…。
からくりサーカスもゲットバッカーズも天上天下ですら…。



[20761] 番外編1やるんじゃなかった【私立キャッスルバニア学園】
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 21:09
「卒業式の日に、校庭のはずれにある伝説の樹の下で、
女の子から告白され成立したカップルは永遠に幸せになる」
という伝説がある私立ときめき高校。

そんな学校に入学した俺は、
部活や勉強で自らを磨きながら高校3年間を過ごしていく、はずだった。

「あ、ドラキュラ校長先生。おはようございます!」
「ほおぅ…元気があぁってぇ、大変よるぉしいぃ!」

「「「キャーッ有角先生よ! こっちむいてー!」」」
「…貴様らには死すら生ぬるい」
「「「キャーッ!」」」

「めずらしいですね、デス先生が保健室の外にいるなんて」
「ガラモス教頭がまたやらかしたそうで…」
「なんであの人教頭なんですか…」

なにかが違う。
どうしてわざわざ私立を受けてこんなところに来てしまったんだ。
いちども見学に行かなかったのが悪いのか。
転生したおかげで勉強自体は余裕綽々だったので、弥那と同じ学校に行こうと思っただけなのに。

「よぉ来栖!」
「あぁ…おはようございますリヒター先生」
「どうした? 元気が無いじゃないか」

朝から暑苦しい体育教師に声をかけられたからですが。

「そうそう。今度の大会でうちの部の助っ人にきてくれないか?ちょっとけが人が出ちゃってさ」
「遠慮しておきます」

三次元に動きまわるサッカーはできません。

ちょっと不満そうなリヒター先生を残し、俺は教室に向かった。

**********

一時間目 英語

「ヨーコせんせー、このあいだ駅前にいませんでしたかー?」
「!? そ、そんなこと別に関係ないじゃない!授業を始めるわよ!」
「なんかユリウス先生と一緒にいたって…」

ガラッ

「ヨ、ヨーコさん…」
「用務員のハマーさん…?」
「ど、どうしてユリウス先生と…」
「ちょっと買い物に付き合ってもらっただけですよ」
「ほ、ほんとに…?」
「ところでそれがどうかしましたか?(悪意なし)」
「!?」

ここまですべて英語である。

**********

二時間目 数学

「はい、これが微分方程式ですね」

黒板の図式をすべてノートに書き写す。

「みなさんノートに書き写しましたか?
どこかわからないことはありませんか?」
「はい」
「はい、シャーロットさんなんですか?」
「あのこの式だと…
(中略)
…と思うんですけど、先生はどう思われますか?」
「え…あの…そのですね…」

シャーロット…ヴィンセント先生の時だけこうなるな…

**********

三時間目 化学

「このように、三つに分けて保管することで薬品の劣化や干渉を防ぐことができる」
「先生、質問が…」
「あとで質問の時間を設けると言っただろうが! この馬鹿生徒が!」

殴るこたァねえだろうが…

**********

四時間目 体育

「こうスライディングしたときに、斜めに足を突き上げて空中をだな…」
「「「無理です」」」
「じゃあ空中で水平方向にタックルを…」
「「「無理です」」」

余談だが、保険になると髪が伸び悪い表情をするようになる。

**********

昼休み

キーンコーンカーンコーン

「蒼真くん。一緒に食べようよ」
「いいよ。屋上に行こう」

屋上
うちの学校は珍しく屋上が開放されている。
フェンスが高く強靭なもので囲っているのも理由の一つだとは思うが、
うちの大半の生徒が飛び降りても大丈夫そうなのが理由の大部分だと弁当を食べながら思う。

「あのさ、蒼真くん」
「ん? どうした?」

「この学校に入ったの、後悔してる?」

結構ね。とはいわない。

「いや、弥那と一緒だからな」
「もう…またそうやってからかって…」

後悔しているが、通学し続けているのは弥那をここにひとりにできないからだ。
正直言って心配過ぎる。
いまも裏山の方で、高速回転する男が森に消えていった。
ここは魔境だ。

「もうそろそろチャイムなるな…ごちそうさま、美味しかったよ」
「お粗末様でした」

キーンコーンカーンコーン

「んじゃあと二時間がんばりますか」

**********

五時間目 美術

「そう! これこそがっ! まさに! 血の、芸、術!」
「救急車呼べ!」
「またかよ」
「毎回血を抜き過ぎなのよ」

いや、明らかに人の出していい血の量じゃないだろ。
猟奇殺人現場みたいになった美術教室から運びだされる教師を見ながら思う。

**********

六時間目 物理

「時間の止まった空間では空気ですらなにも通すことのない絶対的な壁になります…
これを応用した核融合炉の設計を考えた場合…」
「時間を止めることってできるんですか?」
「フフッ…あくまでできたら…の話ですよ…」

DI…アイオーン先生の授業は実に興味深いな。

**********

緊急集会

突然校長に体育館に全生徒が集められた。

「いったいなんだろ」
「さあ?」
「バイトあんのになー」

ざわついている体育館。

「みなさん静かにしてください、サンジェルマン理事長からおはなしがあります」

…理事長がでてくるのはめずらしいな。
いったいなんだ?

「みなさん、今日の授業お疲れ様でした。
疲れているところに申し訳ないのですが、残念なお知らせがあります」

ざわ…ざわ…

「なにかしら?」
「ガラモス教頭が自殺したとか?」
「あの人なんで教頭やってるんだろ」

ざわ…ざわ…

ざわつく体育館。

「みなさんお静かに!」

再び静かになる。

「ではお知らせします。
ガラモス先生が勝手に金庫の資金に手をつけたため、校庭のはずれの伝説の樹がなくなります」

!?

「わが校の象徴とも言える樹であるため本来は許されることではないのですが、
維持し続ける事ができないため、国の施設にて保護されることになりました」

ざわ…ざわ…

「もともとあの樹は古来種であり、以前より国から…」

「ざけんなよ!」
「まだ告白されてないのに!」
「ガラモスどこいった!」

「静かに! 静かにしてください!」

まさか、象徴である樹がなくなることがあるなんてみんな思ってなかったようだ。

「…しかし、このままなくなってしまってはあまりにも味気ない」

再び理事長が話し始めると体育館は嘘のように静かになった。

「よって、現一年生が卒業する日の翌日! その日までは私がポケットマネーで維持し続けることにしました」

!?

「伝説は私も知っています。各々悔いの残らぬ学生生活を送りなさい!」

**********

「俺…あんなに理事長がカッコよく見えたの初めてだ…」
「同じく…」
「おい急いでバンド始めるんだ!」
「リヒター先生! 俺に修行を!」

「無駄ににぎやかだな…」
「蒼真くんは伝説のこと知ってるの?」
「噂程度には。そういう弥那は?」
「んー、秘密?」
「なんだよそれ」

しかしガラモス教頭…どうして教頭なんだ?

「ねえ蒼真くん」
「ん?」
「ちょっとあの樹のところに寄って行こうよ」
「別にいいけど…」

なんで?

歩いていく弥那についていく。


伝説の樹
なんでもありえない時代に生まれたとされる生きるオーパーツ。
樹齢が測定できないとか何とか。
その根元にやってきた。
夕日で辺りは赤く染まっている。

「ねえ蒼真くん」
「?」

弥那は樹に触れながら話す。

「卒業式の日以外に告白したらどうなるのかな?」
「!?」

振り向いた弥那の顔はいつになく真剣で。
夕日のあたるその姿に俺は目を奪われた。

「…なんてね!冗談!」

いっつもからかってくるから仕返しだよー、なんていう弥那。
対する俺は表面上冷静にしていても、早くなった心臓の鼓動を鎮めるのに必死だった。

**********

卒業式まで三年弱!
それまでに蒼真は自らを鍛えあげ、理想の男子になれるのか!

次回「一緒に帰って噂になると困るし…」





ユージン、イン自動車合宿教習所なう

半妖精名前募集中ですので、適当に書いてみました。
ごめんなさい。



[20761] 暁月編12[孵化]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/13 22:34
**********

前回のあらすじ

「壁に激突させて倒す…ゲーム好きの蒼真くんが考えそうなことだ」
[おめでとうございます!元気な女の子ですよ!]

以上

**********

目の前には人形くらいの透明な羽の生えた少女。
裸の。

「卵…か?」
「いまは卵じゃないよ」

確かに。
だがそれより重要なのは

「…服を着ろ」
「なに恥ずかしがってんのさ」

いくらリ○ちゃん人形サイズでも、裸はまずい。
主に俺が。

「服なんて持ってないよ」
「…ちくしょう」

破れた服から適当なサイズの布を切り取り、簡単な服を作る。

「へー…器用だね」
「ほれ、着れ」
「うん」

もうこの服は着れないな。
とりあえず、破れた服を捨てコートをはおる。
上半身裸コート。

「おお! ワイルド!」
「やかましい」

さて

「捕まえた半妖精にニックネームをつけますか?」
「ニックネームより先に真名をつけてよ…」

真名?

「龍宮?」
「誰? 真名っていうのは…」
「ごめん、大体わかる」
「ならよろしく。さあ!」

どうしよう。
妖精…妖精…パック…チルノ…修造…ビリー…
違うよ、ぜんぜん違うよ。

[半分は君の魔力]


じゃあ
「イツキ」
「イツキ?」
「そうだ。お前の名前はイツキだ!」
「イツキ…」

齋。
前世の苗字。
いまは誰も使っていない(はずの)名前。
自分のもうひとつの名前でもある。
詳しくは知らないがなんかすごかったらしいし、
ちょうどいいのではなかろうか。

「んー…うん。いいよ」

ちょっと迷っていたが納得したようだ。

「じゃああらためて」
「ああ」
「僕は半妖精、イツキだ。よろしく」
「俺は人間、来須蒼真だ。よろしく頼む」

俺達はそうして、小さな手と大きな手で握手をした。

**********

で、その後探索を再開したのだが…

「頭に乗るのはやめてくれ」
「ポケットはさすがに狭いし、飛ぶと疲れるから…」

魔物をさばきながら話す。

実はこの半妖精ボディは完全体ではないらしい。
成長期サイズらしい。
成熟期以降だと飛んで追いかけてくることもできるが、
いまはまだ無理とのことで。

「せめて肩に乗るのはどうだろうか?」
「視界遮っちゃうじゃん。胸ポケットがあったらそこがいいんだけどな」

とりあえずあきらめて先を進む。

下り道か。
近くにいたゴーストを叩き落す。

ボシュッ

お?
ソウル手に入れた。
ミニデビル。
ゴーストだと思って叩き落としたのだが。
真空波をだす…。

「蒼真!」



「アー…」

サッ
ガシャッ

あぶねえ。
剣を持ったゾンビか。
ちょうどいい。
ソウルオン!

「裂けろ!」

ズバッ

「うわ…」
「真っ二つだな…」

頭頂部から股間まで縦に、まさに真っ二つだった。
これは人に向けて撃ってはいけないな。
あと、次からは指パッチンにあわせて使おう。

っと、扉だな。

「イツキ。この先は?」
「地図だと蔵書庫…図書館だね」

ほう…。
ネクロノミコンとかあるんかな?
オカルト、意外と好きだった。タロットとか陰陽道とか。
ゲームやってると設定見るのが楽しくなって、
元ネタを調べるのも楽しくなる。
あるある。

「行くか」
「油断しないでね」





オマケ

「しかし何か服を見つけないと弥那のところに帰れないな…」
「そのまま帰ったら?」
「…来栖家にはその素肌を見られたものと契を結ばなくてはいけないという鉄の掟が」
「はいはい」
「とにかくコートを破かないようにしないと」
「大事なモノなの?」
「弥那からもらった誕生日プレゼントなんだ」
「へー。そういえば蒼真は弥那ちゃんとどういう関係なの?」
「…妹、いやむしろ娘みたいなもんかな?」
「え?」
「え?」





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア
防具 コート
他1 首蔵

新しいソウル

ミニデビル

その他

PIT
魔物図鑑機能
段ボール箱

ユージン、イン自動車合宿教習所なう

いろいろ仕様を変更しました。

指パッチンって正式名称あるんですかね?



[20761] 暁月編13[図書館の魔物たち]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/14 22:13
**********

前回のあらすじ

「手伝ってやろうか?ただし真っ二つだぞ!」
あと名前が決まった

以上

**********

「漫画もあるんだな」
「悪魔城の性質上なんでもあるとおもうよ」

本を取ろうとしたら後ろから血濡れのナイフが飛んできたり、
魔力のこもった本に襲われたりもしたけれど、私は元気です。
ボロ布だけど服も見つけました。

すごい本の量だ。
近所の図書館とは比べものにならない。
読書が趣味の俺としては端から順番に読んでいきたいと思うのだが、
大きな問題がある。

「日本語でおk」

読めないです。

「これラテン語かな」
「読めるのか!?」

期待を込めてイツキをみる。

「ぜんぜん!」
「…期待してたのに」

無茶言わないでよー、というイツキをスルーしもう一度辺りを警戒する。
本を取る前に襲ってきたのみ男やエビルブッチャーは倒した。
ソウルも手に入れたが、その後に
「なんだかよくわからないものの皮」を表紙に使った本に噛みつかれて忘れていた。

ソウルは…のみ男の召喚とナイフか。
のみ男はどうでもいいが、ナイフは便利そうだ。
ミニデビルといいエビルブッチャーといい、最近は便利なソウルがたくさん手に入ったな。

「さて、読めない本はあきらめて…何冊か持って行こう」
「首蔵にも限度があるから持ち過ぎないようにね」

結局棚の一列を持っていくことにしました。

**********

少女は後悔していた。

「あ…ああ……」
「フフフッ」

彼女はまだ生まれたばかり。
未熟者の自分がひとりでうろちょろすれば、
他の魔物に襲われることもあるということを理解できていなかったのだ。

「…やああっ……」
「ちょうどお腹もすいていたの…」

逃れようにも、蜘蛛の巣が体に絡まって動くこともままならない。

この近辺に現れる下半身が蜘蛛の女モンスター、アルケニー。
巣にかかった獲物は何でも食べる。
それがたとえ魔物でも。

「いただきまーす!」
「いやぁぁぁ!」

とっさに目をつぶる。
だが予想された衝撃はこなかった。

ガギッ

「…?」

うっすらと目を開ける。

彼女は魔術関係の本を読むよりも、人間の描いた物語を読むことが好きだった。
窮地に陥ったお姫様を助ける勇者の物語。
そんなことが現実にはおきることなんてない。
そう思っていた。

「なんでとびだしたの!」
「いや、さすがにこれを見逃すのは見た目的にちょっと…」

ひとりの少年がアルケニーの爪を受け止めていた。

**********

どうしよう。
悲鳴が聞こえたのでとっさにとびだしたら、
助けた娘が魔物でした。

「魔物が魔物を襲うこともあるのか?」
「よっぽどお腹がすいていたんじゃないかな!」

若干怒っているイツキをスルーする。

さて、今回は会話が通じそうだが…

「そこの蜘蛛のお嬢さん。ちょっとこの娘を見逃してくれたりはしないかな?」
「やあよ。だってお腹がすいているんだもの」

ぬう。適当に散策してうまい肉でも探してくるべきだったかな。

「…やっぱりやめたわ」



「だってもっと美味しそうな人間がいるんですもの(ハート)」

そうきたか!

「襲ってくるなら容赦しねーぞ!」
「人間が偉そうな口をたたくものね!」

蜘蛛足を振り回してきた。
とりあえずバックステップで距離をとり、
蜘蛛の巣に絡めとられている魔物の少女の近くに向かう。

「ひっ…」

怯えられたorz
ともかくまわりの蜘蛛の巣を取り除く。
もちろん指パッチンで。

パチッ
ヒュオッ

俺いますごいカッコいい。

「とっとと逃げろ」
「……」

魔物娘はなにか言おうとしたが、黙って走り去っていった。
俺今すごいカッコい…

「シャアッ!」

ブオッ

「あぶね!って、あっー!」

ズシャッ

また服が破れたでござる。
ちくしょう。

「蒼真!とりあえず足を減らしたらいいと思う!」
「オーケイ!」

パチッ
ズシャッ

「痛っ!」

指パッチン万能説。
足の半分以上を細切れにした。

「やるじゃない…でもまだまだよ!」
「あきらめて巣に帰ってくれ!」

バシャッ

水鉄砲で吹っ飛ばす。

「ウフフッ…せっかくのご馳走…ご馳走…」

満身創痍でこっちをナメるようにみつめる蜘蛛女。
正直言ってマジ勘弁www

「ていっ」

トスッ

「あっ…」

眉間にナイフを投げつけて倒しました。
やっぱり人型(上半身だけだが)は相手にしにくい。

ボシュッ

ソウルゲット。
こ…これは…!

「お疲れ様…でも今回は自分からとびこんだんだからね!」
「いや…そんなことよりも!」

ソウルに魔力を通す。

「スパイダーストリングス!」

ビュルッ
ベチャッ

「これ! すごいだろ! なあ!」
「……」

…イツキに俺の感動は伝わらないようだ。
しかしこれまた便利なソウルだ。
戦いたくないときはとりあえず相手にこれをぶっかけよう。

さて、奥に進むか。

**********

彼女は信じられないものを見ていた。

目の前でただの人間(というには不思議な能力がいっぱいだったが)が、
自分の手も足もでなかった蜘蛛の魔物を倒したのだ。

魔物と人間の間には大きな力の差がある。
しかし人間の中の退魔師というものは、
その差を埋めるどころか魔物を圧倒するものもいるという。
彼もそのような退魔師のひとりなのだろう。

だが彼は自分を助けた。
退魔師は魔物にとって忌むべきものであり、逆もまた同じである。
そう彼女は書物から学んだ。

本に書いていないことが、彼にはある。
知りたい。
好奇心からか、
彼女は彼のあとを追いかけることにした。
助けられた時から高鳴る胸の鼓動に気づかぬまま。

今度は蜘蛛の巣にひっかからないように。

**********

「…まだ憑いてきてるよ、あのまじょみならい」
「ほっとけばいいさ」
「前にも言ったけど、見られている状態っていうのは精神に負担をかけるんだよ!」

かわいい女の子なら大丈夫です。

「…変なこと考えた?」
「ノー! 絶対にノー!」

本の迷宮を進み続ける。

「…で、あの娘。どう思う?」
「蜘蛛の巣に絡まっていた姿がなかなか可愛かったな」
「! 蒼真ってそっちの側なの!?」
「ちょ、違う! 絡まった姿が! じゃなくて絡まっていても! って意味だよ!」

誤解を解くのに結構時間を食いました。

**********

ちょっとひらけた場所に出た。
その中心にひとりの女性。
人間のようだが用心して近づく。

「こんばんわ…」
「あら、あなた…蒼真君?」

サッ

バックステップで距離をとる。

「…なにものだ?」
「あっ、ごめんごめん。驚かせちゃった?私、ヨーコ・ヴェルナンデス。教会の者よ」

教会の…ヴェルナンデス!

「ヴェルナンデスってあの?」
「え、知ってるの?」

あ。

「いえ、全然知りません珍しい苗字でしたので驚いただけでございます」
「…なんだか釈然としないけど」

またやるところだったぜ。

「して、その教会の人がなんで俺を知ってるんですか?」

それとなく自然に話題をそらす。

「アルカ…、いや有角幻也のこと、知ってるでしょ?」
「ああ…あのイケメンですか」

ブフッ

…目の前で美人のねーちゃんが噴出しおった。

「ご、ごめん…イケメンって…確かに顔は整ってるとは思うけど…」

ゴホンと咳払いをして仕切り直す。

「有角がなんて?」
「なにかあったら、手助けしてやって欲しいって」
「嘘だ!」
「え?」
「すいません、なんでもないです」

有角…将を射んと欲すればまず馬を射よか…まさか俺を狙ってくるとは。
弥那には気をつけるようにいっておかないと。

「信じられない?」
「ちょっと…」
「無愛想な奴だけど、あれでも案外良いとこあんのよ。
まぁ、彼もあなたと同じ暗黒の力を持つ身だから、
身を案じているのかもね」

!?

「もう一回言ってもらっていいですか?」
「? 案外良いところ…」
「その後を」
「あなたと同じ暗黒の力を持つ…」
「なっ…なんだってー!?」
「知らなかったの!?」

ちょ、うぇ、おま、暴走フラグビンビン。

アチャーと頭をかくヨーコさん。

「魔物の力を使うことができるってことしか言われてないんだけど…」
「言っちゃったものは、隠してもしょうが無いわね。
君の力は、支配の力って言って、モンスターの魂を支配する力なの…」

バイバイ吸魔の力。
支配って…支配って…!

「支配しているつもりはないんだけど…」
「それは、息をするみたいに出来ることだから、自覚がないだけ」
「俺は悪役だったのか…orz」
「あ! 暗黒の力って言っても悪の力って訳じゃないから、安心して」
「?」
「要するに武器と同じ。使う人によって、善にも悪にもなるって事」

悪用しなければ問題ないってことか。

「ありがとう、ヨーコさん」
「? いきなりどうしたの?」
「俺が悪いことには使わないと思って話してくれたんだろ?
いきなりこんな力に目覚めて、自分がわからなくなってきてたんだ」

どうしてもっと転生したての頃に目覚めなかったのかと。

「君は君よ。それ以外あり得ないわ。それがこの城では最も大事なことよ」
「なんとなくは分かるような気がする。ありがとう、ヨーコさん」
「御礼なんていいわよ。ちょっと照れちゃうしね」

ちょっとはにかんだ表情がグーですヨーコさん。

「しかしなんでよりによってこんな力が…光の勇者的な力が良かった!」
「フフフッ。聞いてたよりも子どもっぽいところもあるのね?」

魔王と戦うのは男のロマンです。

「あっ、そうだ!
君、グラハムって男知らない?」

グラハム…

「さっき会ったよ?」
「あの男には気をつけて。私は、彼がドラキュラの力を受け継ぐと思ってるわ」

イツキが違和感を感じていたけど…

「いろいろ教えてくれたよ? 予言のこととか」
「彼、自分のことなにか話してた?」

…そういえば宗教家ってことしか聞いてないな。

「君、人にだまされやすいって良く言われない?
表の顔にだまされちゃダメ!
本性を知れば、そんなこと言えなくなるわ」
「ちょ、ヨーコさん!近い!近いって!」

アップで凄まないでください。
美人さんの凄みはマジ勘弁www

「あっと私、彼を追わないといけないから。それじゃ!」
「気をつけてねー…」

風のように行ってしまった。
…探索を続けるか。





オマケ

「ちょっと待って蒼真くん!」
「うわ、びっくりした!もどってきたんですか?」
「うん。有角にあったら一言伝えてくれない?」
「?」
「管理された半妖精の素が一個なくなっているんだけど心当たりがないかって」
「………」
イツキ。だからずっと頭の後ろに隠れているのか…。





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア
防具 布の服(破れ)
他1 首蔵

新しいソウル

のみ男
エビルブッチャー
アルケニー

その他

PIT
魔物図鑑機能
段ボール箱
本(ラテン語他)x30

ユージン、イン自動車合宿教習所なう

指パッチンの正式名称。本当にありがとうございました。

アルケニーのソウルは天井にぶら下がったりはできません。




[20761] 暁月編14[グゥレイトォ!]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/17 22:03
**********

前回のあらすじ

「ハッハッハッ…ハッハッハッ…」
「誰だ!」
「物言わぬ魔物の少女のために戦う男、来須蒼マッ!」

「暗黒の力だと? 許せる!」

「有角さん、卵どうしたんですか?」
「す、すり替えておいたのだ…」

ヴェルなんですってなんなんです?

以上

**********

図書館内でプリンを見つけた。
ピーピングアイで発見した隠し部屋の中。
ガラスの器に乗ったプリンに、少量の香草とカラメルソースが上品さを醸しだす。

「これ…どうすんのよオレ…」
「悪魔城で落ちている食べ物は、
はじめから腐ってない限りは悪魔城の中では腐らない…はず」
「ちょっと不安だな、おい」

首蔵って密閉容器以外の食べ物入れておいてもいいのかな。

いったん中の物を全部外に出してプリンをいれてみる。
…大丈夫みたいだ。
もう一度外に出したプリンは変わらずその高貴な姿を保っていた。
これなら有角からもらった食料以外もいろいろいれておけそうだ。
外に出たら通学に使おう。

プリンゲット

「地図は?」
「んー、この右の部屋になにかあるかも」
「いってみるか」

**********

変な部屋だ。

ねずみ返しのように突き出した壁。
その上に宝箱。
そして適度なサイズの立方体状の石。

サルかなんかの実験みたいだな。

石を移動させその上に立つ。
ジャンプすれば届くな。

「上にのぼった瞬間、宝箱に噛みつかれるとかどうだろう?」
「ミミックではないみたいだよ」

ふよふよ飛んで先に宝箱を確認したイツキを信じ、飛びつき一気にのぼる。
宝箱が襲ってくることはなかったがそれ以上の問題があった。

「これはひどい」

鍵かかってるんですけど。

結局もとの道を辿り別の部屋に向かうことにした。

**********

彼女は迷っていた。

彼を追いかけていて、彼についてわかったことが幾つかある。

魔物の魂を支配する能力がある。
襲ってくる魔物相手には容赦はない。
しかし好んで魔物と戦うことはない。

あくまでこの短時間においてそう考えられるだけだが。

迷っているのは、
今彼を追いかけている自分が、
彼にどう扱われるか、
ということ。

気づかれていないか、もしくは空気のようなものだと判断されているならそれでいい。
だが、もし敵対者として扱われてしまえば、自分はあっという間に祓われてしまうだろう。

そのとき彼に自分の魂を支配されてしまったら…
少しドキドキする…

**********

「あの娘なんか悶え始めたんだけど…」
「お前PIT扱えたっけ? ちょっとビデオモードにして欲しいんだけど」

俺が振り向くと物陰に隠れるので自分では撮れないのだ。

「無理。これ標準より重いよね? 改造でもしたの?」
「よくぞ聞いてくれた!」

ビクッとするイツキに熱く語る。

「タッチパネル主流の今、あえて耐久性を重視して三世代前のパネルをつかっているんだ!」
「へー…」
「それだけじゃない。内部構造も一から見なおして、耐衝撃、耐圧、耐熱耐水何でもこい!」

象が踏んでも壊れない。ほんとに。

「どうやって作ったのさ…」
「父さんに材料集めてもらって、設計は俺」
「蒼真の父さんって何者?」
「PITの主流メーカーの開発部だったかな?」

ちなみに俺のモデルを改良して法に触れない程度にデチューンしたものが、
ハイエンドモデルとして発売されている。
みんなは改造したらだめだぞ?
あくまで実験用の試作機だから許されてるんだから(笑)

**********

「さて、またボスっぽい扉まできましたが」
「あの娘いつまで憑いてくるんだろ」

うーむ。
振り向く。

「そこのまじょみならい!聞こえてるか!」

物陰に隠れた魔女見習いに言う。

「こっから先は、さらに危ないからついてこない方がいいぞ!」

聞こえてるかわからんが一応警告する。

「蒼真くんはやさしいね!」
「それほどでもない」

やっぱり若干怒っているイツキをスルーし進む。

ゴゴゴッ…

なかには…

「何も無い…行き止まりか?」
「地図だとこの先に部屋が…違う! 壁じゃない!」

確かに魔力のこもった壁なんてそうそうないよね。

壁かと思ったら巨大なさまようよろいでした。

「グレートアーマーだ!」
「こんなにでかかったっけ!?」

持ってる剣がドラゴン殺しみたいなんですけど。

とりあえず距離をとる。
毎回距離をとってるって?
ビビリだから仕方ないね。
間違えた!ビビッてないよ、戦略だよ!

「そんなに魔力は込められてないみたいだよ」
「だから動きが遅いのか」

ゾンビ並に動きが遅い。
とりあえず真空波を撃つ。

パチッ
ペチッ

あまり効果がないようだ。
水鉄砲を撃つ。

バシャッ

「錆びるまでに何分くらいかかるかな」
「つまり効果なしと…」

ウネ、引きちぎられる。
のみ男、蹴散らされる。
ウィングスケルトン、弾かれる。

「続きまして…」
「遊ばないでよ! いくら遅いからってもうすぐ追い詰められるよ!」

怒られた。

「いや、ちゃんと効きそうなことも考えたんだぞ?」
「…ほんとに?」
「見てな…スパイダーストリングス!」

ベチャッ

「…で?」
「ほれ」

ボフッ

蜘蛛の糸と一緒に手榴弾をくっつけてみた。
今までで一番威力が高いはず。
関節部狙ったし。

「…ちょっと火力が足りないかな?」
「いや効いてるよ?」

確かに剣を持つ手の肘の辺りにヒビがはいっている。
だが、

「魔力が切れそう…」
「遊んでるからだよ!?」

だって女神像が見つからなかったんだもの。

もう一発手榴弾で膝のあたりにダメージを与え、
そこにクレイモアをぶちかます。

「デアッー!」

ガシャッ
ペキッ

うまくグレートアーマーの膝を破壊した。

「また壊れた…」
「武器壊しすぎ…いけない!避けっ…」
「伏せろ坊主!」

ドムッ

何が起きたかというと、
膝壊し鎧倒れるが最後の力で剣振りかぶる。
イツキ気づく。
謎の声に従い伏せる。
爆発。
鎧(と俺)吹き飛ぶ。

「ケホッケホッ…けむっけむい…」

グレートアーマーは砕け散ったようだ。



「よう、坊主。大丈夫か?」

それが、これから先長い付き合いになるとある人物との出会いだった。





オマケ

宝箱前にて、

「くそっ。針金があれば開けれそうなのに…」
「頑丈で壊せそうにないね」
「こういうときはどうするんだ?」
「どこかに鍵があるはずだよ。見つけたらもどってこよう」
「めんどくさいな…」

「ところで蒼真」
「ん?」
「どこでピッキング技術なんて覚えたの?」
「昔弥那が俺の部屋に鍵閉めて閉じこもったことがあって…」
「………」





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 クレイモア(折れ)
防具 布の服(破れ)
他1 首蔵

新しいソウル



その他

PIT
魔物図鑑機能
段ボール箱
本(ラテン語他)x30
プリン



ユージン、免許取得

首蔵には有角のくれた携帯食料と水も入ってます。

「あらすじでやろうと思ったことがすでに感想で書かれてしまったでござる」



[20761] 暁月編15[二段ジャンプ]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/18 18:26
**********

前回のあらすじ

[ACを確認 ランカーAC -グレートアーマー- です
右腕部に大型ブレードを装備 正面からの戦闘は不利です]
「手こずっているようだな…手を貸そう」
「軍人風情が…なにを偉そうに…」

以上

**********

何かを担いだ緑色のジャケットを着た男。
さっきの声(と爆発)はこいつのようだ。

「まさかこんな子供まで来てるとはな。ほれ、立てるか」

手を差し伸べられる。

「子供…まああんたからすれば子供かもしれんが…」
「いや、失敬。そう怒るな」

その手を借り立ち上がる。
改めて見ると担いでいるのは筒状の

「ロケットランチャー?」
「さっきので弾切れだけどな」

お前が弱らせてくれたから助かったぜ、という男。
本物はじめてみたよ。
ゴールデンアイではお世話になりました。

「俺の名は、ハマー。軍の命令で、ここに来た」
「俺は蒼真、来須蒼真だ」

軍の命令…どこの軍だろう。

「神社の視察だと思っていたら気づいたら城の中だ。
やってらんねえ。そう思わねえか?」
「え? なんか説明とかされてないのか?」
「とにかく神社に行けとさ。しかも装備整えて」

それはひどいな。

「だから、やらねぇ事にした」
「は?」

どういうことなの。

「神社にいたなんだかわからん連中もたぶんここにきてるんだろ?
そいつら相手に、商売でもしようかと考えてるとこだ」

どうしてそうなった。

「ここには武器がたくさん落ちてるし、城の入り口ならバケモンもこねぇらしい」

さっきあった黒っぽい白いにいちゃんがいってた、と豪快に笑う。
有角だろうか。

「と、いうわけでだ。店を見かけたらよってくれ。安くしとくぜ!」

じゃあな! といってまた豪快に笑いながら去っていった。

「店って…客そんなに来ないんじゃ…」
「蒼真…さっきの教会の人じゃないよね?」

たぶん。
あんまり悪魔城自体に興味もなさそうだ。
だから隠れなくてもいいと思うぞ?

「ふう…知らない人を見ると隠れる癖がついちゃって」
「お前盗品だもんな(笑)」

なんで有角はだまって持っていったのか…。

**********

彼女はその輝きに魅せられていた。

それはかつてないほど激しく強力な力で、
魔物を木っ端微塵にした。

その力についてもっと知りたい。
その思いから、彼女はその力の持ち主を追いかけることにした。

そのときにはすでに魔物の魂を支配する少年のことは忘れていた。

**********

「さっきの娘もどっかいったみたいだね」
「まあそのほうが安全だろ」

ちょっと寂しいが。

グレートアーマーは残骸が残っていて、
剣と鎧の断片を手に入れることができた。
布から作った紐でつなげれば胸当てになる。

グレートソードと鉄の胸当てゲット。

「問題が発生した」
「どうしたの?」
「すごく…重いです…」

剣は首蔵にいれておけるが、胸当ては着ていなければ意味が無い。

「動けないほどじゃないんでしょ?」
「やー。蒼真、箸より重いもの持てないー」
「………」

ごめんなさい。

「見るな…そんな目で俺を見るなぁ!」
「アホなこと言ってないで奥の部屋を確認しようか」

orz

奥にはソウルキーパーがあった。

「そぉい!」

ガシャッ
ボシュッ

マルファス ゲット

「これは…二段ジャンプか」
「行けるとこが増えるね」

なんだかどんどん人間離れしてくる…
いや、ベルモンズほどじゃないな。
大丈夫、俺は人間だ。

よし、探索を続けよう。

「ちょっとまった」
「ん?」
「まじょみならいのいた場所になんか落ちてる」

これは…鍵だな。

「さっきの宝箱の鍵じゃない?」
「そんなばかな…」

**********

まさかほんとにここの鍵だったとは…

もどってきて試したら開いた。

「ムチ?」
「いや、分類上剣じゃないかな」

平べったいグネグネ歪む刀身をもった剣が入っていた。
十本刀がこんなの持ってたな。
軽く振ってみる。

バシュッ

「…使用禁止だな」
「そうだね」

頬カスった。ヌンチャクより扱いづらい。

ウイップソード ゲット

**********

「武器が落ちてないと思ったらハマー…さんが全部拾っていってたのか…」
「まあしばらくはこの剣でなんとかなるんじゃない?」

魔物が一撃です。
さすがグゥレイトォ!ソード。

図書館を抜けだして礼拝堂まで戻ってきた。

二段ジャンプのおかげで届かなかったところにも行ける。
いま俺イレギュラーハンターみたいだ。

「ヒッフッハッ!」
「なにいってんの…」

最近イツキが俺に冷たい。

適当に行ったことのない場所を移動していたら、変な部屋についた。
なにかの祭壇か?

「地図では行き止まりだけど…あきらかになにかありそうな部屋だな」
「空間が歪んでる…どこかにつながってるかも」

祭壇の上には悪魔の像。
礼拝堂に在っていいものじゃないと思うんだが…

グニャッ

「ぐ…なんだ!?」
「歪みが強くなった! どこかに飛ばされるよ!」
「うおぉぉぉ!?」

なんかぐにゃんぐにゃんする。
気持ち悪い…

**********

ベチャッ

「ぐぇ」
「別のところに移動したみたいだね」

ワープゾーンですか。
どこについたんだ。

「蒼真、ふらふらしてるけど大丈夫?」
「大丈夫だ…ちょっと自分に酔っているだけだ…」

乗り物酔いがひどいわけじゃないぞ?

「ここは…」
「入り口のところだ。弥那ちゃんのところに帰ってくるのが楽になるね」

ゾンビ回廊か。まさか上にこんな場所があったとは…。

まあちょうどいい。
弥那のところに戻ろう。





オマケ

「なんで有角はおまえのこと盗んだんだ?」
「盗んだって…たぶん本人は預けてただけのつもりだったんじゃないかな?
もともと僕は有角個人の所有物だし」
「有角の所有物…だと…?」
「そのままの意味でね。管理されてたことも知らなかったんじゃないかな?」
有角天然説。





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 グレートソード
防具 鉄の胸当て
他1 首蔵

新しいソウル

マルファス

その他

PIT
魔物図鑑機能
段ボール箱
本(ラテン語他)x30
プリン
ウィップソード



ドゥエ ではなく この前牛丼 の登場です。
ドゥエはもう少し後です。



[20761] 暁月編16[休憩中3]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/19 14:44
**********

前回のあらすじ

「ワレハメシアナリ!!フッハッハッハ!!」

「ボース粒子の増大を確認!」
「…ジャンプ」

以上

**********

帰ってきました。

「ただいまー」
「あ!蒼真くん、おかえりなさ…その娘…誰…?」

Oh!そういえば紹介してなかったYO!

「この前の卵だ」
「卵改め、半妖精のイツキだよ」
「そっか…(やっぱり女の子だったんだ…)よろしくね」

ちっちゃく握手する弥那とイツキ。
頭の上でやらないでくれ。

「…あ! 有角さんがくれたのって…」
「あ、前の服だ」

やはり有角はエスパー。
みちゃだめだよ! と言われたので、
入口の方に移動し着替えが終わるのを待つ。

「おっ? 蒼真じゃねえか」
「ハマー…さん?」

まさかの出会い。
さん付けやめろっての、というハマーさ…ハマー。

「しっかしおかしいな…まっすぐ向かってきたはずなんだが、
なんでおまえさんの方が早く着いてるんだ?」
「なんかワープした」

そんなもんまであんのか! と驚くハマー。
それはさておき、さっきあった時より背負っている荷物が増えてるんだが…。

「しかしほんとにここは安全みたいだな」
「ああ、有角っていう白黒のイケメンが結界を張っていったらしい」
「ならここで店を開くとするか!」

えー…。

「本気だったんだ…」
「おうとも!」

あんたある意味すげえよ。

蒼真くーん! 終わったよー!

「あの娘…お前の知り合いか?」
「そうだけど?」
「かーっ、隅におけねぇなぁ、おい!」

ちょ、おま、うぇ。

「ち、ちが! い、妹なんだよ!」
「照れるな照れるな。若いうちはそんなもんだ!」

ほれ、行って来い! 俺も若い頃はだなー…
語りだしたハマーを放っておいて弥那のところに戻ることにした

「おお!? 妖精っぽくなっとる!」

緑色の背中を出したワンピースに白いブーツ。
やっぱり服装は大事だね。

「この服はすごいんだよ。大きさも変わるし」
「それはすごい」

そういえばまだ成長期だったっけ。

「有角さんからこれも預かってるの」
「またチップか」

今度はなんだ?

「地図と組み合わせるといろいろな機能が使えるって」
「ほう…」

イツキが新しい服にはしゃいでてちょっと邪魔である。

「ねぇ…」
「なに?」
「あそこにいる人って…」
「ハマーのことか?」
「ちょっと恐そうじゃない?」
「見た目は多少いかついけど、良い奴だよ。たぶん」

弥那は人見知りするからな。
だけど俺より友達が多い。

「たくさん武器も持ってるし…」
「店を開くんだってさ」
「こんなところで!? どうかしてるかも…」

俺もそう思う。

「でも、蒼真くんがいい人って思うのなら大丈夫…かなぁ?」
「そこは信じてほしいな」
「…うん、信じる」

弥那はいいこだなぁ。

「それじゃそろそろ行くよ。イツキ、行くぞ」
「うん。気をつけてね。イッちゃん、蒼真くんの事よろしくね」

イッちゃん?
着替えてる間になにがあった。



出発するときにはハマーの店の準備も終わっていた。

「おう、準備できたぜ!」
「露店みたいだな」
「さっそくなんか買ってくか?」
「金ないんだけど…」
「いらないものは買い取ってやるよ。城ん中で金貨とか見つけたらそれでもいいぜ」

いらないもの…

「これとかは?」
「本か…てか今どっから出したんだ?」

首蔵について説明した。

「便利なもんがあるんだな…俺も欲しい」
「在庫切れだってさ」

くやしがるハマー。

「で、本はどうよ?」
「…これ、図書館から勝手に持ってきたんだろ? さすがにちょっと…」

今回だけだからな、と言って小さな瓶をくれた。

「これは?」
「傷薬。俗に言うポーションって奴だ」

おお! ゲームみたいだ。
テンション上がってきた!

「今回はこれだけな」
「えー…」
「店は店だからな」

ポーションを首蔵にしまう時も羨ましそうな顔をしていた。

またこいよー、という声を背中にうけながら出発することにした。





オマケ

「やっぱり女の子だったんだね…」
「んーそんなに心配しなくても大丈夫だよ?」
「え?」
「僕の半分は蒼真の魔力からできているから、そういうことはないよ」
「!?」
「わかりやすいなー」
「えっと…その…イツキちゃん?」
「…ごめん。なんかその呼び方ゾワゾワする。いいにくくない?」
「ちょっとだけ…」
「もっとフレンドリーに呼んでくれていいよ」
「じゃあ…イッちゃん」
「…いいね。採用だ」
「蒼真くん、私のことなにか言ってた?」
「実の娘のように思ってるって」
「え?」
「そうなるよね…」

着替え中





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 グレートソード
防具 鉄の胸当て
他1 首蔵

新しいソウル



PIT

魔物図鑑
地図拡張

その他

段ボール箱
プリン
ウィップソード
ポーションx1




悪魔城をやり始めてくれた人がいるとやっぱり嬉しいです。
知り合いの中で悪魔城やってるのユージンだけだから。
ソウルの交換してみたかったorz



[20761] 暁月編17[サクサク道中]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/20 17:39
**********

前回のあらすじ

弥那はハマーに怯えている!

以上

**********

二段ジャンプができるようになって、
いままでいけなかった場所にもいけるようになったぞ。

「ここも上に道あったんだな」
「この上は舞踏館だね」

地図とPITを組み合わせて新しい機能が使えるようになった。
今までいったことのある場所を色違いで表示したり、
現在位置を表示したりできるようになった。
とても便利。

「しかし蒼真もだいぶ退魔師っぽくなってきたね」
「門前の小僧…違うな、習うより慣れろか?」

あまり集中しなくても自然と戦えるようになってきた。
フハハハ、俺は天才だ。ん? 間違ったかな?
どんどん新しい魔物がでてくるので、
気づかずに倒している奴が図鑑にのってたりする。

お?
なんか発見。

ランス ゲット

これって馬に乗って使うもんでないかね。
一応振り回せるけどグゥレイトォ! ソードのほうが使いやすそうだ。
しまっておこう。

階段をのぼっていくと扉の前にでた。
それはともかく二段ジャンプしないと移動に不自由があるってのは、
構造的に失敗ではなかろうか。

「この先が舞踏館か」
「そうだよ」

みんな仮面を着けているのだろうか。

扉を開く。

「ん?」
「あ、こんにちわ」

人がいた。
なんともダンディな渋い旦那だ。

「暗黒の力を感じる…何者だ?」
「…先に自己紹介をしませんか?」

ビビったぜ。
ヨーコさんに聞き忘れてたけど、
暗黒の力って封印指定とかそんなのじゃないよね?

「そうか、すまない。俺はJと呼ばれている」
「呼ばれている?」

私はJです。ってか?

「記憶喪失という奴でな。1999年に大きな事故にあったらしい。
病院で目覚めたときには、素性も名前も失っていた」
「へえ…ああ、俺は蒼真。来栖蒼真です」

この人も日本語うまいな。

「お前の暗黒の力…。生まれつきのものか?」
「いいえ違います」

それはケフィアです。

「よくわからないけど、この城に入ってから使えるようになりました」
「なるほど、考えすぎか…あと、変に畏まらなくていい」
「…わかった」

俺の敬語はおかしいのだろうか。

「して、Jさんはなんでここに?」
「Jでかまわん。
俺は、ドラキュラという名に大きな恐怖を感じている。
だから、予言を信じて来た。
そうすることで、俺自身が戻ると思ったからだ。
実際、ここに来てから何かを思い出しかけてる」
「記憶を失ったのが1999年…もしかしてドラキュラの関係で?」
「多分そうだろう。俺に退魔の力があるところから考えてもな」

退魔師なのか。

「J…バンパイアハンターJ」
「やめてくれ。そんなたいそうなものじゃない。
自分の為にやっているだけだ」

J…Jねぇ?

「本名ジョニーとかジョナサンだったりしません?」
「…聞いたことのある名だ。何か知っているのか?」
「いえ、何も知りません」
「………」

第一次世界大戦と第二次世界大戦の時の人たちだから、
Jとは年齢があわないな。
そもそも鞭持ってるようにはみえねえし。

「まあいい。邪魔をしたな。
俺はもう行かせてもらう。
また、会うこともあるだろう」
「ああ。気をつけて」

タッタッタッ…

「…いった?」
「隠れるなよ…」

頭の後ろからイツキが顔を出す。

「イツキはJのことなにか知ってるか?」
「んー、雰囲気的にはベルモンドとかに近い感じがしたけど…」

ベルモンド?
Jが?

「実はドラキュラを倒した退魔師だったりして」
「バンパイアキラーもってなかったけど…」

そういえば今バンパイアキラーってどこにあるんだ?
まだモリスが持ってんのか?

「まあいまは気にすることでもないか」
「とにかく帰りたいだけだしね」

城主の間をとっとと目指そう。

**********

さすが舞踏館。
幽霊がダンスパーティーしてるぜ。

「蒼真、下下!」
「も?」

ドサッ

ダンスを見ながら歩いていたら床の穴に落ちたでござる。

「いてて…地下にも道が…?」
「この先にもなにかあるみたい」

いきあたりばったりだが、先にここを探索するか。



「すげえ…見たことのない年代のワインがいっぱいだ…」
「樽なのがちょっときついね」

瓶だったら全部持ってくのに。

そんな観察をしながらも魔物と戦える俺カッコいい。

ボシュッ

キラードール ソウルゲット

人形を作る。

ポンッ

「みろイツキ!」
「うわぁ…」

二分の一蒼真くん人形。

「さらに!」

二分の一弥那ちゃん人形。

「蒼真、蒼真の方の人形をあのへんに投げて見なよ」
「ん? ほい」

ポテッ

落ちた人形に魔物たちが群がった。

グチャッグチャッ

すごく…弐号機対量産型です…

「魔物の目を引きつけておけるね」
「俺の心にダメージが残るんだが…」

弥那の方を投げなくてよかったと思わざるをえない。



そしてまたボス扉。
なかには

「今度はゴーレムか」
「サイズが普通より大きいね」

接触、ビッグゴーレム





オマケ

「ハマーって日本語うまいんだな」
「日本語だけじゃないぜ。五ヶ国語できる。マルチリンガルってやつだ」
「…俺なんて英語は未だにダメなのに」

転生しても英語が苦手な蒼真
そしてハマー。さすが軍人。





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 グレートソード
防具 鉄の胸当て
他1 首蔵

新しいソウル

キラードール

PIT

魔物図鑑
地図拡張

武器

ウィップソード
ランス

その他

段ボール箱
プリン
ポーションx1




一応5KB前後を目安に一話作っていますが、
今思うともっと一話ずつの長さを増やして話数減らしたほうが良かったような気がします。

全く関係ないですけど、
今日ゲーセンではじめて白復活やってきました。
黒しかやったことなかったので烈怒のありがたさを再確認しました。

KOFのSTGがあるなら悪魔城のSTGがあってもいいと思う。
月下のラストの若本なんてもろ縦シューのボスのたたずまいではなかろうか。



[20761] 暁月編18[ゴーレムとダンスだ]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/21 12:48
**********

前回のあらすじ

「私はJです」
「くそ、やられた!」
「どうしたんだ、蒼真?」
「いまノートにジュストー! と書けば、お茶の間のアイドルが死ぬ可能性のほうが高い…
Jめ…こんな屈辱は生まれて初めてだ…!」

「凄まじい破壊力を持つゴーレムの兵隊だよ。
こいつが地下にいなければ、誰も悪魔城を信じはしなかったろう。
こいつは地上で作られたものではない」

以上

適当すぎた

**********

今俺は巨大なゴーレムと対峙しているが、

「ぶっちゃけ弱くね?」

予備動作が大きいので、簡単に避けられる。

「蒼真が戦い慣れたせいだよ。ゴーレムは基本的に一定の行動しかできないから」

アルゴリズムさえ理解できればCPUの強いほうが勝つ、ですね。
わかりません。

「emeth(真理)のeを消してmeth(死)にすればいいんだっけ?」
「最近はコアを使ったタイプが主流になってるんじゃなかったかな」

ボッボッボッ

おっと。
石吐いてきた。
グレートソードを盾にする。

カンッカンッカンッ

さすがグレートソード、なんともないぜ。

しかしいくら避けるのが楽と言っても、
相手の体は石だからな。
また剣を折るのは避けたい。

「イツキ。文字の場所、もしくはコアの位置ってわかるか?」
「まかせて。わかんない」

まかせてとはなんだったのか。
おとなしくだるま落としといこう。

**********

ちくしょう。
硬い。
ずいぶん時間をかけたが、足にヒビしかできていない。
石の癖に黄金の鉄の塊でできたグレートアーマーより硬いってどういうことだ。

「もう魔力切れるんだが…」
「がんばって! あれだけ硬いなら、一箇所崩せばなんとかなるはずだよ!」

最後の手榴弾を投げつける。

ボフッ
ピシッ

「どうだ…」
「ヒビが大きくなってる。いまならおもいっきり叩けば崩せる! たぶん」

振り回された腕を避けながら近づき、
グレートソードを叩きつける。

「はっ!」

ゴッ…

「…むう」

まだ足りないか?

ミシッ…

「大丈夫。終わったよ」

ピシッ…ピシピシ…

「ゴーレム、てめえの敗因はたったひとつだ。たったひとつのシンプルな答えだ」
「蒼真?」

ドシャァァァ…

「てめえは俺を怒らせた」
「…なにいってんの?」

ヒビが体をはしっていくのをみてたら言いたくなっただけだ。

**********

「今回は武器が壊れなくてよかったね」
「さすがグレートソード、なんともないぜ!」

しかし強くはなかったがめんどくさい相手だった。
コアもなかったし文字もなかったが、
どうやって動いていたのやら。

「あ、ソウルキーパーだ」
「またか」

ガシャッ
ボシュッ

スケルトンブレイズ ソウルゲット

「どんな能力?」
「しゃがんでる状態からスライディングができる」

これはさりげなくすごいのではなかろうか。
音速のハリネズミですら助走がなければスライディングはできないのに、
完全に停止した状態からスライディングって。

「ほかにはなさそうだね」
「ああ…?」

ピヨッ

「………」
「蒼真?」

なんだあれは。
蛇?
それにしては太すぎる。

「あ、ツチノコだ」
「なにぃ!?」

ビクッ
ツプツプツプ…

「逃げちゃった…」
「ちょ、ツチノコ? マジか?」

捕まえれば一生遊んで暮らせる…!

「どこいった! でてこい!」
「もうどっかいっちゃったよ…」

ちくしょう…ちくしょーッ!

**********

舞踏館のホールまでもどってきて、
近くの女神像の部屋にはいった。

「ちくしょう…」
「そんなに落ち込まなくても…あれも魔物の一種だよ?」

…魔物なら賞金はもらえないか。

「オーケー。納得した」
「とりあえず次は上の階を探索しようか」

魔物ってことはソウルは手にはいるのだろうか?

ソウルといえば帰ってくる途中で、
エビルブッチャーと人間サイズの木製ゴーレムの魂も支配した。
支配した、ってなんか卑猥だね。

アホなこと考えてないで、
探索を再開しよう。





オマケ

「やっぱりツチノコ捕まえてこようかな…」
「魔物を普通の生物として学会とかに提出すると、教会から異端審査官がくるよ」
「! そんなことしないさ。でもハマーなら高く買いとってくれるんじゃ…」
「ルートをたぐられて、最終的に蒼真のところまでくるよ」
「くそ! 一生遊んで暮らせる金が…」
「金、金、金! 騎士として恥ずかしくないのか!」
「!?」
「あれ? 今勝手に口が…」
「………」

蒼真の魔力から影響を受けるイツキ。





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 グレートソード
防具 鉄の胸当て
他1 首蔵

新しいソウル

スケルトンブレイズ
エビルブッチャー
ウッドゴーレム

PIT

魔物図鑑
地図拡張

武器

ウィップソード
ランス

その他

段ボール箱
プリン
ポーションx1




PS3しか次世代機は持ってないので、
ハーモニーオブディスペアがPS3のダウンロードコンテンツにきてくれるのをまってます。
著名な縦シューが全部箱なので、箱買ってもいいんですけどね。
実家ぐらしなので家族からの監視が厳しく、自由にゲームが買えないでござる。



[20761] 暁月編19[メイドさんがいっぱい]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/22 16:35
**********

前回のあらすじ

ビッグゴーレムと戦いました。
倒しました。
感動しました。

以上

**********

探索、始めました。

「舞踏館だけど踊ってない奴らもいるんだな」
「もともと踊るって思考のない魔物の方が多いと思うよ。
ゴーストダンサーが特殊なだけだよ」

ホールにいる魔物以外はほとんど踊っていない。
ミノタウロスが踊ってるのを見てみたかった。

探索していると、
なぜか執事に出会った。
ただし骨。

「カタカタカタ」
「…別に襲ってくるわけじゃないみたいだな」

丁寧におじぎをされた。
そして、トレーに何かをのせてこちらに差し出した。

「カタカタカタ」
「これは…」

カレーもらった。

「食べていいのか?」
「カタ」

うなずく骨執事。

「(蒼真…やめといたほうがいいよ…)」
「(いや、悪意は感じないし、もしもの時はゾンビのソウルを使えば大丈夫だろ)」

綺麗な装飾をされたスプーンを使い、
カレーを一口食べる。

「!?」
「蒼真!?」
「う…」
「大丈夫!?」

こ、これは…

「ウンまああ~いっ!こっこれは~っ!この味わあぁ~っ!(以下略)」
「………」
「カタカタ」



ふう。少し熱くなりすぎたな。

「ごちそうさま。おいしかったよ」
「カタ!」

骨執事はこちらにお辞儀をして去っていった。
その後姿はうれしそうに見えた。

「一口欲しかったな…」
「すまんすまん」

ちょっと羨ましそうにしているイツキと一緒に探索を再開しようとした。
そのとき、

ガチャーン

「「!?」」

何かが砕ける音がした。
嫌な予感がして音のした方に移動すると、

「ほ…骨執事ー!?」

壁にぶつかったのか、木っ端微塵になった骨執事がいた。

「うわ…頭蓋骨以外バッラバラだ…」
「どうしてこんなことに…この段差か」

手前にあった段差に爪突いたのか。

「カタカタ」
「!?」

頭蓋骨がこっちを向いた。
なにを伝えようとしているのかは、
よくはわからなかったが、
骨執事は満足そうな表情(といっていいのかはわからないが)をうかべて崩れていった。

ボシュッ

スケルトンボーイ ソウルゲット

「………」
「いこう。ちょっとかわいそうだけど、仕方ないよ」
「ああ」

骨執事…無茶しやがって…

**********

スケルトンボーイのぶつかった壁の下の方に、
ちょうど這い蹲れば通れそうな隙間があった。

イツキを先行させ状況を調べる。

「イツキ。奥に何かありそうか?」
「地図の通りに道が続いてるみたい」

なるほど。
このくらい隙間があればスライディングで通れそうだ。

「イツキ。ちょっとどいてろ。潜り抜ける」
「了ー解」

ズザッ

…鼻カスった。
次からはもっと低く滑るか、おとなしく這い蹲ろう。

「で、この先は?」
「幻夢宮って書いてあるけど…詳しくはわからないな」

ふむ。
とりあえずいってみるか。

扉を開ける。

「「「ようこそ」」」

天国だ。
メイドさんがいっぱいだ。
それもコスプレではない。

「おう…俺は今猛烈に感動している…」
「蒼真…魔物だよ?」

それがどうしたというのか。
メイドさんだぞ。

「「「こちらへどうぞ」」」
「あ、はい」

そうして俺はホイホイついて行ってしまったのだ。

**********

なんか会食席みたいなところに通された。

「蒼真、頼むから油断しないでね?」
「メイドさんに向かってなにを怯えているのかと」

ガチャッ

奥から美しいご婦人が現れた。

「フフフッ、ようこそ幻夢宮へ。久しぶりの客人ですの。歓迎いたしますわ」
「これは丁寧にどうも」

少々年齢的にはストライクゾーンから外れているが、顔は全然オッケイです。

「私はここ、幻夢宮の主。身内からはコレクターと呼ばれていますわ」
「来栖蒼真といいます。こっちの小さいのはイツキ」

なかなか話せる相手のようだ。

「コレクターといいますと何かを集めていらっしゃるとか?」
「ええ。でもたいして自慢ができるようなものじゃないですわ。
それよりもおつかれでしょう? プロセルピナ、食事を」
「失礼ですが、あまりゆっくりとは…」
「それでも食事くらいは振舞わせてくださいな。
此処に来るまでに野蛮な魔物たちの相手をしてきたのでしょう?」

ふむ。ではお言葉に甘えさせてもらうとしよう。

「………」
「イツキ?」
「…なんでもない」



メイドさんが豪華な食事をテーブルに並べていく。

「ワインはお飲みになりますか?」

メイドにきかれる。

「いえ、遠慮しておきます」

未成年です。転生してるけど。

「そうですか。何かありましたらいつでもお呼びください(ニコッ)」

メイド、いい。

そして、コレクターと俺、そしてイツキの三人で食事が始まった。





オマケ

「おう。この前のにーちゃんじゃねえか」
「軍の人間か」
「ああ。ここで店を始めたんだ。なにか買ってくかい?」
「いや、それよりも来栖蒼真のことを知っているか?」
「あ? 蒼真がどうした?」
「そうか。知っているならばいい。これを渡しておく」
「!? こんな大金どっから…」
「蒼真にできるだけの手助けをしてやってくれ」
「別にいいけどよ…蒼真からも金は取るぜ?」
「ああ、構わない」
「あ! おい待てよ! …いっちまった。なんだったんだいったい…」





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 グレートソード
防具 鉄の胸当て
他1 首蔵

新しいソウル

スケルトンボーイ

PIT

魔物図鑑
地図拡張

武器

ウィップソード
ランス

その他

段ボール箱
プリン
ポーションx1



花火を見に行ってきました。
露店でくじ引きをやっていたので、はしゃいで大量にやってきました。
5000円近く使って、全部ハズレ。
遊戯王のカード20枚くらい当てました。
ただウィンとカイザーシーホースがあたったので良しとします。
ウィンかわいいよウィン。



[20761] 暁月編20[コレクター]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/23 12:17
**********

前回のあらすじ

いちめんのめいどさん
いちめんのめいどさん
いちめんのめいどさん
いちめんのめいどさん
いちめんのめいどさん
いちめんのめいどさん
いちめんのめいどさん
かすかなるこれくたー

以上

**********

「それではこの出会いに」

「「乾杯」」

会食席は豪華な装飾に溢れている。
しかし鹿の剥製の代わりに悪魔の首があるのはいかがなものか。

それはさておき、でてくるのが高級そうな料理で困る。
テーブルマナーとかあまり知らないのだが。
鉄の胸当ては首蔵にしまった。

ステーキ? をナイフで小さく切り分け口に運ぶ。
ふむ。美味。

「蒼真さんはどうしてこの城にいらしたんですの?」

コレクターさんから話しかけられる。

「自分で来たわけではないです。どうやら日食に巻き込まれたみたいで…」

そうだったんですの、と口元を隠し上品に笑う。
いちいちさまになる人だ。人じゃないと思うが。

そういえばなぜ俺達はこの城に飛ばされたのだろうか。
日食を見るだけならどこからでもできるはずだ。
白馬神社で日食を見たことが原因ならば、
白馬神社が悪魔城に関係しているのか?
次に戻ったら弥那に聞いてみよう。

食事を続ける。
イツキは専用の小さい食器をあてがわれているが、
この食器は普段使われることはあるのだろうか。

「この城が封じられて以来、外の世界のことを知る方法がなかったの」
「?」
「外のこと、何でもいいので教えてくださらない?」
「俺の知っている限りでよければ、よろこんで」

そうして、外のことを適当に話しながら食事をした。
コレクターさんは特にPITに興味を持っていた。

**********

「フフッ、お話楽しかったわ」
「それはよかった」
「………」
「そちらの妖精さんはあまり満足していただけなかったかしら?」
「イツキ?」
「…いえ、とてもおいしかったです」

なんだかさっきからイツキが静かだ。
具合でも悪いのか?

「蒼真さんは素敵な方ね」
「! ありがとうございます。しかし、そう面と向かって言われると…」

ホメるなよ、照れるぜ。

「あなたなら私のコレクションに…」
「はい?」
「ぜひ私のコレクションをみていってくださらないかしら?」
「はあ…」
「さあこちらへ!」

なんかすごい力で別室に連れていかれた。
それよりも女の人に手繋がれたことで頭がいっぱいなわけですが。



「ここですか」

ちょっとひんやりした風が流れている。
まさにコレクションルームといった空気がするが、
なんか暗くてよく見えん。

バサッ

「!?」

qあwせdrftgyふじこlp

後ろから抱きしめられた。
コレクターさん、あたってます。

「蒼真さんって、綺麗なお顔をしてるのね…」

頬なでられた。
耳に吐息がかかってる。
香水のフローラルな香りが鼻をくすぐる。

「私のものにしてしまいたい…」

くぁwせdrftgyふじこlp

「あなたの首をちょうだい…」





( ゚д゚)
(゚д゚)彡

「蒼真!」

イツキの方に振り向く。

シュパッ

「うお!?」

ちょ、首に何かカスった。
え、なに、ねえ、ちょっと、いや、だいぶ待って。

「そんな、避けないで蒼真さん」

コレクターさん、
ナイフ持ってなんでそんな蕩けた顔してらっしゃるんですか。

「蒼真! 明かりをつけるよ!」

パッ

世界が豹変した。

人間の
首、首、首首首くびくびくびクビクビクビ…

「なんじゃこりゃあ!?」
「驚きました? 私のコレクション…お気に召しまして?」

コレクションって人間の首かよ!?

「蒼真さんはずいぶんと久しぶりの人間ですのよ?
それにそんなに綺麗な顔…そのままにしておくのはもったいないわ」
「頭が胴体と離れたくないと全力で抗議しているのでご遠慮したいのですが!」

シュパッ

くそ。
問答無用かよ!?

明らかにそのドレスじゃ無理だろ、という速度でナイフを突き出してくるコレクター。
明らかに首狙いだ。

「あなたもコレクションに加えてあげる…」
「ちくしょう! 期待してたのに!」
「蒼真! そいつは悪魔だ! 人間の敵対者だ!」

気づいてたならはじめに言ってくれ!

「やっぱり気づいていたのね…」
「その香水の御陰で確信はなかったけどね」

ナイフを避けながら距離をとる。

ガッ

棚にぶつかった。
上から生首のナイアガラバスター。

「おおお!?」
「んもう…私のコレクションが…」

なにがやばいって数がやばい。
足の踏み場もないほどに生首。

「くそ、切り裂け!」

人型の魔物には使いたくなかったんだけど!
ミニデビル!

「ハァッ!」

キンッ

「…イツキ、いま真空波がナイフで切り払われた気がしたんだが」
「魔力のこもった切り払いだ! もっと存在力の強い力じゃないと、飛び道具ははじかれるよ!」

存在力ってなんぞ?

「素敵な力をお持ちなのね…ますます欲しくなってしまう…」

その表情やめて下さい。
エロいです。

「もっと魔力を込めれば…!」

なんかロックマンみたいだ。
豆玉無効。

「くらえ!」

ズバシャッ

「あ…」

ビシャァァァ…

…鮮血の結末。
コレクターの上半身がななめに裂けた。
そして首がゴトリと床に落ちた。
返り血でびしょびしょに…。

「中に誰もいませんよ…ウブッ」
「蒼真…」

やばい、吐きそう。
早くここから出ないと…。

「フフフッ…」

!?

棚の生首とは別に置かれていた、
老人の首がフワフワと浮いて、
コレクターの首から下の体につながった。
一期のDIOですか?

「まだまだ…ますます欲しくなってくる…」

体が首に合わせて変化する。
傷も完全に治ってしまったようだ。

「フフフッ…もう他のなんてどうでもいい…」
「空を飛んだ!?」
「あなたの首、ただそれだけが欲しい(ただしジジイである)」

そういって、空中に魔法陣を描き始めた。
魔法!?

「蒼真、離れて!」
「雷よ!」

バックステップで距離をとるのが早かったか、
魔法陣の完成するのが早かったか。

バチバチバチッ

辺りの生首をはじき飛ばす雷が発生した。

「うわぁ! ビリビリする!?」
「こんな狭いところじゃ戦えないよ!」

くそ、会食席まで戻ろう!

全力疾走で扉に向かうのだが後ろを軽く振り向くと、
じいさんがエロい顔して空を飛びながら追いかけてくる。
これなんてホラー?



「ドルァッ!」

バキッ

扉を蹴破り転がりこむ。
今のうちに鉄の胸当ても装備する。

「たぶん今のあいつには直接斬りかかったほうがいいよ」
「空飛んでるぞ?」
「どこか足場があれば…きたよ!」

くそう。
なんか今回すごく不利だぞ。

「逃げるなんてひどいわ…」

足場…足場…いや待てよ?
逆に考えるのはどうだ?

「………」
「蒼真?」

会食席のテーブルの下に隠れる。

「無駄よ…?」

雷と炎でテーブルが粉々になる。



「さあ、コレクションに加えてあげる…
よろこんで…あなたは私の新しいコレクション第一号よ…」

倒れている俺にコレクターが近づく。

「だが断る」
「!?」
「あばよ!」

コレクターの体を後ろからグレートソードで斬り倒す。

「そんな…これは…人形…?」
「大正解だ」
「よく思いついたね」

キラードールのソウル。
それであいつを地上におびき寄せたのだ。

「わたしの…首…」

ゴトリ、とまた首が落ちた。
今度は返り血を浴びずにすんだ。

「…ふう」
「おつかれ」

ほんとに疲れた。
あと飯食ってすぐ動いたからお腹痛い。

…飯?

「なあイツキ、ちょっと怖い想像をしたんだが…」
「なに?」
「さっきのコレクションの首から下が、さっきの料理とかそういうことは」
「ないよ。料理は魔力からできてたみたい」

よかった。ほんとによかった。
ソイレントシステムはだめです。

「…一回弥那のところに戻るか」
「その前に血を洗い流さないと」

「まだ…まだよ…」

「「!?」」

会食席にあった悪魔の首の剥製。
その目が開く。

しくじった!
あれもコレクターの首か!

首は素早く体とつながり力を得る。

「ギシャァァァ!」

もはや人型ではない。
まさしく悪魔といった風貌のコレクターと、
三度目の接触を果たした。





オマケ

「あの…ハマー…さん?」
「お? どうした嬢ちゃん」
「その…一応自己紹介をしておこうと思って…」
「ほー、最近の娘にしちゃずいぶん礼儀正しいな。いやいいことだ、いいことだ」
「白馬弥那っていいます」
「白馬…ああ神社の…(たしか護衛対象に…)俺はハマーだ」
「蒼真くんのこと、よろしくお願いします」
「うーむ、蒼真は愛されてるなー」
「ち、違います! そんなんじゃ!」
「蒼真と同じような反応するんだな…」
「え! そ、蒼真くんはなんて言ってましたか!?」
「妹なんだ! って」
「………」

蒼真くんのバカ…





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 グレートソード
防具 鉄の胸当て
他1 首蔵

新しいソウル



PIT

魔物図鑑
地図拡張

武器

ウィップソード
ランス

その他

段ボール箱
プリン
ポーションx1



ガスタの巫女…かわいいじゃまいか。
最近は生カードを買うお金がなくてタッグフォースで済ましてます。
はやく5でないかな…。
ところでベルモンドのカード化はまだですか?



[20761] 暁月編21[蒼真、怒りの鉄拳]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/24 13:57
**********

前回のあらすじ

「今夜限りの関係でもいいの…あなたのぬくもりを感じていたい…」
「マダム…」
(中略)

「ここは…? さっきコレクターがいっていたコレクションルームか…」
「待ちなさい、蒼真。あなたは彼女の提供した食品を食べました。
そのことをよく認識して、その扉を開けて下さい」
「何だよ…。何があるんだよ…一体…」
「それはあなた自身の目で確かめて下さい」
ガチャ
「こ、これは…。ま、まさか…」
「コレクター、別名ネックハンター。
蒼真。イツキがなぜあなたに油断しないように伝えたのか解りますか?
その答えがここです。彼女はコレクターからかすかな血の匂いを感じ取っていたのです」
「い、いい加減なこと言わないでくれ! イツキならすぐに教えてくれるはずだ!」
「もちろんイツキはそのことを伝えようとしていました。
しかし、コレクターの香水には血の匂いを消すと同時に、敵対心を薄める効果があったのです」
「そんな…嘘だろ…」
「さあ、立ちなさい蒼真。立って、そしてもう一度見るのです…」
「こんなのってあるかい…先生…」
「…これが現実です」
(中略)

「これが俺本来のハンサム顔だッ!」
「コレクターの顔が変わってしまったぞ!」
「化け物め…」
「化け物…? 違う、俺は悪魔だ」

適当すぎた(再び)

以上

**********

「ギシャァァァ!」

くそ。
どんだけストックがあるんだ。
もう魔力も切れそうだってのに!

バッ

「消えた!?」
「上だ!」

飛び上がって天井に張り付いただと!?
ダーマかよ!

「シャァァァ!」

バッ
サッ
カンッ

「く…」
「速い…!」

こちらに急降下して、すれ違いざまに鋭い爪で首のあたりを切り裂かれた。
バックステップがなければ、首が落ちていたかもしれない。
さらに鉄の胸当てがなければ即死だった…!

なんてスピードだ。
目で追うことができても、体が反応できない!

「イツキ! なんか考えてくれ!」
「いま考えてる!」

なんとかすべての攻撃をそらし防いでいるが、
反撃の糸口が見つからない。

「蒼真、アラクネの糸は!?」
「スパイダーストリングスか!」

しかしまさに縦横無尽といったところか。
これだけの広さのある部屋で壁から壁へ跳び回る…。
どうすれば当てられる…?



…一応当てる方法は思いついたがやりたくない。

「シャァァァ!」

そうもいってられんかね!

グレートソードをしまい、
胸を大きく開け、隙を見せる。

「蒼真!?」
「ッシャァ! 来い!」

ズバシャッ
ギュ!

「シャハッ!?」
「捕まえた…」

首を狙ってくるだろうことはわかっていた。
爪を左手で受け、その際にコレクターの頭をつかんだのだ。

肉を切らせて骨を…と言いたいところだが、
すごく痛いです。
手のひらに穴が空いてしまった。
ありえない。
痛みでイライラがハンパない。

ミシッ

「ビギッ!?」
「蒼真!?」

なんでこんな目にあってるんだ俺は?
転生して不思議な現象にあいたいと思ったことはたくさんあるさ。
でも痛いのとか納得いかん。
そもそも一般人だぞ、おい。

ミシミシミシッ

「ギ、ギィ!?」
「ふざけんじゃねえぞ!」

メキョッ

「ピギ…」
「即座に死ねぇ!」

グチャッ

怒りに任せ、コレクターを床に叩きつけた。

「ハア…ハア…」
「そ、蒼真…? 大丈夫?」
「大丈夫じゃねえよ! めちゃくちゃ痛えんだよ!」
「…ハマーからもらったポーションを使うよ」

ポーション
忘れてた。

澄んだ青色のとろみのある液体を傷口にかけると、
たちまち傷口の周りが泡だったように蠢き傷が治った。
傷も残っていない。
…なんか寿命縮みそうな薬だ。

痛みは若干残っているがもう大丈夫だろう。

「ふう…危なかった」
「そこまで深い傷じゃなかったよ?」
「あんな大怪我初めてだっつーの」

入院したこともないんだぞ。

コレクターの死体を見る。
床にぶつけられた衝撃でか、顔が潰れてしまっている。

火事場の馬鹿力ってとこか。
まあとにかく助かった。
とっととここから立ち去ろう。

(さっきの蒼真の力は…)
「イツキ、行こう」
「あ、うん…と、待って。オーブが」

魔力球
久しぶりに見た気がする。
触れると、左腕以外の細かい傷が治っていった。
ポーション節約すればよかったかな。
いや、あの痛みに長時間耐えるのは無理だった。
これでよかったのだ。

「…蒼真」
「どうした?」
「そろそろ自分で飛べそう」
「ほう?」

イツキが光に包まれて姿を変える。

フワッ

今までがリカちゃん人形サイズなら、いまはファービー三つ分くらいか?

「あんまり変わってない…」
「でもこれで適当に蒼真についていけるよ」

頭の上から卒業か。
あとほんとに服もサイズ変わるのか。

「まあいい。とりあえず弥那のところに戻ろう」
「そうだね」





オマケ

「(…ぬう。今の魔力の鳴動…既に失われたはずの…)」

時計塔頂上にて。





ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

装備

武器 グレートソード
防具 鉄の胸当て
他1 首蔵

新しいソウル



PIT

魔物図鑑
地図拡張

武器

ウィップソード
ランス

その他

段ボール箱
プリン



いま気づいたけどあらすじに、蒼真、イツキ、コレクター以外に謎の先生が混入してる…。

ガスタの静寂…オラワクワクシテキタドー。

タッグフォース、ユージンも対戦相手がいないです。
PS3とかでオンラインモードつけてやって欲しい。
5が発売されたら俺、霊使い中心でデッキ組むんだ…。



[20761] 暁月編22[幻夢宮の嵐]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/25 19:41
**********

・前回のあらすじ

日曜洋画悪魔城
コレクター

「来いよコレクター。ナイフなんか捨ててかかってこい。
俺の首をコレクションに加えるのが望みだったんだろう。
そうじゃないのか、コレクター。来いよコレクター。恐いのか?」
「ナイフなんて必要ねー。へへ、魔法も必要ねーや。
へへ、誰がてめーなんか。てめーなんか恐くねー! ぶっ殺してやる!」

ザシュッ

「…野郎、ふざけやがって!」

メキョッ

「グワァァァ!」
「地獄に落ちろ、コレクター」

以上

**********

弥那のところに帰る予定だった。
が、

――タッタッタッ…

「どうしてこうなった」
「次、右!」

――ドドドドドッ…

「「「待てー!」」」

メイドさんに追いかけられている今日この頃。

**********

はじめに言っておくと俺は悪くない。

帰る前に返り血やらを洗い流そうと水場を探していたんだ。
で、食事をしたときに料理のでてきた方の扉を開けたら、
扉がいっぱいある通路になっていて、
一個ずつ開けて中を調べていくことにしたんだ。

ひとつめ、調理場。
使用した形跡が見られない程きれい。
電気が通っているのか明かりは蛍光灯だ。
食洗機の近くに一般家庭用洗剤(除菌もできる)が置いてあってちょっと笑った。
とりあえずここで手についた血を流した。

ふたつめ、倉庫。
モップやほうきやらの掃除道具がしまってあった。

ここまではよかったんだ。

みっつめ、…更衣室。
扉を開けるとそこには一面のメイドさん。

「?」
「「「………」」」

ただし着替え中。

「!?」
「「「…キャー!?」」」

なにぃぃぃ!?

「蒼真、わざとか!?」
「ち、違う!」

クリボー、違った。イツキが勝手に!

っていうか、今考えると魔物が着替えってどういうことなの。
メイドの魔物ならメイド服も体の一部みたいなものじゃないのか。

まあそのときはそれどころじゃなくて、
大慌てで後ろに向かって右足と左足を交互に動かしたわけだが。

扉を閉じて深呼吸。

「…ふう。さあ弥那のところに帰ろう!」
「蒼真ェ…」

そうして俺は別の扉を確認していった。
結局一番最後の扉の奥にシャワーがあったので、
そこで血を洗い流すことはできた。
洗濯機もあったので上の服だけ洗濯もした。

上半身裸で洗濯が終わるのを待っていたら、

――ガチャッ

メイドが入ってきた。
服を脱ぎながら。

「?」
「「「………?」」」
「!?」
「「「…キャー!?」」」

俺はこのとき自分が主人公であると確信した。

**********

そんなこんなで俺はメイドの集団から逃げている。(上半身裸)

「絶対に逃がすな!」
「隊長! コレクターの消滅を確認しました!」
「なに? 仕方ない…パターンをβにシフト!」
「「「了解!」」」
「侵入者を逃がすな!」

隊長さん、まじ凛々しいっす。
惚れてまいます。
ただその他のメイドさん、眼が赤く光ってて恐いです。
持ってる掃除機やモップにトゲも付いているし。

「いつのまにか、完全に敵扱いだな…」
「コレクターを倒したから、客じゃなくなったんだと思う」

よかった。
別にここまでのサービスイベントが原因ではなかったか。

走っていると、突然前方に別のメイド隊が現れた。

「かかったわね!」
「挟み撃ちか!」

くそ!
こうなったら…

「風よ!」

ミニデビル(弱)

――フワッ

「「「いやー!」」」

そよ風によるスカートめくり。

「…蒼真、君は最低だ」
「やかましい!」

挟み撃ちを突破する。

「それよりこの先は!?」
「そこ左!」

曲がり、そのまま走り続ける。

「次は!?」
「そこの部屋!」

入る。
なかは悪魔の祭壇。

「ワープゾーンか!」
「早く! 追いつかれる!」

弥那の近くをイメージする。

「逃がすかー!」

掃除機を振りかぶりこちらに襲いかかるプロセルピナA。
吸込口が生き物の口になっている!?

それが振り下ろされ、俺の顔に触れる一瞬前、

――フワッ

俺はワープした。

**********

「隊長。例の侵入者は祭壇から転移したようです」
「そうか…仕方ない。掃除を始めよう」
「「「了解!」」」
「まったく、ずいぶんと散らかしてくれたものだ」

しかしコレクターが消滅したか…。
もはや再生もできないだろう。
先程の魔力…間違いないな。
今回この城が呼び込んだ人間は厄介なヤツらばかりだな。

「まあいい。我々はメイドの本分を突き通すだけだ」

**********

――スタッ

「…ギリギリ間に合ったみたいだね」

――ドサッ

「蒼真?」
「メイド…恐かった…」

思わずへたり込む。

最後のメイド、掃除機振りおろした瞬間の表情がハンパなかった。
獲物を仕留める悦びを満面に浮かべた笑顔。
メイド恐怖症になりそう…。

「へらへらしてるからだよ…」
「あんなに優しく微笑んでくれたのに…」
「………(弥那ちゃんに報告だな)」

とりあえず服を着よう。
首蔵から服を取り出す。

!?

「な…これは…なんで?」
「どうしたの?」

メイド服が入ってた。

洗濯機から急いで取り出し確認しないで首蔵に入れたのが原因だろうか。
どうしよう。





オマケ

「…ねえ」
「ん? おう、嬢ちゃんか。まいど悪いな」

(ポーションか。ありがてえ)

「…これ」
「ん、また九ミリパラか。こんなもんでいいのか?」
「…うん」
「(うーむ。使ってないから別にいいんだが、なんに使うんだ?)」
「…じゃあ」
「おう、 気をつけてな」

ハマー、アイテム入手の旅の途中にて。





・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グレートソード
防具 上半身裸
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張

・武器

ウィップソード
ランス

・防具

鉄の胸当て

・その他

段ボール箱
プリン



ゴエモンたちがカードになるなら、
ベルモンド家やモリス家だってカードになれると信じています。

今回から擬音の前に――をつけてみたりしましたが、見にくいでしょうか?
今後、擬音を減らし文章での描写を増やしていこうと考えていますが、
まだまだ素人の身なので擬音に頼る部分が多くなると思います。
今回は擬音を二行以上続けないように気をつけてみました。

――によって見やすくなるか、もしくはわかりやすくなるといいなと思っています。
見にくい場合は教えてもらいたいです。



[20761] 暁月編23[休憩中4]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/26 20:45
**********

・前回のあらすじ

知ってるか?

メイドは3つに分けられる

主の生活すべてを完璧にサポートするパーフェクトメイド

皿を割ったりするドジっ子メイド

そしてメイド服を着ただけのコスプレイヤー

この3つだ

あいつらは――

以上

**********

…女の子が泣いている。
あれは私だ。
小さい頃の私。

そこは小さな公園で、私はブランコに座って泣いている。
夕日が沈みかかって辺りはうっすらと暗くなり始めていた。

なぜか迷子になったのだ。
うちの神社は目印になるくらい分かりやすい場所なのに、
なぜかその日はいくら歩きまわっても見えなくて。

[おっ? 幼女発見]
[!?]

そのときにその男の子に出会ったのだ。

[…誰?]
[ウホッいいロリコンホイホイ]

今となっては彼がなにを言っていたのかは覚えていない。
ただ、彼はくだらないことをいって泣いている私を笑わせてくれたことを覚えている。

そして私が泣き止む頃には辺りはもう真っ暗で、
彼は不安でまた泣き出してしまった私の手をひいて神社まで連れていってくれたのだ。

[どうして私の家を知ってるの?]
[さて、どうしてでしょう]
[…君の名前は?]
[貴様に名乗る名などない!]
[…?]
[サラダバー!]

――タッタッタッタッタッ…

結局そのときはちゃんとお礼も言えなかった。
その日は帰ってくるのが遅かったことをお母さんに怒られて、
それでおしまいだったと思う。

数日後、何かの用事でお母さんと一緒にその公園の近くを通ったときは、
ちゃんと神社が見えて不思議だったっけ。
そしてその用事の帰り道で、

[今これより我が新世界は始まるのだ!]
[!?]

公園の滑り台の頂点で立つ彼を見つけて、
彼が近所に住んでいる子だとわかったのだ。

**********

「ん…眠っちゃったんだ…」

なんだかずいぶん小さい頃の夢をみた気がする。
それにしても最近疲れやすくなっている気がするな。

私の名前は白馬弥那(ハクバミナ)。
高校三年生。
今、ドラキュラ城にいます。

「ただいまー」
「よう蒼真! いいもんはいってるぜ!」

あ、帰ってきた。
来須蒼真。
私の幼なじみ。
少し変わっていて、
ほうっておくとなにかとんでもないことをしそうで眼を離せない。
あとちょっといじわるなところもある。
でも根はいい人で、
なにか困っていることがあるとなんだかんだ言いながらも助けてくれる。
思えば小さい頃からお世話になりっぱなしだったような気がする。

「へー。あとでよらせてもらうよ」
「お、先に弥那ちゃんのとこか? かーっ、色男だねぇ」
「あのなあ…」
「ハマーさん、ハマーさん」
「うお、妖精!?」
「イツキだよ。よろしく」
「俺のサポートみたいなもんだよ。そんな気にしなくてもいいよ」
「一応あいさつはしておこうと思って」
「ほー、そうか。よろしくな!」

…早くこっちに来てくれないかな。

「弥那、ただいま」
「弥那ちゃん、ただいまー」
「おかえりなさい。イッちゃん、しばらく見ないうちに身長のびた?」

というかおっきくなってる。

「イツキはまだあと二回の進化を残している。この意味がわかるか?」
「一回だよ」
「………」

蒼真くんは変わらない。
これだけ異常な状況でも冷静でいられることはすごいことだと思う。

「ところで蒼真くん」
「ん?」
「なんで裸にコートなの?」
「裸だけだったらちょっと変態みたいじゃないか」

裸にそのままコートでもちょっとどうかと思う。
このコートをプレゼントしたときは、
社長だとか俺のロードとかよくわからないことを言って嫌がっていたのだけれど。

「ああ、弥那。聞きたいことがあったんだ」



なにかしら。

「今更なんだけど…お前の家ってどういう神社なんだ?」
「うちの神社?」
「ああ。なにかこの城と関係あるのかと思ってさ」

…そういえば蒼真くんには話したことがなかった気がする。

「蒼真くんは天岩戸の話って知ってるよね?」
「ああ、ひきこもりの改善策の話だろう?」
「…続けるね。あれって簡単にまとめると、
暴れたスサノオを諌めるために天照大神が天岩戸に隠れたって話よね」

あまり使わない知識だから、はっきりとは憶えていないけれど。

「大筋はそうだな」
「太陽である天照大神が隠れるってことは、日食のことをさしているの。
それによって、怒りの意思を封じ込めることができる…」
「ほうほう」
「それを朝廷の頃から祈祷によって行なっているのが、家の神社なの」
「そんなにすごい神社だったのか。弥那はすごいとこの娘なんだな」

ほめられるとちょっと恥ずかしい。

「それでね。いつもは日本の日食だけなんだけど…」
「1999年は違った、か」
「うん…」

考え込む蒼真くん。
イッちゃんはハマーさんと話をしているみたいだ。

「ん。とりあえずすっきりした」
「よかった」

今も私は蒼真くんに頼っているだけだから、少しでも力にはなりたい。

「有角からなにか伝言とかあったか?」
「えっとね、蒼真くんが行き詰まったら水の上に立てるようにしろって」
「どういうことなの」
「地下水路にまた道があるみたいだって」
「ふーむ」
「水の上に立つって、だいぶ前に蒼真くんがやっていたような気がするけど…」
「あれは片栗粉を大量に使ったトリックだよ」

そうだったんだ。

「わかった。またくるよ。体の調子とか大丈夫か?」
「! 大丈夫だよ、全然平気…」

心配かけないようにしなきゃ…。

「イツキー、いくぞー」
「わかったー」
「気をつけてね」
「ああ、まかせときな!」

神様、どうか蒼真くんがケガをしませんように…。

**********

軽くイツキと相談した結果、
もう一度幻夢宮を探索することになった。

メイドが恐くて近寄りたくはないが、
あそこにはまだ何かがありそうだ。

とりあえずハマーのところで適当にいらないものを買い取ってもらおう。

「ハマー、これ買い取ってくれ」
「ランスか…いいぜ、なにか必要なものはあるか?」

とりあえず黒のタンクトップを買った。

あとはメイド服も売ってしまおうか…。
いや、何かに使えるかもしれない。
とっておこう。

さらにポーションをいくつかもらったところで、

「ああ、蒼真。有角って奴からこれ預かってるぜ」
「有角から?」

なんで弥那に渡さなかった。
今度のチップはなんだ…?

「正確には俺がもらったんだけどな。それはコピーだ」
「中身は?」
「道具図鑑。武器の名前とかもわかるから、商品の調達が楽になったぜ」

ふむ。
ありがたく使わせてもらうか。

「なんか武器はあるか?」
「一応あるにはあるが…ちょっと質が悪いな。一応見ていくか?」



結局、コンバットナイフをもらった。
グレートソードだけだと、ちょっと不安だったところだ。
高速移動するコレクターには当てられなかったしな。

「またこいよ!」
「ああ」



さて幻夢宮にもう一度行かなければいけないわけだが、
どうしたものだろうか。





オマケ

「…でね、蒼真ってば鼻の下伸ばしちゃってさ。魔物についていっちゃったんだよ」
「そっか…蒼真くん、年上も大丈夫なんだ」
「それにね。メイドさんの更衣室に忍び込んだりしたんだよ」
「…そう」
「あとはスカートめくりをしたり…」
「ありがとう…もういいよ、イッちゃん」
「そう?」

蒼真くんのバカ…



買い物中の会話





・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グレートソード
防具 鉄の胸当て
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

ウィップソード
コンバットナイフ

・防具


・その他

ポーション(複数)
段ボール箱
プリン
メイド服



とりあえずわかったこと。
今回の形式向いてないや。



[20761] 暁月編24[ポルポルさん]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/27 23:09
**********

・前回のあらすじ

小さい頃に知らない男の子に助けてもらう
→ あとでその子が 近所の子だと分かる or 転校してくる

あるある

以上

**********

幻夢宮へ戻ってきた。
今、悪魔の祭壇にて今後の予定を立てている。

「完全に侵入者として扱われるだろうね」
「もうあの時みたいに笑いあうことはできないんだ…」
「どうするの?」

…とりあえずは段ボールで潜入しよう。
以前の使用で少し焦げているが問題ないはずだ。

「イツキ、地図だせ」
「はい」

――パサッ…

えーと…これがコレクターの部屋で、ここが祭壇だから…。

PITのマッピング機能を使い、まだ探索出来ていない場所をリストアップする。

行くべき場所は3箇所。

1.隣の塔への渡り廊下
2.コレクターの部屋から移動できる悪魔城外壁
3.あからさまに怪しい一本道の通路

「とりあえず隣の塔へわたってみよう」
「わかった」

イツキは以前と同じサイズまで体を小さくし、俺の頭の上に乗った。
その上からダンボールをかぶる。

…必要なのはダンボール箱に対する愛情。
行こう。

**********

渡り廊下前に到着した。
メイドの目に付かないように移動しているので、
今のところ不審に思われてもいないはずだ。

――コツッコツッコツッ…

「(蒼真、後方からメイドが三人)」
「(了解。やり過ごすぞ)」

動くのを止め、壁に沿ってじっとする。
ふ、震えてなんかないやい!

「…まさかコレクターが消滅するだなんてね」
「それも相手は人間ですって。どんな枠外人間だったのかしら…」

枠外人間…

「(蒼真…)」
「(くやしい…でも…ビクンビクン)」
「(うわぁ…)」

ふと目線をずらすと、
会話に参加していなかったメイドのひとりが、
こちらをみている。

ウホッいいメイド…

「どうしたの?」
「ちょっと先行ってて」
「いいけど…」

気づかれた!?

――コツッコツッコツッ…

メイドがそのひとりを残していなくなった。

「(蒼真、どうするの?)」
「(まだあわてるような時間じゃない)」

メイドがこちらに近づいてくる。

「…もう。こんな大きなゴミをほっといておしゃべりなんて…。
あの二人はお仕置きが必要かしら…」

ゴミと見なされた。
ダンボールが剥がされる。

「………」
「「………」」

目と目が合う瞬間、

「!?」
「ごめん!」

――バッ

その虚を突く。
一歩目の踏み込みで相手の間合いのうちに入り込み、
二歩目でその勢いのまま相手を突き飛ばす。

「キャッ!」

そのままメイドを置き去りにし渡り廊下に突っ込んだ。



はずだった。

「よくもやってくれたわね!」

あ…ありのまま、今起こった事を話すぜ!
俺はメイドを置き去りにして廊下に突入したと思ったら、
いつのまにかメイドの前にいた

な…何を言っているのかわからねーと思うが、
俺も何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

「ヤアッ!」

「蒼真!」
「うお!」

メイドがかかと落としをしてきた!

両手をクロスさせ頭上に突き出す。
神谷活心流奥義・刃止め(嘘)

――ズシッ

「くっ…」
「~~~ッ!」

痛い。
この前のコレクターの時ほどは痛くないけど、
やっぱり痛い。

受け止めた足を放り出す。

「キャッ!」
「メイドにかまっている暇はないんだ!」
「待って蒼真! その道は、なにかおかし…」

飛び込む。



「なにをごちゃごちゃと!」
「あるぇー!?」

なにこの無限ループ。

「蒼真! 一旦ここから離れよう!」
「くそ!」
「逃がさない!」

再びかかと落としを受け止める。

――ズシッ

!?
これは…!

「…黒のレース」
「!? こんのぉ!」
「ぼぐろぁ!」

――ドゴッ

もう一本の足で胴を蹴られ、弾き飛ばされる。
すげーよ。
エリアルコンボだよ。

「か…かかったな、メイド!」
「なに!?」

これが我が『逃走経路』だ…!
といいたかったが痛みで言えなかった。

結局痛みに耐えながら走って逃げました。

**********

「くっ…逃げられた…」

――ドクンッドクンッ

「隊長への報告は?」
「既に完了しています」
「あとは時間の問題か…いったん各自の持ち場へ戻るように」
「「「了解!」」」

――ガチャッ

…行ったか?

――パカッ

隠れていたロッカーからでる。

「なんとかなったね」
「ちくしょう、メイド恐い…」

あの後数人のメイドが合流して、数回追いつかれてフルボッコにされた。
全員素手だったのが幸いだった。
打撲以外はしていないと思う。

数の暴力って恐いね。
スパイダーストリングスで数人は絡め取れてもすぐに新しいのがでてくる。

「いまどこにいるんだ…」
「…コレクターの部屋の近くだね」
「ちょうどいい。あきらめて外壁に行こう」

さっきの廊下はなんだったんだ?
新手のスタンド攻撃だろうか?

…有角のことだ。
いま弥那のところに戻ったら伝言がある気がするな。

まあ探索できる範囲を探索しきってから戻ろう。



最後に、

「ダンボール…アリーデヴェルチ!」
「なにいってんの?」





オマケ

「先生」
「ん、来栖か。珍しいな」
「今度の学祭でやる企画を持ってきました」
「あれ? お化け屋敷やるんじゃなかったのか?」
「プラスアルファで忍者屋敷的要素を加えてみようと思って」
「…それクラスで話し合ったのか?」
「はい。男子全員の許可はとってあります」
「男子だけ?」
「弥那が喜ぶっていったらホイホイついてきました。予算は男子だけで出します」
「それならいいけど…なんだこれ? 片栗粉?」

小学校の話。
いるよね、クラスのアイドルみたいな娘。





・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グレートソード
防具 鉄の胸当て
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

ウィップソード
コンバットナイフ

・防具


・その他

ポーション(複数)
プリン
メイド服



ダイラタンシーとはある種の混合物の示す、
小さいせん断応力には液体のようにふるまうのに、
大きいせん断応力には固体のようにふるまう性質である。
(Wikipediaより引用)

要するに大量の片栗粉を含んだ水に、
勢い良く足を突っ込み、
その足が沈む前に上げるというのを繰り返すと水上歩行ができます。

実験するときは小さな洗面器等でやると簡単です。
勢い良く指を突っ込むと突き指し、
ゆっくりやると手が汚れます。

水槽などの大きな入れ物でやるようなことは、
良い子のみんなは真似しないでください。
片栗粉がもったいないです。

ユージンはコップでやりました。




[20761] 暁月編25[野生の少女たちにぶちまける]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/29 23:49
**********

・前回のあらすじ

ダンボール箱を装備しているな。
ダンボール箱は敵の目を欺く最高の偽装と言える。
潜入任務スニーキングミッションの必需品だ。

そうなの?

勿論だ。
ダンボール箱に命を救われたという工作員は古来より数知れない。

みんなこれを使ってきたの?

当たり前だ。
ダンボール箱をいかに使いこなすかが任務の成否を決定する。
そういっても過言ではないだろう。

………

ただし、いかにダンボール箱といえど素材は紙だ。
手荒い扱いをするとすぐ駄目になるぞ。
とにかくダンボール箱は大事に使え。
丁寧に扱えばダンボール箱もきっとお前に応えてくれる。
真心をこめて使うんだ。
必要なのはダンボール箱に対する愛情。
粗略な扱いは許さんぞ。
いいな。

メイドが捨てちゃったけど…

なにぃ!?

以上

**********

ダンボールはなかったが無事にメイドに見つからずに外壁に出ることができた。
外壁というよりは、
石造りの物見櫓のような場所が二つあって、
その連絡通路のような場所だ。

「風が強いな…」
「足を滑らさないようにね」

城の外はまるで龍の巣のごとく暗雲に包まれていて、
その実態を知るすべはない。
日食の中とのことだが、
ここから落ちたらどうなるのだろうか。

――ガショーン…ガショーン…

「蒼真」
「わかってる」

メイド以外の魔物は久しぶりにみた気がする。

鎧系の魔物が現れた。
手には回転式の鋸を持っている。

「ディスクアーマー。あれ、投げてくるよ」
「糸がついてるのか…ヨーヨーみたいだな」

あれでループザループとかされたらバラバラにされてしまうが。

――キュイーン…

すごい回転してるし。



「スパイダーストリングス!」

――ベチャッ

糸のついているところを蜘蛛の糸で粘着してみた。

――キュ…キュキュキュ…キュキュ…

回転速度が一気に落ちた。
ディスクアーマーは蜘蛛の糸をはがそうと必死になっている。

そのうちに

「てい」

――ゴシャッ

後ろからたたきつぶした。

「蒼真って基本的に卑怯者だよね」
「痛いのとか嫌いだからな」

「この卑怯者め!」


誰だ?

「蒼真、上だ!」
「上?」

そこには白銀の鎧を身に纏った、美しき羽を持つ女騎士がいた。

「テアー!」
「あぶね!」

手に持った槍でこちらを串刺しにせんと急降下してくる。

「ヴァルキリーだ!」
「いかにも!」
「おでんのところに帰れ!」

魔物娘は全体的にレベルが高い気がする。
無論、容姿的な意味で。

「戦いたくないなぁ…」
「はぁぁっ!」

グレートソードを盾にする。

――ガギッ

「くっ…」
「ほい」

スパイダーストリングスで羽を絡めとる。

「ぐあっ!」

女の子がぐあって…まあいい。
羽に白い粘液が絡まり落下したヴァルキリーに近づく。

「んー、なかなかかわいいよ」
「蒼真、それ以上いけない」

いってみただけだ。

「くっ…ここまでか…」
「この槍もらってくよ」
「え? あ、ちょっと…」
「図鑑図鑑っと。パルチザンねぇ…いくらで売れるかな」

槍を拾い首蔵に入れる。
動けないヴァルキリーに、
何度かスパイダーストリングスを撃ち込んだあと立ち去る。

「待って! 返して!」
「あの娘、ほっといていいの?」
「いいのです」

さすがにこう…抵抗できない人型モンスターに斬りかかるのは人間的にどうかと思う。
ディスクアーマー?
あれはダメ。
俺の判断基準は、人語を解す、人型であるの二つだ。

返してーという声を背にうけながら、
そのまま塔の頂上を目指し連絡通路をのぼっていった。

**********

塔の頂上についた。

「ソウルキーパーハケーン」
「今度はなんだろ?」

――ガシャッ

魂が飛び出し俺に吸収される。

――ポシュッ

ウンディーネ ソウルゲット

水の上を歩くことが…

「有角は何者なんだ…」
「え、なに?」

なぜこちらの進行速度が解る。

「イツキ。お前、有角に定期連絡とかしてるか?」
「卵の時はラインが繋がってたけど、いまは切れてるよ?」

卵の時はつながってたのか…まあそんなことはどうでもいい。

有角幻也は何者なのか。
今分かっていることをまとめると、

1.無駄にイケメン
2.年をとっていない(ように見える)
3.暗黒の力を持っている
4.こちらの状況がなぜかわかる
5.弥那狙い

こんなところか。

吸血鬼化なんかか?
悪魔城シリーズの暗黒の力持ち、なおかつ年を取りそうにない奴は、
ドラキュラ、ヴァルター、アルカード、
ブローネル、オルロック、サンジェルマン、
…他にもいたような気がするがこんなもんか?
うち消滅済みが、ドラキュラ、ヴァルター、ブローネル、オルロックか。

ん?
有角…ありかど…あるかど…

!?

いや、待て。
アルカードは銀髪のはずだ。
…旧アルカード?
いや、イケメンだしなぁ…。
でも吸血鬼は名前に縛られるって噂もあるし。
でも外伝マルスの例もあるしな。

わからん。

「シャァ!」

「蒼真!」
「ん? うお!?」

――パシュッ

魔物が近づいてきていた。
また今度考えよう。

ドゥルガーに似ているが、なんだか力強さを感じる魔物だ。
複数の手に剣をもった女魔物。

「カーリーだ」
「同一人物かい」

カーリーもドゥルガーも女神パールバティと同一視される女神だ。

「魔物は、名前が違えば別の形で現れることはよくあることだよ。
性質も変わってるから気をつけて」
「インドの神様は大変そうだな」
「あくまで神の形に人の負の念が集まってできた魔物だからね。
有名な神様の名前を持っているものはそれだけ強い魔物になるよ」

英霊みたいだな。

「まあ関係ないがな」
「シャ、シャァ!」

糸に絡め取られたカーリー。
スパイダーストリングス。
ディスクアーマー以外、
女魔物にしか使ってない気がする…。

「ふう…」
「どうしたの?」
「なんか自分の人生に疑問を持ってな…」
「? それはいいけど、あそこになんかあるよ」

コレクターのコレクションルームの上か。
そこには毒々しい形状の剣があった。

「図鑑だとフルンチングだって」
「ベオウルフの剣だっけ?」
「毒の刃をもつって」

あぶね!
触るとこだった。

軽く振ってみる。
グレートソードより威力はなさそうだが、
素早く振れるので便利そうだ。
使わなくなったらハマーに…
いや、伝説に名を残す武器はとっておこう。
コレクションするのも悪くないかもしれない。

さて、ウンディーネのソウルも手に入れたし、
あとは一本道を調べて、
その後地下水路に行ってみよう。

降りる途中、
まだ絡まってたヴァルキリーに、
さらに数発の蜘蛛の糸を撃ちこんで安全に降りた。



コレクターの部屋に戻って、

「ようこそ幻夢宮へ。
こうも繰り返し侵入されると、
部下が不甲斐ないのではなく君の腕が立つのだとわかるよ」

!?

「だがそれもここまでだ。
これ以上散らかされても困るのでな。
なに少しお話をさせてもらうだけだよ」

隊長さんお久しぶり

\(^o^)/





オマケ

「…はい」
「ん、こいつは…名刀グラム!?」
「…拾った」
「こんないいもん、ほんとにいいのか?」
「…うん。…代わりにそれ」
「RPG? 嬢ちゃんには悪いが弾はもうねえぞ?」
「…大丈夫」
「…わかった! もってきな!」
「…うん」

――ズシッ

「…重い」
「ああ、ちょっと待ちな。背負い紐もつけてやっから」

背中に重火器を背負い、ほうきを手に持った まじょみならいmk-2





・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グレートソード
防具 鉄の胸当て
他1 首蔵

・新しいソウル

ウンディーネ

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

ウィップソード
コンバットナイフ
フルンチング
パルチザン

・防具


・その他

ポーション(複数)
プリン
メイド服



誤字の報告毎度ありがとうございます。

予定では夏休み中に暁月編が終わればいいなと思ってます。



[20761] 暁月編26[依頼]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/29 23:48
**********

・前回のあらすじ

ヴァルキリーハード

治安維持の為に悪魔城外壁に潜入するヴァルキリー。
だがそれは、来須蒼真の巧妙な罠だった。

「ヴァルキリーのプライドは、俺に崩される為に築いてきたんだからな」
「いつもの力が出せれば…こんな人間なんかに…!」
「おっと、羽に当たってしまったか。ベタベタがいつまでもとれないだろう?」
「よかったじゃないですか、スパイダーストリングスのせいにできて」
「ンンンッーーーっ!」
(耐えなきゃ…!今は耐えるしかない…!)
「ヴァルキリーの生パルチザンゲ~ット」
(いけない…! 羽が動かないのを悟られたら…!)
「こんな奴らに…くやしい…! でも…ビクッビクッ!」

XXX板にて公開未定

以上

**********

そういえば以前グレートアーマーが持っている剣、
グレートソードをドラゴン殺しみたいだと言ったことがあったな。
片刃の剣ではあるがそれを振り回せる俺は、一般人といえるのだろうか。
いつのまにか逸般人にジョグレス進化したのではなかろうか。

「まあ、座ってくれ。たったままでは君も話しづらいだろう」

隊長さん、もうちょっとだけ余裕をください。



コレクターとの食事を楽しんだ会食席へと戻った俺。
だがそれはメイド隊長の巧妙な罠だった。

いや、警戒しないで戻った俺が悪いんだけどさ。

椅子に座る。

「さて、まず言っておくことがある」



「私たちは、今後君がある条件を守ってくれるのならば、敵対するつもりはない」
「条件?」
「そうだ」

隊長は話し始める。

「我々はプロセルピナという魔物であることは知っているとは思う」
「ああ」
「まあ実態は人間の神話とは異なる。ただのメイドのようなものだと思ってくれればいい」

ただのメイドは侵入者とは戦わないと思います。

「今まではコレクターを中心にここ、幻夢宮の管理をしていたわけだ」

まずい…。

「え、えーと…コレクターさんのことにつきましては大変申し訳ないことを…」
「ああ、コレクターのことについては気にしなくてもいい。
 コレクターが我々の主というわけではない。
 我々の主は幻夢宮、ひいてはこの城そのものだからな」

あの血の海を掃除するのは骨は折れたがね、と隊長は肩を竦める。

「このまま君を侵入者として扱うと仕事が増えるばかりだとおもってな」

意外と話せる人? じゃないか。

「結局アンタ達の目的はなんなんだ?」
「簡単にまとめると幻夢宮をいつでも客人を迎えることができるように管理することだ」
「人間を襲ったりは?」
「個体差はあるが大半は人間を食料とは見ていないよ。
 侵入者を排除するのも仕事のうちではあるが、
 幻夢宮が散らかるのを防ぐのが目的だからな」

俺は客人ではなく、しかもここを散らかしたから排除されかけたと。

「私の権限で君を侵入者ではない扱いにできる」

客人扱いとまではいかないがね…、と隊長。

「ぜひお願いします」
「…さっきもいったが条件がある。だから土下座はやめてくれ」
「(プライドないね…)」
「(黙れイツキ)」
「条件は簡単だ。この幻夢宮を散らかさないでくれるだけでいい」
「それくらいなら大丈夫だけど…」
「そしてもう一つ」
「?」
「とある魔物を消滅させて欲しい」
「とある魔物?」
「ああ、この地図を見てくれるか?」

――バサッ

「ここだ」
「…蒼真、ここって」
「ああ、さっきまで行こうとしていたところだ」
「そうなのか?」

――グイッ

隊長、顔近い。
ドキドキしてしまうやろがー!

「そこは妙な部屋でな。
 大量の鏡がある。
 魔物はその鏡に住んでいて、
 掃除をするたびにすきを見て部屋を散らかしていくんだ」
「なんで俺に?」
「何度退治しても再生されてしまってね。
 コレクターを消滅させたのは君だろう?
 君ならばなんとかできるかとおもってな」

コレクターが消滅…魂は支配していないんだが。
なんか俺のイメージしていることと違うみたいだな。
まあ俺なら、その魔物を倒せば魂を支配して再生できなくすることもできるかもしれん。

(やっぱりあの魔力は…)
「(イツキ?)」
「(蒼真、あとでちょっと大事な話がある)」
「(? わかった)」

なんだ?
まあいい。

「そいつを完全に退治すればいいんだな?」
「そのとおり。よろしく頼む」

**********

「こちらです」

犬耳のついたメイドに案内されて件の部屋までついた。

犬耳がこっち見つめてハアハア言っていること以外は問題ない。
念のため言っとくとエロイ意味じゃない。

[人食? 個体差があるといっただろう?
業務よりも自分の食欲を満たすことを優先する奴もいることを覚えておくといい]

なんでこんなの案内役にしたし。
かわいいけど。

「では私は隣の部屋で待っています」
「ああ」

一つめの鏡の前に立つ。

「イツキ、なにかわかるか?」
「確かに魔力は感じるけど…」

ん?
実は隣の鏡か?

そちらに移動しようと鏡から目をそらす。



――ザワッ…

!?

「イツキ!」
「え、なに?」
「いま鏡からなんか襲ってこようとしてた!」
「ごめん、見てなかった」

間違いない。
鏡の中に確かにいる。
どうやって仕留めたものか。

…鏡を殴ってみた。

――パリーン…

やっちまったZE☆

「今ので退治できたかな…」
「多分他の鏡に移ってるんじゃないかな」

J・ガイルみたいな奴じゃないだろうな。

他の鏡の前に移動する。
到着して鏡に対面しようとしたとき、

――シュパッ

…ちょっとカスった。
鏡から目を話した隙に襲ってくるようだ。
どうしたものか。

「イツキ、こうなったら囮作戦だ」
「囮?」
「スパイダーストリングス!」

――ベチャッ

「キャッ! ちょ、ちょっと蒼真!?」
「いけい! 我が半身よ!」

イツキに糸をつけ鏡の前に放り出す。

フィッシングなう。

「蒼真!? 冗談でしょ、ちょっと!?」
「大丈夫だ。すぐ助ける」
「外道ってレベルじゃないよ!?」

…でてこない。

「餌が悪かったか…」
「餌って…そもそも囮なら人形使えばいいじゃん!」


その発想はなかった。

別に飛んでいるイツキを見ていたら、
蜘蛛の巣で撃ち落としたくなったわけではない。

キラードールのソウルを使い人形を投げると、
すさまじい勢いで鏡の中の魔物、キョウマは人形に襲いかかった。

ナイフでバラバラにされる蒼真くん人形。
…イラッとした。

後ろから近づき肩に手をかける。

「?」
「なかなか楽しんでるようじゃないか…」
「!?」

左のワンツーからチョッピングライト。
スパイダーストリングスで動けなくしたところで、話しかける。

「そういやこいつしゃべれるのかな?」
「ガッー! ガッー!」
「しゃべれないみたいだね」
「悪いな。俺を襲ったのが運の尽きだったと思ってくれ」

グレートソードでたたきつぶした。

――ポシュッ

ソウルでた。

――シュン

キョウマ ソウルゲット

なぜ一発で出たし。
いまいち支配が成立する条件がわからん。

「お疲れ様でした」

犬耳メイドが話しかけてきた。

「ん、見てたのか」
「ええ、じっくり」

これで散らかさない限りは幻夢宮を自由に移動していいってことか。



――ダンッ

「…え」
「フフフッ…」
「最近蒼真こんなのばっかり…」

犬耳に押し倒された。
どういうことなの。





オマケ

(あとはこれを組み込んで…)

彼女はついに完成させた。
魔力と科学の融合。

ハマーからもらった銃器は新たなる進化を遂げたのだ。

(…発射)

――ガシィン!

(…まだ改良できる)

書物から得た知識には偏りがあった。

彼女が作った近接戦闘用重武装。
人はそれをパイルバンカーと呼ぶ。





・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グレートソード
防具 鉄の胸当て
他1 首蔵

・新しいソウル

キョウマ

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

ウィップソード
コンバットナイフ
フルンチング
パルチザン

・防具


・その他

ポーション(複数)
プリン
メイド服



暁月をバレットなし、武器装備なしでクリアしようとして挫折しました。



[20761] 暁月編27[狼少女]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/30 19:35
**********

・前回のあらすじ

ソウマ18

「用件を聞こうか…」
「ターゲットのキョウマです。
 表向きは鏡の内に潜み侵入者を襲う魔物ですが…
 裏ではメイドたちが綺麗にした部屋を散らかす迷惑な奴です。
 …このまま放っておいては幻夢宮の存亡にかかわります。
 奴を排除することができるのはあなただけです、ソウマ18」
「わかった…やってみよう…」

――ズキューン…

「馬鹿な…鏡の中から俺を引きずりだすなんて…
 そんなことが…
 いた…な…!
 一人だけ…奴なら…奴ならやってのける!」
「さすが、超一流のプロ。
 自分の分担を完遂したところで、早々に職場を立ち去る…やってくれますね…」

「闇の中で身をさらしているほど…自信家にはできていない…」

以上

**********

彼女の雪のように白く澄んだ肌。
それが仄かな赤みを帯びて、
官能的な色を浮かべている。

「ハア…ハア…」

荒れた息が頬にかかり、
俺の理性を崩壊させる。

「もう…我慢出来ない…」

――ビリッ…

彼女は自らの胸元の邪魔な布切れを破り捨てた。
口の端から垂れた唾液が俺の唇に触れる。

「あなたを食べてしまいたい…」

そして獣のように俺の体を…



そこまでは妄想で補完した。



「ガァァァ!」

はだけられた胸はなんだか獣っぽかった。
なんていうか獣そのものだった。

おめでとう!
犬耳メイドはウェアウルフに進化した!

「…蒼真、モテモテだね!」
「え、なにこれ」

こんなビーストモード聞いてない。

あんなに可愛かった犬耳メイドがこのとおり!
この一粒であなたもウェアウルフ!

「ガァァァ!」

言ってる場合じゃねぇ!
相手の肩に手を当て噛み付かれないように押さえる。

「ふんぬぬぬ…!」
「グググ…!」

なんてパワーだ。
このまま組み合っていたら腕が折れてしまいそうだ。
しかし腕をどかしたらすぐさま噛み付かれる。

くそ。
切り札だ。

「口からスパイダーストリングス!」
「ギャンッ!?」
「きもっ!?」

俺もそう思うが言わないでくれ。
水鉄砲にしたらまだましだったかもしれんが、
時間稼ぎにはこれが一番なんだ。

一気に跳び退り距離をとるウェアウルフ。
手で顔にかかった糸を取ろうと躍起になっている。

ちくしょうめ…。
顔にかけるならせめて犬耳メイドの時にしておきたかった。
今の姿じゃ粘液より首輪の方が似合う。
いや、メイドに首輪もありか?

「フッーフッー!」
「…もう少し小さかったら可愛かったんだけどな」
「そうかなあ」

こちらを威嚇するウェアウルフ。
メイド形態の時に比べると、体格が三割増なので俺よりでかい。

「ガァァァ!」

――ブオンッ

「おっと!」

速い。
が、

――ゴッ

「重っ!」
「グッ!?」

グレートソードで受け止める。
コレクターmk-3が速すぎただけなのか、
この程度の速さになら反応できる。

問題は力の強さ。
これなら受け止めるより避けたほうがいい。

ウェアウルフが離れた際に、
グレートソードからフルンチングに持ち替える。

そして向かってくるウェアウルフをすれ違いざまに斬る。

――ザシュッ

「グガァァァ!」



それを数回繰り返したところ、
なんだかウェアウルフの動きが鈍く、またパワーも落ちてきた。

「ググ、グルルル…」
「体中に毒がまわってるみたいだ」

ああ、そういえば毒の魔剣だっけ。

「グ…」

――ドサッ…

…気絶した。

――シュー…

!?
なんだ?
毛が抜け落ちて…

「おうふ」
「ちょ、蒼真!」

裸の犬耳メイドあらわる。
完全に気絶しているようだ。

「どうしよう…」
「止めをさしておいたら?」

さっきまでならともかく、
気絶して毒で息苦しそうにしている裸の犬耳メイドに斬りかかるのはちょっと…。



「そこまでにしてもらえるか?」
「!?」

隊長!?

「ち、違う! 俺が脱がしたんじゃない!」
「それはわかっている」

白い布で犬耳メイドの体を包む隊長。
他のメイドがきて犬耳メイドを運んでいった。
そして隊長はこちらに向かって頭を下げた。

「すまない。君が襲われたのは私の責任だ」
「え、なんで?」
「彼女が人狼種であることはわかっていたが、
 普段は暴走しないように首輪を着けているんだ。
 それを、その、…数日前に私が外して、そのことを忘れていたんだ」

たまには首輪も洗ってあげようと思っただけなんだが…、と隊長。

ドジっ娘?

「そ、そんな目で見ないでくれ!
 本当にすまなかった!
 私に出来ることならばなんでもしよう!」

ほんのり赤い顔で恥ずかしそうな隊長。
なんでもするとな?

「大丈夫だよ、今回は蒼真も怪我してないし」
「(イツキ! 余計なことを!)」
「…本当にすまなかった。
 キョウマも完全に消滅させてもらったようだし、
 何から何まですまない」

魂を吸収すると消滅させたのと同じような扱いになるのか。

「…そうだ! ちょっとついてきてくれないか?」

隊長に言われ俺はついていくことにした。

**********

とある部屋についた。

「すまない。少し待っていてくれるか?」
「いいけど、ここって…」

たくさんのメイドに追いかけられたトラウマルートじゃないか。

犬耳メイドの毒は結構簡単に抜けたらしい。
なんかこちらが申し訳なくなるくらいに謝ってきたので許しておいた。

隊長は部屋の中に入っていったので扉の前で待つ。

「ねえ、あれって…」
「ついに隊長にも春が…」
「でも人間…」
「この前の覗き…」
「わざわざ侵入者リストから外したって…」

――ヒソヒソ

なんか生きているのが辛い。

メイドがこっち見ながらヒソヒソ話してる。

――ガチャッ

「待たせたな」
「いま来たところさ」
「は?」

おもわず言ってしまっただけです。

「お詫びと言ってはなんなんだが、これを持っていってくれ」
「ポーション? 違うな」

虹色の液体の入った小瓶。
なんかもっとハイパーな…
イツキが口をあんぐりと開けて固まっている。

「イツキ?」
「…エリクサー」
「…マジ?」

万能の妙薬。

「こ、こんなものもらっていいのか?」
「ああ。
 昔コレクターが襲った錬金術師が持っていたものだ。
 私たちでは使い道がない。
 こんなもので彼女の件を許してもらえないだろうか?」
「全然オッケーだよ! むしろお釣りが出るよ!」
「(イツキ、なぜお前が言う)こちらからもありがとうと言わせてもらうよ」

そう言うと隊長はあらためてこちらの方を向いて、

「ありがとう。
 今後近くを通ったときは寄ってくれ。
 出来る限りのもてなしをさせてもらうよ」

優しく微笑んでくれた。



「隊長が笑った…」
「ありえん…」
「奴は本当に人間か…」

――ヒソヒソ

「そこ! 仕事をしろ!」
「「「はーい」」」



…なんか締まらん。





オマケ

幻夢宮をでて、

「なんでもする、か。
 惜しいことしたかな」
「蒼真って女性経験ないの?」
「…俺は未成年だ」
「最近はみんなはやいって…違った。
 前世では?」
「………」
「…ごめん。僕が悪かったよ。だから泣かないで、蒼真」
「…雨か。一晩中続きそうだな」





・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 フルンチング
防具 鉄の胸当て
他1 首蔵

・新しいソウル

キョウマ

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
ウィップソード
コンバットナイフ
パルチザン

・防具


・その他

ポーション(複数)
エリクサー
プリン
メイド服



暁月も輪月みたいに、
はじめからソウルコンプリートモードあればよかったのにと思う今日このごろ。



[20761] 暁月編28[歪曲庭園]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/31 09:41
**********

・前回のあらすじ

怪人図鑑 蜘蛛蒼真

口から白くネバネバした糸を吐きつけるぞ。
糸で絡めとった相手から、毒で体力を奪い動けなくしてしまうぞ。

以上

**********

「まんま特撮モノの怪人じゃねーか!」
「え、なに、どうしたの?」

前回の自分の所業に絶望した!

今俺達は地下水路目指して進行中。
近くにあった女神像の部屋で休憩をとっている。

「そういえば大事な話ってなんだったんだ?」
「…いまはいいよ」
「そうか?」
「(僕の勘違いだといいんだけど…)」



さてやってきました地下水路。

「キラーフィッシュが餌を求める鯉のように口パクパクしてるんだが」
「牙がなければまだ可愛かったかもね」

主食は人肉である。

ウンディーネの力で水の上に立つ。

――ピチョン…

「…おー」

チョッチ感動。
まるで湖の妖精の加護を受けたどこぞの騎士王のようだ。
これで服も濡らさなくてすむ。

「蒼真蒼真。キラーフィッシュが…」
「うお!」

水の上に飛び出して噛みついてきた。
ピラニアかよ。
本物は人間を襲わないらしいが。

キラーフィッシュを適当にあしらいながら進んでいると、

「ここか」
「うん。この上だ。忘却の庭園だって」

なんだか中二っぽい庭ですね。

――ガチャッ

扉を開ける。

「すごい庭園だな」
「一応、城の管理している庭園だもの」

昔テレビでみたような西洋庭園。
噴水もある。

「きっと近づくと水が真っ赤になるんだ」
「そうかなあ?」

まあいい。
探索を始めよう。

**********

「コケッコー!」
「コカトリスだ!」
「鳴き声ニワトリじゃねえか!」

「その首もらったー!」
「おお!? なんで侍がいるんだ!?」
「悪魔城なら仕方ない」

「カーカー」
「待てやゴルァ! 首蔵をかえせや、この腐れガラスが!」
「蒼真おいてかないでー!」

「はっ!? いつのまにか、靴ひもが変な結び方になってる!」
「キャハハハ、バーカバーカ!」
「インプの仕業だね。って、いつのまにか僕の服が裏返しになってる!?」

**********

いくつかソウルが手に入ったよ。

探索を続けていると、
なんだかよくわからない建築物の中に入ってしまったようだ。

「なんだここ…気持ち悪い」
「空間が歪んでる…」

微弱だがワープする時と同じような感触を受け続ける空間だ。

「とっとと通りすぎよう」
「そうだね」



「と、言ったのはここだったな」
「戻ってきちゃったね」

…同じ方向に進んだら、いつの間にか始めの場所まで戻っていた。
まさに無限ループ!

「空間がねじれてつながっているんだ」
「どうすればいい?」
「適当に前後を行ったり来たりしてみるとか?」

そんなあいまいな…。

「じゃあここを反対に行ってみる…か…」
「ね?」

ほんとに違う場所に出た。
どうなってんのこの城。

とりあえず近くを探索してみよう。



「シェアッ!」
「!?」

――ゴツッ

いきなり俺に蹴りをしてくる奴がいた。

こいつは…
スケルトンキッカー(標準)か。

「シェアッー!」
「………」

なんていうか…強いとは思うけど、
あれにはじめに会ってしまってるからか、

「そぉい!」

――ゴシャッ

一撃で頭骨を粉砕できた。

キックは遅い、威力もない。
そんな骨が俺の敵になるとでも?

ありがとう、骨(紫)。
俺は強くなったよ。

「よく反応できたね…」
「そういえばイツキはまだ卵(初期)のときだったっけ?」

あれはやばかった。
なにがやばいって存在が。

まあいちいち説明する気にもならんが。



ちょっと進んだところ、
あからさまな空間の歪みっぽいモノをみつけた。

「なんだこれ…?」
「………」

なんかこう…歪みで前が見えない。

触れてみる。

「! 蒼真、ダメ!」
「え」

――ブオッ

弾き飛ばされますた。

「ぬわー!」

いてて。
いったいなんなんだ?

「ここは良くない場所だ。別の場所に行こう」
「いや、もうちょっと調べてからでも…」
「行こう!」

…いいけどさ。

とりあえずPITのマップにマークだけつけておこう。

**********

「迷った」
「今どこにいるんだろう…」

PITの地図機能も反応しない。
まじで困った。

しかも、

「ガッー!」
「魔物は出るんだよな」
「デビルだ!」

メイドではないワーウルフもでるし、
土製ゴーレムもでた。
マンティコアもでたが、逃げてきました。
そのせいで迷ったわけだが。

「ウガッー!」
「めんどくさっ!」

こちらに殴りかかってくるデビル。
フルンチングで何回か刺したが毒になる気配がない。
耐性でもあるのだろうか。

グレートソードに持ち替える。

「ウガッー!」
「ぬん!」

拳に剣をあわせる。
硬い拳だ。
素手と剣でつばぜり合いとか。

「ふんぬぬぬ…!」
「蒼真! 下がって!」
「ぬ?」

――ドスッ

「うぶろばぁ!?」

もう一本の手で殴られた。
鉄の胸当てにヒビがはいってしまった。
ちくしょう。

「ウガガガッー!」

勝利の雄叫び? をあげるデビル。

「勝ち誇ってんじゃねーぞ!」
「ウガ?」

振り向いたデビルが見たのは蒼真くん人形。

その隙に真空波で羽を切り裂く。

「ウガァ!?」

落ちたデビルをウネとスパイダーストリングスで絡めとる。

「ウガッ! ウガッ!」
「へへへ…いいざまじゃねえか…」
「蒼真…悪役みたいだよ…」

ほっとけ。

「往生せいやぁぁぁ!」
「ウガァァァ!」

――メキョッ…

グレートソードでデビルの頭をたたきつぶした。

――ボシュッ

ソウルでた。

――シュン

デビル ソウルゲット

「…これはすごい」
「どんな力だったの?」
「悪魔になる」
「…え?」

ソウルを起動する。

「ぬおぉぉぉ!」
「ちょ、キャッ!」

ふははは!
素晴らしいぞ、この力!

俺は悪魔に変身して、
その力で走りまわった。



「…魔力切れた」
「は、はしゃぎ過ぎだよ…う~、まだ目が回ってる…」

消費が大きすぎる。
これは切り札指定だな。

「しかし、いつの間にかあの空間を抜けたみたいだな」
「う~? ほんとだ。PITが反応してる。時計塔だって」

なんと!
あの憧れの時計塔についにやってきたのか!
嬉しいな!



「おや、確か君は…また会いましたね」
「あれ?」

グラハムさん、
こんなところでなにやってんすか?





オマケ

「隊長…」
「なんだ?」
「なぜあの人間に肩入れするのですか?
 他のメイドは隊長に春がきたなどと祭り状態ですよ」
「春…まあどうでもいいが、
 コレクター消滅の際の波動…身に覚えが無いか?」
「………」
「彼はもしかすると我々の新たなる主になるかもしれんぞ?」
「まさか…あの人間が…」
「ま、彼自身に私が好意を持っているのかもしれんがな」
「!?
 至急衛生班を!
 隊長が御乱心だ!」
「………」





・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グレートソード
防具 鉄の胸当て(ヒビ)
他1 首蔵

・新しいソウル

コカトリス
インプ
デビル

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

フルンチング
ウィップソード
コンバットナイフ
パルチザン

・防具


・その他

ポーション(複数)
エリクサー
プリン
メイド服



デビルって入力すると変換候補にデビルリバースがでてくるでござる。

色々なゲームを同時進行しすぎて、
頭の中でストーリーがごちゃごちゃになることってありますよね。

今やっているゲーム

悪魔城暁月(カレー縛り)
悪魔城蒼月(RPG縛り)
ソニックワールドアドベンチャー
R-Type Delta
R-Type Tactics2

キガ ツク トワ タシ ハド ラキ ユラ ニナ ツテ イタ




[20761] 暁月編29[転生者]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/08/31 22:09
**********

・前回のあらすじ

「まーたおんなじところにでちまったぜ…
 いったいどうなってんだよ、この城は!」
「だって蒼真が探索しようっていったんだよ?」
「うるせえなあ!
 まさか出られなくなるなんて思わなかったんだよ…!」
「でもいろいろつながってて面白いね」
「…お前はこの状況がよくわかってんのかよ!」
「………」
「なんだよ…どうしたんだよ…?」
「さっきから、誰かが僕たちのあとを憑いてくるんだ…」
「ああ?
 お前の空耳じゃねえか?
 俺にはなんにも感じねーぞ?」
「でも…」
「そんなこと言ってると置いていっちまうぞ?」
「う、うん…」

(やっぱり誰かが憑いてくるみたいだ…。蒼真はなんで気づかないんだろう…)

「…あ」
「だから気のせいだって」

(蒼真はああ言ったけど…本当は誰か憑いてきているかもしれない…)

「…あ」

(そうだ…しまっちゃうおじさんだ…。
本当は僕の後ろに、しまっちゃうおじさんがいっぱいいるのかもしれない…。
僕が疲れるのを待っているんだ…。
そして蒼真は僕が知らない間に、
しまっちゃうおじさんと入れ替わっているのかもしれない…。
本物はもうどっかにしまわれてるんだ…)

[さあ~どんどんしまっちゃおうね~]

「もうだめだ…うっ、うっ…あれ?
 蒼真? 蒼真? まさか…」

(はぐれてしまった蒼真はしまっちゃうおじさんにしまわれちゃったのかな…。
きっと僕もしまわれちゃうんだ…)

「うっ、うっ…
 …?」

――ピカー

「で、出口だー!」

――ガチャッ

「?
 …で、出口じゃないのか…はぁ…
 ………?」

――しまっちゃうよ~
――しまっちゃうよ~
――しまっちゃうよ~

[[[しまっちゃうよ~デュ~ワ~]]]

――らんっらんっらんっらんっ
――あ~あ~
――あ~らんっあ~らんっあ~らんっあ~らんっ
――あら~あら~あら~あら~

「さあ…捕まえた…(おや、確か君は…また会いましたね)」
「ウワァァァン!?」

以上

**********

グラハム・ジョーンズ(宗教家)と再会した。
彼は余裕の表情で通路の真ん中に立っている。

「無事で何よりです」
「グラハムさんも…」
「(蒼真…こいつ…やっぱり変だ…服が綺麗過ぎる)」

そう。
スーツにも汚れ一つない。

以前の彼との会話を思い出す。

[なにか違和感があるんだ]
[私は、彼がドラキュラの力を受け継ぐと思ってるわ]

あのときイツキが言っていた違和感の正体がわかった。

「質問させてもらっていいですか?」
「はい、何なりと」



「あなたはこの城で何をしようとしているんですか?」



彼はこちらへの質問と城の説明しかしていない。
自分がなぜこの城にいるのか一切話していない。
…さあ、どうでる?

「…ふむ。教会の女からなにか言われましたか?」
「ああ。あなたがドラキュラの力を受け継ぐって」
「受け継ぐというのは間違いです」
「というと…」
「何故なら、
 私はドラキュラの滅びた日に生を受けました。
 つまりそれは、私自身がドラキュラであることに他ならないからです」
「………」

なるほど。
これで俺がラスボスっていうフラグは消えたか。
しかしなんとも誇らしげに語るものだ。

「おや。あまり驚きませんね」
「いえ、驚いてますよ。
 いい人に見えましたからね」
「あなた程度のものなら、
 私の敵ではないと判断したからですよ」
「で、ドラキュラであるあなたはいったい何をしようとしているのかな?」
「…その余裕…少々気に入りませんね。
 それにしても、ここまで来られるとは…
 教えていただきたいものです。
 どんな力に目覚めたのか?」
「…支配の力だ」
「!?」

一瞬にして余裕の表情が焦燥へと変わる。

「そ、そんな馬鹿な!?
 そんなことはあり得ん!」
「おい、どうした…」
「こうしてはいられない。
 玉座に急がなくては!」

いきなり走りだした。
とおもったらこちらに振り向き、

「蒼真とかいったな!
 貴様の思い通りにはさせん!
 許されるはずがないのだ!」

と吐き捨て、
時計塔の内部へと消えていった。

「…なあイツキ。支配の力ってすごいのか?」
「すごい力だよ。
 でもあいつが焦っていたのは支配の力が強い力ってだけが、
 理由じゃないみたいだ」

なんか変なフラグたったんだろうか。
めんどくさい。
どうせ暗黒の力が目覚めるならば触手系の能力が良かった。
…触手の魔物を支配すればいけるか?

「蒼真?」
「ん、気にするな。
 ハムさんのことは忘れて探索を再開しよう」

どうせベルモンド家かアルカードがなんとかするだろ。
俺達の目的はあくまで城からの脱出だ。



この時はハムさんと俺の行く先が同じ玉座の間であることを、
さほど気にとめていなかった。

**********

――ガショーン…ガショーン…

歯車が重なりあいひとつの仕掛けをつくる…。

「やはり時計塔はいい。心が洗われるようだ…」

この気持ち。
工場見学とかが好きな人ならわかるはずだ。

「後ろ後ろ!」
「ん?」

――ブチュッ

唇に柔らかい感触。

「あ…」
「…~~~っ!?」
「その…ごめん…」

なんか飛んできた生首、
メディウサヘッドと接触した。
どこにとか聞かないこと。

それよりも、

――ミシッ

「ンンンッーーー!?」
「く、唇が石化した!?」

息が!
息が!

――パキッ

「ぶはっ!」
「大丈夫?」

もがいてたら砕けた。
石化と言っても表面だけのようだ。
コカトリスの時は後ろから一撃で切り倒したからわからなかったが。

「これがメディウサヘッドというものか!」
「ごめんね…もうちょっと僕が大きくなったら砕いてあげれるんだけど…」

あれか。
ハンマーで叩くのか。
…あ。

「イツキ、あとで話がある」
「? いいよ」

とりあえずメディウサヘッドの飛んでこない場所まで移動しよう。

**********

ちょうどいい感じに女神像の部屋があった。

メディウサヘッド相手にしながら、
他の魔物と戦うとかマゾゲーすぎる。
そのかわりといっていいのか、
メディウサヘッドのソウルは手にいれた。

「で話ってなに?」
「ああ。もう記憶も戻ってるんだろ?
 単刀直入に、有角ってアルカードか?」

――ブフォッ

「うわ!」
「けほっ…けほっ…へあ?」
「落ち着けイツキ」

噴出したイツキの呼吸が安定するのを待つ。

「…うん、大丈夫」
「で、どうよ?」
「うん。確かに君の思っていることは間違ってないよ」

大当たり。

「…なんでアルカードのこと知ってるの?」

あ。

「えーと、前世の記憶でだな…」
「前世の記憶だとしてもアルカードのことを知っているのはおかしいよ。
 なにか隠してるんでしょ?」
「ワタシウソツカナイヨー?」
「…そっか」

あきらめたか?

「蒼真の中の僕の存在はその程度のものなんだね…」



「僕の体の半分は君の魔力からできている。
 逆に言えば君は僕の半身。もっとも大切な人なんだよ?」

!!

「僕は君が心配なんだ…
 なにか良くないことをひとりで背負ってしまうんじゃないかって…」

!!!

う、うぐぅ…。

「その、あのな?」
「どうせ僕なんか…」

…そんな目で俺を見るなぁ!

「あれだよ、ほら!
 自分でもまとめきれてないんだ!
 気持の整理がついたら、きっと話すから!」
「…ほんと?」
「ほんとのほんとだ!」
「…うん。信じる。
 蒼真のこと信じるよ!
 約束だからね!」

くそう。
どう説明すればいいんだ…。

有角がアルカードだとわかったが、
こんなやっかいごとを抱えるハメになるとは…。

抱きついてくるイツキを撫でながらそんなことを考えていた。





オマケ

「(クククッ…計画通り…)」
「イツキ、どうした?」
「ううん。大丈夫だよ。約束だからね?」
「ああ、もうちょっとまってくれ」

抱きつき中。





・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グレートソード
防具 鉄の胸当て(ヒビ)
他1 首蔵

・新しいソウル

メディウサヘッド

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

フルンチング
ウィップソード
コンバットナイフ
パルチザン

・防具


・その他

ポーション(複数)
エリクサー
プリン
メイド服



かつてない長さのあらすじ…あらすじ?

ユージンの紅い噴水のイメージはバンパイアキラーからきてます。
メガドライブですが名曲ぞろいの神ゲーでした。

アルケニーのソウルはイメージとしては投網のようなものだと思ってください。
一応ある程度軽いもの(半妖精など)は引っ張ることはできますが、
自分の体重を支えたりはできない、という感じでお願いします。

巣作り…実はユージンはまだ20才なので、プレイしてなかったりするのです。

カレーはきっと食べることも投げることもできます。



[20761] 暁月編30[時を刻む歯車]
Name: ユージン◆ec605aed ID:0f8d63ed
Date: 2010/09/02 12:35
**********

・前回のあらすじ

「蒼真、弥那、有角…
 邪魔者は全て消えた。
 そして他の者は混乱しながらも僕の事を信じきっている。
 この状態からなら悪魔城を支配するのも時間の問題…」

――キリッ

「僕は新世界の神となる」
「駄目だこいつ…早くなんとかしないと…」

以上

**********

(ここも違うか。確かに魔力の残り香はあるけれど…)

グラハムを追ってこの塔に入ったはいいけど、
追いつくことができないんじゃどうしようもないわね。

「ふう…」

まったく。
今回の仕事は思った以上に厄介だ。

そういえば蒼真くんは無事だろうか?

来須蒼真。
支配の力に目覚めた少年。
弥那ちゃんから聞いていたとおり、
ちょっと変わった子だったけれど、
なかなかかわいかった。

私としてはもう少し年が近ければ、と思わなくもない。
こんなことを弥那ちゃんに聞かれたら怒られるかもしれないけれど。



――ァァァ…


…塔の上の方から音が聞こえてくる。
なにかしら?

――…ァァァアアア!?

人間が降ってくる!?

それが凄まじい速度で地面にたたきつけられる。
思わず凄惨な光景を予想し眼をそらす。

「…アアアーイ!」

だが血が飛び散ったりはしなかった。

「あれ?
 ヨーコさんじゃないですか。
 こんなところで何やってるんですか?」

地上すれすれを空中に浮いたままこちらに話しかけてくるのは、
まさしく来須蒼真、その人だった。

噂をすれば影がさす…といったところか。

だけどあなたの言ったことはそのままあなたに返してあげたい。

**********

メディウサヘッドがなければ即死だった。
もう二度とこんな高い場所を飛び降りたりしないよ。

空中での一時停止。
それも、慣性などを概ね無視できる。
真下に落ちてしまうということを除けば、
フライングアーマーより使いやすそうだ。

――ストッ

地面におり、上を見る。

「あんな高いところから落ちたのか…」

イツキが声をかけてくれなかったら、
あまりの高さに気絶していたかもしれない。

「ハロー、蒼真君。だいぶ力を使いこなせているみたいね」
「あ、お久しぶりです」
「そんなに畏まらなくていいわよ」
「そう?」

なら普通に話す。

「で、どうして空から降ってきたのかしら?」
「いやー、グレムリンがいきなり歯車を逆回転させるもんだから、
 足を踏み外しちゃって…」

あのグレムリンあとでボコにしてやる。

「…ともかく無事でよかったわ」
「まあそれは置いといて、
 さっきグラハムに会ったよ」
「ホント?
 それで、どっちへ行った?」
「玉座の間だって」

よく考えると行き先かぶってるな。

「やっぱり、玉座の間には何かあるんだわ」
「うぇ!?
 ア…りかどから玉座の間へ行けって言われてるんだけど…」

あぶねえ。
アルカードって言いかけた。

「…何考えてるのかわかんない奴だけど、
 あいつがそう言ったんなら間違いはないはずよ」

今存在する人…ダンピールだっけ? の中では悪魔城に一番詳しいだろうしなあ。
まあ行ってみるしかないか。

「グラハムは他になにか言ってた?」
「自分がドラキュラそのものだって。
 でも支配の力のこと話したらいきなり焦りだしたよ。
 支配の力ってなんなんだ?」

はじめは転生特典かと思っていた。
しかし、こうもいろいろな人がその存在を知っているということは、
なにか別の理由で手に入れた力なのだろうか?

「…あのね蒼真くん。
 魔王ドラキュラは長い年月をかけて様々な力を身につけていたの。
 支配の力もその内の一つ」
「はえ?」
「1999年にドラキュラが完全に消滅した際に、
 その強力な魔力は全世界へ拡散した。
 それを受けて生まれた人間がグラハムというわけ」
「…あれ? 俺まだ18なんだけど?」
「うん。
 だから、ドラキュラの魔力の受け継がれなかった部分が、
 この城とともに封じられていたんじゃないかしら?」
「それがたまたま俺の中に入ってきた…」
「そう私は考えているわ」

うーむ。
転生特典はこの超絶美形緑川ヴォイスというだけだったのか。

「そういえば前に聞きそびれたんだけど、
 支配の力って暴走したりしないのか?」
「…んー。
 私は専門じゃないから詳しくはわからないけど、
 有角がなにも言ってなかったら大丈夫だと思うわ」

有角のスペックが高すぎて困る。

「ともかく、グラハムはこの城のものすべてが自分のものと思ってる訳だから…」
「それで…」

なんて器の小さい男だ。

「でも、良かったじゃない」
「はい?」
「奴が敵として見てくれた、ってことは、
 完全に私の友達って事だからね」
「友達…?」

ケーンジくーん、あーそびーましょ。

「何? 嫌なの?」
「いや、そう言うわけじゃ…」
「…もっと深い関係がいいとか?」
「!?」

年上のお姉さま…だと…?

「フフフッ、冗談よ。
 君をからかうのって面白いわ」

orz

「と、そんなことしてる場合じゃなかった。
 グラハムは、君の出現でかなり焦ってるみたいね。
 これはチャンスだわ」
「…チャンスって?」
「奴は狡猾な頭脳で私達の追及を逃れてきたわ。
 焦るところなんて誰も見たこと無いんじゃないかしら?」
「なるほど。焦ってる今なら…」

残念で迂闊な状態ということですね。

「そう。追い詰めるチャンスがあるってことよ。
 じゃあ、もう行くわね。
 それじゃ、気をつけてね」
「ああ、ヨーコさんも」

――コツッコツッコツッ…

「…行った?」
「なんかもうお約束だな…」

次に会ったらイツキのことも説明しよう。
悪いのは有角だ。

**********

…やっと頂上についた。

途中カリオストロの悪役みたいに、
歯車に挟まりかけたけれど、
私は元気です。

鉄の胸当ては壊れたがな!

途中でいくつかソウルと武器も見つけた。

ハーピーと戦ったとき、
羽をもがれて悲鳴をあげる姿を見て、
なんだか妙な気分になったのはまずいのではなかろうか。



さて、恒例のボス部屋だ。

防具はないが、きっとなんとかなるはずだ。

イクゾー。

――ゴゴゴ…



「誰もいない…」
「あ、ソウルキーパーだ」

――ガシャッ

スキュラ ソウルゲット

水の中で行動できる…
次は地下水路に潜れということなのか?

「とりあえずそろそろ弥那のとこに戻るか」
「そうだね…!?
 蒼真!」

――ざわ…ざわ…

「言われなくてもさすがにわかる…」

なんだ、このプレッシャーは!?



[人間がここになにようか…]

巨大な鎌が宙に浮いている。
その背後にうっすらと見えるのは…。



問 1
時計塔に死神が出現する理由を50字以内で具体的に説明せよ。





・オマケ

「ぬ?」
「な、ばかな!? なぜ貴様がここに!?」
「おい、お前は俺のことを…」
「ふ、ふんっ! だが関係ない! 最後に笑うのは私だ!」
「お、おい。俺の記憶…」
「はーはっはっはっ…」
「くそ…なんだったんだ…」

ハムの焦りは更に加速した。





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グレートソード
防具
他1 首蔵

・新しいソウル New

ハーピー
かみなりにんぎょう
スキュラ

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

フルンチング
ミストルティン New
ウィップソード
コンバットナイフ
パルチザン

・防具


・その他

ポーション(複数)
エリクサー
プリン
メイド服



ユージンは四人兄弟の末っ子で、
一番上の姉と10才離れています。
よって、メガドライバーでも問題ないのです。

スィートホーム…バイオの前身とも言える作品らしいですね。
バイオシリーズはやったことがないのですが。
上の兄弟から
「お前にはまだ早い」
と言われると、特定のゲームはやらせてもらえなかったのです。
例) バイオ 静岡 その他暴力マークの付いた作品

あとストーリー的にまずいものも禁止されました。
例) サガフロ・ブルー編

でもバハムートラグーンはやらせてもらいました。
ヨヨの名前は初恋の相手でした。




[20761] 暁月編31[死への招待状・前編]
Name: ユージン◆ec605aed ID:9755e627
Date: 2010/09/03 15:22
**********

・前回のあらすじ

「クククッ…ハハハッ…」
「ずいぶんとご満悦のようだな…」
「!?
 うわぁぁぁ!?」

――ガシャァァァン…

「なぜそんなに驚く?」
「…死神か…驚いてないよ。いや待っていたよ」
「ほう…?」
「覚悟はできてるよ…。
 僕は支配の力をわかっていて使った…。
 そして死神が来た…。
 僕はどうなる…?
 魂を取られるのか?」



「いかにも」
「え」
「いざ…」
「ちょ、おま」

――アッー…

以上

**********

なんでドラキュラがいなくなったのに死神がいるんですの?

[ここは貴様達が在るべき場所ではない…]

ですよね!
即刻立ち去ります!
はい!

[今一度問う…ここになにようか…?]
「この城から出る方法を探してました!
 他に目的はないです!」
[………]

反応がないのが恐い。

「(蒼真…いつでも動けるようにしておいて)」
「(勘弁してくれ! 冗談じゃなくやばいって!)」



「やはりその力、我が主の…」

!?
そういやそうだった!
最悪のタイミングだー!?

「目的はこの城の魔力か…」
「違うよ! ぜんぜん違うよ!」
「…どちらにせよ、見過ごすわけにはいかぬ…」

そう言って死神は軽く左腕を振った。

――バシュッ

「うわぁぁぁ!?」
「イ、イツキー!?」

イツキの左胸の辺りに細いトゲが刺さった。
急いで駆け寄る。

「ちょ、しっかりしろイツキ!」
「だ、大丈夫…驚いただけ…」
「いや、お前自分の体見てみろよ!
 なんかバッチシ刺さってんぞ、オイ!」

えらいことんなっただよ!?

[それに刺したのは死相の茨…
そのままにしておけば、いずれ核を喰い潰すだろう…]
「あんた何やってんだ! ふざけるな!」
[取り除きたくば…力を示せ…]
「~~~っ!」

なんなのこの死神!
アルカードと一緒にガラモスキングと戦っとけよ!

「…蒼真! がんばって!
 君ならできるよ(笑)」

若干息苦しそうに言うイツキ。
かかってんの君の命なんですけど!?

[いざ…!]

巨大な鎌が振り下ろされる。

「うぇ!?
 …っがー! くそが!
 やりゃあいいんだろうが!?」

どうしてこんなことに…。

**********

(今眼に見えている死神は実体がない、影のようなものだ)

鎌を避けながら考える。

輪郭はぼやけ、体も透けている。

大きな鎌がひとつ、回転しながらこちらに襲ってくる。
それ以外に小さな鎌が、これも回転しながらふよふよ浮いてこちらに近づいてくる。
すごく邪魔だ。

(こういう場合は大きい鎌が本体!)

ていうか鎌以外に攻撃できそうなところがない。

しかし回転しながら襲ってくる大鎌にどう攻撃したものか。
無駄に魔力がこもっていて飛び道具が弾かれる。

小鎌を避けながら接近して大鎌に攻撃する。
もちろん大鎌の攻撃をくらってもダメ。

デビルのソウルで…駄目だ。
消耗が激しすぎる。
確実に一撃を入れられるときしか使えない。

[逃げてばかりいるな…]
「(脳内)作戦会議中だ!」

好き勝手言いやがって!
後ろで鎌見てるだけのくせに!

[………]

――グイッ

死神が軽く手を握る。

「かはっ…」
「イツキ!?」

端の方で座らせているイツキが呻く。
トゲが大きくなった気がする。

[力を示せ…時間を無駄にすればこやつの命はない…]
「そ…蒼真…僕は大丈夫…冷静に戦って…」

先程よりもつらそうにするイツキ。

「ぬぐぐぐ…やりたい放題やりやがって…」

――パシュッ

くそ。
小鎌に当たった。
頬から血が垂れる。
会話中に攻撃するなんて…

ん?
大鎌は止まってたな。
…もしかして小鎌はオートなのか?

――ポンッ

囮蒼真くん人形を適当に投げる。

[気づいたか…]

ビンゴ!
小鎌は人形に群がってこちらには来ない。

「一対一なら…」

回転する鎌をグレートソードで受け止める。

――ガギッ

「うわぁぁぁ!?」

――ポーン

はじかれた(´・ω・`)
力強すぎワロス。

「こうなったら…ふんぬおぉぉぉ…!」
[ほう…]

デビルのソウル。
悪魔に姿を変える。

「これで力は互角だ!」
[ぬう…]

――ガギッ

再びグレートソードで受け止める。
今度は弾かれない。

剣を片手に持ち替え、
空いた手で大鎌の刃を掴む。

「ぶっ潰れろよぉ!」

――ボキッ

悪魔の力で刃の部分を叩き折った。

大鎌は炎をだしながら塵となって消えていった。
小鎌も消滅したのか、蒼真くん人形の残骸が塵に帰っていくのが見える。

[見事…]
「ハァ…ハァ…これでどうだ!?」

悪魔の姿から戻る。
とっととイツキから刺を抜け。



[ならば私自らが試さねばなるまい…]
「うぇ!?」

薄く透き通っていた死神の体が、
くっきりと輪郭を持ち

[まだまだ…これからよ…]

双頭の大鎌を携えた死神が、
目の前に降臨した。





・オマケ

「…あれ? 久しぶりじゃない」
「…うん」
「それ…どうしたの?」
「…作った」
「鉄パイプ…いや違うな。なにそれ?」
「…杖」
「杖!?」
「…仕込杖。…まだ完成してない」

――タッタッタッ…

「行っちゃった…。
 前から変わった娘だとは思ってたけど、
 魔女になろうって娘がもつものじゃないでしょ…」

現在折りたたみ式への改造中





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グレートソード
防具
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

フルンチング
ミストルティン
ウィップソード
コンバットナイフ
パルチザン

・防具


・その他

ポーション(複数)
エリクサー
プリン
メイド服



少し前回のことで訂正すると、
ヨヨに当時好きだった女の子の名前をつけた、
が正解です。
よって、初恋の人は「ヨヨ」ではなく「のぞみ」ちゃんです。
そのあと、ほとんどのゲームでデフォルトネームを使うようになりましたが。



[20761] 暁月編32[死への招待状・中編]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/04 16:34
**********

・前回のあらすじ

[汝、力示されたり…見事であった…]



――ザザザッ…

[…と、言いたいところだが、君等には消えてもらう]

[貴様等は知らんだろうが
我が約1000年の闘争は
ここで勝利と言う終焉を迎える]

[これから貴様等は
なんの手助けも受けず、
ただひたすら、死ぬだけだ]

[どこまでもがき苦しむか見せてもらおう]

[涙と鼻水の覚悟はよろしいか?]



 「正に恐悦至極」
→「それ無くね?」

以上

**********

[地獄の鎌よ…切り刻め…!]

死神はその手に持った巨大な鎌をこちらに投げつけてきた。

――ブワッ

「うわっ!」

風に砂埃が巻き上がる。
ちょっとだけ目に入った。
まずい…前見えん。

勘を頼りに横に跳び去る。

――ヒュン…ヒュン…

俺の体に大鎌は当たらなかった。
そもそも大鎌は少しずれた位置を飛んでいたようだ。

今のうちに目に入った砂をとる。

――ざわ…

嫌な予感に背筋が泡立つ。

「蒼真! 後ろ!」

イツキが警告した。

「くっ…!」

再び横に跳ぶ。

――ゴウッ

その数瞬後、俺のいた場所を鎌が通り過ぎ、
死神のもとへともどっていった。

[よく避ける…]
「ブーメラン…て奴か」

アックスアーマーもそうだが流行っているのか?
斧も鎌も絶対もどってくる形状ではないと思うが。

[ぬん…!]
「同じことの繰り返しかよ!」

再び大鎌を投げつけてくる死神。

それに対して俺は、
姿勢を極限まで低くして回転する大鎌のしたをくぐり抜けた。
そのままの姿勢で死神に接近する。

「手元に戻ってくるってことは、地面にぶつからないってことだろうが!」

戻ってきても伏せれば当たらないはず。



[それはどうかな…?]

――ゴリゴリゴリ…!

不審な音に思わず振り向く。

「嘘ぉ!?」

回転する大鎌は、
まるで切削機のように石畳を削りながら戻ってきた。
ありえん。

ジャンプして空中で止まって避ける。

「駄目だ…蒼真…!」
[遅い…!]

――ガッ

「うぐ…」

しまった…。

空中で止まった俺を,
手元に戻った大鎌で一閃する死神。

とっさにグレートソードを取り出し、
刃の部分は避けたが吹き飛ばされた。

先程までの大鎌よりも重い一撃だ。

――ドサッ

「痛って…」
「蒼真…大丈夫…?」

イツキの近くまで弾かれたようだ。

「ああ…しかしさすがは神様か…て、オイ!
 お前の方が顔色やばいぞ!」
「大丈夫…まだ大丈夫…」

イツキの顔色がなんだか見たことのない色になりかかっている。
トゲも更に大きくなっている。

[予想以上に耐えるものだ…]
「!?」

死神が言う。

[痛みも既に限界のはずだ…]

なんだと?

[妖精よ…諦め、安らかな死を選ぶこともできるぞ…?]
「…遠慮しておくよ」
[ほう…?]
「あまり蒼真を甘く見ない方がいい」

ちょ…。

「蒼真。相手は神なんかじゃない」

いつになく真剣な表情のイツキ。

「人の死に対する恐怖。
 それを死神という枠に押し込んで形作られた魔物なんだ。
 いままで戦ってきた魔物と変わらないんだよ。
 …大丈夫、蒼真なら倒せる」

信じてるから



そんな顔で言うなよ。

「ちょっと気合が入っちまうだろうが…!」

死神と向き合う。

[もういいのか…?]
「案外親切じゃないか」
[………]

無言で構える死神。

「さっさと終わらせよう…相棒の命が危険で危ないからな!」

その顔、ぶっ潰してやる!





・オマケ

「ん? またあんたか」
「これを蒼真に頼む」
「あいよ。用はそんだけかい?」
「ああ」
「あ、おい!
 行っちまったか…無愛想な奴だぜ」

ハマーから有角への評価
無愛想な怪しい白黒の兄ちゃん





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グレートソード
防具
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

フルンチング
ミストルティン
ウィップソード
コンバットナイフ
パルチザン

・防具


・その他

ポーション(複数)
エリクサー
プリン
メイド服



前中後と分けるほど長くないでござる。
みんなの危険が危ない。

バハラグの思い出(当時小学生)
1.へー、ヒロインかわいいじゃん。
 名前つけられるのか…のぞみちゃんだな。
2.あれ? いきなりさらわれた。
 パーティキャラじゃないのかな?
3.脇役にもかわいいの多いな…
 アナスタシア、かわいいね。
4.のぞみちゃん救出。
 ジジイは帰れ。
―中略―
5.え、パルパレオスと行くの?
 …まあ仕方ないか(当時の気持ち)
 ああ、そういう事だったのか(近年やり直して)
6.ヨヨはパルとくっつくのなら、
 俺はアナスタシアと…誰、そのヘビィアーマー…?



バハラグと同時期にライブ・ア・ライブもやってました。

ストレイボウは許す。
気持ちは分からんでもないし、オディオの影響下ってのもあったはずだ。

アリシアもまあよし。
箱入り娘だったと仮定すれば、ギリギリわかる。

だが大臣、テメーはダメだ。



でも一番の被害者って王様ですよね?



[20761] 暁月編33[死への招待状・後編]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/05 15:55
**********

・前回のあらすじ

アテナイツキの胸に刺さった死相の茨。
それは死神の力をもってのみ抜くことができるという。

リミットを示すように、
時計塔に12の火が灯る。
12の火が全て消える前に悪魔城を抜け、
死神に力を示さなければならない。

苦しみながらもイツキは蒼真を気遣い、
「君を信じている」とけなげに話す。

イツキをその場へ残し、
蒼真は悪魔城へと乗り込んでいく。

だが死神に力を示すためには、
人間の持つ五感や直感などの第六感を超えた第七感、
すなわち <セブンセンシズ> を究めなくてはならない。

死神との戦いの中ついにその片鱗を見せつけた蒼真。
イツキを無事に救うことはできるのか。

「君は小宇宙を感じたことがあるか!」

以上

※あらすじには若干の誇張表現が含まれます

**********

死神は変わらず大鎌を投げつけてくる。

――サッ

[ぬう…!?]
「くらえ!」

それを無視して斬りかかる。

大鎌は戻ってきた時によければいい。
とにかくさきに一撃当てる!

――ブンッ!

グレートソードから持ち替えたミストルティンを振り抜く。
それを死神は大きく体をそらし避ける。

大鎌は死神の体の動きにあわせて、
少し大回りに戻ってきた。
それを避けながら考える。

(死神の体勢を崩せれば大鎌の軌道もずれて無理なく避けられる。
そして俺の攻撃は死神に当たればダメージはある…)

ダメージが無いなら避ける必要はない…はず。
そのダメージが一撃で戦闘不能になるものかどうかはわからんが。

だがイツキにこれ以上無理をさせるわけにもいかない。

攻め続ける!

「せい!」
「むん…!」

――ガギッ

死神は今度は大鎌を投げず、
その手に持って振り抜いたので、
俺の剣と大鎌で不自然な形でつばぜり合いのような体勢になる。

「ふん…!」
「ぬぐぐ…!」

やはり力はかなわない。
弾き飛ばされる前にデビルのソウルを使おうとする。

――スッ…

「うわっ!?」

だがその前に突然死神側の力がなくなりつんのめる。

――ザシュッ

「っが…痛ぅ…!」

腹部に衝撃と熱が走る。

死神は鎌を一回転させたのだ。
双頭の鎌の反対側の刃で斬られたようだ。

コレクターの時よりも深い傷だ。
首蔵からポーションを取り出し使う。

「ぐっ…」
[その程度か…?]

傷が治る感覚に呻いていると、
死神がそう言ってきた。

「くそが…!」

気に食わねえ。
余裕見せやがって。
気に食わねえ!



――ゴゴゴッ…

頭に血が上る。

[この魔力…!?]
「…そ…ま…だめ…!」
「ぶっ潰してやるぁ!」

悪魔へと身を変え、
死神へと斬りかかる。

[ぬん…!]

――ガギッ

再び先ほどと同じ姿勢になる。
だが違ったのは、

――ピキッ…

[なに…!?]

打ち合った時点で鎌の方にヒビが入ったことだ。

[くっ…]
「読めてる…!」

もう一度反対の刃で斬りかかってくる死神。
だが俺は打ち合った刃を追いかけ死神に肉薄する。
そのときは気付かなかったが凄まじい速度が出ていたようだ。

接近する勢いに任せ、
全体重を右腕にのせて顔面に向けて振り抜く。

「オルァ!」

――ゴッ

[ぐっ…]

一発くらわしてやった!

死神は、殴られた顔を押さえながら距離をとる。
骨の顔にヒビが入ったようだ。

なんだか魔力が溢れてくる。
気分が一気によくなる。

「へ…へへ…」

その死神を追いかけ、
もう一度顔を殴る。

「ヒャッハァッ!」
[ガッ…!?]

――ガッ…ガッ…ガッ…

殴る。
殴り続ける。

気づけば死神の顔はもはや半分しか残っていなかった。

[調子に…!]
「乗るに決まってんだろうが!」

鎌を手にとろうとしたその手を足で踏み折る。

死神を圧倒する。
その快感に酔ってはいなかった。
そういえば嘘になる。

だが、そのときの俺は自分で言うのもなんだがちょっとおかしかったと思う。

「ヒャァーッヒャアア!」

**********

「死は我が決めることー? 随分なセリフじゃねえか!」
[(よもやこれ程とは…)]

――ガッ…ガッ…ガッ…

砕けていく自身の骨。
悪魔に身を変えた少年は、
一辺の容赦もなく破壊していく。

間違いない。
この魔力、

[見…誤…た…こ…魔力…まさ…く…カオ…]
「砕けて砂にでもなってろ、骨野郎」

漆黒の魔力に包まれた拳が振り下ろされた。

――メキョッ…

魂が飲み込まれていく感触…
それだけが残った。

**********

死神は崩れて消えていった。
元の姿に戻る。

「ハァ…ハァ…」

なんか興奮したせいか、
意識が朦朧としている。
あ、たちくらみ。

そういえば死神は倒したけど、
イツキのトゲは抜けたのだろうか?

――ドサッ…

そんなことを考えながら俺は意識を失った。





・オマケ

「コロシアム?」
「…うん」
「へー、自由自由だとは思っていたが、
 魔物だけで集まってそんなもんまで出来るのか…」
「…出場する」
「はぁ!?」
「…これ」
「…チケット?」
「…じゃ」
「あ、ちょっと待て嬢ちゃん!
 …行っちまった。
 あーもう!
 なんでうちの店に来る奴は人の話聞かねーんだ!」

みならいまじょ、エントリー。





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 ミストルティン
防具
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ウィップソード
コンバットナイフ
パルチザン

・防具


・その他

ポーション(ちょっと少なめ)
エリクサー
プリン
メイド服



はじめてのタグ利用。

ライブ・ア・ライブ中世編の子供も考えるとかわいそうですね。
王様は性格はともかく、
嫁さんに娘と二回もさらわれているってのは珍しいんじゃないかと思うです。

だが大臣、テメーはダメだ。



[20761] 暁月編34[混沌の片鱗]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/07 12:38
**********

・前回のあらすじ

[みせてくれ。この死神を倒した男の顔を。フ…フフフ。見事だ少年よ!]
「死神…」
[さらばだ少年。私もまた天へ!
ドラキュラ様の下へ帰ろう。
この死神、天へ帰るに人の手は借りぬ!]

[わが生涯に一片の悔いなし!]

「死神よ。俺にはあなたが最大の強敵(トモ)だった…」
「巨星墜つ…か」

以上

※あらすじには若干の誇張表現が含まれます

**********

「ハァ…ハァ…」

何も無い空間をあてもなく走っている。
<なにかよくないもの> から逃げるために。

後ろから迫ってくるのは真っ黒な霧のようなもの。
あれに触れてはいけない。

触れれば取り返しの付かないことになる。

「ハァ…ハァ…くっ…」

どれだけ走っただろうか。
霧が迫るよりも速く走っているはずなのに、
どんどん距離は縮まっているように感じる。

このままでは追いつかれてしまう。

だがそれとは別にどうしても誰かに聞いておきたいことがあった。

「俺はどうしてマッパで走っとんのだぁ!?」

**********

「…夢だからか」

無駄にリアリティがある夢だった。
とんだ悪夢だ。
夢オチなのにひどく精神的に疲労してしまった。

「痛っ…!」

これはひどい。
体中の筋肉という筋肉が、
<お前はやりすぎたのだ…>
とでも言いたいのか、
俺の意思に対し反旗を翻している。
訳すと筋肉痛だ。

――プニュ

「ん…」

…?
なんだ、この左腕に当たるやわらかい感触は…。
まさかお約束の…!?

見る。
悲しむ。

「ですよね…」

眠っていたのはイツキでした。
柔らかい感触はそのほっぺた。

ってかまたでかくなったな。
もう小学生といっても通じるくらいの大きさだ。

しかし柔らかい頬だ。
もう少し触っておこう。

――プニプニ…

「ん…やぁ…」

…俺は何をしているんだ。
もうやめておこう。



ここは女神像の部屋か。
たしか死神の部屋の隣にあったはずだ。

イツキが移動させてくれたのだろうか。
確かに体が大きくなった今なら、
俺を運ぶこともできるだろうが、
たいそうな重労働だったろう。

「あとで御礼を言っとかないとな…」
「…んあ…?」

イツキの頭をなでる。

死神を倒したことで無事に死相の茨とやらもなくなったようだ。

(しかしスーパーハイテンションのせいか…)

体中が悲鳴をあげている。
死神を倒せたのは脳内麻薬とかが俺の中でスパークしたからなのだろう。
きっと体の限界を超えて動かした結果がこれなのだ。
ポーションは筋肉痛に効くのだろうか?

「…ん…蒼真…?」
「おっと、おこしちゃったか?」

ちょっと筋肉が痙攣した際にイツキの目を覚ましてしまった。
目をこすりながら不思議そうにこちらを見上げる。

「…蒼真!?」
「ん?」

突然目を大きく見開き、上目づかいで尋ねてくる。

「蒼真だよね?」
「YES, I AM!」
「………」

――ポタッ…

イツキの目から涙がこぼれた。

あれぇー?
なんで泣くだー?

――ポフッ

抱きつかれた。

「お、おい…」
「よかった…飲まれちゃったかと思った…」

はぁ?
どういうことなの。

とりあえず泣き止むまで頭を撫でてやることにした。

**********

「混沌(カオス)?」
「そう、悪魔城を形作る要素。
 人の総意識の負の面」

なんかイツキに説教されています。

「そこから魔力を引き出してたから、
 長時間悪魔の姿でいられたってことか?」
「うん…それもいつもより強い力だった」
「魔力を外部から供給できるなら便利でいいんじゃねえの?」

確かなんかの作品でそういう最強キャラが…

「簡単に言うけど混沌から力を汲み取るってことは、
 その人類の悪意を直接受けるってことなんだよ?
 さっきも蒼真は飲まれかかってたんだ」

アンリマユですね、わかります。

「もうしないでね?」
「いや、やり方分からんし。
 なんでそんなことになったんだ?」

さっぱりわからん。

「…もしかしたら支配の力には、
 なにか僕たちの知らない面があるのかもしれない…」
「むう…」

まいったね、こりゃ。

「コレクターと戦った時も、
 かすかに混沌の気配がしたんだ」

あのときの大事な話ってこのことか。

「あのときコレクターの魂が消滅したのは、
 混沌の魔力に飲まれたせいだと思う…」
「ってことは死神の魂も…」
「たぶん…」

魂を消滅させる…かなりエグイな。
関係ないけど六魂幡とかあったな。



「とりあえずはこれくらいかな?」
「じゃあ一回弥那のところに帰るか」
「そうだね…」

――フラッ…

「おい!」

ふらついたイツキを抱きとめる。

「…ごめん、まだ調子が悪いみたいだ」
「まだあのトゲ残ってたのか?」
「違うよ」

イツキは軽く服をずらし肌をだす。

「おま、いきなりなにを!」
「ここ見て」

へその横に…アザ?

「蒼真が混沌から魔力を引き出すと、
 僕にもそれが流れこんでくるんだ。
 この体じゃそんなに耐えられるものじゃないから…」
「ぬう…その、ごめん」

俺のせいだったとは…。

「もうしないでね?」
「気をつける」
「それなら早く弥那ちゃんのとこに帰ろ?」
「ああ…」

弥那のところまで帰ろう。



それにしてもややこしくなってきたもんだ…。





・オマケ

「コロシアムだと?」
「ええ、どうやら上級魔族が集まって企画したようです」
「ふむ…」
「城内の各フロアへ出場者募集の通達が送られています」
「まったく、いいきなものだな…」
「たまにはいいんじゃないですか?
 それだけ思考が自由になった魔物が増えているということでもありますし」
「…それで幻夢宮からも出場者をだせ、と?」
「そんな、別に隊長なら優勝できるだなんて思ってませんよ?
 あまつさえなにか優勝賞品があると聞いて、
 わざわざエントリーシートを取りに行ってきたなんてこともありませんし」
「…あの区画の掃除が遅れたのはお前のせいか」
「はっ、なぜそのことを!?」
「しかし私が出るわけにも行かないだろう…」

――ガチャ

「鏡の張りなおしが終わりました!
 ご迷惑をお掛けしました!」
「ん、…ちょうどいいところにきたな」
「はい?」

プロセルピナ(犬耳)、エントリー。



「隊長…なんであの娘を?」
「戦闘力という点では彼女は素晴らしいものがある。それに…」
「それに?」
「もしかしたら彼が参加するかもしれないしな。
 面識があるものを行かせたほうが面白いだろう?」
「彼って…ああ、あの子ですか。隊長って年下が好みだったんですか?」
「!?」





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 ミストルティン
防具
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ウィップソード
コンバットナイフ
パルチザン

・防具


・その他

ポーション(ちょっと少なめ)
エリクサー
プリン
メイド服



私がユージンです。

なんで精神世界の描写ってマッパなんでしょうか?
通常の自分がイメージとして投影されるのならば、
服を着ていてもおかしくない気がするんですけど…。

現代編は森部無双ですよね。
でも関節技も実は強いのです。
あとスープレックス。
他の技使わなくてもクリアできますよね…。



[20761] 暁月編35[休憩中5]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/07 12:53
**********

・前回のあらすじ

混沌(カオス)…それは人の意識の集合体。

[[[殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ]]
[[[殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ]]
[[[殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ]]

「ぐっ…くう…!」

イツキはずっとこんなのと戦ってたのか?
今にも発狂しちまいそうだ。



[蒼真。僕はね、正義の味方になりたかったんだ]

イツキは月を見ながら俺に言った。

[正義の味方は地域限定品みたいなものでね。半妖精はなれないんだよ]

静かに、でも泣き出しそうで。

[そっか…じゃあ、俺が代わりになってやるよ]

俺はそう言ったんだ。

[イツキがなりたかった正義の味方には俺がなる。だからイツキは安心していいよ]



「そうだ…正義の味方は負けちゃいけない…!」

意識が冴えていく。
そうだ。
正義の味方になるんだ!

「うおぉぉぉ!」

俺はまだあきらめちゃいない!

以上

※あらすじには若干の誇張表現が含まれることがありますが、
 品質以外には問題ありません。

**********

筋肉痛はポーション飲んでしばらくしたら治った。
ポーションぱねえ!

まあそんなこんなで帰ってきた。

ちなみに体の調子の悪いイツキは、
小さくしてまた頭にのせてある。

「よう! 調子はどうだ?」
「まあまあだよ。じゃ、またあとで」
「おう。やっぱり弥那ちゃんが先か。ま、当然か」

誰だってそうする、俺だってそうする。
とかなんとか言っているハマーの横を通り過ぎ弥那のところに向かう。

――すう…すう…

「ただい…寝てるのか」
「ん…」
「おこさないであげなよ。たぶん城の影響で疲れがたまりやすくなってるんだ」

むう…少しいそがないといけないな。
しかし、玉座の間に関する情報が少なすぎて困る。
セオリー通りなら城の最上部のはずだけど、
今まで見てきた場所には上層部へ続く階段なんかなかった。

「蒼真、その下の紙…」
「…メモ帳?」

…有角から聞いたことをメモしてあるようだ。
起こすのも悪いし、これだけもらって探索を再開しよう。

<メモ帳は確かにいただいたぜ! 蒼真一世> と書置きを残す。
それとプリンも置いていく。
甘いモノは元気の素ってばっちゃが言ってた。



――すう…すう…

弥那はまだ眠っている。
…眠っている弥那の頬に触れる。

――ぷにゅぷにゅ…

ふむ…柔らかさはイツキの方がやや上か…。
だが極上のハリとつやがある…。
小さい頃から果物を食べさせていたのは効果があったのだろうか?

「蒼真…いったら悪いかもしれないけど、危ない人みたいだよ」
「!?」

この超紳士蒼真が不審者だと!?

「…そ…まく…」
「!」

――すう…すう…

…寝言か。
危なかったぜ。

額の汗を拭う。

「あ…か…さん…だめ…」

赤さん?
…意味はなさそうだな。

軽く弥那の頭を撫で、ハマーの方へ向かう。
行こう。



「ハマー、これ買い取ってくれ」
「あいよ。で、なにがいる?」

パルチザンと鉄の胸当て(残骸)を渡す。
ほかに拾った金貨なども渡しておいた。

「なんか水中で使えそうな道具ってあるか?」
「水中? ダイビングでもやろうってのか?」
「ああ、だいたいそんな感じだよ…」

地下水路…水がきれいでほんとによかった。

「酸素ボンベとかはさすがにねえな…」
「呼吸についてはなんとかなった。水中で使える武器とかないか?」
「武器ねえ…ちょっと思いつかねえな」
「そっか。じゃあなにか防具ある?」

いろいろ商品を見る。

シルバープレート 購入

意外と軽く動きやすい。

「ああ、そういや水中で使えるかは知らんが、すごい剣があるぞ」
「へえ…」
「銘アスカロン、竜殺しの剣だとよ」

――ブフッ

ちょ、聖剣とかの類じゃねえか!

「くれ」
「…あのなあ」
「その剣譲ってくれ! いくらなら譲ってくれる!?」
「そうだな…さっきの槍と同クラスの武器五本くらい持ってきたらやるよ」

高っ!

「ちょ、高いよハマー」
「あのなあ、その胸当てだって相当割引してるんだぜ?
 あの兄ちゃんが金くれなきゃ…っとそうだった」

――ゴソゴソ…

ポケットからなにか取り出すハマー。

「これをお前に渡してくれってさ」

小さな石版。
ヒビが入っているので慎重に受け取る。

「…なんだこれ」
「俺にはわからん!」

そんなはっきり言われても…。

「イツキー」
「んー?」

ちょっと離れてPITをいじっていたイツキを呼び寄せる。
…電池がだいぶ減ってるな。
かみなりにんぎょうのソウルで充電が出来ればよかったのに。

「これなにかわかるか?」
「…古文書かな。なにがかいてあるかまではわからないけど」

とりあえず首蔵に入れておく。
有角が持ってきたものだ。
何かの役にはたつのだろう。



「で、アスカロンをくれるって話だったっけ?」
「ああ、こいつを…って違うだろうが!?」
「せめて、せめて触らせてくれても…」
「ダ・メ・だ!
 金を集めるかしてから出なおしてこい!」
「ぬぐぐ…」

くやしい…でも…ビクンビクン。

「そういえば…」

――ゴソゴソ…

再びポケットからなにか取り出すハマー。
紙切れ…チケット。

「これに参加してみたらどうだ?」
「コロシアム?」
「ああ。なんか魔物が集まって企画したんだとか。
 優勝賞品やら賞金もでるみたいだぜ」
「そんなに暇じゃないんだけど…一応覚えておくよ」

通り道でやってたら覗いてみよう。

「それじゃあまたくるよ」
「おう、気をつけて行けよ」
「ああ」

ああ…次は地下水路だ…。



…あれ?
俺は水の中いけるけどイツキはどうするんだ?





・オマケ

「そういえばハマー、変電機とかそんな感じのある?」
「はあ?」
「最近電流を流せるようになったんだけど、
 それでPITの充電できないかなーって」
「…なんかだんだん人間離れしてきてるな、おまえさん」
「いわないでくれ…悩んでるんだから」
「ま、俺にとっちゃ客はみんな平等だ。気にはしねえよ。
 とりあえず手回し式充電器はあるぜ」
「…サンキュ、ハマー」

その後手回し充電器を全力で回す蒼真の姿が!





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 ミストルティン
防具 シルバープレート
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ウィップソード
コンバットナイフ

・防具


・その他

ポーション(そこそこ)
エリクサー
メイド服
手回し充電器(PIT用)
古文書



手回し充電器って全力でやるとゲッダン☆みたいになりますよね?

前回の精神全裸で思い出しましたが、
どこぞのオーガニック的アニメではOPでマッパダカーニバルしたと聞きましたが、
それって男もでしょうか?

小学生サイズについてはヤレることはヤレるとは思いますが、
蒼真が自分の半身にそんなことをしてしまえばトリプルX確定です。



[20761] 暁月編36[仄暗い水の底から]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/08 14:11
**********

・前回のあらすじ

「蒼真、なぜ弥那の乳をもまない! 頬の冬がくるぞ!」
「乳を求めるものは自分たちのことしか考えていない! だから抹殺すると宣言した!」
「人が人に罰を与えるなどと!」
「私、来須蒼真が粛清しようと言うのだ! イツキ!」
「エゴだよそれは!」

――<中略>――

「頬の感触だけでは人間のエゴ全部を飲み込めやしない!」
「俺は貴様ほど急ぎ過ぎもしなければ、頬の感触に絶望もしちゃいない!」
「貴様だって乳タイプだろうに!」
「…ならば今すぐ乳をもんでも怒られない世界を実現してみせろ!」

――<中略>――

「しかし乳をもんだ人間が地球さえ破壊するんだ。それをわかるんだよ、イツキ」
「だから世界に頬の感触の光を見せなけりゃいけないんだろ」

認めたくないものだな。
自分の若さゆえの過ちなど。

※あらすじには若干の誇張表現が含まれることがありますので、
 用法・用量を守って正しくお使いください。

**********

やってきました地下水路。
ここを潜れと。

[水の中を通ると悪魔城の最下層まで降りることができる]

メモ帳にも書いてあったし間違いないだろう。

「さて…」

スキュラのソウルに魔力を流す。

「あ、蒼真。ちょっと待って」

頭の上からイツキが降りてきて目の前に浮かぶ。
そして軽く光ったとおもったら、いつかの卵にもどっていた。

「そこまで戻れたんだ…」
[それじゃポケットにでも入れといて]
「あいよ」

さあ、あらためて…

――バシャッ…ブクブクブク…

…!?

「(息ができないんですけどー!?)」
[落ち着いて! 肺が水で満たされれば直接酸素を取り込めるはずだよ!]

LCLかよ!?

――ブクブクブク…



その後、彼の行方を知る者はいない…



「(なんちゃって)」
[あのねえ…]

てか、たぶん肺まで水入ってないや。
喉くらいまでしかきてない。
イツキがだんだん俺色に染まっている気がせんでもないセリフだったぜ。

「(しかし呼吸はできるけど、想像していた以上に動きにくいな…)」
[銀の胸当て着けてるんだもん。あたりまえだよ]

しかしこりゃあ厄介だ。
俺の基本攻撃手段である真空波を試しに撃ってみると、
ただの渦みたいなのがおきるだけ。

水中ではなるべく魔物と戦わないようにしよう。



ちなみにそのあとスパイダーストリングスだしたら自分の顔にかかって欝になった。

**********

水の中を沈んでいく。

「(メインブースターがイカレタだと!?)」
[はあ?]
「(水没って言ったらそれくらいしかネタが…痛っ!)」

なんか刺さった。

…棘のついた玉?

[ニードルスだ。ウニの魔物だよ]

よく見ると結構な数がぷかぷかと浮いている。
ウニ…

「(…食えるかな?)」
[…一匹地上に持って行ってみようか]

刺に注意して、一匹持っていくことにした。
このサイズ…寿司何貫分だろう?



――ズズズッ…

[蒼真! 後ろ!]
「(も?)」

――ズズズッ…

後ろから来るぞ、気をつけろ!
巨大な顔がゆっくりと接近してくる。

[マンイーターだ!]
「(人肉が主食ですね、わかります)」

――メキョッ

目玉が伸びてこっちに向かってきた。

「(キモッ!?)」

思わずニードルスを手放し距離をとる。
が、水の中なのであまり離れることができない。

その間にマンイーターの口からも目玉が飛び出した。
目玉のついた三本の触手がゆっくりとこちらに向かってくる。

きもい。
マジできもい。
なんか触手もドクンドクン脈打ってる。

違う。
俺の望んでいる触手はもっと戦闘的なもののはずだ。
ロマンシング的モンスターの最強攻撃。

とりあえず近づいてきた目玉にグレートソードを突き刺す。
この重さなら水中でも効果はあるはずだ。

――ブシャッ

目玉が潰れ、触手が細切れになっていく。

汚い。
水が血で濁る。
しばらくすると存在が崩壊したのか、
濁った水も綺麗になったが、
なんかイヤだ。



残りの二つの目玉触手。
その動きが止まり、なにかを出してきた。

水中ドーナツリング?

――パチンッ

「(痛っ!)」

触れたらなんかパチンってなった。
地味に痛い。

どんどんこちらに向かって撃ち出してくる。
まるでシューティングのリップルレーザーのようだ。

――パチパチパチンッ

「(痛い痛い!)」

まるで背中に平手打ちを何回もくらっているかのようだ。
死なないけど痛い。

[蒼真。ミニデビルのソウルで拡散できない?]
「(痛てて…やってみる)」

水中だから指パッチンできないが諦めよう。

――コウッ…

巻き起こった渦にリングが掻き消える。
使えそうだ。

残りの目玉にグレートソードを突き立てる。
血で視界がゆがむが仕方ないね。

触手を処理すると頭蓋骨は崩れていった。

――シュンッ

マンイーター ソウルゲット



あとで図鑑を見るとマンイーターとは、
あの触手のようなもののことで頭蓋骨に入り込む寄生虫らしい。
頭蓋骨はヤドカリの貝のようなものだったようだ。

がしゃどくろのときも思ったがあれはなんの骨なのだろう。
並のサイズじゃない。
悪魔城には巨人でも住んでいるのだろうか。

**********

――バシャッ…ポタッ…ポタッ…

あの後ニードルスを再度取りに行き地上に上がった。

くそ。
服が濡れるのは避けれないのか。
ニードルスを床に置き軽く水を絞る。

――ギュッギュッ…

「ふう」
[お疲れ様。そういえばPITは? 首蔵に入れたの?]
「俺のPITは完全防水だ」
[…つくづく無駄に凝ったPITだね]

俺のロマンが詰め込まれているのだ。

「それよりニードルス割ってみっか」
[その間に元の姿に戻っておくよ]

ポケットから卵が飛び出していった。

ニードルスの殻? にミストルティンを突き立てる。
間違ってフルンチング使いかけたのは秘密だ。

――パカッ

うまいにく ゲット

「どう?」

成熟期サイズに戻ったイツキが聞いてくる。
完全体は小回りがきかないのだろうか。

「ああ食べれそうだ」

一口食べる。
…醤油が欲しい。

首蔵にしまっておこう。



「ここは行き止まりか」
「進むのは反対側みたいだね。これ落ちてたよ」

ラハブの氷剣 ゲット

氷の魔剣か。
夏場は扇風機の前にくっつけておくとよさそうだ。



「ここはもう整備されてないな」

再び水路をわたり別の道へきた。

まるで洞窟だ。
これは悪魔城内部と言っていいのか?

「地図もこのへんはカバーしてないみたい。
 ただ一番下の方に闘技場と深殿…神殿かな? があるみたい」

それなら適当に探索してみるしかないな。
さあ、行こうか。





・オマケ

私は穢されてしまった。
この屈辱に耐えることはできない…!

「待て! 自分の性質そのものまでねじ曲げることになるぞ!」
「止めるな! あのような…あのような醜態を晒してこのままでいられるか!」
「しかし…魂まで消滅してしまうぞ!」
「それでもやらねばならんのだ…!」

雷の槍グングニル。
神話において我が主のもつ神槍。
今この時だけは私に力を…

「あの男を…仕留める!」

ヴァルキリー、出撃





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グレートソード
防具 シルバープレート
他1 首蔵

・新しいソウル New

マンイーター

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣 New
ウィップソード
コンバットナイフ

・防具


・その他

ポーション(そこそこ)
エリクサー
メイド服
手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)



槍を持たせてとったどーと言わすか迷いました。

味方のHPが三桁しかないのに、
四桁ダメージをはじきだす素敵攻撃。
それが触手。

イツキのサイズについて

・卵(ポケットの中)
ベヘリットと同程度の大きさ。
念話によるアドバイスができる。

・成長期(頭の上)
リカちゃん人形と同じくらいの大きさ。
声が出せる。地図を開いたりできる。

・成熟期(自律飛行)
ファービー三つ分くらいの大きさ。
PITの操作などができる。

・完全体
小学生程度の大きさ。
石化した蒼真をハンマーで叩いたりできる。その他特殊な機能を多数搭載。

蒼真と一緒に行動するときは基本的に成熟期で、
必要に応じて進化や退化します。



[20761] 暁月編37[戦乙女Profile]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/09 13:22
**********

・前回のあらすじ

「はいよ」
「やっぱりウニだな…うまい!」
「やれやれ、こんな輸入品をうまいと言っているようじゃ、
 ほんとに美食家かどうか怪しいもんだ。
 このウニは出来損ないだ、食べられたもんじゃないよ」
「な、何だあんたは!」
「明日もう一度ここに来てください。
 こんな偽物よりずっとうまいウニをご覧に入れますよ」

――<中略>――

「御託は食ってから言うんだな」
「こんなものがうまいはずが…(モグモグ)
 …なんだこれは!?
 濃厚でいてとろけるようなまろやかさ!
 いったいこれは…?」
「魔物だ」
「は?」
「魔物」
「………」

以上

※あらすじには若干の誇張表現が沈殿していることがあります。
 よく振ってからお使いください。

**********

「「「シャッー!」」」

洞窟を歩いていると大きな空間に出た。
そこは崖の上で下には無数のはんぎょじん。
上の層にいたのはここからきていたのか。

「言葉も通じそうにないし、ここから爆撃するか」
「ほんとに蒼真は悪役だね」

上から手榴弾をばら撒く。

――ポンポンポン…

「ピギッ?」

半魚人の一体が不思議そうに頭にあたった手榴弾を手に取る。

――ボフッ

「「「ピギャァァァ!?」」」

生まれる地獄絵図。

「うわぁ…」
「自分でやっといてそれ!?」

ちょっとだけ罪悪感。

その後適当に手榴弾をばらまきながら、
崖を登って俺を狙ってきた奴は真空波で撃ち落とすことを繰り返し、
下の安全を確保して崖を降りる。

「魔物でほんとに良かった。血とか残ってたらトラウマになるな」
「何も残らないだけゴミよりマシだね」

落ち着けイツキ。

最近イツキがやばい。
今言ったセリフも無意識に言ったようで、
全然記憶にも残っていないようだ。

イツキの体の半分は俺の魔力から出来ていると言っていた。
もしかすると俺の前世の記憶まで流れ込んでるんじゃあるまいか。
…さすがにないか。

**********

――蒼真探索中…

「ヒヒーン!」
「ウーウーウマウマ♪」
「耳元で歌うな!」

――ベチャッ
「キャッ! やー!?」
「動くなって。今取ってやるから。スライムか」

「ポーペーポー!」
「なんでラッパ?」
「その槍をよこせぇ!」

――スコーン
「痛っ!」
「え? なになに?」
「なんかすごいスピードのものがぶつかってった…」

「キョァァァ!」
「耳が!? 耳が!? あああ!?」
[マンドラゴラの悲鳴を直接聞くと危険だよー]
「先に言えよ! ひとりだけ卵に戻りやがって!」

**********

耳が痛い。
なんかここ音響兵器ばっかりじゃねえか?
洞窟だから共鳴してすごくうるさい。

それはそれとしていろいろソウルと武器を手に入れた。



「それにしてもこんなところにまでウネは生えてるんだな」

硬い岩壁に無理やり生息している。

「普通の森とかに植えると枯れちゃうんだけどね」

魔力とかが適度に必要なのかな。



と、だいぶ下まで降りてきたな。
地図とPITを照らし合わせる。

「ここを真っ直ぐ行くと煉獄闘技場、更に下に行くと地下深殿だね」
「神殿に先に行くか」

神殿とか見てみたい。
礼拝堂の時も思ったけれど、
この系列の建造物は見ていて面白い。
時計塔とかとは違った面白さだ。
モン・サン・ミシェルとかも機会があれば行ってみたいと思っていた。



「この先だね」
「よし、行く…」

「待て!」

!?
え、なに?

――ブワッ

風とともに純白の羽が舞い落ちる。
鎧に身を包んだ美しき少女が現れた。

「恥は雪がせてもらうぞ、少年!」
「ヴァルキリー? こんなところにもでるのか」
「たぶん今のセリフから考えるとあの時の娘じゃないかな?」

あの時…ああ、あれか。

イツキの言葉に顔を真赤にするヴァルキリー。
やだ、かわいいじゃない。

――バチバチバチ…

でも持っているものが可愛くないでござる。

「なんかすっげーの持ってきたみたいなんだけど…」

美しい装飾のされた巨大な槍。
なんか放電してる。

「あれは…グングニル?」

いやいや、ヴァルキリーが持ってたらまずいんじゃねーか?

「ハァー!」
「うわっ!」

鋭く急降下してくる。
その軌跡がグングニルの放電によって鮮やかなラインを作る。

「ハァ…ハァ…」
「扱いきれてないね。息切れしてる」
「くっ…黙れ!」

イツキ、なぜ煽ったし。
再び急降下してきたヴァルキリー。

――グサッ

グングニルの先端がシルバープレートを突き破り、
俺の体を貫通した。

「やった!」
「フラグご苦労」
「!?」

それは残像、違った人形だ。

「スパイダーストリングス!」

――ベチャベチャベチャ

羽に粘液。

「あぐ…!」

――ドサ…

「スパイダーストリングス!」

――ベチャベチャベチャ

体に粘液、デジャブ。

「ふう…」
「そんな…確かに本物だったのに…」

そりゃあそう見えるようにできた人形ですから。

「僕の挑発のおかげで簡単に引っかかったでしょ?」
「それはない」

グングニルを奪い取る。

「あ…」
「重! こんなもん振り回してたのか…」

そりゃ息切れもするわ。

「…殺せ」
「はあ?」
「こんな醜態、二度も晒して帰れるか! 殺せ!」

顔真っ赤でこちらに吠えるヴァルキリー。

「どうするの?」
「………」

近づく。

――ビクッ

ヴァルキリーの体が一瞬震える。

「………」

更に近づく。

――ビクビクッ

…なんかもうね。

鎧に手をかける。

「な、なにを…」
「せっかくだから鎧ももらっておこう」
「!?」

兜を外す。
ふむ、やはり魔物娘は器量が良い。

――ガサゴソ…

スパイダーストリングスちょっと自重すればよかった。
ひん剥きにくい。

「や、ちょ、やめて…あ…」

てつのむねあて ゲット



「こんなところか…」
「うう…ひどい…」

あとには薄い布だけを身にまとった粘液まみれの少女だけが残った。

「蒼真…僕はもうなにもいわないよ」

イツキの目はなんだか冷たい。

「くっ…どうして…?」

涙で潤んだ瞳できいてくるヴァルキリー。

「さてね…お前、ここから無事に帰れる?」
「え…武器がないと…」
「そうか…」

糸で身動きのできないヴァルキリーの、
ギリギリ手の届かないあたりに、
先程トリトンからもぎ取ったトライデントを置く。

「よし。行くか」
「うん(あとで弥那ちゃんに改めて伝えておこう)」
「待って…ねえ、待ってよ…」

ヴァルキリーをその場に残し、
俺達は地下深殿へと足を踏み入れた。





・オマケ

どうして…どうして?
私は魔物で彼は人間。
トドメを刺すのに躊躇する必要はないはずなのに。

私を逃せばまた襲われるとわかっているはずなのに。
私程度ならいくらでも撃退できるということなの?

私はまた彼を襲うだろう。
また撃退されるのだろうか。
まためちゃくちゃにされてしまうのだろうか。

彼の置いていったトライデントに触れた手に、
なんだかじんわりと熱を感じた。





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グレートソード
防具 シルバープレート
他1 首蔵

・新しいソウル New

カイナッツォ
ナイトメア
マンドラゴラ

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
おにきり New
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル New

・防具

シルバープレート
すいりゅうのよろい New
てつのむねあて New

・その他

ポーション(そこそこ)
エリクサー
メイド服
手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)



やっぱりニードルス稼ぎってみんなやってるんですかね?
途中からミミック稼ぎに移行した裏切り者のユージンです。

デジモンは初代ワールド以外に触れたことがありません…。
みんながピコピコやっているのを遠くで見ていました。
ちなみにたまごっちもおんなじような感じでした。

イツキはご自由に進化させて構いません。
ただ一応人型というところだけは守ってあげて欲しいです。



[20761] 設定資料[ソウルまとめ]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/10 11:26
<ソウル>
魔物の魂を来須蒼真の支配の力によって吸収したもの。

その魂の魔物が持つ本質に基づきおこすことのできる現象を行使できる。
ただし魔物が存在をもったあとに取得した能力は、
ソウルから引き出すことはできない。(本作品のまじょみならいの工作技術等)
これは[魂がその存在の設計図である]という考え方から設定してます。

ソウルから引き出す能力は
1.その能力を行使する(バレットタイプ相当)
2.その性質を付加する(エンチャントタイプ相当)
3.その存在を実体化する(ガーディアンタイプ相当)
4.その技術を行使する(アビリティタイプ相当)
(例外あり)
ゲーム上でバレットに分類されるが本作品内で異なるものと扱われるものもあるかもしれません。

1.は発動の際に魔力を流し込む。
2.は能力の付加中は常に魔力を流す必要はあるがそもそもの消費量が少ない。
3.は実体化している間常に魔力を流す必要があるうえ消耗も激しい。
4.は発動の際に魔力を流し込むがそもそもの消費量が少ない。

またひとつのソウルに対して1~4の能力が定められているわけではない。
(暁月にてバレットのミニデビルは蒼月ではガーディアン)

またソウルは依代があれば支配する以前の記憶・能力で召喚することができる。

魂がある限り魔物は存在が崩壊しても記憶・能力を維持したまま再生できる。(ある程度の時間が必要)
魂が完全に消滅した魔物は記憶・能力を失い再生もできない。
しかしその魔物が人の伝承などに基づいたもの(死神や神話の主神等)である場合、
新たに魂が生み出されることがある。(非常に長い時間が必要)

とりあえずはここまで。


<現在の取得ソウル一覧(取得順)>

???
ウィングスケルトン
ゾンビ
スケルトンキッカー
グレイブキーパー
はんぎょじん(半魚人)
こうもり(蝙蝠)
ピーピングアイ
フライングアーマー
ゾンビアーミー
ウネ
ミニデビル
のみ男(蚤男)
エビルブッチャー
アルケニー
マルファス
キラードール
スケルトンブレイズ
ウッドゴーレム
スケルトンボーイ
ウンディーネ
キョウマ
コカトリス
インプ
デビル
メディウサヘッド
ハーピー
かみなりにんぎょう(雷人形)
スキュラ
マンイーター
カイナッツォ
ナイトメア
マンドラゴラ


<各ソウルに関する説明(取得順)>
一行目はKONAMI公式サイトの説明に基づき記入しています。(例外あり)

・???
異界の魂。三家の魂、在界の鎖なし。(本作品内で使用されない可能性があります)

・ウィングスケルトン(槍投げ)
魔力で生み出した槍を投げる。
狙いが定めにくいことに定評がある。

・ゾンビ(ゾンビボディ)
毒状態の時にステータスアップする。
嫁の飯でも何でももってこい。

・スケルトンキッカー(コメットキック)
2段ジャンプ中に「下+Aボタン」でキック。
本作品では2段の必要はないです。

・グレイブキーパー(バックダッシュ)
「Lボタン」でバックダッシュできる。
バックステッポ。経験が生きる。

・はんぎょじん(水鉄砲)
水鉄砲を飛ばす。
初代ぶっかけ技。

・こうもり(エコーオブバット)
超音波を出す。
範囲をもう少し大きくしてくれれば…!

・ピーピングアイ(サーチアイ)
壊せる壁がわかる。
他にも不自然であるものを解析できる。

・フライングアーマー(レビテーション)
落下速度がゆるやかになりより遠くへジャンプできる。
パラシュートというよりグライダー。

・ゾンビアーミー(コンバットボム)
手榴弾を投げる。
ピンがないので早く投げないとアフロになる。

・ウネ(ネイチャーマイン)
地面に地雷をしかける。
ウネが絡みつき身動きを封じる力も。本作品では蒼真の使うものにトゲはない。

・ミニデビル(トライカッター)
真空の刃を発生させる。
手伝ってやろうか? ただし真っ二つだぞ!

・のみ男(ホッピングマン)
のみ男が跳ね回る。
見ていると踏み潰したくなる。

・エビルブッチャー(ナイフ投げ)
ナイフを投げる。
槍よりは狙いがつけやすい。

・アルケニー(ジェイルネット)
敵に絡みつく蜘蛛の糸。
主に魔物娘に使われる。壁にぶら下がったりはできない。

・マルファス(2段ジャンプ)
ジャンプ中にもう一度ジャンプできる。
どうやっているのかは不明。

・キラードール(イミテーションドール)
敵の目を人形に向ける。
認識をずらす効果があり大抵の相手に効果がある。形は蒼真のイメージで変えることが出来る。

・スケルトンブレイズ(スライディング)
「下+Aボタン」でスライディングができる。
魔力を体と地面の間に薄く流しすべらせる。

・ウッドゴーレム(森林浴)
MP回復が早くなる。
仄かな檜の香りが癒しを与える。

・スケルトンボーイ(魅惑のカレー)
敵を引き付けられるカレーを投げる。
パイ投げのパイみたいに食べる用と投げる用がある。

・ウンディーネ(フローティング)
水上を歩くことができる。
水の精霊の加護ではなく、水の精霊の性質そのものを自分に付加する。

・キョウマ(ミラーワールド)
一定時間無敵になる。
異相次元を潜行できるが燃料が切れるとユニットが消滅してしまう。

・コカトリス(石化ビーム)
敵を石化させる光線を出す。
もちろん眼から出す。

・インプ(インプファミリア)
使い魔「インプ」を召喚。
あまり役には立たない。

・デビル(デビルフォーム)
悪魔に変身して突進する。
本作品ではその他にもいろいろできる。切り札である。

・メディウサヘッド(ベクトルZERO)
空中で停止できる。
慣性等ほぼ無視できるが、自分の体と認識できないもの(武器や服)を固定はできない。

・ハーピー(ウイングカッター)
刃のような羽を投げる。
「これは…ジョーの羽手裏剣!?」

・かみなりにんぎょう(プラズマブラスト)
指先から雷を生み出す。
使うとシスの暗黒卿にしかみえない。

・スキュラ(ディープシーカー)
水中に潜って行動できる。
喉のあたりで水から酸素を濾しとる。はじめは口を閉じていたのが悪かった。

・マンイーター(リップルレーザー)
リップルレーザーを撃つ。
グラディウスやってる人じゃないとわからない。魔力の輪っかである。

・カイナッツォ(Gカイナッツォ)
パンチで援護してくれる。
「オラァ!」

・ナイトメア(イーバルギャロップ)
ナイトメアを呼び出して攻撃。
ゲームではバランスブレイカーだと思う。乗ることもできる。

・マンドラゴラ(ラストスクリーム)
死の絶叫。
マクレディさん? 本質は音ではなく魔力の振動波。




[20761] 設定資料[道具まとめ]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/10 11:31
<悪魔城内部で手に入る物について>
悪魔城は混沌、特に人の負のイメージ(絶望・憎しみ等)から形作られている。
よって人が行動するのに不都合な構成がされている。
しかし混沌には正のイメージ(希望・慈愛等)も含まれるため、
女神像の部屋や壁の中の肉など人に対し良いものも構成される。
武器や防具、それ以外の道具等についても同様である。
壁の中の肉よりも時計塔にはメディウサヘッドが入ってこれないようにしてくれ。(階段ステージ)



<武器(取得順)>
一文目はKONAMI公式サイトの説明に基づき記入しています。(例外あり)

・コーラの瓶
喧嘩などに使用される一般的な武器。本作品の初期装備。
不良は割ってから使う。

・ショートソード
短めの剣。有角が護身用に渡した。
もっとましな武器をくれ。原作では何もくれなかったけど。足の妖精に折られた。

・ブロードソード
幅広の剣。アックスアーマーのいる部屋の鎧から拝借。
蒼真は素人なので無理な形でアックスアーマーに叩きつけた。結果折れた。

・クレイモア
大剣。隠し部屋にあった。
振り下ろすと持ち上げるのが大変だが、首蔵を使えばそんなの関係ねぇ。

・RPG
携帯式対戦車擲弾発射機。
ハマー、お前は何考えて神社に来たんだ。

・グレートソード
重量のある大剣。グレートアーマーから取得。
グゥレイトォ! 人の扱えるサイズでない気がするが、首蔵を使えばry

・ウィップソード
伸びる剣。蔵書庫の宝箱の中身。
ゲームと異なり使いにくさはピカイチ。腹に巻いて抜刀斎の拳を受け止めるしかない。

・ランス
騎兵の槍。落ちてた。
魔界村の英雄が持っているのもこの槍。馬の突進力を利用しての利用をチャージといったりする。

・コンバットナイフ
戦闘用ナイフ。ハマーから購入。
リーチは短いが長さ的に密着しても使うことができる。せっかく買ったけれどソウルに出番を食われている。

・パルチザン
幅広の穂先を持つ槍。ヴァルキリー様の生パルチザン。
ゲーム中のヴァルキリーの持っている槍こそランスに見える。

・フルンチング
刃に毒をもつ剣。悪魔城外壁にて取得。
いわゆる魔剣と言われる類。込められた魔力が毒の性質を発生させる。

・ミストルティン
神木から削りだされた剣。時計塔隠し部屋にて取得。
神話ではとある神を殺したという曰くがついてたり。木剣のわりに並の剣より切れ味は良い。

・ラハブの氷剣
氷の魔剣。地下水域にて取得。
ラハブはユダヤの伝説で海の悪魔だったはず。蒼月で出てきてニヤリとした人も多いはず。

・おにきり(鬼切)
鬼を斬ったといわれる。カイナッツォから取得。
日本刀は髭切丸などの伝説などに見られるように斬ったもので名前がつくことが多い。

・トライデント
三又の槍。トリトンより取得。
この名前を聞くと武器商人かと思う。

・グングニル
雷を起こす槍。ヴァルキリーから取得。
言わずと知れた北欧神話の主神オーディンのもつ神槍。本作品では投げても手元に戻ってこない。
ヴァルキリーが扱うことができなかったのは重いからではなく存在にレベルの違いがあるからである。





<防具>
一文目はKONAMI公式サイトの説明に基づき記入しています。(例外あり)

・コート
弥那から誕生日にもらったロングコート。
貴様にも見えるはずだ、見果てぬ先まで続くオレ達の闘いのロード!

・ふだんぎ
普段よく着ている服。
黒の長袖にジーパン。蒼真は服を破くことに定評がある。

・ぬののふく
布で出来た服。
意外と丈夫だがやはり破く。

・てつのむねあて
鉄の胸当て。
グレートアーマーの破片を布の服の残骸でつなぎあわせた。サイズがあっていない。

・シルバープレート
銀の胸当て。ハマーから購入。
魔力を通しやすい性質を持つため銀は道具に使われやすい。サイズがぴったりなのはなぜなのか。

・すいりゅうのよろい(水竜の鎧)
水属性攻撃に強い。地下水域にて取得。
魔力を取り込み水に対する防壁を生成する。

・てつのむねあて(ヴァルキリー)
ヴァルキリーからひん剥いたてつのむねあて。
ヴァルキリーは下に薄い布しか着けていなかった。





<その他の道具>

・首蔵
たくさんのものを収納することができる首飾り。(GOBほど理不尽な量は入らない)
秘宝と言われる類のもので現存数は非常に少ない。
武器の出し入れや食品の長期保管等いろいろできる。

・PIT
ポータブルインフォメーションターミナル。小型情報端末。
蒼真のものは2035年一般に流通しているものより数世代前のモデルを魔改造したもの。
特定のチップで機能を増やすことができる。
完全に余談だが有角の渡したチップのタイプは通常一枚ずつしか処理できないはずだが、
蒼真のPITは複数枚同時に処理できるモンスターマシンでありながら、
消費電力も現行モデルとほぼ同じというシロモノ。
その実態は違法改造という枠を超えた研究用実験機器である。完全防水。

(拡張)
魔物図鑑機能
地図拡張
道具図鑑

・オレンジジュース(缶)
弥那への差し入れ。

・初めての魔力(本)
首蔵にはじめから入っていた。
低年齢用基礎概念書。文字と絵でわかりやすく魔力について学ぶことができる。

・段ボール箱
あらゆる潜入活動をフォーマルにサポートする究極のアイテム。紙製。

・本(ラテン語他)
蔵書庫から持ち出した本。
実は外に持ち帰れば教会が高く買いとってくれる。

・プリン
プルンプルン。
茶碗蒸しではない。

・ポーション
体力を100回復する。
傷口にかけてよし、飲んでよし。
魔術的再生なので寿命は縮まない。

・メイド服
女装用アイテム。
売却不可。

・エリクサー
あらゆる傷・病を治療する。
魂から設計情報を引き出し再生する究極の霊薬。
若返り・美肌ほか多数効果あり。

・手回し充電器(PIT用)
ハンドルを回すことでPITを充電できる。
ハマーからもらったものは軍用モデルで通常とギア比が違いそこそこ力が必要。

・古文書
ゲームで言うこもんじょ。
ただし本作品内では役割が異なる可能性あり。
魔王の固有言語で記述されている。

・うまいにく(ウニ)
体力を290回復する。
なぜ肉を食うとケガが治るのか、悪魔城永遠の謎ではある。




[20761] 設定資料[魔物まとめ]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/13 11:32
<魔物>
人間の感情などによって生まれる魔力を素子とする存在。
もしくは理の外の存在。

(ゾンビの生成例)
1.とある人が墓場で動く人影を見る(これは眼の錯覚や見間違い)
2.死体が蘇って動き始めたんじゃないかという噂が広がりみんなが不安に思ったりする
3.魔物の魂が生まれ魔力から存在を形成する
4.それが死体に乗り移り、実際に死体が動き始める

多くの人が知っているとその魔物の魂は発生しやすい。
よって神話などの魔獣のほか神すらも魔物として発生する。



<魔界>
人の感情などが蓄積してできた空間。いわば魔界自体がひとつの魔物とも言える。
現世とはズレた世界にあたる。魔物が通常住んでいる場所でもある。
物事の境界(黄昏・葬式等)から現世へ潜り込むこともある。
悪魔城は魔界と現世の境界に存在しているため、
悪魔城が復活するたび魔界から現世に魔物が流れ込んだ。



今はここまで





<出会った魔物一覧>
・荒城回廊
ウィングスケルトン
スケルトン
ゾンビ
スケルトンキッカーEX
はんぎょじん
こうもり
アックスアーマー
がしゃどくろ
ピーピングアイ
キラーフィッシュ
ゾンビアーミー

・礼拝堂
ゴースト
ビッグゴースト
のみ男
ウネ
マンティコア
ミニデビル
ゾンビソルジャー

・悪魔城蔵書庫
エビルブッチャー
「なんだかよくわからないものの皮」を表紙に使った本
アルケニー
ドゥルガー
まじょみならい
グレートアーマー

・舞踏館
ゴーストダンサー
キラードール
ビッグゴーレム
ツチノコ
ウッドゴーレム
ミノタウロス
スケルトンボーイ

・幻夢宮
プロセルピナ
コレクター
ディスクアーマー
ヴァルキリー
カーリー
キョウマ

・忘却の庭園
コカトリス
デッドトルーパー
レッドクロウ
インプ
スケルトンキッカー
デビル

・時計塔
メディウサヘッド
ボンバーアーマー
グレムリン
ゴーレム
ハーピー
かみなりにんぎょう
しにがみ

・地下水域
ニードルス
マンイーター
ナイトメア
トリトン
スライム
カイナッツォ

・地下深殿
ユコバック
ヒトガタ
レギオン
ヌクレアス





<各詳細>
・ウィングスケルトン
骨の翼を与えられたスケルトン。蒼真の初めての魔物。
骨の割に案外もろく固いもので叩けば一般人でも倒すことができる。

・スケルトン
魔術で操られている白骨死体。有角のソウルスティールではじけ飛んだ。
本作品内では自律行動している個体の方が多い。

・ゾンビ
魔術で偽りの魂を与えられた屍。
本作品内のゾンビは魔術によるものではなく自然発生個体。
腐った肉や崩れた骨を無理やり繋げているため柔らかい。

・スケルトンキッカーEX
飛び蹴りを得意とするスケルトン。蒼真のトラウマ。
ベルモンドクラスの能力を持った骨である。
該当するのはキシン流のサスケとハンゾウのみ。

・はんぎょじん
水辺に生息し近寄る獲物を襲う。
知能指数は低い。

・こうもり
城に住み着いた吸血コウモリ。
吸血鬼のイメージから生まれた魔物であるため通常の蝙蝠とは存在そのものが異なる。

・アックスアーマー
斧を装備した鎧兵。
斧をブーメランのように扱う個体もいる。

・がしゃどくろ
重さで半身がちぎれた巨大な骸。
明らかに人間の骸ではない。

・ピーピングアイ
城内の監視役。
城の主がいない今はただこちらを見つめてくるだけの存在。
こっちみんな。

・キラーフィッシュ
人食いの大型魚。美味いらしい。
ピラニアなどに対しての間違ったイメージから生まれたのだろうか。

・ゾンビアーミー
36年前に乗り込んできた兵士のなれの果て。
たまに本物の手榴弾を持っている奴がいる。



・ゴースト
城を永遠に彷徨う小さき亡霊。
鬱陶しさはのみ男に並ぶ。

・ビッグゴースト
城の魔力で巨大化した亡霊。
\でけえ!/

・のみ男
のみのように飛び跳ねる怪人。
鬱陶しい。

・ウネ
刺のある葉で獲物を攻撃する妖草。
魔力の不十分な土地に植えると枯れる。

・マンティコア
獅子の身体にコウモリの羽、サソリの尾をもつ怪物。
たぶん人造のものはキメラと呼ばれる。

・ミニデビル
小さくても侮れない悪魔。
悪魔は基本的に人間の敵対者である。

・ゾンビソルジャー
36年前に乗り込んできた上級兵士のなれの果て。
要するにアーミーの上司。

・エビルブッチャー
使い込まれた包丁はなんでもさばく。


・「なんだかよくわからないものの皮」を表紙に使った本
蔵書庫の本棚に入っていた本。
背表紙を撫でるとおとなしくなる。

・アルケニー
女性の姿を持つ蜘蛛の怪物。
雑食。

・ドゥルガー
殺した者の肉を食らう悪魔。
パールバティの別名の一つ。

・まじょみならい
魔女になるため特訓中。飛行はたまに成功するらしい。
本作品のまじょみならいは壊れかけである。

・グレートアーマー
猛将たちの屍から造られた重装鎧兵。
鎧に怨念を込められたものなので、破壊しても残骸が残ったりする。



・ゴーストダンサー
優雅に踊る貴族の亡霊。
踊り以外は頭にない。

・キラードール
殺人鬼の魂が乗り移った人形。
チャイルドプレイ。

・ビッグゴーレム
偽りの命を吹き込まれた土人形。
土というより岩の塊である。

・ツチノコ
2035年に来須蒼真が実在を証明した幻の蛇。
※魔物です。

・ウッドゴーレム
偽りの命を吹き込まれた木の人形。
ゴーレム系では一番やわい。

・ミノタウロス
怪力を誇る半牛半人の怪物。
知能指数は非常に低い。

・スケルトンボーイ
美味しいカレーを運ぶスケルトンのボーイ。
運ぶのではなく創り出している気がする。



・プロセルピナ
伯爵に仕える悪魔のメイド。
最近練度にムラがある。

・コレクター
殺した者の首を収集している悪魔。
蒼真と熱いひと時をすごした。

・ディスクアーマー
回転円盤を極めた鎧兵
ループザループ。

・ヴァルキリー
美しい姿に邪悪な心をもつ戦乙女。
気高き女。潜入任務中に酷い目に遭う。

・カーリー
4本の腕で破壊をもたらす魔神。
パールバティの別名の一つ。

・キョウマ
鏡の中から人を襲う悪魔。
プロセルピナに目の敵にされている。



・コカトリス
睨みつけた相手を石に変える怪鳥。
三歩歩くと目標を見失う。

・デッドトルーパー
馬を駆る侍の亡霊。
出会えー、出会えー。

・レッドクロウ
返り血で赤く染まった邪悪なカラス。
光るものに目がない。

・インプ
いたずら好きの小悪魔。
悪魔よりも妖精に近い。自然からではなく人から生まれた妖精と言える。

・スケルトンキッカー
飛び蹴りを得意とするスケルトン。
性能は高いはずだが <あれ> と比べると見劣りする。

・デビル
深淵の地獄から現われた悪魔。
好戦的で頭もよくない。



・メディウサヘッド
メディウサの頭から量産された魔物。
蒼真の大切な物を奪った。

・ボンバーアーマー
爆弾を投げる鎧兵。
爆弾を適当に投げるため思考のある魔物たちからの評判は低い。

・グレムリン
機械をいじるのが好きな妖精。
からくりから電子機器までなんでもござれ。

・ゴーレム
偽りの命を吹き込まれた土人形。
これが基本となりさまざまなゴーレムタイプが作成された。

・ハーピー
女の上半身を持つ怪鳥。
山岳地帯で出会うと非常に厄介。

・かみなりにんぎょう
電気椅子にかけられた死刑囚の怨念が宿る人形。
人を見つけると襲いかかる。

・しにがみ
ドラキュラの腹心。
主がいなくなってからは少々鬱気味である。



・ニードルス
凶凶しく成長したウニ。
味は通常のものよりも良い。

・マンイーター
頭蓋骨に寄生する怪蟲。
シューティング業界からの回し者。

・ナイトメア
夢に巣食う悪魔。
きちんと育ててからレースに出馬しよう。

・トリトン
水辺の支配者。
ラッパを吹くのはただの趣味。

・スライム
ゲル状の物質でできたモンスター。
イツキをベトベトにした。

・カイナッツォ
口うるさい地獄の鬼
本作品内では描写がカットされた。



・ユコバック
灼熱した体で現れる釜炊きの悪鬼。
小さいが凶暴な性格。

・ヒトガタ
魂のない肉の塊。
レギオンの構成要素。

・レギオン
多くにして、一つなるもの。
気持ちが悪い。

・ヌクレアス
レギオンの核。
ヒトガタと同じ体だが魂がある。




[20761] 設定資料[人物まとめ]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/13 11:32
<来須蒼真>
クルスソウマ

18歳

本作品の主人公。
齋宗真(現代大学生21歳)の記憶があり、悪魔城シリーズに関する知識がある。
物心がついた頃に自分を見失い精神崩壊しかけたことがある。
その頃に弥那と出会い、弥那の面倒をみることで少し安定した。

齋のころの反省を生かし、小さい頃からトレーニングや技術の習得に力を注いでいたが、
余りにいろいろなことに手を出しすぎてほとんどが中途半端に終わっている。

なぜか同級生から近寄りがたいと思われていて悩んでいる。
原因は本人が少し離れた位置からみた物の考え方をしているせいでもある。

女性経験は齋のころも含め、皆無。ファーストキスはお母さん。
弥那をネコっかわいがりしている。
一時光源氏計画を実行していたが、近づきすぎて妹のように感じてしまっている。

現在は大学受験に向けて適度に勉強中であった。





<白馬弥那>
ハクバミナ

18歳

蒼真の幼なじみで巫女。
白馬神社の一人娘で休みの日は仕事を手伝ったりしている。
蒼真のことを頼れる人だとは思っているが、
同時に危なっかしくて放っておけないと思っている。
精神崩壊しかかっていた時期の蒼真を知っているので、
蒼真がずっと人に言えないなにかに耐えていると思い込んでいる。

特別な力は持っていないが非常に親しみやすく誰からも愛されている。

現在は蒼真と同じ大学に行くために勉強中。





<イツキ>
半妖精


月下にてアルカードの補助をした半妖精と同個体。
しかし一度完全に卵まで還元されてあるため知識は継承しているが、
記憶は受け継いでいない。
その体は蒼真の魔力を受けてできているため、
蒼真が混沌に飲まれると体調を崩す。

最近蒼真が魔物娘にひどいことしたときに、
弥那に報告するのが趣味になっている。





<有角幻也>
アリカドゲンヤ

年齢不詳

黒のスーツに身を包んでいる男。
その正体はドラキュラの息子、通称アルカードである。
国の諜報機関に所属していること以外には詳しいことはわかっていない。
偽名があからさまなのは、
吸血鬼(に近い存在)が名前に縛られるという性質のせいでもあると考えられる。

白馬神社に出入していたりすることから、
弥那のことを狙っていると蒼真には思われている。





<グラハム・ジョーンズ>

36歳

狂信的な信者の多い新興宗教の教祖。
ドラキュラが消滅した際に生を受けたことで、
自らをドラキュラの生まれ変わりであると自称する。
冷静で残忍な性格。





<ヨーコ・ヴェルナンデス>

24歳

教会所属の魔女。
ヴェルナンデス一族の末裔であり、魔力の扱いについてのエキスパート。
意外とおせっかい。
独身。

本作品内では教会の命令でグラハムを追って城に入った。





<ハマー>

34歳

軍人。
気分屋で気に入らない仕事はしない。
商売に興味があり、城の内部でショップを開く。
重火器の扱い、体術、言語学など実は異常にハイスペック。







55歳

1999年に事故で記憶を失った退魔師。
ハイスペックという言葉の意味が崩壊するほどの性能を誇る人間核弾頭。
ドラキュラという存在に深い恐れをいだいている。





<サスケ・ザ・キシン>
スケルトンキッカーEX

とある退魔師の骸から生まれた魔物。
通常のスケルトンキッカーと異なり、
生前鍛えられた技術と熱い魂で城を徘徊している。

すべての命を別け隔てなく愛する、という考えを持っているが、
その中に自分を含む人間という種族がはいってない。
自己犠牲を拡大解釈した結果である。

とある魔物を助けるため退魔師の仲間を犠牲にしようとした際にその仲間に討たれる。





<ハンゾウ・ザ・キシン>
スケルトンキッカーEX

とある退魔師の骸から生まれた魔物。
生前はサスケの義兄にあたる。
同じように生前鍛えられた技術は衰えていない。

キシンの名はその流派の人間の証である。

人間種族を第一に考えその上で救えるだけの魔物は救う、という考えを持つ。

サスケが討たれた際に当主としての責任をとるため自刃、死体は弟と共に城に残る。





<まじょみならい>

名もなきまじょみならい。
蔵書庫にいる。
存在が安定してから日が浅く、戦闘力は高くない。
魔物よりも強い力を持った人間に興味を示す。

最近は重火器にお熱である。
コロシアムでは賞品のユニコーンの角を目当てに参加。





<コレクター>

人の首を集めコレクションしている悪魔。
幻夢宮にて遭遇。
彼女の香水は自分の魔の気配を薄くしたり、相手の警戒心を和らげる効果がある。
でも香水がなくても蒼真はホイホイついて行った気がする。

自分自身も三つの首を使い分けている。
美しき貴婦人の顔
魔術師たる老人の顔
悪魔の顔

最後は混沌の魔力に飲まれ魂が消滅した。





<隊長さん>
プロセルピナ

幻夢宮のメイド達の業務を取り仕切るパーフェクトメイド。
と思いきや意外なところが抜けていたりする。

部下からの猛烈なアプローチに苦労しているが、
最近はとある少年と噂がたっているため徐々に減っている。





<犬耳メイド>
プロセルピナ(ワーウルフ)

首輪をつけた犬耳のメイド。
ドジっ娘メイド。
プロセルピナは個体差が激しいが、
その中でも珍しい人狼種。

首輪はグレイプニルのレプリカ。

コロシアムに参加することになったが何も説明は受けていない。





<ヴァルキリー>

純白の鎧に身を包んだ少女騎士。
卑怯なことが嫌いだが、
最近卑怯なことをされる自分に不思議な感触をいだいている。





<しにがみ>

もっとも古くから悪魔城に関係のある魔物。
死の神というものはあらゆる世界に伝承があるため、
その力は他の魔物を凌駕する。

ドラキュラが完全に消滅したあとは、
彼の魔力の結晶である悪魔城を下賎な人間に使わせないようにしている。

蒼真の中の支配の力に気づき力を試そうとするが、
混沌の力の前に魂が消滅してしまう。



[20761] 暁月編38[そのもの、大勢であるがゆえに]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/10 20:59
**********

・前回のあらすじ

ヴァルキリー極

脱走に失敗したヴァルキリーは、
再びコロシアムに出場させられる。

かならず卑怯な手段で敗北し、
最後には大観衆の前で…。

ギリギリのところで理性を保つヴァルキリーだったが…

「(くっ…何を考えているんだ! ここは敵地なのに…!)」

指が止まらない…
もっと…もっとめちゃくちゃに…

以上

※あらすじには若干の誇張表現が含まれます。
 夜見るときは電気をつけて離れて読んでね。

**********

今グングニルが熱い。

槍としては重く扱いづらいが、
それよりもその一撃に付随する電撃が素晴らしい。
地下深殿層に入ってから襲ってきたユコバック(火を撒く小鬼)の群れを一振りで殲滅した。
こいつぁすげえや!

「しかし地下に沈んだ神殿だから地下深殿なのか」
「まあわかりやすくていいんじゃない?」

だれが名前をつけたのか…人の希望か。
感動的だな、だが無意味だ。

魔物をグングニルで吹き飛ばしながら神殿の中に入る。

「入り口は崩れてるな…」
「遺跡みたいだね。中はきれいだけど…」
「ああ」

…清浄な空間のようで、
なんだか淀んだ空気が流れている。
気持ちの悪い場所だ。
魔物もいない。



――ぺたぺたぺた…

気をつけて探索を…おふう。

「おっぱお」
「蒼真、冷静になるんだ」

マッパの女性が数人左右の通路から歩いてきた。
眼がうつろで顔に生気もない。そのまま神殿の奥に消えていった。

――ぺたぺたぺた…

残ったのは石の床を素足が歩く音だけ。

「「………」」

なんだったんだ。

――ぺたぺたぺた…

後ろからの足音に振り向く。
若干の希望を込めて。

「くぁwせdrftgyふじこlp」
「蒼真、冷静に…意外と大きいな…」

男だった。
無論マッパの。
やはり眼がうつろで顔に生気がない。
それよりイツキ、お前はナニをみた。

――ぺたぺたぺた…

神殿の奥に消えていく。

「「………」」

なんともいえない雰囲気になる。

「なあイツキ」
「ちょっと待って。なんかこんな感じの現象に関係のある魔物いた気がする…」

いやお前、マッパの男女が同じ方向にって…。

「その…あっちの系統じゃなかったとおもう…」

ちょっと顔の赤いイツキ。
何を想像したのか詳しく聞き出したいとも思わないでもないが。

「とりあえず先に進んでみよう」
「…そうだね」

**********

その後神殿を進むたびに同じようなヒトガタにあったが、
みんな奥を目指しているようだ。

見ていて気づいたがこのヒトガタは人間ではない。
人の霊魂のようなものが抜け落ちている。
ただの動く肉の塊だ。

ところで完全に余談になるが、
ヒトガタはこちらのしてくることに反応しないため、
俺は眼の虚ろな女性のヒトガタに対して、
<スイッチオ~ン! ピンポ~ン!>
とか言いながらその体に接触することもできる。

イツキがいるからしないけど。
仲間が見ている中でそれを敢行した某マスター奪取には脱帽せざるを得ない。

なんか見てて触らないのはイライラするので、
男性のヒトガタに足引っ掛けたら、
無言で立ち上がり再び歩きはじめた。

「なんかここ恐い」
「空のヒトガタがひとつの場所に集まる…確か…」



お?
神殿の最奥部についたようだ。
ダンスホールのような広い空間。

「ここは祭壇…ってうわぁ…」

ヒトガタが集まって絡み合い、
とてもじゃないが見せられない惨状になっている。
歪みねえな。

その塊が突然空中に浮かび上がった!

「思い出した…! 多くにして、一つなるもの…」

飛んでいった先にも大きな塊があり、
それとさらに絡み合い、
どんどん大きくなっていく。

「レギオンだ!」
「こいつが…!」

無数のヒトガタが絡みあい巨大な肉の球体をなす。

レギオン、襲来。

**********

「こっちくんなあー!」

ゆっくりとこちらに近づいてくる大怪球レギオン。
なんか触りたくない。

どうやらこちらを押し潰そうとしているようだ。

「なにやってんの! あいつらに取り込まれちゃうよ!」
「戦いたくないわけじゃない。触りたくないだけだ」
「言ってる場合じゃないでしょ!」

遠距離攻撃だ。

――パチン…シュンッ

真空波を放つ。

――ビシュッ…ボテ…

ちぎれたヒトガタの腕が飛んできた。

「…うわぁ! うっわぁ!」
「気持ちはわかるけど冷静になろうよ…」

気持ち悪いよぉ…。
腕は魔物と同じように塵になって消えていった。

――ボトボト…

一部が崩れることで絡まっているヒトガタも数体落ちてきた。
こいつらも俺を狙っているのようだ。
抱きついてくる。

「なんで男ばっかなんじゃあ!」

「本体が来るよ!」

ぬぐあぁぁぁ!
鬱陶しい!

「カイナッツォォォ!」

カイナッツォのソウル、それは…

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!」

――ドドドドド…

スタンド・スターカイナッツォを呼び出す。

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!」

――ドドドドド…

いや魔力でカイナッツォを生みだして援護させるだけなんだけどね。

「オラァ!」

――ドベシャァ!

ヒトガタをまとめて吹き飛ばす。

「ふう、すっきりした」
「本体きてるって!」

うおい!?
忘れてた!

距離をとるため逃げる。

「なんか弱点はないのか!?」
「相手は数の魔物だから、とにかく周りのヒトガタをなんとかしないと…」

確かに質より量の魔物だ。
スターカイナッツォのパンチ一発でヒトガタは崩れていった。

それにしても数が多すぎる。

「くそ…持久戦ってことか…」
「落ち着いてれば対処できるはずだよ!」

やってやる…!

**********

――蒼真戦闘中…

「イツーキ! 弾持ってこい!」
「たまぁ!?」
「いいぞ、ベイべー!
 逃げる奴はレギオンだ!
 逃げない奴はよく訓練されたレギオンだ!」
「………」

ホント持久戦は地獄だぜ!
フゥハハハァー!

※イメージです

**********

「ハァ…ハァ…だいぶちっちゃくなったな…」

肉の塊がだいぶ小さくなった。
それでも数十人、内部を考えると三桁いくだろう人数が絡み合っている。
ここまでで魔力をだいぶ使ってしまった。

「…!
 何かくる!」
「え…」

――シュンシュンシュン…

肉の塊が内側から発する光線により崩壊した。
中から丸いカゴのようなものに触手のついた物体が現れる。

「これが本体か?」
「あの触手からレーザーを出してる! 気をつけて!」

気をつけろと言われてもレーザーは無理だろ。

――ジュン…

かすった。

「熱っちちち!?」
「かすっただけで…」

これはまずい。
かすっただけで火傷した。
あたったらウェルダンにされてしまう。

「とにかく早く決着をつけないと!」
「ぬおぉぉぉ!」

悪魔に身を変えグングニルをカゴに突き刺す。

――メキョ…

「やったか!」
「蒼真、それフラグだから!」

カゴが割れて中から…赤ん坊?

赤ん坊が宙に浮いている。

――ぺたぺたぺた…

!?
またヒトガタか!

赤ん坊に気を取られている間に、
再び大量のヒトガタが部屋に集まってきた。

「くらえ!」

グングニルで振り払う。

「蒼真、なんかやばいよ!?」
「ああ!?」

振り向くと赤ん坊がいつの間にか先程の肉塊球と同じくらいのサイズにまで膨らんでいる。

な、こいつはまさか…

「こんなの見たことない!? 蒼真、やばいよ!」
「ヌクレアス…」

こいつがレギオンの核かよ…

――オギャァ…オギャァ…

祭壇で一匹の魔物が産声を上げた。





・オマケ

…ん…あれ?
また眠っちゃったんだ…。
ん?
これって…

[メモ帳は確かにいただいたぜ! 蒼真一世]

そっか…いっちゃったんだ…。
会いたかったな…。
…お土産にプリン?
どこで見つけたんだろ?

もう一枚ある…イッちゃんだ。



…蒼真くん、メイドさんにそんなことしたんだ、ふーん。
少し注意したほうがいいかなぁ…。





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 シルバープレート
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
おにきり
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

シルバープレート
すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

ポーション(そこそこ)
エリクサー
メイド服
手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)



ソウルと道具についてだけまとめてみました。
設定厨のユージンです。
なお設定には悪魔城ドラキュラシリーズとは関係の無い二次設定が含まれます。
あくまで本作品内においての設定です。
矛盾があるときは指摘してくださるとびっくりするほどユートピアです。



[20761] 暁月編39[絶対ずずりの方がいいよ]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/11 22:32
**********

・前回のあらすじ

LEGION

祭壇は無数のヒトガタであふれていた。
そんな中、大量の武器で武装したひとりの男が現われる。
蒼真と名乗るその男は、
堕落した人類を絶滅させるため、
神が恐ろしい天使軍団レギオンを遣わした、と驚愕の事実を明かす。
彼は神の命に背き人類と共に戦うことを決意した唯一の大天使なのだった。

彼は人類を率いて天使軍団レギオンへの反攻を宣言する…。



神に見捨てられた人類と天使たちとの壮絶な闘いを描くアクション・スリラー。
「悪魔城―もう一度、あなたと…―」などで視覚効果を手掛けたIGA監督が初メガホンを取り、
神に背いた大天使・蒼真に率いられる人類の運命を迫力の映像で映し出す。
出演は『レオナルド・コード』のジュスト・ベルモンドと、
『最強バンテージ』のマクシーム・キシン。
ジュストが演じる、力強くセクシーな大天使・蒼真の姿は必見。

Yamoo!JAPAN映画より引用

以上

※あらすじには若干の誇張表現が含まれます。
 1話読むごとに100日ずつ寿命が縮まることはありません。

**********

――オギャァァァ!

「ぬわぁぁぁー!?」

体当してくるヌクレアス。

ぐわんげ様みたいだ。
巨大化した赤さんに襲われるとか、マジ勘弁www

「いったいなんなのこれ!?」
「ええい、知らないものの一つや二つで動揺するな!」

イツキの動揺がハンパない。

ヌクレアス。
細胞核とかいう意味だったか。
体の質は見た感じではヒトガタとそう変わらない。

「せい!」

――パチンッ…ヒュオッ!

振り向き、再びこちらに突っ込んでくるヌクレアスの片腕を真空波で切り落とす。

――オギャァァァ!

支えを失った体が地面に倒れる。
だがヌクレアスはそのまま突っ込んできた。

「ぬわぁぁぁー!?」

ギリギリで躱す。
痛みを感じないのか?

だが装甲は紙だ。
一気に細切れにしてやる!

――ぺたぺたぺた…


またヒトガタが集まってきたか。

「鬱陶しい!」

グングニルで吹き飛ばす。

――グチャ…グチャ…

背後からした湿った音に振り向く。

…なにこのドラッグオンドラグーン。

「ヒトガタを…食べてる…」
「気持ち悪い…」

吐き気を催す光景だ。

…そしてヒトガタを食べ終えたヌクレアスはこちらを向く。

――ボコボコボコ…

腕の切断面が泡立ち膨れ上がり、
はじめの腕よりも一回りほど太い腕が再生した。
ヒトガタを食って再生、
しかももしかするとダメージを与えるほど強くなるタイプでしょうか?

「これは…」

イツキも恐れおののく。

――オギャァァァ!

先程より若干早いスピードで突っ込んでくるヌクレアス。
まだ避けることはできるがヒトガタもどんどん集まってきている。
再生に制限がないのとおんなじだ。

どうしよう。

「イツキ、なにか作戦はあるか?」

…あれ?

「イツキ? アレェー!?」

いない。
僕らの希望、イツキングは行方不明になられた。

――オギャァァァ!



これはだめかもしれん。

**********

「ハァ…ハァ…確かにこっちから…」

神殿を飛ぶ一匹の半妖精。
それはヒトガタが向かう方向、祭壇から逆に進んでいく。
ヒトガタが出てくる方向に向かって。

「(ヒトガタを止めれば再生力は失われるはず…急がないと!)」

そしてたどりつく。

――ドクン…ドクン…

「ハァ…ハァ…ここか…」

その部屋は中心に真っ白な脈動する球体のある部屋だった。
球体にはいくつかの管がついていて、
今もそこからヒトガタが生み出され続けている。

「(ここがヒトガタの生まれる場所…ここの機能を止めれば!)」

蒼真の首蔵から持ち出したのはフルンチング。
毒の魔剣であるこれなら、力がない半妖精でも生産室の機能を妨げることができるかもしれない。

「やぁ!」

――ザクッ…

両手で構えた魔剣が球体に突き刺さる。

――ドクッ…ドッ…

毒が流れ込み球体の脈動が徐々に遅くなる。
そして管から生まれるヒトガタも崩れていく。
最後には完全に機能を停止した。

「これで…」

――ぺたぺたぺた…

「しまった!?」

ヒトガタにかこまれる。

「(くっ…蒼真…!)」

――ぺたぺたぺた…

**********

ひとりでできるもん!

嘘です。
イツキー、きてーはやくきてー。

マジ持久戦。
腕プルプルしてきた。
ポーションを走りながら飲み、筋肉疲労を回復させる。

再生を繰り返したヌクレアスはいつのまにやら体のそこかしこが歪にふくれあがっている。
まあ全体の大きさ自体はあまり変わってないけど。

――オギャァァァ!

逃げながらばらまいた囮人形に対し突っ込んでいくヌクレアス。

「ふん!」

――ザクッ

それにあわせグングニルをすれ違いざまに側頭部に突き刺す。
なんかモンハンみたいだよ。

電撃で頭が焦げて吹き飛ぶが、
すぐにヒトガタを食べて再生される。

ジリ貧ってレベルじゃねーぞ!



――蒼真戦闘中…



やばい。
眼が霞んできた気がする。
ポーションも残り少ない。
腕プルプルでグングニルがもう持てないので、
ラハブの氷剣で戦ってる。
しかも数十回ほど囮人形にひっかかったあとは的確にこちらを狙うようになってきた。

イツキはどこにいったのだろう。

――キュインキュイン…

え…
動きを止めたヌクレアスの額に突然光が集まり始めた。
いやな予感しかしない。

そして、

――コオォォォ!

レーザーをこちらに照射した。
そういえばその形態でもレーザーだすんだっけ。

回避?
撃たれた時点で胸に被弾しましたがなにか?

シルバープレートがなければ即死だった。

――ドロッ…

「熱っ! 熱い!」

溶けた銀が肌を焦がす。

急いで脱ぎ捨てる。
貫通はしていないが、
もうこれは使えそうにない。

「うぐぅ…高かったのに…」

――キュインキュイン…

またかよ!?

くそ!
なにか対策を…いや、間に合わない!

横に跳び去る。

――コオォォォ!

自分のいた場所をレーザーが焦がす。

これは本格的にまずい。
体当たりよりもレーザーの方が有効だと気づいたのか?

――キュインキュイン…

再度チャージを開始したヌクレアス。



さあどうする。

1.煙などを立ててレーザーの減衰を狙うか?
不可、今できることでは十分な煙が立たない。

2.鏡などでレーザーを反射するか?
不可、鏡とか持ってないし…キョウマのソウルは回避には使えるが消費の割に時間が短すぎる。

3.残りの魔力を使い、デビルのソウルで一撃で倒すか?
不可、ヒトガタを食って再生されるのがオチ…ん?

さっきからヒトガタの気配がないな…。
打ち止めなのか?

そうだとしたら…

「ぬおぉぉぉ!」

悪魔に身を変え、グングニルを突き出し接近する。
額の向きから適当にレーザーが照射されるであろう位置を予測。
そこにシルバープレートの残骸を投げ盾にする。

――コオォォォ!

予測が曖昧だったため半分程度しか防げなかったが、あとは我慢する。

「(~~~っ!?)」

想像以上の熱量。
気分はラミエルに狙撃された初号機。
肌が焼ける匂いがする。

だが立ち止まらない。
というか強く踏み込みすぎて立ち止まれない。

「ぬぉぉぉりゃぁぁぁ!」

だからやれるだけやる!

――ザクッ!

そのまま跳び上がりヌクレアスの額、レーザーの発射口にグングニルを突き立てる。

――ボッ!

発生した電撃に頭の半分がはじけとび、まわりに体液をとびちらせる。

――オギャァァァ!

それと同時に魔力を使い果たした俺は、
元の姿に戻り地上に墜落した。

――ドサッ…ゴロゴロ…

ぬぐ…痛つつ…。
どうなった?

顔の上半分がなくなった赤ん坊、ヌクレアスはまわりを手探りでヒトガタを探していたが、
しばらくすると動きが緩慢になり体が崩れていった。

――オギャァ…オギャァ…

断末魔をあげながら消えていくヌクレアス。

――ボシュッ

その体からソウルが抜け出て吸収される。

レギオン ソウルゲット



そして祭壇には静けさだけが残った。

…長い戦いだった。

残っていたポーションで火傷を治す。
思ったよりひどい火傷ではなかったが、
結局ポーションは全部使いきってしまった。


そういえばイツキは!?

祭壇にはいない。
急ぎ祭壇を出ると、
ヒトガタの残骸が道を示すように崩れていた。
その道をたどると…

「…蒼真?」
「イツキ…お前…」

部屋の真中で白い液体でびしょびしょになったイツキ(完全体)が座り込んでいた。

「無事だったんだ。ヒトガタが生まれるのを止めてたんだ」

黙っていなくなってごめんね、というイツキ。

「生産室の機能を止めたまでは良かったんだけど、そのあと残ってたヒトガタに囲まれて…」
「…言わなくていい」

イツキを抱きしめる。

「え…ちょっと…」
「本当に助かった」

そしてすまなかった…。

こうしてこの戦いは幕を下ろした。





・オマケ

「(…どうしよう。囲まれて卵に戻ってやり過ごしただけなのに)」
「俺は…俺は…お前に頼ってばっかりだ…!」
「(その上いきなりヒトガタが崩れて体液を浴びちゃっただけなのに)」
「俺、絶対に強くなる…!」
「(間違いなく勘違いしてるよね…)」
「今度は俺が守るから…!」
「(うわぁ…めちゃくちゃ泣いてるよ。どのタイミングで言えばいいんだろ…)」

※本作品は一般向けです。






**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具
他1 首蔵

・新しいソウル New

レギオン

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
おにきり
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

エリクサー
メイド服
手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)



ギリギリ間に合った。

巷で話題のPSPソフト・覇王鬼帝。
買おうか迷ってました。
うそです。

パイプオルガンのコンサートに行ってきました。
バッハ無双の選曲に驚きです。



[20761] 暁月編40[奇跡の発現]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/12 12:53
**********

・前回のあらすじ

「イツキ」

蒼真は眼に涙をうかべて言った。

「俺を殴れ。力いっぱいに殴れ。
 俺は途中で一度、悪い夢を見た。
 お前がもし俺を殴ってくれなかったら、
 俺はお前と抱擁する資格さえ無いのだ。
 殴ってくれ」

イツキはうなずき音高く蒼真の右頬を殴った。
殴ってから優しく微笑み、

「蒼真、僕のことは殴るな。
 僕は結構な回数、君を疑った。
 だが君が僕を殴れば、僕は君と抱擁できない」

蒼真は全力でイツキの頬を殴った。

以上

※あらすじには若干の誇張表現が含まれます。
 自分のお尻を両手でバンバン叩きながら白目をむき、
 ベッドを昇降しながら読むと安全かもしれません。

**********

とても恥ずかしい勘違いをしていたが、
いろいろあってなんとかなった。
イツキの体についていたヒトガタの体液も、
休憩している間に塵となって霧散したようだ。

「そういえば祭壇の奥にはなにかあったの?」
「みてない。確認しにいくか」



ソウルキーパーがあった。

――ガシャッ

ガラモス ソウルゲット

ガラモス!?
仮にも魔王になろうとしていた奴がどうしてこうなった。

能力は…魔人の性質を身に宿す?
よくわからんな。

まあそのうち適当に使ってみよう。



「神殿の中にも魔物が入ってきたな」
「レギオンがいなくなって、あの妙な気持ち悪さもなくなったからかな?」

壊れたシルバープレートの代わりにすいりゅうのよろいを装備し魔物たちを蹴散らす。
魔力はまだ回復しきってないがこの程度の雑魚ならば、
腕プルもほぼ治っているのでグングニルで蹴散らせる。

「ふぅん! (消えろ雑魚ども!)」

無双状態!
これがやりたかった!

――ヒューン…サクッ

「いてっ…ナイフか」

のみ男のような体格の小悪魔、リッパーの投げたナイフがカスったようだ。

…最近痛みや苦しみに対して耐性ができてきた気がする。
今更だがレギオンのレーザーに突っ込むとかありえないことしてたな。

もしもそのうち痛みや苦しみが快感に変わり始めたら、
さすがに首をくくろうと考えている。

「こんなところさっさと出よう」
「そうだね。次はどこに行く?」

一番近いところだと、煉獄闘技場か…。
コロシアムとやらもやっているかもしれないし、
覗くだけでも行ってみよう。



俺達は移動を開始しようとした。
だが、その前に厄介なものに巻き込まれたようだ。

――ウニョウニョ

「「「キッー!? キッー!?」」」

リッパー達のナイフが飛んでこなくなったとおもったら、
ウネに絡みつかれて身動きが取れなくなっていた。

「ウネが今熱い!」
「…待って、ただのウネじゃない!」

――チュウ…チュウ…

ウネに絡みつかれたリッパーが水分を失い干からびていく。
ウネはもともとトゲのある妖草ではあるが、
獲物から直接養分を吸い取る性質はないはずだ。

これは…

――ゴゴゴゴッ…

「フフフッ、ごちそうさま♪」

リッパーに絡みつくウネの背後に現れた通常より遥かに巨大なウネ。
その中から美しい女性の上半身が、真っ赤な唇を舌で弄びながら現れた。
無論人間部分は生まれたままの姿である。

ご存知ないのですか?
彼女こそウネからチャンスをつかみ、
スターの座を駆け上がっている、
超時空魔物娘、アルラ・ウネちゃんです!

「おうふ…」
「蒼真、これがアルラ・ウネ…上ばっか見てないで下の部分に気をつけて!」

ちが、違うよ!
別に裸に眼が釣られたわけじゃないんだから!

「あら…こんなところに人間なんて…懐かしいな…」

舌なめずりしながらこちらをみつめるアルラ・ウネ。
とても魅力的です。

「ちょっとこっちに来てくれない?」
「蒼真! 絶対ダメ…蒼真ぁ!?」

ホイホイ近づきましたが何か?

アルラ・ウネの本体の前に立つ。

「…ちょっとは警戒すると思ってたんだけどなー?」

頭をポリポリとかくアルラ・ウネ。

「警戒? いつでもしてるさ。
 いま君が俺に危害を加えれば、一瞬でバラバラにしてみせるさ」

ハッタリです。
魔力が足りなくて真空波がだせません。
ただホイホイ近づいただけです。

「怖い怖い。…でもこんなのはどう?」

――ズボッ

「へ、ひゃあ!?」
「イツキ!?」

イツキがウネ触手に絡みつかれた。
しかし可愛くない悲鳴だ。

なるほど。
さっき近づかなければ潜めていた触手で絡め取られていたわけだ。
計算通り。

「…やっぱりこの娘、あんまり美味しくなさそう」
「味に好みがあるんだ…」
「言ってないで助けてよぉ!?」

触手に絡みつかれ全身を拘束されるイツキ。
PITをビデオモードに切り替え撮影する。

「いいぞ、もっとやれ!」
「ええ!?」

アルラ・ウネにドン引きされた。

「えっと…あの娘を助けたければあなたの養分を…みたいな話なんだけど…」
「テンプレですね、わかります」
「その…優しくするから!」
「………」

なんか…うーん。

「なあ君」
「え、なに?」
「今後人間を襲わないって約束できたりする?」
「…人間吸わないと死んじゃうんだけど」
「リッパーとか吸ってたじゃん?」
「…人間吸いたいの!」

仕方ないね。

「ところで触手に違和感を感じたりしてない?」
「へ?」
「例えば捕まえた半妖精がいなくなってたり」
「!?」

[蒼真のバカー!]

触手にはイツキの姿はなく、
卵だけが地面に落ちていた。

「さて、条件は五分に戻った…むしろこちらが有利なわけだが…」
「…それでも人間吸いたいの!」

ウネ触手のトゲをこちらに殺到させるアルラ・ウネ。
それが刺さるよりも先にグングニルがアルラウネに突き刺さり、
その体を電撃で爆散させた。

――ボシュッ

アルラ・ウネ ソウルゲット

「いくら綺麗に花が咲いても、人はまた吹き飛ばす…」
「さて、まずはさっきのPITのデータを消してもらおうか?」

イツキに動画ファイル消された(´・ω・`)

**********

やっと神殿区域を抜けた。

「この先が煉獄闘技場か」
「うん。コロシアムに参加してくの?」

優勝できそうだったらしてもいいかな?
レギオンみたいのが出場してたら即離脱だが。



煉獄闘技場へ足を進めているとき、それは目に入った。

二人の男女が重なりあうように立っている。

あれはヨーコさんと…

「ぐっ…!」

――ドサッ…

女が地面に倒れる。

「ヨーコさん!?」

いったいなにが!?

「邪魔が入ったか…まあいい」

男はグラハムか!

「貴様…!」
「ふん…」

――スッ…

グラハムの姿が歪み、消える。
ワープしたのか。

それよりも…
ヨーコさんは!?

倒れている彼女に近づく。

「大丈夫か!?」
「だ、大丈夫…。助かったわ…」

腹部を深くナイフでえぐられている。
内蔵までとどいているかもしれない。
グラハム…なんてことを!

「奴は…城の力を得て…以前とは…比べ物にならない…力を…
 あは、は…予定が…狂っちゃった…」
「肺に傷が入ってるかもしれない! しゃべらなくていい!」

どうしてこんなことに!

「イツキ! なんとかできないのか!」
「ポーションはもうないし、あったとしてもこの傷じゃあ応急処置程度にしかならないよ!」

くそ!
あのエセキュラめ!

「蒼真…くん…奴には…気をつけて…」
「!?
 ヨーコさん!」

…気を失っている。
早く手当しないと…。


こうなったら…

首蔵から取り出したのは虹色の液体の入った小瓶。

「そっか! 確かにエリクサーなら…でもいいの?」
「どうせ俺が持ってても肝心なときに使えないんだ!」

それだったら、自分以外の人のために使ったほうがいい!

傷口に振りかける。



エリクサー
それは奇跡を起こす秘薬。



ヨーコさんの体が強烈な光に包まれる。
何も見えない…。

その光がやんだあとに残ったのは、
静かに眠っているヨーコさんの姿だった。
傷口のあとすら残っていない。
呼吸も安定している。

「…よかった」

その場にへたり込む。
ほんとに良かった。



「これほどの力を得ていたとはな…」

背後からの声に振り向く。
そこにいたのは…

「有角? なんでここに…いや、そんなことはどうでもいいか…」
「ヨーコの治療にエリクサーを使ったのか…」

ヨーコさんの具合を見ながら有角は言う。

「ああ…なにか文句でも言いたいのか?」
「いや…構わん。彼女は俺が移動させておく。お前は先を急げ」

俺じゃあ確かにヨーコさんを移動させることはできない。
任せるしかないか…。

それよりもこの機会だ。
疑問には答えてもらおうか…!

「グラハムも玉座に向かってる。玉座には何がある?」
「それは言えん」

無表情で言う有角。

「だが、お前はそこに行かねばならない。
 そうしなければ、弥那も、そしてヨーコも助からん」
「…気に食わないな。
 お前は嘘をつかないが、性格は最悪だよ」
「こちらにも事情がある」

その事情がわからなくてイライラするんだよ!



仕方なく闘技場の方向へ向かう。

せめてもの意趣返しだ。

「ヨーコさんを頼んだぞ、アルカード」

有角の驚愕の表情を、
しっかりと脳に焼き付けながら、
俺は煉獄闘技場へ足を踏み入れた。





・オマケ

馬鹿な…。

「半妖精…」
「いまはイツキって呼んでほしいな」
「そうか…蒼真はいったい…」
「…僕にも詳しいことは話してくれない」
「そうか…」
「ただ前世の記憶がある、そう言ってた」
「!?」
「置いて行かれちゃうから、もう行くね」

…父上の記憶を?
そうだとしたら…俺は…。

だが立ち止まるわけには行かない…か。



壮大な勘違いでござる。





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル New

ガラモス
アルラ・ウネ

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
おにきり
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

メイド服
手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)



神は言っている…ガラモスは時間停止無効で終わる運命(さだめ)ではないと…

ヨーコさんはいいのか?
大丈夫だ、問題ない。



[20761] 暁月編40改修版[奇跡の発現]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/24 13:37
**********



・修正に関するお詫び





「あれ…なにやってんの弥那?」



学校で友人が廊下をうろちょろしているのを見つけた。



「ちょっとね…あ、――さん、ちょっといいかな?」
「なにかしら?」



近くを通り過ぎた女子生徒になにか質問している。



「ちょっと蒼真く…来栖くんについて聞きたいんだけど…」
「…あの危ない奴でしょ?」



弥那は女子生徒から話を聞いてメモを取っている。
…ほんとになにをやっているのか。



「ありがとう」
「別にいいわよ。じゃ」



「…なにやってんの?」
「ちょっと蒼真くんに頼まれてね。自分の評判が知りたいって」
「………」



それは私に言っていいことなのか?



「それじゃ、またね」
「うん…」



弥那はいってしまった。

いや、少し離れたところでまた誰かに質問している。





…やっぱり弥那は無意識の内に質問の対象を選んでいるな。
――さんや――さんも避けている。

そして私のことも。



「来栖蒼真…か」
「え、なに?」



何気なく呟いたその名前に背後から声がかかる。



「…!?」
「うおっ!? え、なに、なに?」
「…来栖くん?」
「いや、そうだけども」



後ろにいたのは来須蒼真本人だった。

来須蒼真。
白馬弥那の幼なじみ。

顔立ちは整っているが、
初めて会った人間にはやや威圧感を与える目をしている。



「呼ばれた気がしたんだが…」
「気のせいよ」
「え…」
「気のせいよ」
「…?」



彼は首をかしげながら遠ざかっていく。



…びっくりした。
まさか本人がいるとは…。





彼は私のことなんて憶えていないだろう。
まともに会話したのも随分前のことだ。

だけど彼は変わっていない。
ずっとあの時のままだ。



「はぁ…ソーマ兄ちゃん…」



来須蒼真。
昔からここに住んでいる人はみんな知ってる変わり者だ。





※お詫びはどうした!
 ハハハッ…すり替えておいたのさ!



**********



とても恥ずかしい勘違いをしていたが、
いろいろあってなんとかなった。
イツキの体についていたヒトガタの体液も、
休憩している間に塵となって霧散したようだ。



「そういえば祭壇の奥にはなにかあったの?」
「みてない。確認しにいくか」



ソウルキーパーがあった。



――ガシャッ

ガラモス ソウルゲット



ガラモス!?
仮にも魔王になろうとしていた奴がどうしてこうなった。

能力は…魔人の性質を身に宿す?
よくわからんな。

まあそのうち適当に使ってみよう。



――ギシャー…

「神殿の中にも魔物が入ってきたな」
「レギオンがいなくなって、あの妙な気持ち悪さもなくなったからかな?」



壊れたシルバープレートの代わりにすいりゅうのよろいを装備し魔物たちを蹴散らす。
…シルバープレートより可動域が狭いかな?
デザインは俺好みなのに。

魔力はまだ回復しきってないがこの程度の雑魚ならば、
腕プルもほぼ治っているのでグングニルで蹴散らせる。



「「「キッー!」」」

「ふぅん! (消えろ雑魚ども!)」

――バチンッ!

「「「キョー!?」」」



雷を纏う一振りが見果てぬ先まで続く俺のロードを切り開く。



無双状態!
これがやりたかった!



――ヒューン…サクッ

「いてっ! …ナイフか」



のみ男のような体格の小悪魔、リッパーの投げたナイフがカスったようだ。
頬から一筋の血が流れる。

…最近痛みや苦しみに対して耐性ができてきた気がする。
今更だがレギオンのレーザーに突っ込むとかありえないことしてたな。



もしもそのうち痛みや苦しみが快感に変わり始めたら、
さすがに首をくくろうと考えている。



「こんなところさっさと出よう」
「そうだね。次はどこに行く?」



一番近いところだと、煉獄闘技場か…。
コロシアムとやらもやっているかもしれないし、
覗くだけでも行ってみよう。



俺達は移動を開始しようとした。
だが、その前に厄介なものに巻き込まれたようだ。



――ウニョウニョ…

「「「キッー!? キッー!?」」」



リッパー達のナイフが飛んでこなくなったとおもったら、
ウネに絡みつかれて身動きが取れなくなっていた。



「ウネが今熱い!」
「…待って、ただのウネじゃない!」

――チュウ…チュウ…



ウネに絡みつかれたリッパーが水分を失い干からびていく。
ウネはもともとトゲのある妖草ではあるが、
獲物から直接養分を吸い取る性質はないはずだ。

これは…



――ゴゴゴゴッ…

「フフフッ、ごちそうさま♪」



リッパーに絡みつくウネの背後に現れた通常より遥かに巨大なウネ。
その中から美しい女性の上半身が、真っ赤な唇を舌で弄びながら現れた。
無論人間部分は生まれたままの姿である。

ご存知ないのですか?
彼女こそウネからチャンスをつかみ、
スターの座を駆け上がっている、
超時空魔物娘、アルラ・ウネちゃんです!



「おうふ…」
「蒼真、これがアルラ・ウネ…上ばっか見てないで下の部分に気をつけて!」



ちが、違うよ!
別に裸に眼が釣られたわけじゃないんだから!



「あら…こんなところに人間なんて…懐かしいな…」



舌なめずりしながらこちらをみつめるアルラ・ウネ。
とても魅力的です。



「ちょっとこっちに来てくれない?」
「蒼真! 絶対ダメ…蒼真ぁ!?」



ホイホイ近づきましたが何か?

アルラ・ウネの本体の前に立つ。



「…ちょっとは警戒すると思ってたんだけどなー?」



頭をポリポリとかくアルラ・ウネ。



「警戒? いつでもしてるさ。
 いま君が俺に危害を加えれば、一瞬でバラバラにしてみせるさ」



ハッタリです。
魔力が足りなくて真空波がだせません。
ただホイホイ近づいただけです。



「怖い怖い…でもこんなのはどう?」

――ズボッ

「へ、ひゃあ!?」
「イツキ!?」



イツキがウネ触手に絡みつかれた。
しかし可愛くない悲鳴だ。

なるほど。
さっき近づかなければ潜めていた触手で絡め取られていたわけだ。
計算通り。



「…やっぱりこの娘、あんまり美味しくなさそう」
「味に好みがあるんだ…」
「言ってないで助けてよぉ!?」



触手に絡みつかれ全身を拘束されるイツキ。
PITをビデオモードに切り替え撮影する。



「いいぞ、もっとやれ!」
「ええ!?」



アルラ・ウネにドン引きされた。



「えっと…あの娘を助けたければあなたの養分を…みたいな話なんだけど…」
「テンプレですね、わかります」
「その…優しくするから!」
「………」



なんか…うーん。



「なあ君」
「え、なに?」
「今後人間を襲わないって約束できたりする?」
「…人間吸わないと死んじゃうんだけど」
「リッパーとか吸ってたじゃん?」
「…人間吸いたいの!」



仕方ないね。



「ところで触手に違和感を感じたりしてない?」
「へ?」
「例えば捕まえた半妖精がいなくなってたり」
「!?」

[蒼真のバカー!]



触手にはイツキの姿はなく、
卵だけが地面に落ちていた。



「さて、条件は五分に戻った…むしろこちらが有利なわけだが…」
「…それでも人間吸いたいの!」



ウネ触手のトゲをこちらに殺到させるアルラ・ウネ。
それが刺さるよりも先にグングニルがアルラウネに突き刺さり、
その体を電撃で爆散させた。

焦った相手ほどヤりやすい相手はいないね。



――ボシュッ

アルラ・ウネ ソウルゲット



「いくら綺麗に花が咲いても、人はまた吹き飛ばす…」
「さて、まずはさっきのPITのデータを消してもらおうか?」



イツキに動画ファイル消された(´・ω・`)



**********



やっと神殿区域を抜けた。



「この先が煉獄闘技場か」
「うん。コロシアムに参加してくの?」



優勝できそうだったらしてもいいかな?
レギオンみたいのが出場してたら即離脱だが。



煉獄闘技場へ足を進めているとき、それは目に入った。

二人の男女が重なりあうように立っている。

あれはヨーコさんと…



「ぐっ…!」

――ドサッ…



女が地面に倒れる。



「ヨーコさん!?」



いったいなにが!?



「邪魔が入ったか…まあいい」



男はグラハムか!



「貴様…!」
「ふん…」

――スッ…



グラハムの姿が歪み、消える。
ワープしたのか。

それよりも…
ヨーコさんは!?

倒れている彼女に近づく。



「大丈夫か!?」
「だ、大丈夫…。助かったわ…」



腹部を深くナイフでえぐられている。
内蔵までとどいているかもしれない。
グラハム…なんてことを!



「奴は…城の力を得て…以前とは…比べ物にならない…力を…
 あは、は…予定が…狂っちゃった…」
「内蔵に傷が入ってるかもしれない! しゃべらなくていい!」



どうしてこんなことに!



「イツキ! なんとかできないのか!」
「ポーションはもうないし、あったとしてもこの傷じゃあ応急処置程度にしかならないよ!」



くそ!
あのエセキュラめ!



「蒼真…くん…気をつけて…
 まだ奴は…城主の間に…たどり着いて…いない…
 急がないと…更に…ぅ…」
「!?
 ヨーコさん!」



…気を失っている。
早く手当しないと…。



…!
こうなったら…

首蔵から取り出したのは虹色の液体の入った小瓶。



「そっか! 確かにエリクサーなら…でもいいの?」
「どうせ俺が持ってても肝心なときに使えないんだ!」



それだったら、自分以外の人のために使ったほうがいい!

傷口に振りかける。



エリクサー
それは奇跡を起こす秘薬。



ヨーコさんの体が強烈な光に包まれる。
何も見えない…。

その光がやんだあとに残ったのは、
静かに眠っているヨーコさんの姿だった。
傷口のあとすら残っていない。
呼吸も安定している。



「…よかった」



その場にへたり込む。
ほんとに良かった。





「これほどの力を得ていたとはな…」



背後からの声に振り向く。
そこにいたのは…



「有角? なんでここに…いや、そんなことはどうでもいいか…」
「ヨーコの治療にエリクサーを使ったのか…」



ヨーコさんの具合を見ながら有角は言う。



「ああ…なにか文句でも言いたいのか?」
「いや…構わん。彼女は俺が移動させておく。お前は先を急げ」



俺じゃあ確かにヨーコさんを移動させることはできない。
任せるしかないか…。

それよりもこの機会だ。
疑問には答えてもらおうか…!



「グラハムも城主の間に向かってる。
 城主の間には何がある?」
「それは言えん」



無表情で言う有角。



「だが、お前はそこに行かねばならない。
 そうしなければ、弥那も、そしてヨーコも助からん」
「…気に食わないな。
 お前は嘘をつかないが、性格は最悪だよ」
「こちらにも事情がある」



その事情がわからなくてイライラするんだよ!



仕方なく闘技場の方向へ向かう。

せめてもの意趣返しだ。





「ヨーコさんを頼んだぞ、アルカード」





有角の驚愕の表情を、
しっかりと脳に焼き付けながら、
俺は煉獄闘技場へ足を踏み入れた。





・オマケ



馬鹿な…。



「半妖精…」
「いまはイツキって呼んでほしいな」
「そうか…蒼真はいったい…」
「…僕にも詳しいことは話してくれない」
「そうか…」
「ただ前世の記憶がある、そう言ってた」
「!?」
「置いて行かれちゃうから、もう行くね」



…父上の記憶を?
そうだとしたら…俺は…

だが立ち止まるわけには行かない…か。



壮大な勘違いでござる。



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル New

ガラモス
アルラ・ウネ

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
おにきり
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

メイド服
手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)



ちょっとだけ修正。
度重なる修正、申し訳ありません。



[20761] 暁月編41[コロシアム]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/16 21:26
**********

・前回のあらすじ

「イツキが触手に絡み取られてしまった!」
「ら、らめぇ~~~!」



「しっかりしろ! いかん、このままでは助からない」

――キュイーン

「おい、しっかりしろ。アルヨーコ」
「あなた一体なに、その格好は?
 私にもこんなもの着せて、ふざけてるの?」
「いいか、君の命を救うにはこれしか方法がなかった。
 君をヒーローにするしかなかったのだ。
 君にその資格があるかどうかを細かく調べている余裕がなかった。
 だが、今日から君はヒーロー <アルヨーコ> だ」



以上

※あらすじとは誇張表現です。

**********

目を瞑る。
そうすると今まで聞こえなかったものが聞こえるようになることがある。



[ドラキュラ城最強の魔物を見たいかーっ!]
[[[うおぉぉぉー!]]]
[私もっ! 私もです、みなさんっ!]



まあ別に眼を瞑らなくても聞こえるわけだが。



[全出場者入場!]



煉獄闘技場では円形闘技場、いわゆるコロシアムにおいて大会が開かれていた。
曰く、<城内最強決定戦>



[みんなの愛した化物が帰ってきた! 更なる研鑚を積み魔界から甦った!
 レッドミノタウロスだぁーっ!]



俺が煉獄闘技場についたときは魔物がすんごい行列をつくっていて中が見えなかったんだ。



[ベスト・ディフェンスは私の中にある! 鉄壁のガード!
 デッドクルセイダー!]



んで、近くにいたワーウルフが普通に話しかけてきて、
いろいろ教えてくれたわけだ。



[なんでもありならこいつが怖い! スカルミリオーネだぁーっ!]



なんでも煉獄闘技場は三人の悪魔が管理していて、
試合以外の戦闘行為は御法度で、人間を襲うこともできないとか。



[でかぁぁぁいっ説明不要! ビッグがいこつ!]



戦いたければ試合にでる。
それがここのルール。



[魔女の修行はどーしたっ、明らかに場違いにしか見えない魔物娘っ!
 まじょみならいの参戦だ!]



このルールがなかったらあんたに噛み付いてたぜ、と言われた。
本人になぜ言ったし。



[生前の穿孔儀礼がこんなところで役に立つとはっ!
 スケルトンの期待の星! スケルトンビーマーだぁーっ!]



ヨーコさんのことは有角に任せてある。
なんだかんだでよくしてくれるだろう。



[ワージャガーとの宿命の戦いっ! その決着を我々は見ることになるのか!
 ワータイガー!]

[そいつが出場するなら、立ち止まれないっ!
 ワージャガー!]



せっかくだから試合を見ていこうと思ったのは自然だと思う。
トトカルチョもやってたし。



[メイドの魂が燃え上がる!
 幻夢宮からの刺客、プロセルピナだぁーっ!]



選手に時々知っている顔が混ざってるが俺は気にしない。



[邪魔する奴はぶっ潰す! 煉獄闘技場きっての暴れん坊!
 最近カルシウムが足りない、ルビカンテ!]



コロシアムは異常な熱気に包まれている。
その中で普段仲の悪い魔物も喧嘩せずに観客席にいるのがとてもシュールだ。



[暗黒の力を知らしめたい! アークデーモン!]



情報収集したところ、ここの管理者である三悪魔は、
サキュバス、テスカトリポカ、フレイムデーモンらしい。



[話してみると意外と知識人! アラストールが来てくれた!]



ひとりだけ主神クラスがいる気がするんだが、
魔物同士だと気にしないのだろうか。



[今の自分に死角はない! 空中殺法が牙をむく! エリニュス!]



テスカトリポカ…ワージャガーに贔屓とかはしないのだろうか。



[俺はどこにも止まらねえ! ミスターノーブレーキ、グラディエーター!]



俺がこうして状況を念入りに確認してるのにはワケがある。



[こんなやつ城にいたっけか!? 謎の吸血動物、チュパカブラぁ!]



はじめから気づいてたと思うけどさ。



[最後に飛び入り参戦!
 待機していたワーウルフといつの間に入れ替わった!?
 人間代表、来栖蒼真ぁ!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



なんか気づいたら出場してた。





・オマケ

「な、いつの間に蒼真が出場してるの!?」
「ん、妖精…あの坊主の知り合いか?」
「! ワーウルフ!?」
「別にとって食いやしねえよ。
 ったく、まさかあの坊主と並んだ列が入れ替わっていたとは…」
「…選手だったの?」
「おう。まっ、あいつにゃ運が悪かったと思ってあきらめてもらうしかねえな…」
「…蒼真は強いよ」
「人間だろ? さすがに無理だろ。
 この大会に参加しているのは、各種族でも突然変異っていってもいい奴らだぜ?
 っと、早く賭けにいかねえと…」
「…その賭け、僕も参加できる?」
「金以外でも賭けれるぜ。クククッ、体でもかけてみるか?」
「…これを賭けるよ」
「! これは魔剣か? …へへ、面白そうじゃねえか。ついてきな!」





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング(イツキ所有)
ミストルティン
ラハブの氷剣
おにきり
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

メイド服
手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)



誤字、訂正しました。
幻翼氏、御指摘ありがとうございます。

卵形態については、
卵のような小石みたいなものだと思ってもらいたいです。
像が踏めば割れるかもしれませんが、
落としたり人が踏んだくらいでは割れないと思ってもらって大丈夫です。

アルラ・ウネのソウル
イチャイチャする。
「みぃなぎるぅ!」



[20761] 暁月編42[一戦目]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/14 17:22
**********

・新ジャンルあらすじ・番宣

正義の味方・アルヨーコによって、
ここにひとつの悪魔城が滅びた!

しかし、あらたなる敵がぼくらの街を襲う!

正義は!?

Does justice ever exist?



新番組・J3X(ジェイスリーエックス)

2038年春、公開未定。



「俺は本当に正義の味方なのか…?」」

ひとりの中年が真実を取り戻す…。



以上

※始まりません。

**********

[以上十六名を出場者とし、ここに <城内最強決定戦> を開催します!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

[本大会はトーナメント制!
 試合表を御覧ください!]

トーナメント表が掲示される。
だが、試合の組み合わせが記入されていない?

[本大会におきましては、
 各組み合わせの一試合目、すなわち第八試合までの組み合わせを、
 試合開始直前にくじびきによって決定します!]

なるほど。

[最後のひとり、優勝者にはぁ!]

――バンッ

スポットライトが照らされる。

大量の宝箱や食料、それに混ざって…

「(ソウルキーパー!?)」

これは読めなかった。
やれるとこまでやってみるか…。



[では第一試合の組み合わせを発表します!]

――ゴソゴソ…

丸い穴の開いた箱から二つの玉が取り出される。

[第一試合、ビッグがいこつ 対 スケルトンビーマー!
 まさかの骨同士の戦いだぁ!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

[試合開始は十分後! それまでに運営により勝敗の予測によるトトカルチョが行われます!
 お近くの運営委員が窓口となりますので…]

他の出場者は待機中に争いごと以外はなにをしてもいいらしい。
また試合中は特等席で観戦できる。

それはまあそれとしてイツキはどこに行ったのだろう?
ここにいる限り襲われることはないと思うが。

**********

[おっと、ビッグがいこつ崩れていく! 第一試合の勝者はスケルトンビーマーだぁ!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

予想以上に盛り上がったな。
意外にも見ていて楽しい。

[ストラスさん、今の試合の結果はいかがでしょうか?]
[そうですね…やはり大方の予想通りの結果でしたね。
 ビッグがいこつには再生後に次の機会があれば、また参加して欲しいところですね]

フクロウの試合中の解説もわかりやすく、
またピーピングアイを利用したのか、
普段どのように城で過ごしているかなどの情報も流され見て聞いて楽しい大会だ。

[続きまして、第二試合の組み合わせを発表します!]

――ゴソゴソ…コロコロ

[第二試合、スカルミリオーネ 対 人間・来須蒼真!]

おっ?
次は俺か。

さて、がんばってみよう。
危なくなったら棄権するが。

**********

[さあ! ついに始まります! 魔物対人間、本コロシアムではじめての組み合わせです!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

これは…想像以上に恥ずかしい。
大観衆の真ん中に立つというのは殆ど無い経験だ。

[オッズはスカルミリオーネが圧倒的な有利と出ていますがどうでしょうか?]
[確かに人間が魔物と戦う、と聞いたならばそのようになるでしょうね。
 しかし彼はここまで無事に来る実力の持ち主であることを考えると、
 大番狂わせというのも期待できるのではないでしょうか?]

[なるほど。さあ緊張の面持ちの蒼真君に対して、スカルミリオーネ! 余裕の表情だぁ!]

コロシアムの中心を挟んで反対側にいる槍を持った鬼は、
顔に薄ら笑いを浮かべている。
むかつく。

[試合開始!]



その宣言と共に、槍を突き出しこちらに突っ込んでくるスカルミリオーネ。
グングニルを盾にしてその一撃を防ぐ。

――ガキッ

大丈夫だ。
この程度の相手なら俺でも戦える。

つばぜり合いのようになる俺とスカルミリオーネ。

「人間かぁ…クククッ…」

スカルミリオーネが笑いながら槍から手を離す。

――ザシュッ


爪か。

肩に小さな傷ができる。

[おーっと! 先制したのはスカルミリオーネか?]
[まだ闘いの序盤です。蒼真君が持っているのはグングニルですしね。
 あれなら一撃で戦局はひっくり返すことができるでしょう]
[勝負はこれからということですね?
 さてここで来須蒼真に関する情報が上がってきています。
 今回の城の現出の際に城へ侵入。
 その後は各層の有力な魔物を倒しながら城内部を探索していたようです]

スカルミリオーネは距離をとって近づいてこない。
放送を聞いているのだろうか。

[撃墜スコアには、なんとしにがみも含まれているようです!]



「しにがみを倒した人間?」
「それ人間なのか?」

魔物から人外扱いかよ。

[そのほかピーピングアイからの情報によりますと、
 各地で魔物娘が蜘蛛の糸に絡まる事件が発生しているようですが、
 その犯人は蒼真君のようです!]

「その情報いらねえよな!?」

思わず口を挟んでしまった。



――ドクンッ

!?
なんだ?
体が…重い…?

「やっと効いてきたか…こんなに効きが悪いとは…お前ほんとに人間か?」

[これはぁ! スカルミリオーネの毒の爪だぁー!]

毒ぅ!?
そんなのありか!?

[[[ブーブー!]]]

[観客席から非難のブーイングが巻き起こっています!]

「ひゃへへ! 勝てばいいんだよ、勝てばぁ!」

動きの遅くなった俺を爪で切り裂こうとしてくる。
はじめから槍はフェイクか!

[スカルミリオーネの言うとおりコロシアム内ではルール無用! 反則なしです!]
[ふむ…実に有効な戦法ですね。人間である以上毒への抗体はない。
 うーん、これは決まってしまったかもしれませんね]
[さあ一方的な展開になってきました!]

肌の露出した部分を切り裂かれていく。

体が重い。
くそ。
これが毒というものか…。



毒?

「ひゃはっ! 逝っちまいなぁ!」

――パシッ

「な、なんだとぉ!?」

[おぉっと! スカルミリオーネ、手首をつかまれた! 蒼真君、突然の反応です!
 ここからの逆転があるのかぁ!?]
[ん? この感覚は…]

――ドドドッ…

「くそ! はなしやがれ!」

反対の手で切り裂こうとするスカルミリオーネ。
その手も受け止める。

「な、毒はまわっているはずだ…いったいどこにこんな力が!?」

――ドドドッ…

「城に入ったときに支配の力を手に入れたが…
 これほどまでに絶好調のハレバレとした気分はなかったなぁ…」
「!?」
「なじむ…実に! なじむぞ!」

ゾンビのソウル。
それはゾンビが死体を動かす際に、
死体の不調な部分、すなわち毒の部分の効果を逆転させる性質を発現させる。

「WRYYYYYYYYY!」

スカルミリオーネの腕をへし折る。

――ベギョッ

「がぁぁぁ!?」
「最高にHIGHってやつだ! フハハハ!」

――ドゴッ

スカルミリオーネの顔を全力で地面にたたきつけた。
頭が潰れたスカルミリオーネは塵となって崩れていった。

――ボシュ

スカルミリオーネ ソウルゲット



[………]
[[[………]]]

コロシアムに静けさが舞い降りる。

[! ただいま入りました情報によりますと蒼真君は支配の力を所有している模様です!
 スカルミリオーネも支配下におかれたようです!]

そんなことはどうでもいい。

「どうした司会者ぁ! 俺の勝利を宣言しろぉ!」
[しょ、勝者、来須蒼真!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

ゾンビのソウルがなければ危なかったぜ。



来須蒼真、第一戦目勝利。





・オマケ

「ほー、盛り上がってるじゃねえか…」
「! ニンゲン…メシ…」
「!? 落ち着けグーちゃん! ここ人間襲っちゃダメだから!」
「ワガッダ…ニンゲン…クウ…」
「わかってない! くそ、脳が完全に腐っちまったか?」
「ニンゲン…!」
「うお!?」

――バチバチバチ!

「グ…グーちゃーん!? ああ、こんなに木っ端微塵に…」
「ここでの争いは禁止されている。そのルールを守れないのならば即刻立ち去れ」
「!? す、すみませんでしたー!」

――タッタッタッ…

「おお、助かったぜじーさん」
「…人間を食う魔物は多い。
 ここが特殊だから生きていられるということを自覚するんだな」
「はいはい…ところで、ここで勝手に商売してもいいんかね?」
「商売?」
「ああ、せっかくだからとおもってな。適当に飲み物と食い物を用意してきた」
「おう、人間のおっちゃん! ビール一本くれ!」
「毎度あり! あと、おっちゃんじゃなくてにーちゃんだ!」
「…変わった奴だ」

煉獄闘技場内の魔物はある程度は知能が高い。
大会の噂を聞いて他の層からきた魔物はそうとは限らないが。





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル New

スカルミリオーネ

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング(イツキ所有)
ミストルティン
ラハブの氷剣
おにきり
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

メイド服
手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)



学校が始まる。
間に合わなかった(´・ω・`)

テスカポリトカが一番呼び易いですよね。



[20761] 暁月編43[インターバル]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/16 21:26
**********

・前回のあらすじ

「出でよ、スカルミリオーネ」

「毒のスカルミリオーネ、こちらに…」
「あの蒼真という者、侮れん。今のうちに手を打っておいた方がよさそうだ」
「…ご心配無用。アルカード様はゆっくりここで、ご覧下さい…」
「では行くがよい!」
「は…」

「面白くなってきたな。イツキ」
「は…しかし、蒼真の力を侮っては…」
「かつての半身を敬う気持ちもわかるが…だからこそ、スカルミリオーネを差し向けた」
「奴とは、このイツキが!」
「この間のような失態を見せておいて、何を言う!お前は弥那の見張りをしておればよい」
「は…」

「蒼真くん…気をつけて…!」

――<中略>――

「フシュルルル…」
「邪悪な気配が!?」
「私は死の水先案内人…アルカード様の四天王…毒のスカルミリオーネ…!」
「死の水先案内人…そのキャッチコピーは流行る!」
「(*´ω`*)」



以上

※あらすじには誇張表現が含まれることがあります。
 ピーという発信音の後にお名前とご用件をお話し下さい。

**********

[大波乱がありましたが続いて第三試合に移ります!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

試合が終わって控え席に戻る。

ふう…。
腕が傷だらけだ。
深い傷はないんだが…こんな傷で毒がまわるってのも怖い話だ。

ん?

いきなりワージャガーが近づいてきた。

「第一試合の勝者、来栖蒼真さんですね?」
「ああ」
「第一試合の勝利品としてポーションが配布されます。どうぞ」
「おお! ありがとう!」

これはラッキーだ。
ハマーのところに行く前に参加しちゃったから、
ポーションが切れていたところだ。

もらってそのまま傷に振りかける。

「それでは次の試合まで時間がありますので、観戦等ご自由にお過しください」
「あれ? あんた出場者のワージャガー…」
「私は運営の者です。彼は我々とはちょっと毛色が違うものですから…」

なんかいっぱいいると思ったらワージャガーは運営委員みたいなものなのか。
大会に参加している奴はまた違う奴みたいだ。

「それと蒼真さんには特別にアンチドーテも用意されています」
「ああ、もらっておくよ」

スカルミリオーネの毒はもう抜けた感じだが、念のためもらっておく。

[第三試合、エリニュス 対 グラディエーター!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



ふむ、時間をつぶす…。
試合を見ておこうか、それとも…

「ああそうだ。水場も開放されているので、体を洗ってくることもできますよ?」

そういえばレギオンの体液も浴びたし(既に霧散したが)軽く洗ってくるのもよさそうだ。

「それ、借りたいな」
「それでしたらこちらへ…」

**********

「ふー…」

まさか温泉まであるとは…。
悪魔城…恐ろしい城!

しかしひとりでこんな広い湯船に使っていると、なんだか王様みたいだ。

「カポーン…」

音がしないので自分で言ってみたけど…

「これはないな…」



「なにがないのかしら?」



( ゚д゚)
(゚д゚)彡
ミ( ゚д゚)

…おうふ。

「どちら様ですか…?」
「フフフッ…目、そらしちゃって…意外とシャイなのかしら?」

マッパの美女出現。
黒く長いつややかな髪をもった若い女。
たわわに実った二つの果実がわがままボディを形成している。

え、なに、ねえ、ドッキリ?



――ポチャン…

「!?」

隣に座られる。

「もう…(体が)硬くなっちゃって…かわいいわね♪」

くぁwせdrftgyふじこlp
まて、冷静になるんだ。
これは罠かもしれないぞ、蒼真!

「あんた…何者だ…!」
「…いきなり怖い顔しちゃって、照れてるの?」
「質問に答えてくれ」
「さっきの試合を見てたのよ。カッコよかったわよ?」

カッコよかったなら仕方ないな。
ああ仕方ないな。

「私…強い人って好きよ…?」

――つつ…

「へぇあ!?」

背中指で触られた。
ぞわってした!

「試合に勝ったあなたにご褒美を、あ・げ・る♪」

そう言って彼女は俺の唇を…



――バチバチバチ!

そのとき蒼真に電撃走る!

「やん!」
「あががが!?」

ビリビリする!?
いぎぎぎ…。

「そこまでにしておけ。それ以上やるならば、ここのルールにのっとり貴様を処分するぞ」

突然現れたのは老人だった。

「もう…頭の硬い奴…!」
「し、しびれる…」

女は電撃を避けたようだ。
が、俺にはしびれが…。

「仕方ないわね。ご褒美はまた今度♪ しっかり勝ち進んでね?」

そういって女は部屋を出て行った。
マッパで。

「………」

残ったのは老人としびれている俺。

「危なかったな…。唇を許せば精気を搾り取られていたぞ…」
「…さっきのって、もしかして」
「サキュバス。私と同じここの管理者のひとりだ」

…なんだか俺は魔物に食料として好かれやすいのだろうか。

「助けてくれたのはありがたいんだが…
 俺ごと巻き込む必要はなかったんでないかね…」
「助けたわけではない。ここにはルールがある。まあ助ける必要もないと思うがな」

はあ?

「お前の精気は奴程度では一度に吸いきれんよ」
「え…」
「やはり自覚はないか…」

淫魔が吸い切れない精気…どこの絶倫鬼ですか。

「支配の力は魔物の魂を支配する力だ」
「? ああ、そうだけど…」

いまさら。

「魔物を支配するもの、それはなんだ?」


魔王?
ってかそもそも支配の力は魔王の力なんだけど…。

「まあいい。そろそろ観戦に戻らせてもらおう」

老人は俺に背を向ける。

「お前の試合も楽しみにしているよ…」

そう言って部屋から出て行った。

…なんだったんだ?

**********

コロシアムに戻ってくると既に第四試合が始まっていた。
第三試合はエリニュスが勝利したようだ。

第四試合はレッドミノタウロス 対 チュパカブラだった。

レッドミノタウロスは優勝候補と言われている魔物だそうだ。
実際今も巨大な斧による圧倒的な暴力の嵐がコロシアムに巻き起こっている。

だが一撃もチュパカブラにあたっていない。

「蒼真ー!」
「お? 無事だったのか」

イツキに飛びつかれる。

「勝手に離れるなよ…」
「そんなことよりやったよ! 大穴だって!」
「はあ?」
「フルンチングをかけたらデュランダルとミリカンの石刀をもらっちゃった!
 フルンチングも帰ってきたよ!」

こいつ…楽しんでやがる…!

「次も蒼真に賭けるから、頑張ってね!」
「…ああ」

なんだかなあ。

[レッドミノタウロス、組み付かれたぁ!]
[なるほど。疲れるのを待っていたようですね]


戦況が変わったようだ。

チュパカブラがレッドミノタウロスの後頭部にしがみついている。
どうにかして引き剥がそうともがいてはいるが、
あまり意味をなしていないようだ。

その間にチュパカブラの舌が素早く伸び、
レッドミノタウロスの体に突き刺さる。

これは…

――チュウ…チュウ…

[おぉっとー! これは吸血攻撃だ!]
[これは決まりましたね。レッドミノタウロスにはもう対抗手段はないでしょう]

――チュウ…チュウ…チュポッ

…なんかエロい。

それはともかく、しばらく後には体中の体液も吸い取られたのか、
干からびたレッドミノタウロスの骸が残った。

その体が塵となって消えていく。

[勝者、チュパカブラ!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

…ぜひ二戦目でエリニュスと戦って欲しい。



[第五試合、まじょみならい 対 デッドクルセイダー!]



あの娘の試合か…見ておこう。





・オマケ

[サキュバス。私と同じここの管理者のひとりだ]

………

[私と同じここの管理者のひとりだ]

!?

あのじーさんがテスカポ…トポ…テスカポト…テスカトリポトリ…
ともかくあれか!





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
おにきり
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル
デュランダル
ミリカンの石刀

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

メイド服
手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



明日から学校だー。

欝です。

できるだけ頑張るつもりですが、
もしかしたらあらすじの品質がさらなる低下を見せるやもしれません。
ご了承ください。

ところで堕落という言葉に妙な艶を感じる自分は異常なのでしょうか?
違いますよね?

ベルモンド=自然災害
完全に自由な思考をもったザコが出てきたのは36年前からということで…。

白いツナギで走り回るゾンビ…ハッ!?
「やらないか」

みんなバキをやるからあらすじで使えなかったでござる。



[20761] 暁月編44[まじょみならいEX]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/16 21:27
**********

・新ジャンルあらすじ・直販サービス

今日は見ているだけでも心が癒される愛魔物ロボ <チュパカブラ> のご紹介です

実はリモコンが付いており、この真ん中の <吸い尽くすボタン> を押すと、
まっすぐに自分のところに近づいてくるんです。

ただ歩くだけでなく、背中や頭を撫でたり左右の耳を触ると…

――チュウ…チュウ…

愛くるしい多彩な反応が楽しめます。

またリモコンの を押すと…

「血…モット…血…」

言葉もしゃべるんです。
約二十種類の言葉をしゃべり、
を押すと…

「血…ハヨ…血…」

関西弁までしゃべるんです。

更に <♪ボタン> を押せば、
体をゆすりながらリズムに合わせて体液をすすってくれて、
犠牲者を飽きさせることがありません。



「子供たちが家を離れ寂しくなった我が家ですが、
 この <チュパカブラ> がきてからは、
 毎日の生活が楽しくなりペット同様に可愛がっています!」

お子様へのプレゼントや、住宅事情でペットを飼えなかった方にもおすすめ。



心和む癒しのパートナー、愛魔物ロボ <チュパカブラ> は980000円。
980000円とお値打ち価格。

お申込みの番号は
0120-66ホァイ-66ホァイ
悪魔城直販です。



※本製品のご使用に置いて発生したいかなる人的被害も、
 当社は責任を持ちません。

**********

[まじょみならい 対 デッドクルセイダー、試合開始が迫ってまいりました!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

テンションが維持され続けていることにびっくりだ。

[倍率はやはりデッドクルセイダー優勢ですね]
[それもそのはず、彼女は未だ見習い!
 情報によりますと飛行の魔法の成功率は非常に低いそうです!
 しかし知人談によりますと最近妙な工作に興味を持ち始めたとか?]

あの娘って確かアルケニーに襲われてた娘だよな?
…大丈夫なのかな。

[対してデッドクルセイダー! 彼はここ煉獄闘技場にて歴戦の魔物です!]

いかにも頑強そうな鎧に身を包んだ骸骨の剣士だ。

[これはデッドクルセイダーが有利ですね。彼の盾を見てください]
[はい? …これはぁ!? デッドクルセイダーの盾に赤い宝石が埋め込まれています!]
[ガーネットですね。それもおそらく対魔術系の成長をした魔石でしょう]
[これはまじょみならい、攻撃手段を封じられたか!? まもなく試合開始です!]

…危なくなったら助けに行こうか?

「やめておけ。出場停止になるぞ?」


じーさん…

「テスカ…トリポカ?」

観客席の一番上の主催席にいたんじゃなかったのか?

「おとなしく試合を見ているといい。助けなど必要ない」
「はあ?」

まじょみならいに勝ち目なんてあるのか…?



[試合開始!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

――バッ!

盾を構え、ゆっくりとまじょみならいに近づいていくデッドクルセイダー。
まじょみならいから目をはなさない。
目はないが。

[さあ、早速盾を構えたデッドクルセイダー! こうなると厄介です!
 勝つにしろ負けるにしろ毎回試合が長引く戦い方です!
 ディフェンスに定評のある彼にいったいどうやって…おぉーっとぉ!?]

対しまじょみならいは箒をもったまま、無防備にデッドクルセイダーに歩いて近づき始めた。

[これはどういう事でしょうか?]
[まるで隙だらけで…やっぱり隙だらけですね。
 盾を構えている間は攻撃しにくいですからね。
 それを見越して距離を詰めるつもりかもしれません。
 しかし…]
[彼女はまじょみならいですが、魔法による攻撃は考えていないのでしょうか?]
[ええ。私も盾があるとはいえ、初手は魔法を使うと思っていたのですが…]

どんどん縮まっていく二者の距離。
もはやデッドクルセイダーの間合いに入ろうとしている。

[おっと、ここでまじょみならい、箒から手を離したぁ!]

箒を地面に立て置き、そのまま近づいていく。

「…カァー!」

その無防備な姿にデッドクルセイダーは斬りかかる。

[デッドクルセイダー、剣を振り下ろしたぁ! これは決まったかぁ!?]

「くっ…!」

飛び出す準備をするがもう遅かった。



その瞬間、まじょみならいはスカートの中からなにかを取り出した。

「見えた!」



――ドゴォ!

爆発音。
その後には粉々のデッドクルセイダーがコロシアムに散らばるのだけが見えた。

なにがおこった。
開いた口が塞がらない。

「必要ないといっただろう…」

クククッ、と笑うテスカトリポカ。

魔女見習いが持っているのは…筒?

[これは…デッドクルセイダー撃沈!
 一瞬の隙をついてまじょみならいが強烈な一撃を加えたようです!
 しかしガードの上から…いったいなにが…]
[彼女の持っている筒から魔力によって杭が打ち出されたようですが…
 この匂いは火薬! なるほど、出力不足を火薬で補いましたか。
 あれほどの威力ならさすがに盾も意味はないですね]
[なんとまさかの大穴! まじょみならいの勝利です!
 今大会はまさに大波乱の様相です!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

まじょみならいは筒を二つに折りたたみコロシアムから出て行った。

折りたたみ式パイルバンカー?
まじょみならいとか関係ないじゃん。



「あんた、こうなるってわかってたのか?」

テスカトリポカに尋ねる。

「クククッ…」
「おい…」
「ク…ヒヒ…」
「ちょっとー?」
「ヒハハハ!」
「うお!?」

肩を震わせて笑い始めるテスカトリポカ。

「そうだ! 大波乱、これが観たかったんだ! 闘いとはこうでなくてはな!」

…やばい人…改め神だったか。
戦神だもんな。

――ポンッ

「クククッ…来須蒼真。君にも期待しているよ…」
「へぇあ!?」

肩に手を置かれて、すごい笑顔で言われた。
そのままテスカトリポカは去っていった。

…負けたらジャガーにされそうな期待のされかただった。





・オマケ

スカートにどうやってあれが入っていたか、それが問題だ。

「蒼真ぁ…」
「イツキ?」
「ミリカンの石刀賭けたら…」
「負けたのか…」
「だって…! デッドクルセイダーの勝利はほぼ確定だって…ワーウルフのおっちゃんが…」
「ワーウルフ?」
「…あれ? 知らないの?」
「俺のことかぁ?」

ああ、出場者だったやつか。

「しっかし今回は大波乱だぜ…今のところ全部外してるしよぉ…」
「…あんたそんな適当な観察眼で試合出るつもりだったのか?」
「あ? すぐに棄権するに決まってんだろ?」
「………」

棄権しても特等席で試合は見ることができるらしい。





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
おにきり
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル
デュランダル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

メイド服
手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



学校始まっちゃった…。

アンカースティック
試験運用型魔力式杭打ち機。
折りたたみできる。
魔力と火薬のハイブリッドモードに変形させることで、
爆発的威力を発生させることもできる。
反動はハイブリッドモードのときのみ発生するが、
同時に魔力を噴出することで反動を殺すため、
想像以上に反動は少ない。
次の課題は軽量化。
分類は仕込み杖。



[20761] 暁月編45[迷惑な鬼]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/17 12:50
**********

・前回のあらすじ



「…分の悪い賭けは…嫌いじゃない…」
「無駄無駄ぁ! この俺の特殊装甲はぁ…なぁんにも効かないぜぇ!」
「…どんな装甲だろうと…撃ち貫く…!」

――ガコンッ…

「…多少の無茶は…承知のうえ…!」
「馬鹿な…真正面からだと!?」
「…零距離…取った…!」

――ドゴォ!

「…ジョーカー…これが最後の一枚…」



※あらすじは開発中のものです。
 実際の文章とは異なることがあります



**********

[さて先程の試合で今大会の優勝者はさらに予測が付かなくなってまいりました!]
[いやぁ、私もまだまだ学が足りませんな。勉強が足りませんね、ハハハッ…]
[ストラスさん…]
[…ですがいまはそれを幸福に思っていますよ]
[?]
[このような予想もつかない闘いへの興奮を、
 今ここにいる皆さんと共有できるのですから…]

[[[うおぉぉぉー!]]]



なにこの小芝居。
え、ここ盛り上がるところだったの?
タイミング外しちゃったんだけど。



[…ありがとうございます! では第六試合に移ります!]

そんな俺をよそに、くじびきは始まった。

――ゴソゴソ…コロコロ

[…決まりました! 次の試合はルビカンテ 対 アラストール!
 それでは試合開始までにベットを…]



…どっちもしらんな。

「蒼真…」
「お前はもう禁止な」
「………」

イツキにニッコリと笑って言ってやる。
不満そうなイツキの頭を撫でながら言う。

「お前は俺だけを信じていればいい…」
「…今度同じセリフを弥那ちゃんに言ってみたら?」

…言ったらなんと反応されるだろうか。
下手したら兄妹でもセクハラっぽくなるかもしれん。
やめておこう。

**********

[試合開始!]

結局何も賭けなかった。
オッズはほぼ互角。
知識が足りない以上、分の悪い賭けはできない。

対峙する二者のデータを図鑑で調べる。

ルビカンテ
常に怒っている地獄の鬼。
見た目はスカルミリオーネより赤い皮膚の槍を持った鬼だ。
これでまた槍がフェイクだったら、俺は一生槍使いを信用しない。

アラストール
殺された怨念が剣を動かす。
剣が本体なのか。
宙に浮かんだ剣の後ろに見える半透明の騎士が怨念の集合体とみた。

どちらも武器を持っている魔物。
片方は武器本体だが。
しかしアラストールは巨大な剣であるためリーチの差はない。
これは獲物に重さがある分アラストールが有利か?
その上武器そのものであるアラストールには生半可な攻撃は通用しないだろう。



両者、慎重に距離を測っている。

――ジリ…ジリ…

[こ…この緊張感は…]
[お互いの技量が限りなく近いようですね…
 こういう勝負は普通は初撃を決めたほうが有利になると思われますが…]



――ジリ…

動く…!

――ピクンッ

アラストールの剣の切っ先がかすかに下がった。
そのときルビカンテの眼がカッと見開かれる。

「ソエアァァァ!」

ルビカンテが槍を突き出しアラストールに攻撃する。

ルビカンテとアラストールが交差する。

――キンッ

ルビカンテの頬に傷ができる。
しかしアラストールは表面に傷がついた程度だ。

さすがアラストール、なんともないぜ。

[これは! やはり本体の強度の問題でアラストールが有利なんでしょうか?]
[…これは決まりましたね]
[はい?]
[ああ、ご存知ないのですか?]



「ウ…ウウ…」


ルビカンテがうずくまる。
そんなにひどいケガじゃないし、毒というわけでもなさそうだが…。



「…ウガアァァァ!」

――ビリビリッ!

ルビカンテの咆哮にコロシアムが震える。

突然ルビカンテの周りを赤いオーラが包み込んだ。

[ル…ルビカンテの強烈な咆哮! これはいったい…?]
[ルビカンテがブチギレたんですよ。こうなると手がつけられませんよ]
[! ただいま入った情報によりますと、
 ルビカンテは怒ると辺り構わず暴れまわるバーサーカーとなるようです!
 しかもささいなことですぐに怒る!]

ただの迷惑な奴じゃねーか。



アラストールと再び打ち合うルビカンテ。
防御など考えていないのか、どんどん傷が増えていく。
だがそれに合わせてオーラは力強さを増して、攻撃も激しくなっていく。

――ピシッ

[おぉっとぉ! ついにアラストールにヒビがはいったぁ!]
[ルビカンテと戦うならば、ブチギレる前に倒さなくてはいけませんよ。
 アラストールならあるいは可能だったかもしれませんが、
 どうやらルビカンテのことを知らなかったようですね]

ふーむ。
それで倍率が割れていたのか。



「ウガアァァァ!」

――ピキピキッ…パリーンッ…

[アラストール、砕け散ったぁ!
 勝者、ルビカンテ!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



「ウガアァァァ!」

だがルビカンテは止まらない。
コロシアム内に入ってきた運営のワージャガーと交戦している。
キーパーワージャガーくん、だが止められない!
ワージャガーくん、ふっとんだ~!

[ルビカンテが止まるまで少々お待ちください!]
[今の内に次の組み合わせを決めてしまいましょう]
[あ、そうですね。それでは…]



――ゴソゴソ…コロコロ



「第七試合はアークデーモン 対 プロセルピナです!
 同時に第八試合の組み合わせも決定します!
 第八試合、宿命の戦いワージャガー 対 ワータイガー!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

「ウガアァァァ!」

[それでは改めてルビカンテが止まるまで少々お待ちください!]

…あの犬耳っ娘か。
首輪つけてきたのかな?

「ウガアァァァ!」

…うるせぇ!





・オマケ

さすがに運営が可哀想になってきた。
スパイダーストリングスで援護しようか?

「やめておけ。さらに怒り狂って手がつけられなくなる」
「うお!?」

いきなり後ろから出てくるなよ。

「…誰?」
「半妖精か…珍しいものを見たな…」
「ここの運営のえらい人…ってか神だ」
「! なんでこんなところに…」
「ワージャガーはほっといていいのか?」
「奴らはやられることで怒りを鎮めている」
「うわぁ…かわいそ…」
「それが運営というものだ。観客や出場者の力を借りるわけにはいかん」
「(いい奴っぽい?)」
「(でもやばい奴っぽいぞ?)」
「さて…次の試合の準備に移るか…」
「あ、ありがとな」
「礼などいらん。それよりも試合を盛り上げてくれ」

闘い大好きだが、筋は通す神なのだろうか。





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
おにきり
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル
デュランダル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

メイド服
手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



あら…すじ…?

ユージンのおすすめソウルは

暁月
ナイトメア
デビル
ルビカンテ

蒼月
アバドン
デビル
ゴーレム

であります。



[20761] 暁月編46[ビーストモード・リターンズ]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/18 12:37
**********

・前回のあらすじ



「ぐわあぁぁぁ!
 …なーんてね。お前の攻撃は効かないよーん!。
 やったー!
 耐久力の高い俺の勝ちだー!」

「何勘違いしているんだ…」
「ひょ?」
「まだ俺のターンは終了してないぜ!」
「なーに言ってんだ。もうお前の攻撃が俺に通用しないとわかったじゃないか」

「俺の特殊効果発動、バーサーカーソウル!」
「バーサーカーソウル?」
「説明不要! 俺のターン!」

――ドゴォッ!

「うわあぁぁぁ!」
「俺のターン! 俺のターン! 俺のターン!」

――<中略>――

「その…魔物の怒りってモンを…見せてやるぜ!」
「うわあぁぁぁ!」

――<中略>――

「うわあぁぁぁ…ああ…ぁ…」
「わかったかい兄ちゃん。
 世の中にはどうしても一人や二人、かなわん相手がいるってことさ」



※あらすじには誇張表現が含まれることがあります。
 一度オーブンなどで再加熱いたしますと香ばしい風味が楽しめるかもしれません。

**********



ルビカンテがやっと止まった。

[次の試合はアークデーモン 対 プロセルピナです!
 少々ルビカンテが止まるのが遅れたため、これより受付を開始します!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

…犬耳メイドか。
俺がこの城内で毛深いひと時を過ごした娘だ。



「ねえ…もう一回だけ…」
「絶対に許さないよ(>▽<)b」
「………」

イツキ、お前はきっと向いてない。
しかも外してもハマるタイプ。
一番危険だ。

**********

「やっぱり首輪はつけてるのか」
「あ…蒼真さん…」

トイレに行った帰りに犬耳に会ったよ。

「まあなんだ…がんばれよ?」
「なんで疑問形なんですか…? はあ…」

なんだか元気が無い。
ため息までついている。

「どうしたんだ? そんな調子じゃ怪我するぞ?」
「…隊長に幻夢宮の代表として行ってこい、って言われて…」
「緊張してるとか?」
「…はい」

え、なにこの娘。
かわいいじゃない。
元気づけてみよう。

「大丈夫だよ」
「え?」
「君は強い。実際に戦った俺にはわかるよ」
「でもあの時は首輪が…」
「それでも君の力だろ? 隊長が言ってたよ。
 その首輪は君の力を制御するものだって。
 もしかしたら自分で使いこなせるようになるかもしれないよ?」
「………」

…下を向かれてしまった。
もう一度慰めるには
寛容さと伝達力が足りないようだ…。

「…とにかく頑張れ! 絶対に頑張れ!」

…反応はない。
そっとしておこう…。

「…あの!」
「ん?」

背を向けて立ち去ろうとする俺に声がかけられる。

「…ありがとうございます」
「どういたしまして」

ちょっとだけ表情がやわらかくなったかな?

さあ俺はイツキのいる観客席に戻ろう。



あれで肉食系だから驚きだよね、犬耳。

**********

「ただいま」
「!? お、おかえり蒼真!」
「? どうしたんだ?」
「いや…その…! そうだよ!
 ワーウルフがまたここに来てたんだけど、
 運営に出場者じゃないからって追い出されただけだよ!」
「…へえ」

…イツキはいいのだろうか?
テスカトリポカがなにも言ってなかったからいいとは思うが。



[まもなく試合開始です!]

おお、そんなことよりも試合が始まるぞよ。

アークデーモンとプロセルピナがコロシアムに入ってくる。
アークデーモンやっぱり角なげえな。

[倍率はアークデーモン有利です!]
[空中戦ができる点で大きく評価されているようですね]
[しかし対するプロセルピナも、かの幻夢宮の代表者であります!
 この試合もまた面白くなりそうです!]

幻夢宮ってすごかったのか?
まあ間違いなく一番統率が取れていたとは思うが。



[試合開始!]

――バッ!

[プロセルピナ速攻の猛ダッシュだぁ! アークデーモンに接近する!]

「ハァ!」

綺麗な半円を描くかかと落とし。
くそ!
なんで俺はこちら側に座ったんだ!

「後ろからじゃ見えない…!」
「…なにが?」

絶対領域の内部構造。



――バサッ

蝙蝠のような羽を展開し空に逃れるアークデーモン。

[アークデーモンかわしたぁ! そのまま空中に陣取ったぁ!]
[ふむ。こうなるとプロセルピナにとっては厄介ですね。基本的な攻撃が格闘ですから]

「くっ…」

呻く犬耳。
地上にいる間に決着をつけたかったのだろう。

空中で停止したアークデーモンは両腕を胸の前で交差させて目をつぶった。
どう見ても必殺技です。
本当にありがとうございます。

――コウッ

赤黒い炎の弾がアークデーモンの手の平に浮かび上がる。

[これはぁ!?]
[魔力球ですね。さすがは暗黒の力といったところでしょうか。非常に強力です]

「カァ!」

――ヒュンッ

空中から犬耳を狙う魔力球。

「っ…!」

――ボッ!

かろうじて避ける犬耳。
カスったのか、スカートの端が焼き切れる。

[このまま空中から狙い打ちにされてしまうとプロセルピナには勝ち目がないのでしょうか?]
[いえ、そうとも限りませんよ?
 プロセルピナは近年ますます個体差が大きくなっていますからね。
 幻夢宮からの代表者がこのまま終わるとは思えません]

時代は魔物の個性を尊重しているのか。



「ハアァァァ…!」

両手を腰だめに構え、手のひらを合わせ集中している犬耳。

――コオォォォ…

「あの構えは…!」
「知っているのか、蒼真!」

…236+Pにしか見えん。
ようは…

「ヤァ!」

――カッ!

波動拳。

[おぉっとぉ! プロセルピナ、まさかの飛び道具だぁ!]
[気弾。東洋に伝わる魔力と異なる概念のものですね]

――パンッ!

アークデーモンに当たりはじけ飛ぶ気弾。
すごい威力だ。
アークデーモンの無駄に長い角の一本が根元からポッキリ折れてしまった。
あんな技があったのか。

[これならまだ勝負は五分五分ですね!]
[…いえ]

ストラスは実況のリリスの言葉に首を横に振る。

「ハァ…ハァ…」

息が荒れているプロセルピナ。

[魔力球はその名の通り魔力を消費します。
 しかし気弾は生命力といった類のものを消費するのです。
 長期戦になればやはりプロセルピナが不利でしょうね]



「(…よし!)」
「イツキ?」
「へぇあ!? なに、なに、どうしたの?」
「お前がどうした…」



闘いは続いている。
魔力球と気弾の撃ち合いだ。
流れ弾が時々観客席に飛んでいくが、
運営のワージャガーが身を呈して打ち消している。
運営△。

だが闘いが長引くに連れ犬耳が気弾を放つことがなくなり、
魔力球がカスることも多くなってきた。

「ハァ…ハァ…」

メイド服もボロボロだ。

[プロセルピナ、圧倒的不利な状態!
 このままなにもできずに終わってしまうのかぁ!]
[格闘戦に持ち込むことが出来ればあるいは…
 しかしアークデーモンは地上に降りる気はないようですね。
 それに悪魔である以上力も強いですからね]



「カアァァァ!」

――コウッ

一際大きい魔力球が犬耳に向かう。

「………」

避けない!?

「ちょ、避けろ!」
「蒼真!?」

思わず声を出す。

だがやはり犬耳は避けない。

――ボッ!

直撃した!?

[魔力球の直撃ぃ! これは決まったかぁ!?]



――ヒュンッ…

そう思ったとき、魔力球の炎の中から影が飛び出した!

[あれは!?]

土煙でうまく見えないが、
その影はアークデーモンの頭上まで跳び上がり、

「ヤアァァァ!」

――メキョッ

その頭をかかと落としで砕いた。

[な…き、決まったぁ!]

煙が消え影の正体が見えた。
それは犬耳だった。
だが、

「足だけを…ビーストモードに?」

そんなことができたのか?

[なるほど、彼女は人狼種でしたか。それなら力も十分ですね。
 しかし彼女の方もダメージは大きいでしょう]


服が…!

とりあえず、

「使え!」
「…! 蒼真さん…?」

メイド服を投げ入れる。
俺、テラ紳士。



[勝者、プロセルピナ!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

犬耳はこちらに一度おじぎをすると、
コロシアムから出て行った。

いい娘じゃまいか。



[まったく波乱続きの大会です!
 さあ次は一回戦最後の組み合わせ!
 宿命の戦い、ワージャガー 対 ワータイガーです!]

聞いたところによると永遠のライバルだとか。
次の試合も楽しみだ。





・オマケ1

「(使いこなせた…自分の力を!)」

蒼真さんが言ってくれなかったら思いつきもしなかった。
これで幻夢宮のメンツは守れたはずだ。

メイド服は破れてしまったが、
彼が代わりをくれた。

「(…でもこれ、いつの間にかなくなってた私のだ)」

彼が隊長からもらってきてくれたのだろうか。

「(いきなり襲いかかったこともあったのに…いい人だな…)」



・オマケ2

「あ…ああ…」
「どうしたんだ?」
「ひっ…蒼真…」
「ひっ、ってお前…まさか…!」
「次は…次こそは…当てるから!」
「話を聞かない娘にはお仕置きが必要かなぁ…?」
「ひっ…あ…ああ…アッー!」

ああ、やっぱり今回も駄目だったよ。
こいつは話を聞かないからな。

バイバイ、デュランダル。
結局一回目の賞品を全部失ってしまった。

**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
おにきり
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



グラキエースってかわいいですよね。
スパロボDのキャラではのシュバルツ・バルトさんと同じくらい好きです。
…え?
ご存じない?
やだなあ。
スパロボDのオリジナルキャラですよ、ハハハッ。



[20761] 暁月編47[ベアナックル]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/19 12:34
**********

・前回のあらすじ



メイド服が
犬耳をのみこみだした!

「なぜだ! メイドの力を手に入れたのに…メイドとはいったい…うごごご!」



「わたしはネオメイドです。
 すべてのメイド喫茶、すべてのコスプレ、すべてのご奉仕を消し、そしてわたしも消えよう。
 永遠に!」




※あらすじには誇張表現が含まれることがあります。
 読む前にパインサラダをおたべください。

**********



ワージャガー
ワータイガーに勝つためストレートに磨きをかける豹人。

ワータイガー
ワージャガーに勝つためアッパーに磨きをかける虎人。



他にフックとかカウンターに磨きをかけてる奴もいそうだ。

ちなみに例のワーウルフはジャブに定評があるらしい。
そのジャブで数々の一般人を襲ってきたとか。
俺に言ってどうするんだ。

…いじめてみるか。

「初めて会ったときに噛みつきたいとか言ってたが…?」
「うぐ…お前さんが退魔師なんて知らなかったしよ…ほら…な?」

観客席(一般)にいたワーウルフに詰め寄る。

「…だぁー悪かったって! 取っておきの情報教えてやるからよ!」
「ほう?」
「…途端態度でかくなったな、おい。
 まあそれはとにかく、優勝賞品のことについてだ」
「?」
「あれは城内の各地から集められたもんなんだがな…
 明らかに場違いなシロモノが混ざってるんだってよ」

場違いなシロモノ…?
悪魔城にはだいたい何でもあるのにその中でも?

「なんでも混沌に根ざしたものらしいんだが…詳しくはわからねえ」
「ソースは?」
「は?」
「どこからの情報だ、ってことだよ。憶測じゃあ情報にならないからな」
「…詳しくは言えねえ。だがほぼ間違いない情報だぜ。
 とにかく <もしも> 優勝して賞品を手に入れることがあっても、
 人間のあんたはそれに触れない方がいいぜ」
「…忠告は受け取っておくよ」

混沌より来たる秘宝か…
高く売れそうだが、下手にまた飲まれてしまったらイツキが危ないか。

「あと変な地図もあるらしいぜ」
「変?」
「なんでも城内の秘宝中の秘宝の場所をまとめてあるとか…」

宝の地図…不覚!
ドキドキしてきちゃった!
これは頑張らざるをえない!



[まもなく試合が始まります!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



「そういやあの妖精の嬢ちゃんはほっといていいのかい?」
「大丈夫だ、問題ない」

問題ないとも、クククッ…。

さあ席に戻ろう。

**********

「…ふう、これでいいんだろ?」
「ああ、あとはこちらに任せてくれて構わない」
「まったく…厄介な仕事をさせられたもんだ」
「だがこれでお前のことは見逃そう」
「次からは席のためだけには出場しねえよ! しかしあんな人間が <………> ねえ…?」
「まだ可能性にすぎんがな…まあそれはここのルールとは関係ない。
 とにかくこれで大会を盛り上げてくれるだろう」
「(試合を盛り上げるために餌を撒く…か、とんだ運営だぜ)」

**********

「ただいま、っとイツキ…いい娘にしてたかなぁ?」
「フー! ムー!」

蜘蛛の糸で体を席の背もたれに固定され、口に布を詰め込まれたイツキに話しかける。
卵になっても抜けれないようにしたので体中ベトベトだ。

「んん? そうだな…
 <ごめんなさい蒼真様、もう勝手なことはしません>
 って言ったらはずしてやろう」
「…ホゴッホフッホ、ホゴ…」
「ちゃんと日本語で言わないとわからないじゃないか。
 まだダメだな」
「…フグー!」
「なかなか似合ってるぞ…クククッ…」

なんだろうこの感覚…。
癖になりそうだ。



[試合開始!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

お?

[さあワージャガー 対 ワータイガー! 宿命の闘いがいま始まりました!]
[倍率は互角、これまでの闘いはすべて引き分けの二人です。
 そのため本試合のみ主催者のフレイムデーモンが審判として参加します]

「クククッ…各々、全力を尽くすが良い…」



お互いに間合いの中からの試合開始。

先手はワージャガー。
ストレートで顔面を狙う。

――ヒュッ

だが鋭いダッキングによりワータイガーは避け、
同時に顎へのアッパーを繰り出す。

――ヒュッ

ワージャガーはスウェイで避ける。

――トッ…

お互いにバックステップで距離をとる…と見せかけて、

――ダンッ!

下がった勢いを利用し鋭い踏み込みで再び肉薄する。
そのまま拳の撃ち合い。

お互いに一歩も譲らない。

すごい…。
試合開始から一瞬の攻防がこの距離でギリギリ見える程度。
あいつらにあたらなくてよかった。

[速い! 速すぎます! 実況を挟む暇さえ有りません!]
[お互い一手目でサンデーパンチを繰り出してきましたね。
 この空気だとお互い出し惜しみはしない! といったところですか]
[互いを認め合い、限界を引き出していくこの闘い!
 まさに一回戦の締めくくりに相応しい好勝負と言えるのではないでしょうか!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

ハイレベルすぎる。
魔物同士の戦いなのにボクシングみたいになってるよ。


――パンッ

「~っ!」

[ここでワージャガー、被弾! たまらず距離をとる!]
[…なるほど、これがワータイガーの切り札ですね]
[…これはぁ!? ワータイガー、いつの間にかサウスポーに変わっています!]

スイッチング?
すげえ!

「…!」

[しかしワージャガー! 関係ないとばかりに踏み込んだぁ!]

接近しすぎだ!
あれじゃあ威力のあるパンチは…

――パンッ!

「~っ!?」

[今度はワータイガーが離れる!
 しかし先程のパンチはあまり威力が出ない類のものだと思ったのですが…]
[ヒットする瞬間に高速で回転させたようですね。
 しかしあそこまで密着した状態からあの威力とは…」

ショートパンチか!
すげえ! すげえ!

闘いはまだまだ始まったばっかりだ!

**********

試合は続いている。

これまで見ていてわかったのは、
ワージャガーはストレートを中心に全体が高いレベルで完成したタイプ。
対しワータイガーはスイッチングに見られるように相手の認識のズレを誘うタイプだ。

[ワージャガー被弾! 首が後ろに弾かれる!]

ワータイガーの器用な上下の撃ち分けにワージャガーが被弾することが多くなってきた。
もはや傷だらけだ。

だがワージャガーの眼は死んでいない。



「…!」

[おぉっと、ワージャガーの構えが変わったぁ!]
[あれは…]

――ヒュオッ

心臓撃ち!?

――パンッ!

「…っ!?」

――ドクンッ

[な…なんだぁ!? 一発のパンチで突然ワータイガーが動かなくなりました!]
[ハートブレイクショット! 先程の回転パンチはこのコークスクリューの練習から生まれたものですか!]
[ハートブレイクショット?]
[心臓撃ちです。
 それもコークスクリューで衝撃を集中させています。
 あれをされるとしばらく全身が麻痺するんですよ。
 ちょっと一般の魔物には分かりにくいかもしれませんが、
 彼らは人間と同じ体の構造をしているので…]
[つまり彼はワータイガーと戦うことしか考えていなかったということですか?]
[それはワータイガーも同じですよ。しかしここまで完成されていればどんな魔物相手でも戦えるでしょうね]
[そうこう言っているうちにワージャガーのストレートがワータイガーの顔面に照準をあわせている!]

決まるか!?



「クククッ…」



――ドクン

「~っ!」

――スカッ

突然頭の下がったワータイガーの頭上を鋭いパンチが通り過ぎた。

[間一髪! ワータイガー足を滑らせたおかげで助かったぁ!]

ワージャガーにもダメージが蓄積されていたせいで、
当たりが弱かったのか?
ワータイガーが動き出すのが先だった。

[お互いに切り札を切ってしまった今、勝負はわからない、といったところですか?]
[いえ…彼はあのパンチを見てしまった]

ゆっくりと近づくワージャガーにワータイガーは距離をとっている。

[あれほどのパンチ、一度見てしまえばどうしても警戒してしまうでしょう]

どっかで聞いた話だな…。

まあそれはおいといて。
ワージャガーはじっくり、じっくりとワータイガーに近づいていく。

――ジャリ…ジャリ…

「…~っ!」

――バッ!

ワータイガーがプレッシャーに耐えきれなくなった!

[ワータイガー、一気に距離を詰めたぁ!]

「ガアァァァ!?」

大振りすぎる。
それに対してワージャガーは

――ドゴォ!

その拳をそのまま顔面に受けた。

[な…いったぁ~!]
[まさか…もう限界だったんですね…。
 それだけ消耗していたのにあのハートブレイクショットを出せたとは…]

――ドサッ

ワージャガーは静かに地面に倒れた。

「クククッ…決まりだな…」

拳を振り抜いた姿勢のまま呆然としているワータイガーにフレイムデーモンが言う。

「勝者はワータイガーだ!」

[[[うおぉぉぉー!]]]



すごい闘いだった。

もう普通のボクシングとか見れないかもしれん。





・オマケ1

「どういうつもりだ…!」
「クククッ…なにをそんなに怒っているのだ?」
「とぼけるか…ワータイガーの足を滑らせたのは貴様だろうが!」
「あのハートブレイクショットにそれほどの威力があったと?
 少々眷属に甘すぎるのではないか? クククッ…」
「貴様…!」
「あら…こんなところで喧嘩しないでくださいな…
  <あなたが決めたルール> をあなたが破るなんてできないでしょう?」
「…覚えておくがいい」



「まったく、老人の癇癪にはつきあっておれんな…クククッ…」
「そうねえ…もうそろそろ… <引退> してもらおうかしら…フフフッ…」

――グオォォォ…

「あなたの出番はもうちょっとさ・き…ちゃんと派手な舞台を整えてあげるわ…」





・オマケ2

「お、久しぶりだな? 嬢ちゃんの試合観てたぜ!」
「…うん」
「まさかあれがあんな進化をするとはなぁ…」
「…あなたのおかげ」
「! へへ、嬉しいこと言ってくれるじゃねえか…。これもってきな!」
「…ジュース…ありがと」
「おっちゃん! 枝豆くれ!」
「おっちゃんじゃねーっつーの!」
「(ちゃんと見に来てくれてた…)」
「悪いな嬢ちゃん、また…あれ? もういっちまったのか?」
「(…うれしいな)」





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
おにきり
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



これを見て悪魔城をはじめてくれた、という人がいるととても嬉しいです!
学校始まったけど、これからもなるたけ頑張ります!

Dの人気に嫉妬。
ウェントス? だれだっけ?
ちなみにスパロボはJも好きです。
超冥王はだしたことありませんが…。



[20761] 暁月編48[贈り物]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/20 15:08
**********

・前回のあらすじ



ワージャガーさんが教えてくれた

辛いコトだった
だけど俺はそれをバネにできた

ベルトを巻けたのもそのおかげなんだ

――そうだ
――キミは

「負けるコトをまだ知らない!」



※あらすじには誇張表現が含まれることがあります。
 シンナー、ベンジン、アルコールなどの揮発油で磨かないでください。

**********



物事にはなんにでも限度というものがある。



[二回戦を始める前に休憩を挟みます!]
[出場者は体力・魔力の回復、観客の皆様は出場者の情報の交換等ご自由にお過しください]



例えば <腐りかけのものが一番うまい> という言葉があるが、
限度を超えてしまえば腹を壊すだけだ。
…例えが悪かったかな?

まあなんにせよ、物事の限度を超えてしまうと碌なことは起きない。

だがその限度のラインを見切るというのはなかなか難しいものみたいで、

「なあイツキ…」
「なあに? 変態蒼真?」
「………」

気づかないうちに反復横とびで飛び越えてしまうこともある。



**********



ときは数分ほど遡る。

糸でぐちゃぐちゃにされたイツキがなんだか静かになったんだ。

不思議に思い見てみると、

「………」

焦点があっていないのか、なんだか目に光がない。

「イツキ?」
「………」

口に詰めた布の塊を取り除いて話しかけてみるが、反応なし。
左右に動いてみると、俺の体の方に顔は動く。

「………」
「………」

やりすぎたか?

「イツキ…?」
「…変態」

ティウンティウン…。



**********



「なあ…」
「大丈夫だよ、変態蒼真が僕のことを思ってやってくれたんだよね?
 ごめんなさい変態蒼真様、もう勝手なことはしません」
「………」

未だ目に光は戻らず。
そして周りの魔物から好奇の目で見られている。

俺が何をしたというのか。

「はあ…とりあえず買い物にでも行くか…」

時間は結構あるみたいだし、ワープゾーンも近くにある。
ハマーのところにでも行くか。

「僕も一緒に行くよ、変態蒼真」
「………」



「よお!」

でかい荷物を担いだハマーが観客席にいたよ。

「…なにやってんだ?」
「商売に決まってんだろうが」

「おっちゃーん、枝豆追加でー!」
「おっちゃんっていうな!」

枝豆を売りに行ったハマー

よりによってこんだけ魔物しかいない場所で商売するって…
やっぱりこいつはどこかおかしいんじゃないだろうか。
まあいい、手間が省けた。

「商品って持ってきてるのか?」

帰ってきたハマーに聞く。

「おう。でけえものはおいてきたけどな。なんか買ってくか?」
「見せてくれ」
「なにを買うの、変態蒼真?」
「………」
「…蒼真、お前こんなちっちゃい娘になにしたんだ?」
「ハマー聞きたい? 変態蒼真のしたこと聞きたい?」
「イツキ、黙ってろ」
「わかったよ、変態蒼真!」
「………」

もうやだ…。



「そういえばシルバープレート壊れちゃったんだよな…」
「お前どんな戦い方したらそんなに頻繁に壊すんだよ…」
「普通だと思うんだけど…まあこのすいりゅうのよろいなら、きっと壊れないさ!」
「(壊す気がする…)ところで、あれ…ほっといていいのか?」

イツキはふらふらと逆さまになったり、空中でねじれたりしている。
リンゴ食べれない死神みたいだ。
これはかなりキテるのか?

ふむ…。

「…これとこれくれ」
「あいよ…金はあとでいいぜ。今もらっても持って帰るのがしんどいからな」

ペンダントとルーンリングを購入。

「じゃあまたな」
「おう。試合頑張れよ!」
「やれるだけやってくるさ」



「変態蒼真、終わったの?」
「………」

席に戻ろう。



**********



帰ってきた。

先程買ったペンダントからトップの部分を取り外し、細い鎖だけにする。
そしてルーンリングを通し、一重に軽く巻きつけ、ずれにくいようにする。

「イツキ、ちょっとこい」
「なあに、変態蒼真?」

近づいてきたイツキの首にそれをかけてやる。

「? なあにこれ?」
「…別に、ちょっとしたプレゼントみたいなもんだ」

別に俺は悪いことしてないからな!
お詫びの品なんてものじゃないからな!
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけやりすぎたかな?
と思っただけなんだから!

イツキは不思議そうにルーンペンダント(命名)を見ている。

「ま、気にすんな。もうギャンブルにハマりすぎるなよ?」

限度を持ってやれ。

「…うん、ありがと。蒼真」

目に光が戻った。
ちょっとは機嫌を直してくれたかな?





[それでは二回戦に移りますが、緊急の連絡事項がありますので、
 出場者の皆様は指定の場所に集合してください!]

また厄介ごとか?
まあいい、行くとしよう。





・オマケ

プレゼント…か。
…!
べ、別にこんなことで許したりなんかしないから!
あんなことしたんだから…。

僕も楽しくて考えなしだったところはあるけれど…。



ルーンリングには綺麗な装飾がなされている。
刻まれているルーンの意味は生命、保護、そして…愛情。

「…弥那ちゃんに贈ってあげればいいのに」

もっとも蒼真はルーンの意味なんて考えてはいないだろう。

そんなことを考えながらも、
やはり嬉しいと感じてしまうのはどうしてだろうか。

「プレゼント…か」

はじめての贈り物がこんな意味のものなんて…。

はあ…蒼真が帰ってきたらちゃんと謝ろうかな…。





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
おにきり
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



フフフッ、全身筋肉痛で歩くこともままならないとは…。
体力D-のユージンです。
サガフロをやったあとにルーンとタロットにハマった時期がありました。



[20761] 暁月編49[三つ巴]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/22 19:36
**********

・新ジャンルあらすじ・劇場版予告



ドラキュラは滅んだ

だが

奴が残っていた



「なんて力だ…!」
「そんな…魔界から…」
「まさかまだ生きていたとはな」



「これが…一万年計画の正体!?」



劇場版・悪魔城ドラキュラ <ガラモスの逆襲>





[なんだ…ちょっと見ないうちに派手な祭になってるじゃないか…]

そして彼は帰ってくる



※公開未定

**********



煉獄闘技場のとある部屋に集められた二回戦進出者。

まじょみならい、ワータイガー、プロセルピナ、
ルビカンテ、エリニュス、チュパカブラ、
そして俺。

スケルトンビーマーは?

「みなさんお集まりいただきありがとうございます」

近くでみると実況のリリスもかわいいじゃないか。

「突然ですがスケルトンビーマーがリタイアしました」

はあ?

「通りすがりのダンディズムあふれる中年に倒されたそうです」

…Jか?

「なんとかその中年退魔師は、
 運営によって煉獄闘技場からは引き離すことができたので、
 大会は続行いたします。ですので…」



「私も棄権します」

犬耳?

「ちょっと一回戦で消耗しすぎたみたいで…」
「そうですか…仕方ありませんね。ではこちらで手続きをお願いします」

リリスに連れられてプロセルピナは部屋を出て行った。

「続きは私から話をさせていただきます」

運営のワージャガーが進みでる。

「現在二回戦進出者はプロセルピナも除かれ六名になります。
 そのため一回戦と同じ試合形式では不都合が生じるため、
 二回戦は一対一対一の闘いをしてもらいます」

変則マッチか。

「勝者は各組み合わせにつき一名。
 すなわち次の試合が準決勝戦となります。
 組み合わせは一回戦と同様、試合直前に発表いたします。
 連絡事項は以上になります。
 それでは試合開始までもうしばらくお待ちください」



みんな部屋から出て行く。
俺も席に戻るか。

「クククッ…」


誰だ?

振り向くと、

「…誰?」
「フレイムデーモンだ。ここの管理者のな」

え。
なんで管理者によく会うんだ、俺は。

――ジ~…

「………」
「な…なんだよ?」

ジロジロ見られている。
そんなに珍しいもんかね?

「…クククッ…なるほどなるほど。あのジジイが目をつけるのはそれか」
「はあ…? ジジイ?」
「テスカトリポカのことだ。まあ貴様が気にすることでもない」
「…仲悪いのか、あんたら?」
「さてなぁ…クククッ…まあせいぜい足掻くがいい!」

そう言ってフレイムデーモンは転移して部屋から出て行った。

…ここの管理者ってのはどいつもこいつも変なヤツらばかりなのか。



**********



「ただいま、っと」
「あ、蒼真…」

帰ってきたときイツキは、
ペンダントになったルーンリングをじっと見つめて時折微笑んでいた。

「…気に入ってくれたかね。そいつは」
「…うん!」

イツキの機嫌も直ったみたいだ。
ちょろいもんだぜ。



[…となり、準決勝である二回戦は以上の形式で試合を行ないます!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



説明してたのか。
こいつらは正直、試合形式なんて気にしてなさそうな気がするんだが。

[それでは組み合わせを発表します!]

――ガラガラガラ…コロコロコロ…

[…二回戦の組み合わせは、
 一試合目・まじょみならい、ワータイガー、エリニュス
 二試合目・ルビカンテ、来須蒼真、チュパカブラ
 以上で行ないます!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



ワータイガー、そこを代わってくれ。

よりによって迷惑鬼と吸血不思議生物が相手とは…。
エリニュス相手に試合ということをたてにいろいろやろうと思ったりしたが無理だったか。



[それではベットを開始します!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



「………」

――ジ~…

イツキが仲間になりたそうにこちらを見ている。

「…はぁ」

俺は甘いのだろうか。

「ほれ」
「! いいの!?」
「ちゃんと考えてやること。あと賭けていいのはそれだけだからな」

おにきり(カタナ鬼切)を手渡す。

「…ありがとう、蒼真!」

花が咲いたような笑顔。
それを為したのがギャンブルであるのはなんとも微妙な話だ。
イツキは受付に飛んでいった。



ふう。

「あまり甘やかし過ぎるとあとで苦労するぞ」
「のわ!? いきなり後ろに立たないでくれ!」
「スマンな。ここしか座標がなかった」

またお前か。
テスカトリポカが現れた。

「で、なんのようだよ?
 あんま主催者側から出場者に干渉するってのは良くないと思うぞ?」
「忠告だ」



「私以外の管理者がこの大会の勝利者を意図的に操作しようとしている節がある」
「なんだって!?」
「私もなるべく抑えるつもりだが妨害が入るかもしれん。気をつけろ」

あいつらが?
なに考えてんだ?

「…なんでそんなことを俺に教える?」
「嫌な予感がしてな…お前にはそれを打ち砕く可能性がある」

???
どういうことなの。

「とにかくそれだけだ」
「あ、おい…」

行ってしまった…。

勝利者を操作してなにがしたいんだ?
いや、むしろ何が出来るんだ?



**********



[第一試合を開始します!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

倍率はまじょみならいがやや低く、他二名が拮抗している。
イツキはエリニュスに賭けたようだ。



三名はコロシアムの中心を囲うように正三角形型に位置している。
距離はそこそこ広く設けられている。



[試合開始!]

その合図と共に

――バッ

ワータイガーは一気にまじょみならいとの距離を詰める。
初撃で決めるつもりだ!

だがまじょみならいはそれを見越していたかのように大きくバックステップ。
そしてパイルバンカーをスカートから取り出しワータイガーの疾走してくる方に突き出す。

「…っ!」

さすがにあの威力を受けることは嫌ったか。
ワータイガーも大人しく距離をとる。

その間にエリニュスは空中に移動。
他の二名を上から見下ろし完全に観戦ムードだ。



三者動きを止める。

[ワータイガー、試合開始直後の猛ダッシュ! しかしまじょみならいこれを予測していた!]
[まじょみならいが…ええっと… <アレ> を取り出す前に潰したかったようですね。あの威力は脅威ですからね]

アレって…まあわかるけど。

[そうこうしているうちにエリニュスは空中へ! これは他の二人を戦わせて漁夫の利を狙っているのでしょうか?]
[この形式の闘いでは先程までと異なり戦術的な考え方も必要になってきます。エリニュスの考えも一理あります。
 しかし私はワータイガーが先にまじょみならいを狙ったことが気になりますね]
[それはアレの威力を警戒しただけではない、と?]
[ええ。獣人種は直感が優れていますからね。なにかを感じ取ったのかもしれません]

直感に優れるねえ…。

「ワーウルフからはそんな気配は微塵も感じなかったんだが」
「個体差があるんじゃない?」

個体差なら仕方ないね。



膠着状態の中、

――チラッ

まじょみならいの視線が一瞬エリニュスにとらわれる。

「…ハッ!」
「!?…くっ!」

ワータイガーはさきにまじょみならいに照準をあわせたようだ。
まじょみならいが自分から目をそらした隙に一気に接近して自慢の格闘で追い詰める。

[攻める攻める! まじょみならい、防戦一方です!]
[さすがに一撃の威力があってもあそこまで接近されてしまえば、ワータイガーにはかなわないでしょう]
[まじょみならいはこのままやられてしまうのかぁ!]

箒とパイルバンカーを盾にして防いでいるがこれ以上の接近戦はあの娘には無理だろう。
素手の相手だから打撲程度ですむだろうが(ワージャガーは無事だった)、
女の子が殴られるのはあまりみたくはないな…。



――ニヤッ…

[! ここでエリニュスが動いたぁ!]


エリニュスが悪い笑みを浮かべワータイガーの背後から手に持った槍で突き貫かんと迫る。
ワータイガーはまじょみならいに夢中で気づいていない!

「ヤァ!」
「!?」
「…!」



――ドゴォ――ザク――



二つの音が同時に響いた。



どうなったんだ?

エリニュスの羽が巻き起こした砂煙で影しか見えない。

影は…三人が絡まったように見える。
…!

――ドサッ…

二つの影が倒れた!



煙が晴れる。

最後に立っていたのは…

[…立っているのはまじょみならいだぁ!]

…無事だったのか。



ワータイガーは最後にエリニュスに気がついたのか体を逸らしたあとが見えるが、腹部を槍で貫かれている。

エリニュスは…顔面に杭が…?
倒れたエリニュスは塵となって消えていく。

まじょみならいの持っているパイルバンカーから煙が出ている。

[まさか杭を飛ばすことまでできたとは…それも獲物を狙う瞬間を的確に突くなんて…]

パイルバンカーの杭を飛ばしたのか。
とんでもないことを考えるな…。

[それでは決勝進出は…]



――ガシャッ…


槍が床に転がった。

[な…なんとワータイガー! 立ち上がったぁ!]

あれでまだ立つのか…

腹に穴の開いた体で立ち上がるワータイガー。
徐々にその傷が塞がっていく。

再生もできるのか。
再生速度はマンティコアよりも遅いくらいだがまだ戦えるのか?



[エリニュスは倒れましたがまだ試合は終わっていな…]

「…棄権する」

[い!?]

実況が続行しようとしたその時、まじょみならいが棄権を宣言した。
完全に立ち上がったワータイガーを見てまじょみならいは肩を竦める。

「…もう弾切れ…残念」

まじょみならいはワータイガーに近づき、

「…ホントはあなたごと狙った…避けれたあなたの勝ち」

とだけ言った。



[…決勝進出はぁ…ワータイガーだあぁぁぁ!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



…ワータイガーが勝ったか。
これもフレイムデーモンとサキュバスの計画通りなのだろうか。



「う…うう…」

そしてドンマイ、イツキ。





・オマケ1

「(やはり先程の試合にも干渉してきたか)」

あのタイミング、
ワータイガーはエリニュスの攻撃に気づいていたが、
まじょみならいの杭は避ける余裕はなかった。

あのズレ…。
間違いないだろう。

「(しかし…ワータイガーになにかあるというのか…?)」

調べておく必要がありそうだな…。





・オマケ2

「あ、有角さ…ヨーコさん?」
「彼女を頼む。治療は済んでいる。適当に寝かせておいてくれればいい」
「いったいなにが…行っちゃった」
「…っ…弥那ちゃん?」
「! 気がついたの?」
「ここは…」
「お城の入り口よ。有角さんが運んでくれて…」
「…あ!」
「ヨーコさん!?」
「傷がない…そっか…夢じゃなかったか」
「なにがあったんですか?」
「ん~…蒼真くんにおっきな借りができちゃった、かな?」
「???」





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



学校が辛いです。

タッグフォース5買いました。
牛尾さんがイケメン過ぎて辛い。



[20761] 暁月編49改修版[三つ巴]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/04 00:31
**********



「誰だお前は!?」
「ハッハッハッ…修正してみたのさ!」



**********



煉獄闘技場のとある部屋に集められた二回戦進出者。

まじょみならい、ワータイガー、プロセルピナ、
ルビカンテ、エリニュス、チュパカブラ、
そして俺。

スケルトンビーマーは?

「みなさんお集まりいただきありがとうございます」

近くでみると実況のリリスもかわいいじゃないか。

「突然ですがスケルトンビーマーがリタイアしました」

はあ?

「通りすがりのダンディズムあふれる中年に倒されたそうです」

…Jか?

「なんとかその中年退魔師は、
 運営によって煉獄闘技場からは引き離すことができたので、
 大会は続行いたします。ですので…」



「私も棄権します」

犬耳?

「ちょっと一回戦で消耗しすぎたみたいで…」
「そうですか…仕方ありませんね。ではこちらで手続きをお願いします」

リリスに連れられてプロセルピナは部屋を出て行った。

「続きは私から話をさせていただきます」

運営のワージャガーが進みでる。

「現在二回戦進出者はプロセルピナも除かれ六名になります。
 そのため一回戦と同じ試合形式では不都合が生じるため、
 二回戦は一対一対一の闘いをしてもらいます」

変則マッチか。

「勝者は各組み合わせにつき一名。
 すなわち次の試合が準決勝戦となります。
 組み合わせは一回戦と同様、試合直前に発表いたします。
 連絡事項は以上になります。
 それでは試合開始までもうしばらくお待ちください」



みんな部屋から出て行く。
俺も席に戻るか。

「クククッ…」


誰だ?

振り向くとそこには、
山羊のような角と蝙蝠のような翼、そして赤い表皮を持った悪魔がいた。

こ…こいつは!

「…誰?」
「フレイムデーモンだ。ここの管理者のな」

え。
なんで管理者によく会うんだ、俺は。

――ジ~…

「………」
「な…なんだよ?」

ジロジロ見られている。
そんなに珍しいもんかね?

「…クククッ…なるほどなるほど。あのジジイが目をつけるのはそれか」
「はあ…? ジジイ?」
「テスカトリポカのことだ。まあ貴様が気にすることでもない」
「…仲悪いのか、あんたら?」
「さてなぁ…クククッ…まあせいぜい足掻くがいい!」

そう言ってフレイムデーモンは転移して部屋から出て行った。

…ここの管理者ってのはどいつもこいつも変なヤツらばかりなのか。



**********



「ただいま、っと」
「あ、蒼真…」

帰ってきたときイツキは、
ペンダントになったルーンリングをじっと見つめて時折微笑んでいた。

「…気に入ってくれたかね。そいつは」
「…うん!」

イツキの機嫌も直ったみたいだ。
ちょろいもんだぜ。



[…となり、準決勝である二回戦は以上の形式で試合を行ないます!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



説明してたのか。
こいつらは正直、試合形式なんて気にしてなさそうな気がするんだが。

[それでは組み合わせを発表します!]

――ガラガラガラ…コロコロコロ…

[…二回戦の組み合わせは、
 一試合目・まじょみならい、ワータイガー、エリニュス
 二試合目・ルビカンテ、来須蒼真、チュパカブラ
 以上で行ないます!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



ワータイガー、そこを代わってくれ。

よりによって迷惑鬼と吸血不思議生物が相手とは…。
エリニュス相手に試合ということをたてにいろいろやろうと思ったりしたが無理だったか。



[それではベットを開始します!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



「………」

――ジ~…

イツキが仲間になりたそうにこちらを見ている。



「…はぁ」

俺は甘いのだろうか。

「ほれ」
「! いいの!?」
「ちゃんと考えてやること。あと賭けていいのはそれだけだからな」

おにきり(カタナ鬼切)を手渡す。

「…ありがとう、蒼真!」

花が咲いたような笑顔。
それを為したのがギャンブルであるのはなんとも微妙な話だ。
イツキは受付に飛んでいった。



ふう。

「あまり甘やかし過ぎるとあとで苦労するぞ」
「のわ!? いきなり後ろに立たないでくれ!」
「スマンな。ここしか座標がなかった」

またお前か。
テスカトリポカが現れた。

「で、なんのようだよ?
 あんま主催者側から出場者に干渉するってのは良くないと思うぞ?」
「忠告だ」



「私以外の管理者がこの大会の勝利者を意図的に操作しようとしている節がある」
「なんだって!?」
「私もなるべく抑えるつもりだが妨害が入るかもしれん。気をつけろ」

あいつらが?
なに考えてんだ?

「…なんでそんなことを俺に教える?」
「嫌な予感がしてな…お前にはそれを打ち砕く可能性がある」

???
どういうことなの。

「とにかくそれだけだ」
「あ、おい…」

行ってしまった…。

勝利者を操作してなにがしたいんだ?
いや、むしろ何が出来るんだ?



**********



[第一試合を開始します!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

倍率はまじょみならいがやや低く、他二名が拮抗している。
イツキはエリニュスに賭けたようだ。



三名はコロシアムの中心を囲うように正三角形型に位置している。
距離はそこそこ広く設けられている。



[試合開始!]

その合図と共に

――バッ

ワータイガーは一気にまじょみならいとの距離を詰める。
初撃で決めるつもりだ!

だがまじょみならいはそれを見越していたかのように大きくバックステップ。
そしてパイルバンカーをスカートから取り出しワータイガーの疾走してくる方に突き出す。

「…っ!」

さすがにあの威力を受けることは嫌ったか。
ワータイガーも大人しく距離をとる。

その間にエリニュスは空中に移動。
他の二名を上から見下ろし完全に観戦ムードだ。



三者動きを止める。

[ワータイガー、試合開始直後の猛ダッシュ! しかしまじょみならいこれを予測していた!]
[まじょみならいが…ええっと… <アレ> を取り出す前に潰したかったようですね。あの威力は脅威ですからね]

アレって…まあわかるけど。

[そうこうしているうちにエリニュスは空中へ! これは他の二人を戦わせて漁夫の利を狙っているのでしょうか?]
[この形式の闘いでは先程までと異なり戦術的な考え方も必要になってきます。エリニュスの考えも一理あります。
 しかし私はワータイガーが先にまじょみならいを狙ったことが気になりますね]
[それはアレの威力を警戒しただけではない、と?]
[ええ。獣人種は直感が優れていますからね。なにかを感じ取ったのかもしれません]

直感に優れるねえ…。

「ワーウルフからはそんな気配は微塵も感じなかったんだが」
「個体差があるんじゃない?」

個体差なら仕方ないね。



膠着状態の中、

――チラッ

まじょみならいの視線が一瞬エリニュスにとらわれる。

「…ハッ!」
「!?…くっ!」

ワータイガーはさきにまじょみならいに照準をあわせたようだ。
まじょみならいが自分から目をそらした隙に一気に接近して自慢の格闘で追い詰める。

[攻める攻める! まじょみならい、防戦一方です!]
[さすがに一撃の威力があってもあそこまで接近されてしまえば、ワータイガーにはかなわないでしょう]
[まじょみならいはこのままやられてしまうのかぁ!]

箒とパイルバンカーを盾にして防いでいるがこれ以上の接近戦はあの娘には無理だろう。
素手の相手だから打撲程度ですむだろうが(ワージャガーは無事だった)、
女の子が殴られるのはあまりみたくはないな…。



――ニヤッ…

[! ここでエリニュスが動いたぁ!]


エリニュスが悪い笑みを浮かべワータイガーの背後から手に持った槍で突き貫かんと迫る。
ワータイガーはまじょみならいに夢中で気づいていない!

「ヤァ!」
「!?」
「…!」



――ドゴォ――ザク――



二つの音が同時に響いた。



どうなったんだ?

エリニュスの羽が巻き起こした砂煙で影しか見えない。

影は…三人が絡まったように見える。
…!

――ドサッ…

二つの影が倒れた!



煙が晴れる。

最後に立っていたのは…

[…立っているのはまじょみならいだぁ!]

…無事だったのか。



ワータイガーは最後にエリニュスに気がついたのか体を逸らしたあとが見えるが、腹部を槍で貫かれている。

エリニュスは…顔面に杭が…?
倒れたエリニュスは塵となって消えていく。

まじょみならいの持っているパイルバンカーから煙が出ている。

[まさか杭を飛ばすことまでできたとは…それも獲物を狙う瞬間を的確に突くなんて…]

パイルバンカーの杭を飛ばしたのか。
とんでもないことを考えるな…。

[それでは決勝進出は…]



――ガシャッ…


槍が床に転がった。

[な…なんとワータイガー! 立ち上がったぁ!]

あれでまだ立つのか…

腹に穴の開いた体で立ち上がるワータイガー。
徐々にその傷が塞がっていく。

再生もできるのか。
再生速度はマンティコアよりも遅いくらいだがまだ戦えるのか?



[エリニュスは倒れましたがまだ試合は終わっていな…]

「…棄権する」

[い!?]

実況が続行しようとしたその時、まじょみならいが棄権を宣言した。
完全に立ち上がったワータイガーを見てまじょみならいは肩を竦める。

「…もう弾切れ…残念」

まじょみならいはワータイガーに近づき、

「…ホントはあなたごと狙った…避けれたあなたの勝ち」

とだけ言った。



[…決勝進出はぁ…ワータイガーだあぁぁぁ!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



…ワータイガーが勝ったか。
これもフレイムデーモンとサキュバスの計画通りなのだろうか。



「う…うう…」

そしてドンマイ、イツキ。





・オマケ1

「(やはり先程の試合にも干渉してきたか)」

あのタイミング、
ワータイガーはエリニュスの攻撃に気づいていたが、
まじょみならいの杭は避ける余裕はなかった。

あのズレ…。
それにかすかに魔力も感じた。
間違いないだろう。

「(しかし…ワータイガーになにかあるというのか…?)」

調べておく必要がありそうだな…。





・オマケ2

「あ、有角さ…ヨーコさん?」
「彼女を頼む。治療は済んでいる。適当に寝かせておいてくれればいい」
「いったいなにが…行っちゃった」
「…っ…弥那ちゃん?」
「! 気がついたの?」
「ここは…」
「お城の入り口よ。有角さんが運んでくれて…」
「…あ!」
「ヨーコさん!?」
「傷がない…そっか…夢じゃなかったか」
「なにがあったんですか?」
「ん~…蒼真くんにおっきな借りができちゃった、かな?」
「???」





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



フレイムデーモンの容姿について追記しました。
敵としてのデビルのデザインなら輪月版が好きです。
でも白夜のパズスのデザインも同じくらい大好きです。



[20761] 暁月編50[戦乙女OverHeat]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/07 00:25
**********

・新ジャンルあらすじ・前回のまとめ



二回戦に進んだ <城内最強決定戦> 出場者達!

だが思わぬアクシデントで試合形式は変更、
二回戦を準決勝戦とする三つ巴の戦いを行うことになった!

一試合目はエリニュス、まじょみならい、ワータイガーの闘いだった。

激戦を制し最後の勝者となったのは、
奇跡的にもまじょみならいの奥の手を避けきったワータイガー。

そして二試合目、来須蒼真を含むもうひとつの組み合わせの試合が始まろうとしていた…。



[奇跡が起こるには理由は必要だ…クククッ…せいぜい我らの手のひらで足掻け…]



※夜自転車に乗るときはライトを点けてね。
 君たちと僕の約束だ♪ (By HanYohSay!)

**********



煉獄闘技場内の控え室のような場所。
次の試合の開始にはまだもう少し時間があるが、
俺は一足先にここにいる。
ルビカンテとチュパカブラもまだいない。

部屋の壁には敗退者たちの遺品が立てかけてある。
とはいってもそのうち復活するので持ち出し厳禁だが。

ここに到着してからは、
ペットボトルコーラを炭酸抜いて一気飲みしようとして、
吐いたこと以外は特に何もおきていない。



試合のことは考えてある。

一瞬で勝利を決めることも可能な戦法だ。
だが…

「(うまくいってもブーイングがおきる気がする…)」

相手が知性ある相手だからこそ出来る手段でもあるんだが…
あまりに卑怯臭い。

しかしあんな奴ら相手にしていたら、それこそ俺が危険だ。
背に腹は代えられない。

いまさら俺に卑怯もないしな。

「(タイミングは…他二人が動き出す前にやらなきゃならない…)」



…あれ?
なんで俺はこの大会での勝利にこだわってるんだ?
適当に戦って、金を稼いで、アスカロンを買って、城から出る。
それだけでいいはずじゃないか。

確かに優勝賞品にソウルキーパーはあったが、
なくても城主の間は目指せるかもしれないし…。

そうだ。
今からイツキに言って賭けの対象を俺以外に変更してしまえば、
適当にそいつ以外に攻撃して途中でリタイアしてもいい。

例えばルビカンテに賭けたとすると、
俺はチュパカブラに攻撃して弱らせてすぐリタイア…





ああ、なるほど。
単に意地になってきただけか。

リタイアすることが悔しいと感じている。
ここまできたからには勝ちたいと思ってしまっているわけだ。

「フッ…俺も男の子ってか?」



…クッサアァァァ!
言うんじゃなかった!
ギップリャ!

頭を抱えて激しく悶える。
あまりに激しかったので途中で壁にぶつかった。

――ドカッ

その振動で入口近くの壁に立てかけてあった故エリニュスのロンギヌスの槍が倒れたらしい。

――ガシャッ…

「…キャ!」



( ゚д゚)
(゚д゚)彡

部屋の入口で綺麗なお嬢さんがこちらを見ていらっしゃった。
フッ…ついに俺にもファンがついたか…って、

「あのときのヴァルキリー…?」
「…(コクン)」

なんでこんなところに。
早く森へお帰り。

鎧を新調していないのか、未だ薄い布の服しか着ていない。
チラチラ見えるふとももに目線が釘付けだ。

「どうしたんだ?」
「糸が消えたからもう一度戦おうとしたんだけど…」
「ここが争い禁止だって知らなかった?」
「(コクン)」

…あれだけやられて懲りないとは。
もう少し激しいお仕置きが必要だったようだな。
次は電気ショックとかもいってみようか…。


いかんいかん…。

「で、なんで俺のところに?」

戦えないとわかったなら大人しく自分の生息域に帰ればよかろうに。

「…えっと…弱点を調べに?」

なぜ疑問形。
そしてなぜ本人に言ったし。

「なあ…」
「な…なに?」
「悪いこと言わないから、ほんと自分の居場所に帰れ」
「でも…」
「てつのむねあても返すし、グングニルだってこの大会が終わったら返してもいい」
「!」
「だからもう俺のことを狙うのはやめておけ…な?」

なんかもうこの娘と戦うのはちょっと…。



ヴァルキリーはその言葉を聞いて突然挙動不審になった。
周りをチラチラ見る、何か言おうとする、そして顔を赤くする、それを繰り返す。


なんだろう。
まあキョロキョロしている間、
服がふわふわ動いて太ももが顕になるのでオールオッケーだが。



しばらくしてなにかを決意したような顔でヴァルキリーは俺に言った。

「…自分の力で取り戻す。
 人間に情けをかけられるようなマネはしない!」

キリッwww
なかなか骨があるようで。

「だから…貴様は私ともう一度戦うまで負けることは許さん!」
「………」

ベジータさん…。

「ま、応援として受け取っておくよ」
「な…!? 勘違いするな、そんな意味ではない!」

とにかく絶対負けるなよ! と言い残し、ヴァルキリーは外に出て行った。
最後まで太ももに目線がいってしまっていたが、バレていないようだ。
ふう、いいもん見れたぜ。

試合、がんばろう。



――ガタッ…

しばらくしてルビカンテとチュパカブラも部屋に入ってきた。

[まもなく試合開始です!]

そのアナウンスと共に俺を含めた出場者は、
コロシアムへの通路を歩き始めた。



「(俺達の戦いは…これからだ…!)」

…そのままの意味だった。





・オマケ1

「はあ…はあ…」

言ってきた。
宣戦布告だ。

これでもう私は彼の敵だ。

次にあったときは戦いになる!



もし…もし負けたら…
ま…またメチャクチャに…

――ゾクゾク…



・オマケ2

「ワータイガーにはなにもない…か」

いったい奴らの目的は…
…?

なんだこの術式は…
これは…!

なるほど…ようするに誰でも良かったわけだ…。
最後に与し易い者を残すつもりだったか…。
丁寧に一戦ごとに疲労させて…。

だがこれだけでは器にしか…
…!
まさか奴を…?

…厄介だな。



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



不覚…瀬良あゆみ、かわいい。
不覚…ツァンディレ、かわいい。
不覚…牛尾哲、かわいい。



[20761] 暁月編51[卑怯は俺の褒め言葉]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/24 12:33
**********

・新ジャンルあらすじ・外伝予告



「やっと来たか。遅かったじゃないか」

結局…私は…

「へーその娘が?」
「なかなかかわいいじゃん」
「へへ…」

「みんなも待ってるよ。さあ…早く…」



あの時から彼の蜘蛛の巣に囚われたままだった…





悪魔城おれキュラ外伝 <堕ちた戦乙女-スパイダートラップ->

「優しくしてあげるよ…」





※三度目の正直という言葉もあるが大丈夫か?
 まあ、いいんじゃないかな?
 二度あることは三度ある、とも言うしね。

※本気ならできないこともない主人公だが大丈夫か?
 大丈夫だ、ここはチラ裏、問題ない。

※そんなにシャダイが気になっていて大丈夫か?
 一番いいオトートノカタキを頼む。

**********



[それではこれより準決勝二戦目を始めます!]

[[[うおぉぉぉー!]]]

観客は会場が揺れるほど興奮している。
超、エキサイティン!

[バーサーカーの力を持つルビカンテ!
 素早さと吸血能力のチュパカブラ!
 そして支配の力を持つ人間来須蒼真!
 いったい誰が勝利するのか!]
[倍率は…ルビカンテが有利ですね。
 おそらく試合形式を考慮してバーサーカーの発動を予想しているのでしょう]
[しかぁし! ここまで一回戦を勝ち残った他二名も十分な実力を備えています!]
[勝負はわからないですね]

やるか。
この会場の盛り上がりからやりづらいが…。



[それでは…試合開始!]



――バッ

「待ちな!」
「「!?」」

動き出そうとする二人に先制し声をかける。
それに二人の動きが止まる。

「面白い話をしよう…あれを見てみな!」
「「?」」

――クルッ

俺が指をさした方に二人(と観客)の目が行く。



そこには優勝賞品がライトアップされている。
それだけだ。

「「…?」」



「往ねやあぁぁぁ!」
「「!?」」

――ザクッ

不思議そうにしているルビカンテの脇腹を俺の剣が切り裂く。



[なにぃ!? 蒼真くん、まさかの不意打ち! なんて卑怯な!]

[[[ブーブー!]]]

会場中から巻き起こる熱いブーイング。

「フゥハハハァー! 勝てばよかろうなのだあぁぁぁ!」

プランD、いわゆる不意打ちですね。

[人間代表! さすがの貫禄です!]
[人間でもこのタイミングでやる人はそういないと思いますが…]



チュパカブラは警戒し俺から距離をとった。

ルビカンテは斬られたところを抑えながら憤怒の表情でこちらを睨みつけ襲いかかろうとした。

だが…

[反撃のルビカンテ! だが動きが鈍いぞ? バーサーカーにはなっているようですが…]
[まさか…]

「フゥハハハァー! こいつはフルンチング! 毒の魔剣よぉ!」

ついでにスカルミリオーネのソウルで毒爪ひっかきもさりげなくやってきました。

[なんということでしょう!
 一回戦でアレだけスカルミリオーネが卑怯者呼ばわりされていたのに、
 その対戦者はもっと卑怯、卑劣だったのです!
 誰が予想できたでしょうかぁ!]

コロシアムの中ではルール無用…そうだろ、松!

[コロシアムの中では確かにルールはないですが…人間としてどうなのでしょうか?]
[魔物よりも卑怯者! 人間代表にふさわしいのではないでしょうか!?]

実況のリリスさん。
人間に騙されたりしたんですか?



ともかくこれでルビカンテはほぼ死に体…
チュパカブラは…きた!

まるでコレクターMK-3のようなスピードでこちらに襲いかかるチュパカブラ。
先にこいつを潰すべきだったか?

鋭い爪で切り裂こうと襲ってくるが、
すいりゅうのよろいに阻まれる。

さすがすいりゅうのよろいだ!
なんともないぜ!

はじかれたチュパカブラは距離を取り、
舌を伸ばして攻撃してくる。
だがグレートソードでこれも防がれる。



ふ、ふふふ。
圧倒的じゃないか、俺!
強いぞー! かっこいいぞー!

「ガアァァァ!」

って、しまったぁ!?

――ガコン!

「うごぁ!」

[[[うおぉぉぉー!]]]

後ろからゆっくり近づいていたルビカンテが俺を殴り飛ばした。
殴られたのが胴でよかった。
すいりゅうのよろいが防いでくれた。

しかし毒でありながらこの威力…
もしそのままだったらすいりゅうのよろいごとばらばらになっていたかもしれん。

そしてなぜ俺がやられると歓声があがる?

[ルビカンテはまだ戦えます! 今の一撃が証明してくれました!]
[…毒で怒りが増幅された結果バーサーカーの能力が強化され、かすかな能力低下で済んでいるのかもしれません]

くそ!
やっぱり先にチュパカブラを潰すべきだったか!



立ち上がった俺の目に入ったのは、
軽く目を合わせたルビカンテとチュパカブラ。
互いに頷きあいこちらに槍と爪を向ける。

…共同戦線張られた?



[ここでルビカンテとチュパカブラ! 互いに最初の獲物を蒼真くんに定めたようです!
 やっちゃってください!]
[ちょ…リリスさん。あくまで公平に、ね?]

俺がなにをした。

…不意打ちか。





・オマケ1

「なんて卑怯な戦い方だ!」

こんな奴に私は…
あんなメチャクチャに…

――ゾクゾク…



・オマケ2

「おっちゃん、ビール!」
「おっちゃん…ほらよ!」
「しかしあいつすげえな…こんなところであんなことをする勇気が。おっちゃんの知り合いだろ?」
「あ? ああ。まあ一応人間だから大目に見てやってくれや」
「(知り合いからも <一応人間> って…)」
「まあ勝つためにはプライドを捨てるってのは嫌いじゃないぜ、俺は。
 ルールも破ってないしな。そもそもルールが無いけどな」
「ま、楽しけりゃ俺らはいいのさ」

観客の意見の約九割がこんな感じ。
ブーイングも盛り上げるため。(スカルミリオーネの時含め)



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

武器 グングニル
防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



TF5
瀬良あゆみ、牛尾哲、ツァンディレをクリア。
いまは藤原雪乃んとタッグ。

デッキはやっとアンティークギアを組めるようになったところです。
プリズマーはどのパックに入っているんだろう?



[20761] 暁月編52[準決勝戦、終了のお知らせ]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/25 17:12
**********

・前回のあらすじ



「俺の名を言ってみろ!」

 ンウマ
 ソウマ
→シウマ

「そうか、おまえ死にたいのか…」

――ドゴォッ

「俺の支配の力を見ても誰だかわからねえのか?」

――ガッ

「もう一度だけチャンスをやろう!」

 シウマ
→ツウマ
 ンウマ

「俺は、嘘が大きれぇなんだ!」

――ベキョッ

「フヘヘヘ…どうだぁ? 悔しいかぁ?」



勝てばいいんだ、なにしようが勝ち残りゃあ!



※あらすじには誇張表現が含まれることがあります。
 本体の点火中は、前に洗濯物を干さないでください。

**********



「ガアァァァ!」
「シャァァァ!」

一対二になったでござる。
言うまでもなく俺が一。
俺の不意打ちは魔物同士が協力しあうのに十分な効果があったようだ。

[ルビカンテ、チュパカブラ! 連続の攻撃で蒼真くんを攻め立てる!]

コンビネーションとかがしっかりしているわけではないが、
バーサーカーの状態で暴れているルビカンテの隙を埋めるように、
素早いチュパカブラが攻撃してくる。



[しかしストラスさん。ルビカンテは毒に侵されているとはいえ、
 バーサーカーになってしまっているはずですが、なぜ蒼真くんだけに狙いを絞れるのでしょうか?]
[衝動が爆発するだけでバーサーカーの状態でも意識ははっきりしているんです。
 十分な集中力があれば狙いを絞ること自体はできるはずです]



めんどくせえ…。
チュパカブラと同士討ちでもしてくれれば…

…!
いい考えじゃないか。



――ザッ!

[蒼真くん、大きく飛び退いたぁ! また卑怯な手を考えているのかぁ!?]

リリスめ…機会があればヒドイことしてやる。



飛び退いた俺を、逃がすつもりは毛頭ないとばかりに追撃しようとするルビカンテ。
チュパカブラはその影に隠れて一緒に来ている。

計算通り…!



――ポンッ

「ガアァァァ!」

ルビカンテが俺の姿を捉え、槍を突き出す。
だが

――ザシュッ

「!?」

その槍は俺の姿だけでなくチュパカブラの頬をも引き裂いた。

残念、それは私のお人形さんだ。

囮人形をチュパカブラの方向に全力で投げ込んだのだ。
キラードールのソウルには本当に世話になってばかりだ。

驚き距離をとるチュパカブラ。
だがルビカンテはそんなことは気にせず粉々になった人形から目線を外し、
再び俺の方へ迫ってきた。

[??? いったいなにが起きたのでしょうか!
 私には蒼真くんがチュパカブラのところに飛び込んだように見えたのですが…]
[私にもそう見えました…しかし無事に別の場所にいるということは幻術か何かだったのでしょう]

この認識のズレって観客にもかかるのか。

ルビカンテが近づいてきているが、
チュパカブラは見えない。
少し離れてついてきたようだ。

クククッ…自分も巻き込まれる可能性があると判断したな…。

ルビカンテの攻撃を避け、追撃の遅れたチュパカブラを迎撃する。

これだけ追撃が遅れれば俺でも簡単に対処できる。



お前たちの協力体制…マッハで粉々にしてやんよ!



**********



[おぉっとぉ! ルビカンテが見境なしに暴れ始めましたぁ!]

あれからスパイダーストリングスでチュパカブラに人形をくっつけたり、
キョウマのソウルで二人の間に立ってみたりいろいろやった結果、

※キョウマのソウル
 周りから見えている自分と本当の自分の認識をズラす。非常に短時間だが無敵になる。

ルビカンテも諦めたのか、チュパカブラにも攻撃するようになった。
チュパカブラも協力体制を破棄したようだ。

クククッ…魔物の心変わりは恐ろしいのぉ~。

だが俺もふざけすぎたせいで魔力が切れかかっている。
キョウマの消費が大きすぎたか。



ルビカンテは暴走し始めてからは、一番近くにいる奴を狙っている。
いまはチュパカブラだ。

だからいまは少し余裕が…
…!

「ガアァァァ!」
「…!」

[チュパカブラ、蒼真くんの方へ猛ダッシュ! ルビカンテの狙いを変えるつもりだぁ!]

こっちくんな!

チュパカブラはまっすぐにこちらに向かってくる。
その後ろからは怒りを通り越してなんだか危ない顔になっているルビカンテが追いかけてくる。

くそ!
カウンターでまずはチュパカブラを仕留めてやる!

グングニルを構える。

…今!

「くらえ!」

グングニルがチュパカブラの頭に突き刺さり電撃で爆散させる。
ハズだった。

――ニョロン

だがチュパカブラは口から伸ばした舌をコロシアムの壁に貼りつけて飛び去ってしまった。
あんなのありか?

そこで驚き動きを止めたのが悪かった。

その結果、

「ガ…!?」
「ぐっ…あ…!」

ルビカンテの頭をグングニルが貫き、そのかわりに俺も太もものあたりをルビカンテの槍に刺された。



――ボシュッ

ルビカンテ ソウルゲット



やられた…さっきまでやってたことをやり返されるとは…。

[ルビカンテ脱落! 残りは未だほぼ無傷のチュパカブラと手負いの蒼真くんだぁ!]

くっそ…。
足が痛くて動けん…。

チュパカブラは若干笑っている。
顔で判断はできないが雰囲気がそんな感じだ。

――ニョロン

遠くから舌を伸ばし攻撃してくる。
俺の血を吸おうってのか?

グレートソードとグングニルを盾に防いではいるが…
…!
あいつ…遊んでやがる!

[チュパカブラ、動けない蒼真くんに遠距離からの攻撃! 蒼真くん一方的に嬲られています!]
[一方的な展開になってきましたね]
[ええ! やっぱり人間より魔物の方が体力などは優れてますしね!]

…リリスェ。

ちくしょう…
ムカつく…
なんでこんなに実況から目の敵にされなくちゃいけないんだ?

「シャァァァ!」

――ニョロン

こいつはこいつで俺で遊んでるし…

うぐぐ…

「うがぁぁぁ!」

――パシッ

高速で伸びてきた舌をつかみとった。

「!?」

頭にきた!

[蒼真くんがキレたぁー! 最近の人間はキレやすいという情報がありますが…]
[あれは…バーサーカー!?]

そういえばルビカンテのソウル手に入れてた。
俺の体を赤いオーラが包んでいる。

なんだかひどく頭がクリアになる。
その中でただ暴れたいという衝動だけが強くなっていく。

――グイッ

「~ッ!?」

舌を引っ張りチュパカブラを引き寄せ、殴る。

――ドゴッ

「~ッ!」

[[[うおぉぉぉー!]]]

[クリーンヒットォ! チュパカブラの頭が揺れるぅ!]

逃れようとしたチュパカブラの腕をつかみ、殴る。

――メキョッ

[これは決まったかぁ!?]
[…まだ終わりませんよ]

殴る、殴る、殴る…

――メキョッ…メキョッ…ニチャッ…

[………]
[今の彼は一回戦で暴れていたルビカンテと同じような状態ですから…]



「ヒャッハー!」

ハハハッ!
気分爽快だぜぇ!

――ニチャッ…ヌチャッ…



**********



気がつくとチュパカブラがなんだか液体のようになっていた。

――ボシュッ

チュパカブラ ソウルゲット

ふう…。
すっきりした。

実は途中でソウルに魔力を流すのを止めれば、
普通に止まることはできた。

ほら、俺ってストレス貯めこむタイプだからさぁ…。
今のうちに発散しておかないといけないと思って。

[け、決勝進出は蒼真くんです!]
[支配の力…やはり凄まじいですね]
[ちなみに私の試合中の言葉は決して私個人の意見ではなく! あくまで観客の代弁を…]

安心するといい…
リリス、お前も闇行き決定だ…

[とにかく! 決勝戦の組み合わせは、ワータイガー 対 来須蒼真、に決定しましたぁ!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



まさかの決勝進出。
これは狙うしかないな…優勝。





・オマケ

「ヒャッハー!」

<イツキ>

蒼真…悪役にしか見えないよ…。

<ハマー>

あいつバルムンクなくても…っていうか素手でよくねえか?

<まじょみならい>

…ユニコーンの角以外になにか代用できる物…あったかな?

<ヴァルキリー>

すごい…あんなに…
でも…もう少しだけ優しく…

――ゾク…ゾク…

<サキュバス>

…あの子の方が器に向いてるかもしれないけど、支配の力が邪魔してしまうわね。
予定通りいきましょ…。

<フレイムデーモン>

これが支配の力…やはり凄まじい。
どうにかして奪えないものか…。

<テスカトリポカ>

むう…。
拳の握りが甘いな。
欲をいえばもう少し背筋を意識した打ち込みを…



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル New

ルビカンテ
チュパカブラ

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



よくよく考えると支配の力って反則臭いですね。

装備はコロコロ変えるのでステータスには表示されなくなりました。
ご了承ください。

XXX板…ユージンはあと十年で魔法使いなので、表現できるのか…。



[20761] 暁月編53[決勝戦、その前に]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/27 02:08
**********

・前回のあらすじ



――ウゴオォォォ…!

「ソウマ、再起動!」
「そんな…足の怪我でもう動けないはずよ!
 まさか…暴走!?」

――ウゴオォォォ…!



――<中略>――



「チュパカブラ、沈黙!」
「これが…支配の力…」

――ウゴオォォォ…!

「拘束具が!」
「私達にはもう、ソウマを止めることはできないわ…」

「くっ…イツキ君…!」



※あらすじには誇張表現が含まれることがあります。
 一部の成分により独特の苦味を感じられることもあります。

**********



[決勝戦まで再び時間をとります!
 しかし前回と異なり、今から賭けの受付は初めますので試合開始までに自由にベットしてください!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



**********



試合を終えた俺はコロシアムをでる。
観客席のイツキの近くでゆっくり休むつもりだ。

その道の途中、運営からまたポーションをもらった。
バーサーカーの時に、はしゃぎ過ぎたのか拳が砕けて血だらけになっていた。
痛みすら感じないくらいになっていたが、
もらったポーションで治すことはできた。

以前のものよりも少量で良く効くような気がする。
ハイポーションなのだろうか?

しかしこんなに痛みとその傷を治すことに慣れてしまうと、
日常生活で不注意になってしまうかもしれない。
気をつけよう。



ん?
こんなところに部屋が…



いまいちここ、煉獄闘技場の内部構造はわかりにくい。
地図を取り出せばある程度はわかるが、
目印が無いので結局わかりづらい。

わかるのにわからないのだ。
…今の格言っぽくないか?
ないか。

とにかく部屋の中を覗いてみるか…。



「「あ」」

中には犬耳メイドがいて俺と彼女の驚きの声が重なった。

「えっと…」
「蒼真さん、無事だったんですね!」
「あ…ああ」
「よかった…」

なんだか心配してくれていたようだ。
嬉しい。

「ホントは試合を見たかったんですけど、部分的な獣人化は負担が大きかったみたいで…」

ベッドを借りて休ませてもらっていたんです、とのこと。
そっか、さっきの試合は見られてないか。
うん、よかった。



ここは医務室だそうだ。
とはいっても、魔物同士が戦う場合は大抵敗者は存在崩壊してしまうため、
あまり使われることはなく、もっぱらポーションの保管場所になっているらしい。



――ガサッ…


奥のほうで物音が…

「ここは…あんたらは…?」
「ワージャガーですよ。もう体も修復できたみたいです」
「ああ、そういえば生きてたって言ってたな…」

一番端のベッドで眠っていたワージャガーが目覚めたようだ。

「俺は負けたのか…」
「ええ、でもすごい戦いでしたよ!」

ワージャガーは自分がどのように負けたかを犬耳から聞いている。

「…大会はどうなってるんだ?」
「結果だけ言うなら俺とワータイガーで決勝だよ」
「そうか…アイツが…」

なんだか嬉しそうだ。
あれか?
自分を倒した相手が決勝まで進んだんだ、みたいな。

「あんた人間のクルスソウマって言ったよな?」
「ああ」
「アイツ、強いぜ」

クックックッ…と柔らかく笑うワージャガー。

「ずいぶんと仲が良かったんだな」
「なに、腐れ縁って奴さ」

ワージャガーは語り始める。

「まだ伯爵が存在していた頃からずっと俺達は競い合っていた。
 でもいつも決着がつかなくてな。
 伯爵がいなくなっても変わらなくて…
 でも今回城が現出するタイミングに合わせて大会が開かれたから、
 ここで決着をつけようって話をしたんだ」

そこで天井を見上げる。

「俺も切り札みたいなもんを作ってきたつもりだったんだけど…
 そっか…届かなかったか…」



それっぽい話ってのはわかる。
わかるんだが豹の顔した奴がやってると、すごいシュールに感じてしまう。
正直申し訳ない。



「ま、敗退者からの言葉なんて無いさ。適当にがんばってくれ」
「ああ…」

そう言ったあとワージャガーは壁のほうを向いてしまった。



…!
そっとしておこう…。

犬耳を連れて医務室から出る。
と、

「………」

ワータイガーがいた。

「…なにかようか?」
「いや…」
「ワージャガーのお見舞いとかじゃないんですか?」
「アイツに合わせる顔なんて持ちあわせてはない…それよりも…」


俺の方を見る。

「なにをしてもいい。だが、全力で戦ってくれ」
「…そのつもりだけど、どういうつもりだ?」
「別にたいした意味じゃない…じゃあな…」

そのままワータイガーは去っていった。

全力、か。



**********



まだ時間はある。

犬耳とは観客席に行く途中で別れた。
なんでも隊長に報告するんだとか。
幻夢宮は組織化されてるなぁ…。



適当にふらつくことにした…。



――蒼真徘徊中…



「ん?」
「げっ!?」

リリス、ハケーン。



**********



彼女は生まれたときは人間だった。

山奥の小さな小さな村の中。
両親と一緒に慎ましくも幸せな生活をしていた。

だがそれは壊されてしまった。



同じ人間たちの手によって…。



とある軍隊の脱走兵達。
それが山賊となって村を襲ったのだ。

両親は殺され、彼女も…。

そのとき五人の天使が現れ彼女に告げたのだ。



――ヒトが憎いか…



**********



「という背景があるならば許す」
「私は生まれた時からリリスだけど…」
「なら許さん!」
「キャー!?」

お仕置きタイムだ!
逃げようとするリリスの腕をつかみ、引き寄せる。

「…なにをやってるんだお前は?」

どこにでも現れすぎだろうが、デンジャラスG-3め。

「テスカトリポカ様! 助けてぇ!」
「争いは…」
「テスカトリポカ、これは争いじゃない」
「は?」
「ただのオシオキだ」
「…そうか。ならば仕方ないな」
「え…」

オォォォケィィィ…レェッツ…パアァァァリイィィィ!

「ヒャッハー!」
「イヤァァァ!」

――バチバチバチ…

「仕方ないわけ無いだろうが、たわけ者」

「あがががが…」
「なななんでででわわ私まままでー?」

ビリビリショック。

「お前も運営の一部だ。あくまで公平にな」

――プシュー…

前より威力上がってるよ…。



「お前の半身がお前を探しているようだぞ?」
「いてて…イツキが?」

「蒼真ー!」
「ほれ」

イツキが飛んできた。

「蒼真! 探した…よ…?」
「どうした?」

確認する。
俺、試合後で汚れている以外問題なし。
ジーサン、言うまでもなく問題なし。
リリス、電流で服が破けている…!?

「蒼真…管理者の前でまで…」

ちょ!

「ちが…違う! 俺はただコイツにオシオキを…」
「そういえばなにをするつもりだったのだ?」
「…チュパカブラのソウルを手に入れたし、舌でくすぐってやろうかと」
「…蒼真、君はもう僕の予想を超えた力を手に入れてしまったんだね…」

え、なにその可哀想なものを見る目!?
まだなにもしてないのに!



しかも服破いたのテスカトリポカじゃねえか!



**********



リリスは去った。
一応謝罪はさせたが、なんだか納得いってない様子だった。

「無駄な時間をくったな」

アンタのせいでな!

「それよりも伝えておくことがある」
「あ? 今更なんだ?」
「決勝戦、出来るならワータイガーを支配しろ」

はあ?

「支配って…なんで?」
「体が残ればおそらくそれも器にするつもりだろう。
 奴らは魔人の魂を降ろす器を作っているようだ」
「…もう少しわかりやすく」
「今コロシアムは呪法で縛られている。
 お前に支配された魔物の魂以外は体の再生も始められずに漂っている。
 最後にそれをワータイガーに束ね、器とするのだろう」

むしろむずかしくなったよ。
かんたんにたのむよ。

「とにかくそれだけだ。無理なら無理で構わん」
「あんたはどうするつもりだ?」
「運営の不始末は運営で処理する」



当然だろう、というテスカトリポカはカッコよかった。





・オマケ



「もうやぁー!」

走り去るリリスと、



「舌で激しく…だと…!?」

――ゾクゾク…



盗み聞きしていたヴァルキリー。



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
ミストルティン→レーヴァテイン(前回の賭け、ミストルティンは消失) New
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



ハーモニーオブディスペアにJとヨーコさんが出るらしいですね。
(本名はもうちょっと待ってね)

ヨーコさんはわかるけどJって武器ジョナサンとかぶってません?
ここは槍使いのエリックやカードマスターネイサン、
悪魔使いヘクターとか出しても良かったのではないかと。
アイオーンの2D化でもいいな…。

いやDSからのグラ移植ってことはわかってるんですけど。

うーん…Xbox360がもう少し安くなればなぁ…。



[20761] 暁月編54[ファイナリスト蒼真・前編]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/09/29 00:48
**********

・前回のあらすじ



「私の両親は人間に殺されたのよ」
「蒼真、嘘に決まってる! だまされちゃだめだ!」
「嘘じゃない…」
「どーしてわかるんだ!」
「彼は脳が発する超微音を聞き取り、だまそうとする敵が近づくと反射的に攻撃するわ。
 ためしに妖精さん、何か嘘をついてごらんなさい。彼の舌があなたの脳みそ貫くわよ」

「本当だ。間違っても嘘はつかないでくれ」
「………」

なにか仕掛けが…

――キュイィィィン…

…!

「耳だ!」
「!?」

――ポカッ



「…この機械で音を操作してたんだ」
「嘘だったのか…」
「ヒッ…ゆ、許して…」
「お仕置きの時間だよベイビー」
「あ…」

――アッー



※あらすじには前回の概要が含まれることがあります。
 お肌に異常のある時、またはお肌に合わないときはご使用をおやめください。



**********



決勝戦が始まる。



[[[[[うおぉぉぉー!]]]]]



観客は興奮のあまり試合開始前からオーバードライブ。



[観客の興奮は最高潮!
 今までを超える歓声の中、決勝戦がまもなく始まろうとしています!]



円形闘技場、すなわちコロシアム。
その中心を挟み、
俺とワータイガーは対峙している。



全力で来いとのことだ。
派手に行こう。

準備運動は済ましてある。
開始直後に仕掛ける…!



[試合開始!]

――ダンッ!



全速力でワータイガーに近づく。
と、見せかけてバックステップで距離を開ける。



[蒼真くん、開始直後に大きくバックステップ! 距離をとったぁ!]

「!」



やはり…
ワータイガーは速攻でインファイトを仕掛けるつもりだったようだ。

アレだけ技術のある相手には、
いくら反射神経が人より有るとはいっても素人の俺じゃあ分が悪い。



だから俺の全力は…



「裂けろ!」

――パチンッ!



中・遠距離戦だ。

ミニデビルのソウルで真空波を撃ち出す。

これだけ最初に距離を取れば、
そう簡単には詰められまい。

魔力の貯蔵は十分。
真空波の切れ味もバッチシだ。



――ヒュオッ

「…ふん」

――スッ…

[ワージャガー、蒼真くんの撃ち出した真空波を軽々と躱す!]



避けられた…!
軽い左右のステップだけでワータイガーは真空波を躱した。

真空波を避けやがった!
ほぼ音速で飛んでいってるはずなのに…
読まれているのか?



――ザッ…



…まずい!
距離を詰められる!



「くっ…まだまだ!」



再び真空波を撃ち出し、さらにバックステップで距離をとる。

だが



「無駄だ…!」

――ヒュッ…ヒュッ…

[ワータイガー、蒼真くんの攻撃を物ともせず距離を詰める!]
[すごいですね…風の流れを読みきっています]



うぐぐ…
…ならば!



――ポンッ



囮人形だ!

真空波を避けながらこちらに近づいてくるワータイガー。
その前方に放り投げ、横から回りこむ。
…つもりだったんだが、



――パァンッ!

[蒼真くんが木っ端微塵に…違う! 人形だぁ!]



パンチ一発で人形が吹き飛んだせいで一瞬しか気を引けなかった。



このワータイガー厄介すぎるんですけどぉ!?



…ん?



「ハア…ハア…」

[ワータイガーの動きが鈍りました! 蒼真くん、また毒かぁ!?]



え、まだ使ってないけど…。

ワータイガーは肩で息をしている。
ちゃんと回復していなかったのか?



「…まだまだ!」
「うお!?」



先程より若干遅くなったが、
それでも速さのあるショートアッパーをスウェイで避ける。



「…俺はあの時もう負けていたんだ」
「はあ?」

いきなりなんだ?

「俺がここまでこれたのはただの偶然…だが!」
「うわ!?」

腕を掴まれる。

「お前がここの優勝にふさわしいかは…!」

――ゴッ!

「~っ!?」

脳を揺らす衝撃。

[ワータイガー、まさかの頭突きぃ!?]
[どうしたんでしょうか? いままでにない…]



痛い。
視界が揺れる。



「どうした! そんなものじゃないだろ!」
「~っ!」



顔から血を流しながら言うワータイガー。



「くっ…」
「まだまだぁ!」



距離をとろうとしたが、
腕を引っ張られ、引き戻される。



――ゴッ!

「~っ」



右フック。
めちゃくちゃ痛い。

たまらず倒れこむ。





「全力で来い。そうでなければこのまま終わるか?」

俺を見下ろしながらワータイガーはそういった。



…そうだな。

「全力、全力か…」

頬をさすりながら立ち上がる。



「いいぜ、俺の切り札を見せてやる…文句をいうなよ」

魔力をソウルに流し込む。

「ぬおぉぉぉ…!」



[蒼真くんの体が…これは!?]
[変身能力…支配の力とはこれほど…]



俺は悪魔へと姿を変えた。
この変身、持続時間は短い。
だがその力は他のソウルを凌駕する。



「これが…俺の全力だ!」
「そうだ…来い!」

俺とワータイガーはぶつかり合う。



勝つ…絶対!





・オマケ



まったく…
なんだったんだ、さっきのワージャガーは?

それよりも…
…!
くっ…頭が…
暗黒の力がぶつかり合う気配がする…

急いで戻らなくては…
あの闘技場へ!



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード
フルンチング
レーヴァテイン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



なんとか就活が本格化する前に、
暁月編まで完結させたいです。

レベルEって知ってる人どれくらいいるのでしょうか?



[20761] 暁月編55[ファイナリスト蒼真・後編]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/01 00:17
**********

・前回のあらすじ



「見せてやろう…光栄におもうがいい!
 この変身をみせるのは貴様が(今大会では)はじめてだ!」



――ドドドッ…



「く…来須蒼真の姿が…」



――シャキーン



「こんどはこっぱみじんにしてやる…あの獣人のように!」

!?

「…ワージャガーのことか…ワージャガーのことかあぁぁぁ!」



※あらすじには前回の概要が含まれることがあります。
 酸性の液体と混ぜると有毒ガスが発生しますので絶対にしないでください。



**********



「うおぉぉぉ!」
「くっ…」

――ゴオォォォ!



[悪魔に姿を変え、炎の魔剣を振り回すその姿! ほんとにこれは人間なのかぁ!?]

リ・リ・スゥゥゥ!
そういう言い方するんじゃねえぇぇぇ!



準決勝の賭けで手に入れたレーヴァテイン。
北欧神話にてラグナロクの際、世界を焼き払ったと言われる炎の魔剣。
それを悪魔の力で振り回す。

炎が飛び散り刀身より広い攻撃範囲を持つため、
さすがにワータイガーも避けるのに手こずっているようだ。

悪魔化はそんなに長くは持たない。
このまま押し切る!

「ぬおぉぉぉ!」
「…フン!」

――ダンッ!



一歩。
たったその一歩だった。

ワータイガーの体は俺の武器の間合いの中へ入り込んできた。

そして

――ゴスッ!

「~~~っ!」

そこからのアッパー。

悪魔の体をもってしても首が後ろにはじけ飛ぶ威力。

強い!



[蒼真くん、仰け反ったぁ! 凄まじい威力のアッパーです!]
[…あれは全開の拳ではないですね]
[あの威力でですか!?]
[ワータイガーは体の再生をしていないようです…十分な休憩時間はあったはずですが…]



「ハア…ハア…」
「ぐっ…ずいぶんと調子が悪そうだな…どうした?」

会話でダメージが回復するまでの時間を稼ぐ。

「…たいしたことはないさ」
「そうかね。なんで体の再生をしなかった?」

純粋な疑問でもある。

「…くだらないプライドって奴さ」
「プライド?」
「俺はあいつと戦えればそれで良かったんだ…あんな決着、認められるわけがない」

ワージャガーのことか?

「あれは偶然だろ?」
「違うな…俺の体は完全に動かなかった。あの時俺は負けていたんだ…
 二回戦の時もそうだ。あのまじょみならいの一撃。
 俺には避けることのできないタイミングだった」

…あの時既に管理者に介入されていたってことか?

「…もう回復したんだろう?」
「! お前…」
「続きを…」

――始めよう!

再びぶつかり合う。



**********



こいつ相手には武器を持っていても仕方ない。
こちらも素手で戦う。

相手は達人レベル。
ただ打ちあえば勝ち目はない。

だから…

「ハッ!」
「っらぁ!」

――ゴッ!

互いの拳が互いの体に突き刺さる。

[両者、パンチがクリーンヒットォ!]
[蒼真くんは玉砕覚悟でカウンターを狙ったようですね。
 悪魔の強靭な体がなければとてもできませんよ]



「くっ…」
「がはっ…」

お互いに蹈鞴を踏む。

痛い。
だが今までで一番のダメージを与えることができた。

「ハア…ハア…たいした度胸だ」
「そいつは…どうも…」

限界か…。

――シュゥゥゥ…

[!? 蒼真くん、変身が解けました!]
[あれほどの力…切り札ということから考えて消耗が激しすぎるのでしょう]

さすがストラス。
よく理解してる。



「なあワータイガーよ」
「…?」
「あんたももう限界だろ? 俺も切り札を使い切った。
 だったらそろそろ決着つけようや…?」
「…いいだろう」

――コオォォォ…

呼吸が変わった…

…来る!

「ハアァァァ!」



その踏み込みはおそらく今までで一番早い。

俺は両腕を盾にし上半身を守る。
こうすれば…

ワータイガーは狙いを腹部に定めた。



――ゴッ!

ワータイガーの拳が俺の腹にめり込…まない!

「!?」
「おおおぉぉぉ!」

――パァン…

拳の違和感に体が硬直したワータイガーの頬を、
俺の拳が打ちぬいた。



――ドスッ…

膝をつくワータイガー、
もう体はボロボロだったのだろう。
俺のただのパンチでこの結果だ。

「ぐっ…」
「勝負あったな…」

膝をつくワータイガーに剣を突きつける。



[こ…これは…]



「まさか服の下にそんなものを仕込んでいるとはな…」
「先人の知恵って奴さ」

ウィップソードを服の下に巻いておいたのだ。
まさかほんとに役に立つとは思わなかった。
正直土壇場まで忘れていた。



「ああ、俺の負けだ…」

[~っ! 決っ~着~!]



[[[うおぉぉぉー!]]]





「ほら、立てるか?」
「俺を支配しないのか?」
「…テスカトリポカとの話、聞いてたのか」
「ああ…」
「悪いが支配するなら可愛い娘の方が好みなんでな」
「…くっくっくっ、見事だったよ。お前には十分な資格があるよ」



[城内最強決定戦、優勝者はぁ~…人間! 来須蒼真だぁ~!]

[[[うおぉぉぉー!]]]



コロシアムが震える歓声。

「お前がナンバーワンだ」

――ブルッ…

なんだろう。
…嬉しい。
頑張ってよかった…。





「見事な闘いだったな…クククッ…」

…!
フレイムデーモン?

「優勝者の君へは特別なプレゼントがある…だがその前に…」

フレイムデーモンはワータイガーの方へ近づき、

「準備を整えなくてはな」

――ブンッ

「なっ…!?」

その巨大な腕でワータイガーを殴り倒そうとした。

なんで!?



――パキィン!



だがそれはワータイガーとフレイムデーモンの間に突如として現れた、
ガラスのような壁に阻まれた。



「そこまでにしてもらおうか」



背後からの声。
振り向くとそこには、



「お前たちの好きにはさせん」



杖をフレイムデーモンに向けたテスカトリポカがいた。





・オマケ

魔力も回復してはいるけど、グラハムとは戦えそうもないわね…

「はあ…」
「どうしたの、ヨーコさん?」
「ちょっと厄介なことになっちゃってね…」

まったく…私は弥那ちゃんに心配かけさせてどうするのかしら。

「そういえば城の中で蒼真くんと何回か会ったわよ」

からかってごまかそう。

「なかなかいい子じゃない。弥那ちゃんが惚れるのも仕方ないかもね~」
「! そ、そんなんじゃ…」
「じゃあ私が狙っちゃおうかしら?」
「!?」

なーんて冗談…

「冗談よ」
「…そう」

なにかよくないものを感じた。

瘴気は収まったが、弥那ちゃんの表情は暗い。

「…私、蒼真くんの世話になってばっかりで…
 ――<中略>――
 …で、もしかしたら私よりもヨーコさんのほうが、
 蒼真くんの力になれるんじゃないかって…」

…ふう。

「だめよ。蒼真くんが一番守りたいのはあなたなんだもの。
 人は守れるものがあるとき強くなれるってよく言うでしょ?」
「一番守りたい…」
「彼が言ってたことよ(嘘)」
「蒼真くん…」

…目を輝かせちゃって、わかりやすいなぁ。

「それじゃちょっとでかけてくるわね?」
「蒼真くん…」

…聞こえてるかな?

まあいいか。
私は私に出来ることをしよう。

とりあえず結界を強化して弥那ちゃんの負担を減らしておきますか。



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

グレートソード→ダインスレイブ(今回の賭け)
フルンチング
レーヴァテイン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



レベルEの知名度にびっくり。

バトルポカリって日常では非常に優秀ですよね。



[20761] 暁月編56[魔人復活の時]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/01 00:17
**********

・前回のあらすじ



果たしてここまで来たか
腹立たしいまでに優秀である



だがもっとも望ましい形に
進んで来ているのはとても愉快だ



我らが闘技場改窮素敵計画は
君の強い命をもって
ついに完遂されることとなる



いよいよもって死ぬがよい





そしてさようなら





※あらすじには前回の概要が含まれることがあります。
 汚れの酷い場合は数分おいてからスポンジでこすると効果的です。



**********



「クククッ…やはり気づいていたか…」
「ふんっ…」

フレイムデーモンを睨みつけるテスカトリポカ。
対してフレイムデーモンは余裕の表情だ。



[なんでしょうか…突然管理者たちが乱入しました!]
[なにか意見の食い違いでもあったのでしょうか? お互いに険悪なムードですね]

――ざわ…ざわざわ…

観客も不穏な空気にざわついている。



テスカトリポカは俺とワータイガーの方を軽く見て言う。

「やはり支配はしていないか…まあいい」
「なあ、なにがおきてるんだ?」
「既にお前たちは私の力で守られている。器がなければ魔人の復活はかなわん」

…そういえば魔神を復活させるとか言ってたな…。
優勝者の肉体を器にしようとしてたのか?

ともかくテスカトリポカのおかげで俺達を器にはできなくなったと。



「さて…貴様達は私の楽しみに水をさした…覚悟は出来ているな?」

テスカトリポカの声からは怒りが感じ取れる。

「ふん…お前は変わらんな。
 わからんか?
 死力を尽くし戦う者たちを自由にできる悦びを。
 自分の手で勝者と敗者を決めてしまえるというのに」
「私は闘いそのものが好きなのでな…お前もそうだっただろうに!」
「一度。
 偶然とはいえたった一度でも第三者である自分が勝者を決めてしまうことがあれば、
 お前もこうなる…クククッ…」
「…あの試合の時からか」



「…まあ貴様が来ることは一応予想出来ていたのでな」



「予備は用意してあるってこ・と♪」

…!
背後からの声。

コロシアムにサキュバスが入ってきた。
ワージャガーを連れて。



「な…!?」

ワータイガーが驚くのも無理はない。



ワージャガーは顔中にキスマークがついていた。



「え…」

どういうことなの。

「…精神を吸いつくされたか」
「正~解~♪」

ワージャガーの瞳には光がない。
サキュバスに引っ張られるままふらふらと歩いている。

「………」

――スッ…

「クククッ…いかさんぞ?」
「ぬう…」

サキュバスの方に移動しようとしたテスカトリポカだが、
フレイムデーモンに阻まれた。

やはりこいつも管理者である以上、
テスカトリポカと同程度の戦闘力があるのだろう。
迂闊に動くことができない。

どうしてこうなった。



「ワージャガー!」

ワータイガーが声をかけるが反応はない。

「無駄よ。この子はもう私のお人形♪」
「貴様…!」



「…ワー…タイガー?」

反応した!
まだ意識があるのか?

「! まだ足りなかったかしら?」
「俺は…」



――チュッ…



サキュバスはその柔らかな唇をワージャガーのそれと重ねあわせた。



「やめろおぉぉぉ!」
「おっと…おとなしくしているんだな」

ワータイガーが飛び出していくがフレイムデーモンに吹き飛ばされた。



――チュルッ…チュパッ…ジュルッ…



なんというディープキス。
俺と代わってください。



――ジュ…パッ…

「フフフッ…ご馳走様♪」

唇が離れ、サキュバスとワージャガーの間に透明な糸が垂れる。
なんてうらやま…恐ろしい魔物なんだ!



――ゴゴゴッ…



なんだ?

コロシアムのあちこちから煙が湧きでてくる。
それがワージャガーの体に入っていく。

「…っ! まずい…魂が集まっている…!」
「…ああっもう! 結局なにが起こるんだ!?」
「この大会で負けたものの魂があの中で混じり合い、
 魔人の器にふさわしい肉体を創りだす…
 それも城が現出しているせいで新鮮な悪意が流れ込んでいる」

だから奴らはこの大会で行動をおこしたのか?

「本気で復活させる気か…魔人ガラモスを…!」





「え?」←サキュバス
「は?」←フレイムデーモン
「え?」←俺

「…あれ?」←テスカトリポカ

全員の動きが止まる。



…?

「ガラモスのソウルは俺が支配してるけど…」
「………」
「さすがにそんなものは用意できなかったんだけど…ねえ?」
「うむ…クククッ…勘違いのようだな…」
「………」

えーっと…
どうしたらいいかな?



「…! なるほど、
 本気で復活させる気か…魔人バロールを…!」
「………」
「ご名答♪」
「クククッ…そうだ。かつてお前とここで戦った破壊の魔人バロール!」

…流しちゃうんだ。



――ゴゴゴッ…

「グ…グガッ…ォォォ…」



…!

ワージャガーの体が膨らんでいく。
それは体という殻を突き破り、どんどん大きくなっていく。

「な…な…」
「くっ…観客を避難させろ!」

[へ? あ、はい! イレギュラーが発生しました! 観客の皆様は一時的に避難を…]
[ちょ…押さないで…アッー…!]

運営のワージャガーたちが観客の移動を始める。



「グオォォォ!」

完全に姿を変えたワージャガー。
それは片目を閉じた巨人だった。

「これが…」
「そう、これがバロール。フフフッ…素敵だわ♪」

サキュバスはその肩に座り、
俺達を見下ろしている。



「テスカトリポカ。
 お前には消えてもらおう…
 ここのルールは我らが新たにつくるのだ!」



フレイムデーモンのその声を合図に、

「グオォォォ!」

バロールは俺達に襲いかかってきた。





・オマケ1

「蒼真!?」

いったいなにが…

――ガッ

「うわっ! …っワーウルフ!?」
「とっとと嬢ちゃんも逃げな!
 あのテスカトリポカが逃げるように言ったんだ!
 絶対にまずいことがおこるぜ…!」

くっ…

――バッ!

「なっ…おい!」
「ごめん! それならなおさら行けない!」

蒼真を一人にしておくわけにはいかない!



・オマケ2

――大会開始前…

「地下深殿のレギオンが消滅した?」
「はい」

あそこには確か…ガラモスのソウルキーパーが…
しかしそうそう扱えるものではないはずだ。

さほど気にすることはないか…?

<おじいちゃんの勘違い、その原因>



・オマケ3

人にとってはずいぶんと昔の話

「ウオォォォ!」
「デヤァァァ!」

「(そうだ、いいぞ!
 もっと激しく戦え!)」



彼は闘いを純粋に楽しんでいた

だが、



「勝者、○○○○!」

「(な…
 俺が…俺が勝敗を変えてしまった…?)」



彼のかすかなミス
それに気づいたのはテスカトリポカだけだった



「あれは偶然だ、お前のせいではない…」
「しかし俺が審判をやるなどと言わなければ…!」
「偶然だったんだ…」



彼は悩み、悩んだ末に歪み、
そして答えを出してしまった。



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

ダインスレイブ(まだ受け取ってない)
フルンチング
レーヴァテイン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ





誤字(というか文法ミス)、修正しました。
御指摘ありがとうございます。

デビルのソウル使用時の姿は
暁月での姿は下半身が剣のようになっていますが、
本作品では基本的には二本の足になってます。
あの上半身に普通に足があるみたいな感じで。
なんらかの原因でもしかしたらモデルチェンジを果たす可能性もあります。

デビルって変身系ソウルではピカイチのカッコよさですよね。



ここ最近、火狐の調子がおかしいのです。
ニコニコが見れなかったり、アドオンが反応しなかったり…。
4.0がでたら一回設定見直そうかな…。



[20761] 暁月編57[巨人の鉄槌]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/02 09:39
**********

・前回のあらすじ



過去700人を殺し
死刑執行されること13回!

だがそのことごとくを生き延びた!



「クククッ…今こそよみがえれ、バロール! 俺はお前の兄だ!」



※あらすじには前回の概要が含まれることがあります。
 水分をよく拭きとってからご使用ください。



**********



――ズンッ…



「ちょ、でかい!」

頭だけでビッグがいこつより大きい。
肩に乗っているサキュバスが小人に見える。

いまコロシアムの中には上半身しか入っていない。
下半身は体ができたときに壁を突き破り、
そのままめり込んで引っかかって入りきらないようだ。

「気をつけろ…来るぞ!」



「グオォォォ!」

振り下ろされる巨大な腕。



――ドゴオォォォ!



「ぬわあぁぁぁ!?」

拳がコロシアムの地面をえぐり、爆裂させる。

ヌクレアスのタックル以上の威力じゃないか?
風圧でも吹き飛ばされるほどだ。

こんなもんどうしろってんだ!?

「冷静になれ、まだ奴は自由に動けん。攻撃を続けていれば倒せないことはない」
「あんた昔アイツを倒したことがあるんじゃなかったのか?」
「…正直、今同じことをやれと言われてもできそうにない。
 だがお前の力なら奴を倒せるはずだ」

なんというムチャぶり。

「まだ奴は真の力を発動出来ていない。急げ!」
「ぬぐ…くそっ!」

――パチンッ!

振り回される二本の腕を避けながら真空波を飛ばす。
だがそれはバロールの肉体、その表面を削ることしかできない。

硬い。

あーもうっ!
こっちは試合のあとで疲れてるってのに!



「おい、なんか弱点とかないのか!?」
「弱点は目だが…下手に攻撃すれば閉じている方の…ぐっ!」

続きは!?

「クククッ…お前は俺の相手をしてもらおうか…?」
「…ぬう!」

ああ!?
フレイムデーモン邪魔すんじゃねえよ!

テスカトリポカはフレイムデーモンと戦っている。
フレイムデーモンは炎を操り、テスカトリポカは電撃でハイレベルな戦闘を行っている。

くそ…。
テスカトリポカは役に立たない…いや、フレイムデーモンを抑えてくれていると考えよう。



「グオォォォ!」
「ハア…素敵だわ…」

…!
サキュバス…!

「ずいぶんと時間をかけちゃったけど…ちゃんと言うことを聞いてくれる子になったわ♪」
「目的はなんなんだ!?」
「言ったでしょ? 私は強い男が好きなの♪」

そう言ってバロールの頬にキスをする。



――ガタッ…

「ふざけるな…」
「! 無事だったのか?」

フレイムデーモンに吹き飛ばされたワータイガーが帰ってきた。

「そんなことでワージャガーを…」
「あら…そんなに仲が良かったの? フフフッ…彼の精気は美味しかったわよ?」
「…貴様ぁぁぁ!」

な…バカヤロウ!

ワータイガーは跳び上がり、サキュバスに襲いかかった。



「グオォォォ!」

――メキョッ



だがバロールの振り回した腕に巻き込まれ弾き飛ばされる。

――ドサッ…

「おい、大丈夫か!?」
「馬鹿ねえ…しっかり体を再生させておけばよかったのに」

…駄目だ。
手足が変な方向に曲がっている。

「く…くそ…」
「もういいからお前も離れてろ!」
「こんな…こんな…」

――シュゥゥゥ…

ワータイガーの姿が変わっていく…。
体から毛が抜け落ちていき、
人間、少年の姿になった。

「くそ…」

――ワージャガー…

そのつぶやきを最後に彼は炎に包まれ消えていった。



――ボシュッ

ワータイガー ソウルゲット



「………」



流石に気に入らねえ…。



「お前たちのやったこと、気に食わないな」
「…で、あなたはどうするのかしら?」
「決まってんだろ」



バロールを倒す。



そしてサキュバス、フレイムデーモン。
お前らもオシオキだ!


**********



「グオォォォ!」

目を真空波とかで狙ってもまともな効果がなかった。
やはり尖った物で貫くのが一番効果的だろう。

問題はどうやって顔の前に行くか。

サキュバスは手を出すつもりはなさそうだが、
奴は腕を振り回し俺を捕まえようとしたり叩き落とそうとしている。
あの腕をくぐり抜けていかなければならないのだ。

サイズがサイズなので囮人形もさほど効果はないだろう。



「もう…圧倒的すぎてちょっとつまらないわね…」

――ドゴオォォォ!



振り回される巨大な腕を避け続けながら考える。



あの腕の上を駆け上ってみるか?

…駄目だ。
止まっていればまだしも、そのままなら足を滑らせて落ちてしまう。

なにか腕に張り付く手段でもあれば…
…!
あった。



「グオォォォ!」

――ブオォォォ…

こちらに向かってくる腕を、
ギリギリまで引き寄せて…

――ブンッ!



「当たっ…てないわね…。どこに…」

「ガァ?」
「…どうしたの?」

バロールは不自然な感触に腕を目の前まで持ち上げた。

「ほほだ(ここだ)!」
「! チュパカブラの舌!?」

腕に舌を巻き付けてみた。
舌がちぎれそうなほど痛いが、
ちょうどバロールの顔の前にこれた!



「ウガァァァ!」



振り払おうと腕を振り回したバロールだったが、
そのとき俺は既にチュパカブラのソウルを解き、
バロールの顔の前にメディウサヘッドのソウルで浮かんでいた。

「くらえ!」

――ザクッ

そしてグングニルをその目に突き刺した。



「グギャァァァ!?」

痛みに悶えるバロール。
その手に俺は吹き飛ばされた。

くっ…やったか!?



「キャッ…大したものね。でもこの程度じゃバロールは…
 !? コントロールが…」

なんだ?

肩に座っていたサキュバスが慌て始めた。

「グ…グギャァァァ!」
「どうしたのよ! いきなりこっちを向いて!」



「ん…なんだ?」
「!? いかん!」



バロールのとじていた眼が開いた。



「え…?」

その瞬間、サキュバスの体は一瞬にして蒸発した。



――ボシュッ

サキュバス ソウルゲット



…なにがおこった?
目からビーム?

「サキュバス!? ぬう…! なぜコントロールが…」
「くっ…邪眼を開いたか。奴はお前たちに扱えるようなものではない!」



「あれがバロールの真の力…破壊の瞳だ!」





ああ、某魔眼の元ネタとか言われてる奴ですね、わかります。





・オマケ

<まじょみならい>

…今戻れば、賞品を勝手に持って行ってもバレない?



人はそれを火事場泥棒という。



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル New

ワータイガー
サキュバス

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

ダインスレイブ(まだ受け取ってない)
フルンチング
レーヴァテイン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



TF5
…部屋の中に地縛神が落ちているってどういう事なんだろう。

遊星と牛尾さん、狭霧さん他モブ10名ほどクリアしました。
なんでかD1よりD2を優先してしまいます。
よくありますよね?



[20761] 暁月編58[バロールのはかいこうせん!]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/02 16:12
**********

・新ジャンルあらすじ・悪魔城城歌



混沌の空に

一球入魂 ソウルこめて

やれんのか やれますよ

いつも心は 悪魔城

世界に名だたる魔物たちよ

楽をしても 苦労苦労

ああキャッスルヴァニア

我らが母城



※本編及び某不良ギャグ漫画とは一切関係がありません。

**********



バロール
ケルト系神話に登場する魔神。
その片目は邪眼であり、見たものは誰でも死んでしまうとか。



原典だとまぶた開くのに数人がかりとか言ってたような気もするが、
いまはどうでもいい。



――キュィィィン…

「ゴアァァァ!」

――ピィンッ!

「ぬう…!」
「くそっ!」

バロールはテスカトリポカとフレイムデーモンが
戦うのをやめて避けなければならないくらいやばいビームを、
ばらまいているわけだがどうしたものだろうか。

フレイムデーモンもバロールを止めることはできないようだ。

暴れだした原因は
もしかしなくても片目を潰した俺のせいなんだろうか。



ともかくサキュバスも一瞬で消し飛んだくらいだ。
俺があのビームに耐えられるとは思えない。

レギオンのレーザーのように熱線系では無いようだが、
確かめる術はない。

今?
物陰からテスカトリポカとフレイムデーモンが避けるのを隠れて見てるよ。
バロールはこっちにまだ気づいてないみたいだ。
目の前の二人に集中している。



「蒼真、無事!?」
「イツキ? ああ、大丈夫だ」

問題ない。
と、いいたいところだが…



「そっちに気づいたぞ!」
「え、なに、なに?」

お前のせいで気づかれたよ。



「ゴオォォォ…」

バロールの瞳は美しい緋色の輝きを持ちこちらを見ている。



――キュィィィン…



…NO FUTURE\(^o^)/



――ピィンッ

「なにをぼさっとしている!」
「うお!?」

――ドンッ

テスカトリポカが突き飛ばしてくれたおかげで助かった。

「ぐっ…」
「な…!」

だがテスカトリポカはカスってしまったようだ。
とりあえずバロールに攻撃されないようにテスカトリポカを担いで物陰に隠れる。



「ガアァァァ!」
「ぬう…こちらにきたか…!」

バロールはフレイムデーモンの方に狙いを変えたようだ。

今のうちに…
…!?
テスカトリポカの体が崩れていく…!

「おい! 大丈夫か!」
「ぬ…もう持たんか…。
 いいか? 奴の光線は破壊の因子そのものだ。
 私には完全に防ぐことはできん。
 ガラモスのソウルを支配しているといったな?」
「あ…ああ」
「ガラモスの力なら破壊への耐性があるはずだ。
 お前なら戦える…」
「おい! ちょっと!」
「あとは任せるぞ…」

――シュゥゥゥ…

そのままテスカトリポカは崩れて消えてしまった。

「な…どうしてこんなことになってるの!?」
「…説明してる暇はない。とにかく…」



「グアァァァ!?」
「ハア…ハア…クククッ…流石にまぶたを閉じてしまえばもう撃てまい!」



…!

「フレイムデーモン、ナイス! とりあえず休戦だ!」
「ふん…まあいいだろう…テスカトリポカも、もはや…ぬう!?」

――キュィィィン…

バロールの閉じた眼が光り始めた。

「馬鹿な…自分の体ごと…!?」

――ピィンッ

「ぐわぁぁぁ…」



――ボシュッ

フレイムデーモン ソウルゲット



自分のまぶたごと破壊の光線はフレイムデーモンを消滅させた。



くそっ!

「そ、蒼真、どうするの!?」
「…テスカトリポカを信じるしかないだろうが!」

ガラモスのソウルに魔力を流し込む。
これで俺に魔人の性質が発現するはずだ。
本当に効果があるかは別として。

「僕は!? 僕はどうしたらいいの!?」

あ…
忘れてた。

「お前は離れてろ」
「…! せっかく戻ってきたのに~!」

イツキは飛んでいった。

よし。
これでもしもダメでもアイツは大丈夫だろう。

「ヌハハハ…」
「くっそ…なんか笑ってるし…」

もう一回目玉エグってやる!

ビームを撃つようになってから腕を動かさないのが救いだ。
近づくだけならなんとかなる。



問題は本当に俺がビームに耐えられるか。



――ヒョコ

…え?

――ヒョコヒョコ

なにやってんのこの娘。



まじょみならいがなにか棒のようなものを担いで、
俺の近くの瓦礫の陰を通りすぎようとしていた。



「ガアァァァ!」

――キュィィィン…

やばい!
巻き込まれるぞ!

「くっ…!」
「え…キャッ!」

急いでまじょみならいに近づき突き飛ばす。



――ピィンッ



ぬわぁぁぁ…あ?

光線の当たったところは痛い。
だが破壊されてはいない。
これが耐性か。

ただ痛い。

耐性ができたといっても完全に無力化できるわけではないようだ。
まっすぐに顔を目指すのは危険か…。

「…助けてくれたの?」

まじょみならいは押し倒す形になったが、助けることができたようだ。
別のタイミングで押し倒したかった!

「ぐっ…早く避難しろ! 巻き込まれるぞ!」
「………」

まじょみならいも走り去っていった。



これで完全に一対一。

…一撃死は免れるんだ。
大会の延長、隠しボスとでも考えればいい。



「グガアァァァ!」
「っしゃあ!」



勝負だ、バロール!





・オマケ

<イツキ>

このままじゃただの役立たずだ…。
なにか蒼真の支援を…

…そうだ!
たしか優勝賞品の中に…

あれならバロールに効果的なはずだ!


…あれ?
僕の体は蒼真の魔力から出来ている…。
もしかしたら…ガラモスのソウルの影響…僕にも?


<まじょみならい>

押し倒された…

あの人…
前にも助けてくれた…

…!
だめ…!

私には火薬があるんだから…



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 すいりゅうのよろい
他1 首蔵

・新しいソウル New

フレイムデーモン

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

ダインスレイブ(まだ受け取ってない)
フルンチング
レーヴァテイン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



優勝賞品はコロシアムの観客席、その更に上の方にあります。
裏口などがないためコロシアムを通らなければ取りに行くことはできない、
と無理やり解釈してほしいです。



[20761] 暁月編58改修版[バロールのはかいこうせん!]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/04 01:48
**********



描写が少なすぎる…修正が必要だ



**********



バロール
ケルト系神話に登場する魔神。
その片目は邪眼であり、見たものは誰でも死んでしまうとか。



原典だとまぶた開くのに数人がかりとか言ってたような気もするが、
いまはどうでもいい。



――キュィィィン…

「ゴアァァァ!」

――ピィンッ!



赤い閃光がコロシアムを蹂躙する。



「ぬう…!」
「くそっ!」

バロールのビームは
あのテスカトリポカとフレイムデーモンが戦うのをやめて、
避けなければならないくらいやばいものみたいだ。
発射までにチャージの時間があるのにあの二人が近づけないところを考えてもやばさがわかる。

二人は空中を飛び回りビームを避け続けている。
遠くからみているぶんだとどこの宇宙戦争かと思う。
てか、じーさん空飛べたのか。



フレイムデーモンもあの状態のバロールを止めることはできないようだ。

暴れだした原因は
もしかしなくても片目を潰した俺のせいなんだろうか。



ともかくサキュバスも一瞬で消し飛んだくらいだ。
俺があのビームに耐えられるとは思えない。
かといってあの二人のように避けることもできそうにない。

レギオンのレーザーのように熱線系では無いようだが、
いったいどんなものなのだろうか。
あのビームに当たったコロシアムの観客席などが、
細かい破片になって崩れていくところをみると、
高周波系の振動波かなんかが近いような気もするが確かめる方法はない。



俺?
あいつらと反対側の物陰から、
テスカトリポカとフレイムデーモンが避けてるのを隠れて見てるよ。
バロールはこっちにまだ気づいてないみたいだ。
目の前の二人に集中している。

しばらくは作戦タイムだ。



「蒼真、無事!?」

イツキが俺の後ろから現れた。
さっきまでの戦闘で空いた穴が、
どうやら他の通路に繋がってしまったようだ。

「イツキ?」

大丈夫だ、問題ない。
と、いいたいところだが…



「そっちに気づいたぞ!」
「え、なに、なに?」

お前のせいで気づかれたよ。

テスカトリポカが警告してくれはしたが、
そのときには



――キュィィィン…

「ゴオォォォ…」

バロールの瞳は美しい緋色の輝きを持ちこちらをとらえていた。



…NO FUTURE\(^o^)/



――ピィンッ

「なにをぼさっとしている!」
「うお!?」
「キャッ…!」

――ドンッ

テスカトリポカが突き飛ばしてくれたおかげで助かった。
とっさに引っ張ったのでイツキも無事みたいだ。

「ぐっ…」
「な…テスカトリポカ!?」

だがテスカトリポカはカスってしまったようだ。
足がはじけ飛ぶ。
とりあえずバロールに攻撃されないようにテスカトリポカを担いで物陰に隠れる。



「ガアァァァ!」
「ぬう…こちらにきたか…!」

バロールはフレイムデーモンの方に狙いを変えたようだ。

今のうちに…
…!?
テスカトリポカの体が足から徐々に崩れていく…!

「おい! 大丈夫か!」
「ぬ…この体はもう持たんか…。
 いいか? 奴の光線は破壊の因子そのものだ。
 私には完全に防ぐことはできん。
 ガラモスのソウルを支配しているといったな?」
「あ…ああ」
「ガラモスの力なら破壊への耐性があるはずだ。
 お前なら戦える」
「おい! ちょっと!」
「あとは任せるぞ…」

――シュゥゥゥ…

そのままテスカトリポカは崩れて消えてしまった。

「な…どうしてこんなことになってるの!?」
「…説明してる暇はない。とにかく…」



「グアァァァ!?」
「ハア…ハア…、…クククッ…流石にまぶたを閉じてしまえばもう撃てまい!」



…!
バロールの瞳が再び閉じた。

巨大な赤い瞳はまぶたによって遮られ、
視界を塞がれたバロールは悶え、そのまぶたは開こうと痙攣している。

フレイムデーモンはバロールの方に手を向けて魔力を発している。
アイツがやったのか?

…フォース?
ジェダイの騎士?

アホなこと考えてる場合じゃなかった!

「フレイムデーモン、ナイス! とりあえず休戦だ!」
「ふん…まあいいだろう…テスカトリポカも、もはや…ぬう!?」

――キュィィィン…

バロールの閉じた眼が光り始めた。
まぶたの隙間から光がもれている。

「馬鹿な…自分の体ごと…!?」

――ピィンッ

「ぐわぁぁぁ…」



――ボシュッ

フレイムデーモン ソウルゲット



自分のまぶたごと破壊の光線はフレイムデーモンを消滅させた。



くそっ!

「そ、蒼真、どうするの!?」
「…テスカトリポカを信じるしかないだろうが!」

ガラモスのソウルに魔力を流し込む。
これで俺に魔人の性質が発現するはずだ。
本当に効果があるかは別として。

「僕は!? 僕はどうしたらいいの!?」

あ…
忘れてた。

「お前は離れてろ!」
「…! せっかく戻ってきたのに~!」

イツキは飛んでいった。

よし。
これでもしもダメでもアイツは大丈夫だろう。

「ヌハハハ…」
「くっそ…なんか笑ってるし…」

バロールはちぎれたまぶたから血を流しながらこちらを嘲笑っている。

野郎…もう一回目玉エグってやる!



ビームを撃つようになってから腕を動かさないのが救いだ。
フレイムデーモンに無理やり眼を塞がれた時でさえ腕は使っていない。
なにかビームを放つ際にリスクでもあるのだろう。

ともかく近づくだけならさっきまでより簡単なはずだ。



問題は本当に俺がビームに耐えられるか。



――ヒョコ

…え?

――ヒョコヒョコ

なにやってんの、この娘。



まじょみならいが
なにか尖った棒のようなものを担いで、
俺の近くの瓦礫の陰を通りすぎようとしていた。



「ガアァァァ!」

――キュィィィン…

やばい!
あの位置じゃ巻き込まれるぞ!

まじょみならいからは死角になって気づいていない!

「くっ…!」
「え…キャッ!」

急いでまじょみならいに近づき突き飛ばす。



――ピィンッ



放たれる赤い閃光。
それが俺の体をとらえた。



――ピシッ



ぬわあぁぁぁ…あ?



光線の当たったところは痛い。
だが破壊されてはいない。
これが耐性か。

ただ痛い。
あとすいりゅうのよろいにヒビが入った。

耐性ができたといっても完全に無力化できるわけではないようだ。
即死系攻撃をダメージに変化させる感じか?

ともかくまっすぐに顔を目指すのは危険か…。



「…助けてくれたの?」

まじょみならいは押し倒す形になったが、助けることができたようだ。
くそ!
せっかくの魔物娘…別のタイミングで押し倒したかった!

「ぐっ…早く避難しろ! 巻き込まれるぞ!」
「………」

まじょみならいも走り去っていった。



これで完全に一対一。

…冷静になれ、俺。
一撃死は免れるんだ。
大会の延長、隠しボスとでも考えればいい。
よくある話じゃないか。



「グガアァァァ!」
「っしゃあ!」



行くぜ、おい!
勝負だ、バロール!





・オマケ

<イツキ>

このままじゃただの役立たずだ…。
なにか蒼真の支援を…

…そうだ!
たしか優勝賞品の中に…

あれならバロールに効果的なはずだ!



…あれ?
僕の体は蒼真の魔力から出来ている…。
もしかしたら…ガラモスのソウルの影響…僕にも?



<まじょみならい>

押し倒された…

あの人…
前にも助けてくれた…

…!
だめ…!

私には火薬があるんだから…



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 すいりゅうのよろい(ヒビ)
他1 首蔵

・新しいソウル New

フレイムデーモン

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

ダインスレイブ(まだ受け取ってない)
フルンチング
レーヴァテイン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

すいりゅうのよろい
てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



ちょっとだけ修正しました。
まだ足りないとは感じられるかと思いますが、それでもましなはずかと…。

更にここに追加したほうがいいぜ!
という指摘は大歓迎です。

よろしくお願いします。



[20761] 暁月編59[貫くもの]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/05 00:09
**********

・新ジャンルあらすじ・パロディモード



「そうか…ふははは。とうとう俺も一撃死無効の力を会得したってわけか…」

「…なるほど、お前もあのガラモスと同じ性質というわけか。
 貴重な資料だ。君の身体を調べさせてくれたまえ!」

「やめてくれ…支配の力によって発現してる力だ。身体調べたって、わかりゃしねぇよ…」

「甘いな。最後に勝利するのは、君か、私か?
 それとも――ガラモスか?
 
 いいえ、科学です!
 科学に背き、精神世界に逃避するものを、私は…許すわけにはいかない!」

「ところであんた誰だ?」



※あらすじには誇張表現などが含まれることがあります。
 必ずゴム手袋着用の上でご使用ください。

**********



カッコはつけてみたものの、



「ガアァァァ!」

――ピィンピィンッ!

煌く赤い閃光。

「ぬおぉぉぉ!?」

それを走りまわって避ける。

どうにもバロールの頭脳は残念な出来なようで、
こちらの動きを読んで攻撃してきたりはしないので、
少し距離を開けていれば動き続ける限りは当たらなくて済みそうだ。



俺はバロールの破壊光線から逃げ回っている。

いくら一撃死が免れるとはいえ、
直撃すればすいりゅうのよろいにヒビが入るくらいの衝撃(と痛み)は発生するのだ。

一撃で決められるとき以外はなるたけ避けきりたい。



作戦はシンプルに考えて、

1. ビームを適当な方向(すなわち俺に当たらない方向)に撃たせる
2. チャージ中に顔まで近づく
3. 首蔵からグングニルを取り出し目玉をエグる
4. 幸せになる

の4フェーズで構成した。

本プランにおける問題は、



――キュィィィン…

「カァ!」

――ピィンピィンッ!

「くっ…!」



バロールが一度のチャージで二回ビームを撃ってくるようになったことだ。
かといって威力が落ちているということもなく、
単純にバロールが本来の調子を取り戻しつつある、
もしくは他の要因によって力を増していると考えられる。

時間をかけるとさらに強化されてしまうかもしれない。
やはりここで倒しておかなくてはならない。

ともかく問題というのはチャージにはいるタイミングがわかりにくいということ。



――キュィィィン…



チャージに入ったか。
だが出遅れてしまった。
ここで近づけば間違いなく顔の真ん前で狙い打ちにされるタイミングだ。
最後のビームが来るのと同時くらいのタイミングで飛び出さなくては…。



「カァ!」

――ピィンピィンピィンッ!

バロールの緋色の邪眼からは、
連続して三本のビームが発射された。



三発!?

「ふんっふんっふんっ!」



ギリギリ避ける。
あと一発多かったら壁に追い詰められていた。
なんだこの弾幕STG状態。



――キュィィィン…

再びチャージを開始するバロール。



次で仕掛けよう。
これ以上時間をかけて連射できる回数を増やされれば不利にしかならない。

今が三発だった。
次も三発であると信じたい。

「カァ!」

…来る!

――ピィンッ

一発目、普通に横に避ける。

――ピィンッ

二発目、これも同様。

――ピィンッ!

三発目…ここでビームにカスるように斜めにバロールに踏み込む!



――ピィンッ!

「あるぇー!?」

ちょ、また増えたwww



赤い閃光はそのまま俺を飲み込んだ。
視界が赤に染まる。

「ぬわーーーっ!?」

俺の体を強烈な衝撃が襲う。

痛い痛痛い痛いって!

――パリーンッ

すいりゅうのよろいが砕けたぁ!
またやっちまったなぁ!



そんなことを考えながらも先程の踏み込みの力が生きているため、
俺の体はバロールの顔の方へ移動している。
痛いは痛いがレギオンの時よりもマシかもしれない。



…抜けた!

視界が晴れる。



――キュィィィン…



そこには再びチャージをしているバロールがいた。



「とうっ!」

――バッ!



俺は奴の目玉の前まで跳躍し首蔵からグングニルを…

…!?
首蔵がない!?

まさかさっきのビームで首にかけていた鎖の部分がちぎれたのか!?



ぬぐぐ…こうなったら!

「くらえぇ!」

このままっ! 右腕を! こいつの! 目の中に…つっこんで! 殴りぬけるっ!

ついでに最後の魔力で悪魔化。



「カアァァァ!」

視界をくらます赤い閃光。
バロールの目からまたビームが放たれたのだ。

チャージの時間まで短くなっていたのか!?



――ピィンッ!

「ぐうぅぅぅ…!」

やられたっ…!

直撃だ。
くそっ、耐えられるか…?





「蒼真ーーー!」

背後からの声。
イツキ?

「これを使ってぇー!」

――ヒュゥゥゥ…!

飛んできたのは…槍?

それは一直線にこちらに飛んできた。
そして

――ザクッ

「あ」
「え?」

「グギャァァァ!?」

バロールの目玉に突き刺さった。
ビームの照射も止まる。

俺は跳躍したそのままの勢いで、
槍の後部を拳で打ちぬいた。



――グチャッ!

「ガアァァァ…」

槍はそのままバロールの頭部を貫いた。



**********



――ボシュ

バロール ソウルゲット



なんだろう。
この微妙な感じ。

「その…まさかそのまま刺さるなんて思わなくて…」

イツキの予定では俺が空中で槍を受け取り、
それをバロールに突き刺すはずだったらしい。
俺もあの瞬間そう考えた。

分かりやすく伝えると
一人アリウープをやろうとしてボールをバウンドさせたら、
そのままゴールにはいってしまったような気分だ。

※アリウープ: バスケットで空中でボールを受け取りそのままダンクシュートなどを決める技法



「まあともかく助かったよ」
「うん」

完全体のイツキを撫でてやる。

「てか、アレだけ槍を投擲できるならお前も戦えるんじゃないか?」



「いや、アレは槍の特性だろう」

!?

後ろからの声に振り向く。
そこにはワージャガーがいた。

「ご苦労だったな、世話をかけた」
「なんだ運営か…」

驚かせやがって…。

「…私だ」
「は?」
「テスカトリポカだ」

…?

………

…!?

「はぁ!?」
「少々予備に移るのに手間取ってな」
「え、なに、どういうこと?」

殺されたんじゃ…。

「もともと運営のワージャガーは私の分身、そして体の予備だ」

トリックだったのか…。

落ちていたテスカトリポカ(旧)の杖を拾い上げ、
軽く一振りするテスカトリポカ(新)。

それと同時にその姿が見慣れた老人の姿へと変わる。

なるほどだから運営のワージャガーは、
あんなに体を張って観客を守っていても人数が変わっていなかったのか。



「それにしても…ブリューナクか。たしかにバロールには効果的だろうな」

さっきの槍ってブリューナクだったのか。
確かに神話ではバロールの目を貫いたって話があったっけか?

「厄介ごとに巻き込んでしまったな。すまなかった」

――ペコッ

こちらに頭を下げるテスカトリポカ。

「やめてくれ、あんたみたいに老人に頭を下げられるのはゴメンだ」
「そうか…では改めて言わせてもらおうか」





「<城内最強決定戦> 優勝おめでとう」





**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具
他1 首蔵

・新しいソウル New

バロール

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

ダインスレイブ(まだ受け取ってない)
フルンチング
レーヴァテイン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル

・防具

てつのむねあて

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ



とりあえず決着。



[20761] 暁月編60[勝利という栄光]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/07 00:33
**********

・前回のあらすじ



「ヌハハハッ! 死ねぃ!」

――ピイィィィンッ!

「そ、蒼真ぁー!」



「うおぉぉぉ!」

「馬鹿な…直撃のはずだぞ!?」

「そうか…ブリューナクが超高速で細かく振動することで破壊光線を拡散させているんだ!」
「蒼真…!」

「いけえぇぇぇ!」



――ザクッ

「馬鹿な…この…この魔神バロールが…敗れると…で…も…」

「勝った! 煉獄闘技場編・完!」



※あらすじには誇張表現などが含まれることがあります。
 顔より上で使用する場合、保護ゴーグルとマスクを着用してください。

**********



「…しかし次の大会は延期だな。さすがに修理が必要だ」

地べたを這いずり回り、落とした首蔵を探す俺にテスカトリポカは言う。

コロシアムはバロールの破壊光線によって、
ずいぶんと形を変えてしまっている。

「そんなに頻繁にやってたのか?」
「ああ、基本的には常に何らかの大会を開いている。
 まあ今回はいつもより大規模だったがな」

次も参加するのか? と聞いてくるテスカトリポカ。

「遠慮しておくよ、俺はこの城から出るのが目的だからな」
「あれ、そーだっけ?」

お前が忘れてどうする、イツキ。
おっ、あったあった。

鎖の切れた首蔵を拾い上げた。
…ふむ。
ちゃんと中の物も大丈夫だな。
さすが秘宝。

「そうか…まあそれもよかろう。気が向いたらまた来ればいい」
「それより目的を忘れるところだった。優勝賞品は持ってっていいんだろ?」
「ああ。
 本来は三つまでのつもりだったが、迷惑をかけたからな。
 適当に持って行って構わん」

いいね、太っ腹。



ちなみに観客や他の出場者(生き残り)はすでに解散したそうな。



――シュゥゥゥーーー…


バロールの死体が崩れ始めた。

「バロール自体の魂が失われたことで、肉体の生成に使われた魂も開放されるのだろう」
「…って、うわぁ!?」



――ボシュボシュボシュッ…!

レッドミノタウロス
デッドクルセイダー
ビッグがいこつ
ワージャガー
アークデーモン
アラストール
エリニュス
グラディエーター

各ソウルゲット



ひぎぃ!
いっぺんに入ってきた…!
そんなに広げたら…ビクンビクン。

イツキの目が冷たいこと以外、変化はなかった。



――カランカランッ…

顔に刺さっていたブリューナクが地面に落ちる。

「それも持って行くんだな。さて…始めるか」

そう言うとテスカトリポカは髪の毛を人束ほど手でちぎり、
それに息を吹きかけた。

すると



――ムクムクムク…



どこの孫悟空ですか。

毛がワージャガーに変わっていった。
結構な数だ。
これだけ数がいるなら手伝う必要もなさそうだ。

修理を始めたテスカトリポカ達をコロシアムに残し、
俺は優勝賞品へと向かった。



宝…ウヒヒッ…ヨダレが止まらんぜ…



**********



「こいつはすごいな…」

PITの図鑑を片手に大量の優勝賞品からめぼしいものを探す。

ブルトガング、カラドボルグ、妖刀村正、トールハンマー、etc…etc…

神話級の武器がでるわでるわ…



「…適当に持って行っていいって言ってたよな?」
「うん、でもさすがに全部持っていったら…」
「言ってたよな!」
「………」



<好きなだけ持っていってくれ> とまで言われた(気がする)んだ。
相手の厚意を無下にすることができるだろうか、いやできまい。

首蔵に入るだけもらっていこう。



――キラッ…

ん?
こいつは…



それは岩に刺さった剣だった。
丸い岩ごと横倒しにされている。



図鑑をチェック。
…エクスカリバー。



「最強武器ktkr!」
「…抜けるの?」



バカ言っちゃいけねえ。
俺は更衣室イベントをもこなす現役の主人公だぜ?



「こんなもの…ふんっ!」

――グイッ

「………」
「ふんっふんっぬぬぬ…!」

――グイッグイッ



――<中略>――



「…っはぁ! はぁ…」
「…やっぱり抜けないね」

俺は主人公じゃなかったのか…?
聖剣抜けないとか…ハハッワロス…。



いや、待てよ。
最強武器としての面ではなく王の証としての面に注目しよう。
エクスカリバーはブリテンの王者である証でもあるはずだ。(文献により諸説あり)
俺は日本人だから抜けなくても仕方ないさ。

そうさ蒼真。
逆に考えるんだ。
<これはエクスカリ『パ』ーなんだ> と考えるんだ。



「…よし! 他のものも見てみよう!」
「それでもちゃっかり持って行くんだ…」

岩ごと首蔵に放り込んでおいた。



いいじゃないか、タダだし。



――蒼真物色中…



あからさまに怪しい宝箱を見つけた。
中身は…

「こ、これは宝の地図!?」

いいね、いいね。
探究心がモリモリ湧き上がる。

どうやら城内でテスカトリポカの分身が集めきれなかった秘宝中の秘宝の位置が記されているようだ。

「すごい…城内の各所の隠し部屋の解説までついてる…」
「しばらくはこれに書いてある場所を巡ってみるか」

方針決定。



「あ…ソウルキーパーだ」
「おっと…いかんいかん、忘れてた」



――ガシャ

おおこうもり ソウルゲット



…ふむ。
これもデビルのソウルと同じ感じだな。

ソウルに魔力を流す。



――ポンッ



俺の姿は標準より大きめのコウモリへと変化した。

「キッー!」
「へー…行けるところがまた増えそうだね」
「そうだな」
「…しゃべれるんだ」

最初のコウモリの鳴きマネ、意外と似ていたと自分では思っている。
元の姿に戻る。



――キィィィン…

「痛っつ…なんだ?」

突然妙な感覚が俺の体を襲う。

「この感覚…なにかよくない感じが…」

イツキも感じている。
気のせいではないようだ。



――シュゥゥゥ…



…!?

首蔵からなにかが飛び出した。

これは…古文書?

石版は光を放ちながら宙に浮かんでいる。

「…何かに反応してる」
「………」

イツキ、そんなことより大変だ。

「なんか読めるようになってるんだけど…」
「…はぁ?」

これゼミでやってないところなのに。

「第1の魂は炎獄の悪魔…第2の魂はコウモリの王…第3の魂は美しき夢魔…、
 書いてあるのはそれだけだな」
「もしかすると…」
「知っているのか、イツキ!」
「弥那ちゃんのメモ、取り出して」

首蔵から弥那ズ・ヒントを取り出す。

「これ…」
「なになに…?」

<魔王の力を記した古文書が、どこかにある>

「…有角がこれを渡してくれって言ってたんだよな?」
「もしかして伝言した後に自分で見つけちゃったんじゃない?」

なるほど。

「でもこれって…蒼真は全部支配してるよね」

炎獄の悪魔→フレイムデーモン
コウモリの王→おおこうもり
美しき夢魔→サキュバス

ふむ。

「つまりあれか? 今俺が魔王と同じ力を持っているってか?」
「…だったら古文書が読めてもおかしくないよ」

…聖剣抜けなかったの俺が原因かもしれないな。
魔王・蒼真…語呂悪いな。
勇者・蒼真も微妙か。
なぜ日本人の名前はこの系統に当てると語呂が悪くなるのやら…。



――キィィィン…

「それよりも、いったいこれはなにに反応してるんだ?」
「さっきの宝箱…の隅っこかな?」

どれどれ…ん?

「指輪?」

天使、悪魔、竜で形作られた灰色のリング。
それぞれが絡みあい奇妙な…まるでレギオンのような装飾になっている。
悪趣味な装飾だ。

「これが反応してるのか」
「………」

イツキは考え込んでいる。

…それにしても悪趣味だが、なんだか妙に心ひかれるというか…

「…! ダメッ!」
「へ?」



それは俺のために作られているかのごとく左手の中指にぴったりと装着された。



**********



「…っ!?」

暗黒の力…それも今までの比ではない!

…!
これは…記憶が…



そうか…そうだったのか…
よもや暗黒の力が記憶を呼び覚ます引き金になったとはな…



**********



――ブワァッ!

巻き起こる膨大な魔力の胎動。



なんだこれは!?
まるで…混沌とつながったかのように…



<なんでも混沌に根ざしたものらしいんだが…詳しくはわからねえ>



…!
やべっ!?

すぐさま指輪を引きぬく。



――スポッ



…あれ?
あっけなく抜けた。

「~っぁ…!」
「イツキ!?」

呻くイツキ。

混沌の力が流れ込んだのか!?

「大丈夫…すぐ止まったから…」
「…そうか」

…この指輪が混沌由来のものってことか。

「その指輪…もうつけない方がいい」
「わかってるよ。イツキも苦しくなるんだろ?」
「そうじゃない…それはよくないものだよ。間違いない」

久しぶりの真剣な表情のイツキ。

確かに碌なもんじゃなさそうだが…
…ここで捨てておこうか?





なぜか俺はその指輪を捨てることができなかった。



**********



「結局スゴイ量のものを持ってきちゃったね…」
「命がけで戦ったんだ。正当な報酬さ」

壊れた防具の代わりも手に入ったし万々歳だ。



帰りに軽くテスカトリポカに手を振って、
煉獄闘技場をあとにする。

ポーションももらってきたし、
決勝で賭けた物もちゃんと回収した。

受付相手に適当に口からでまかせを言ったらミストルティンも返してもらえた。
デュランダルとかもイケるかな? とは思ったが、イツキに止められた。



「ともかくお疲れ様、蒼真」
「ああ、疲れたし大変だったけど、なかなか楽しかったよ」

地下水域に抜ける扉に手をかける。



バイバイ、煉獄闘技じょ…

――バーンッ!

「ウボァ!?」
「ん?」
「そ、蒼真ぁー!?」



扉を開けようとしたら反対側からすさまじい勢いで扉が開き、
俺の顔面は強打された。



「ふごごご…」
「鼻血が…ポーションポーション!」

超ダメージ。

いったい誰がこんなひどいことを!



「…蒼真か?」

…J?





・オマケ

「ストラス、次はトレントを頼む」
「あまり材木として呼び出すのは気が進みませんが…」
「安心しろ。次も最高の席を用意しておく」
「…仕方ありませんね」
「よし、斧の準備を…」

コロシアムを修理する材料、その調達風景。



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 ブロッキングメイル
他1 首蔵

・新しいソウル New

レッドミノタウロス
デッドクルセイダー
ビッグがいこつ
ワージャガー
アークデーモン
アラストール
エリニュス
グラディエーター

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

ダインスレイブ New
フルンチング
ミストルティン New
レーヴァテイン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル
ブリューナク New
ブルトガング New
カラドボルグ New
ヴィジャヤ New
バルムンク New
妖刀村正 New
トールハンマー New
エクスカリバー New
ゲイボルク New
カイザーナックル New

・防具

ブロッキングメイル New
てつのむねあて
エルフのローブ New
オルロックスーツ New

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
カオスリング New
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ
ポーションxたくさん




50にてバルムンクとアスカロンが混ざっていたのを修正しました。

ARMSではチェシャ猫が一番好きです。
その次に白兎が好きです。



[20761] 暁月編61[取り戻された真実]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/08 14:28
**********

・前回のあらすじ



「壁が…動き出す!?」
「さすが煉獄闘技場、賞品を取った後も安心は出来んというわけか!」
「なら、ぶっ壊すまでよ!」

――<中略>――

「…J?」
「ぐっ…」
「しっかりしろ!」
「大丈夫だ…俺は記憶を取り戻した!」
「うっ!」

カオスリングを奪われた!

「J、なにを!?」
「これですべての秘宝はそろった! 城主の間への道が開かれる!」
「J! 目を覚ませ!」
「ハーハッハッハッ…」



※あらすじには誇張表現などが含まれることがあります。
 希釈する際は大量の蒸留水に撹拌しながら少しずつゆっくりと行ってください。

**********



ダンディ退魔師に遭遇した。



J…?
運営に追い払われたって聞いてたけど、戻ってきたのか?



「そんなところでどうしたんだ?」



鼻を押さえてうずくまっている俺に手を差し伸べるJ。



「あんたが急に扉を開けたからぶつかったんだよ!」
「なに! そうか…すまなかったな」



手を借り立ち上がる。



「で、そういうアンタはなにしてるんだ?」
「ここで巨大な暗黒の力を感じてな…その衝撃で記憶も戻った」
「記憶が?」
「ああ、俺の本当の名前は、ユリウス・ベルモンド…」
「ベルモンド!?」
「知っていたか…」



ちょ、マジかよ。
行方不明じゃなかったのかよ。
有角、情報精度低いよ。



「つまりドラキュラを完全に消滅させたのは…」
「俺だ。もちろん俺ひとりの力ではないがな」
「ってことは記憶がなくても本能で予言の成立を防ぐために動いていたってことか」



さすが神に祝福された一族の末裔。
マジパネェ。

…!
ちょうどいい。



「J…改めユリウス。グラハムって男に会わなかったか?」
「グラハム?」
「白いスーツの自称ドラキュラなんだけど」
「ああ奴か…確かに会ったが俺の顔を見るなり逃げていったぞ?」



あのグラハムが素でビビったとな?
これは戦力として申し分ない。



「奴がドラキュラ…信じがたいな。確かにドラキュラの魔力は感じたが…むしろ…」



ちらりと俺の顔を見るユリウス。

…え、なんのフラグ?



「まあともかく、奴がドラキュラだとしても、今の俺に奴を倒すことはできん」
「え、なんで?」
「武器が必要だ」
「げ…ムチ忘れてきたのか?」



ムチのないベルモンドなんて…



「ヴァンパイアキラーのことまで知っているのか…?」
「有角から聞いたんだ(嘘)」
「有角…彼か。アレは今、ドラキュラの魂と魔力を引き剥がすために城と共に封じられている」
「…つまり城の中にあるってことか」
「ああ、場所はわかっているからな。今からそれを取りに行く」
「ムチさえあればグラハムも倒せるんだよな?」
「ああ、奴がドラキュラだというのなら俺がやらねばならん」
「そっか…じゃあグラハムのことは任せるよ」



だって俺、ヴァンパイアハンターじゃないしー。



「わかった。できるだけ早く城主の間へは向かう」
「じゃ…気をつけて」



その一言で別れて宝探しの旅に出るはずだったのに。



「いや、先にここで発生した暗黒の力の正体を調べておきたい」



…それ、俺じゃん。



ユリウスは俺の横を通り煉獄闘技場へ向かおうとした。
まずい…今行かせるとコロシアム修復が遅れるかもしれん。

ユリウスがどんな奴なのか俺はまだ把握しきれていない。
もし魔物と見れば誰でも襲いかかるような奴だったらテスカトリポカとモメるだろう。
たぶん大丈夫だとは思うが念のためだ。



「じゃあな…」
「待った」
「? どうした?」
「その暗黒の力って…たぶん俺だ」
「…なに? どういうことだ?」



ちょっと怖い顔で迫ってくるユリウス。
訂正、だいぶ怖い顔だ。



「よし、わかった。説明しよう」
「…?」

首蔵から古文書を取り出す。

「これは古文書だ」
「ほう…」
「魔王が創りだした知恵の一つ…いや、記録か。
 魔王の力の詳細として、有角が探索中に見つけて俺に与えたものだ。
 さぁ、まずはひろげてみるか」

石版をひろげる。

「…俺には読めないな」
「なんか知らんが俺には読める。…でだ」

混沌の指輪…カオスリングを取り出す。

「その古文書に書いてある力を揃えたらこれを見つけた」
「…っ! この感覚は…」
「ああ、こいつは混沌から産み出されたものみたいだ。
 これを着けたら魔力が溢れて高ぶってな。
 フフッ、あの時はまいったよ。
 …フッヘヘヘ…見ての通り継ぎ目すらない悪趣味なフォルムだろ?
 いったいどんな素材で出来ているのか…」

…何度見ても悪趣味な指輪だ。
なぜ捨てられないのか…。

不思議な魅力があるのだ。
ロード・オブ・ザ・リング的なあれかもしれん。

「…蒼真!」

――ガッ!

肩を掴まれ揺さぶられる。

え、なに、ねえ、なに!?

「蒼真、大丈夫か?」
「いきなりなにをするんだよ! 驚いたじゃないか!」
「お前…今その指輪に飲み込まれかけていたぞ」

…?

「…はぁ?」
「蒼真、確かお前はこの城に来てから暗黒の力が使えるようになったと言っていたな?」
「ああ」



そうだよ?
もっと早く欲しかったよ。
まっ、支配する魂がなかったから無力だったかもしれないけ…ど…
…!
いやいやいや、支配の力はここに来てから身につけた力で間違いないはずだ。



「…ともかくそれはもともと一般人だったお前には荷が重いかもしれん。
 俺が預かっておく」
「…ちょっと愛着が」
「蒼真!」
「…わかったよ」

しぶしぶカオスリングをユリウスに預ける。
なんだか胸にぽっかり穴が開いたかのごとく、
喪失感でいっぱいだ。
いつのまにか持っているのが当たり前のような気分になっていたのか?
この短時間で?

…まあいい。



「ともかくこれでここには用はないだろ?」
「ああ…しかしお前は俺をこの先に進ませたくないのか?」
「それだけ早くグラハムを倒して欲しいってことだよ!」
「…わかった、じゃあな」
「気をつけて…」

――タッタッタッ…



…行ったか。

「…挨拶し損ねちゃった」
「イツキ、とりあえず隠れる癖をなくそうな」



ともかくこれでやっと宝探しに行ける。



トレージャーハンター蒼真、始まるぜ!





・オマケ

「なあ」
「なんだ?」
「ユリウスなのになんで'J'だったんだ?」
「あの時は服の裏に'J'と刺繍されていたからそのまま使っただけなんだが…」
「いや、そうじゃなくて'Y'じゃないのか?」
「…日本だとそうなるのか。J・U・L・I・U・Sでユリウスだ」
「ああ…そっか、ごめん。俺、外国語苦手でさ」
「かまわんさ」

途中に入ってた会話。



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 ブロッキングメイル
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

ダインスレイブ
フルンチング
ミストルティン
レーヴァテイン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル
ブリューナク
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
妖刀村正
トールハンマー
エクスカリバー
ゲイボルク
カイザーナックル

・防具

ブロッキングメイル
てつのむねあて
エルフのローブ
オルロックスーツ

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ
ポーションxたくさん



…大魔王・蒼真!
その発想はなかった!



描写量については今後の課題として、
そのうちいろいろ試行錯誤してみようかと思います。
(無駄に描写を増やしてみたり、逆に会話だけの回を作ってみたり)

とりあえずは暁月編終了までは、このままの流れで適宜改訂という形で行ってみます。



デュプリケーターはどういう存在なのか…
お食事券が何回でも使えるって…
まあお食事券自体の正体もわからないんですけどね(笑)



あ、それと蒼真は盗ってないですよ?
優勝賞品です。
ジーちゃんが全部持ってっていいって言ってました。
蒼真の中では。



[20761] 暁月編62[再探索・宝を求めて]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/09 16:12
**********

・新ジャンルあらすじ・恐怖! 闇に浮かぶベルモンドの影!



――ベルモンドだぁー! ベルモンドがきたぞぉー!
――女子供は隠れろ!



「悪ぃ子はいねぇがぁ~? 悪ぃ子はいねぇがぁ~?」



――待って! まだあそこには子どもがいるのよ!
――駄目だ! もう間に合わん!
――離して…いやぁぁぁ! アドリアァァァン!



「んん~?」
「ヒッ…」
「悪ぃ子は~…」



――喰っちまうど?



「うわぁぁぁ!?」





※緊急速報 悪魔城周辺にて局地的なベルモンドが発生しました。
 このベルモンドに因る津波の心配はございません。

**********



地下水域のとある場所には、
いわゆる海賊船というものがあるらしい。
中には海賊という種に分類されるもの達が集めたお宝がわんさか眠っているとか。

俺は今からそれを取りに行く。
そのために地下水域を探索しなおしているわけだ。



「優勝賞品は武器防具ばっかだったからな…」
「そこの崖を上だよ」
「…さっそくオオコウモリの出番だな」

岩の切り立った崖。
ロッククライミングをする必要などもはや無いのだ。
俺には新たな力があるのだから。



――ポンッ



「キッー!」
「…一応言っておくとコウモリっていうか特撮系怪人みたいだよ」
「なん…だと…?」



来須蒼真
手から真空波、口から糸を吐き、目からは光線、そして様々な形態に変身する。
また彼に倒されると魂を支配されてしまう。



…怪人だね。
これって城から出たら元に戻るのだろうか。
有角に何とかしてもらおう。



――バッサバッサ…



知ってるか?
哺乳類で完全な飛行をするのはコウモリだけらしいぞ。

あとコウモリの姿にはなってるけど結構視力は良い。
コウモリって超音波で障害物判断するって聞いてたんだけどな。

っと、到着到着…



――パッ…ズザー…

「ん~、Nice Landing」
「はあ?」
「特に意味はない」



たしか着地成功って意味だ。



「この奥だな」
「うん」



さあ、まだ見ぬ秘宝が俺を待っている。



**********



――ザー…



「滝だな」
「滝だね」



崖を越えるとそこは滝つぼだった。
ウンディーネのソウルを発動し水の上に立っているが、
激しい水しぶきで体が濡れてしまう。
見上げるとはるか上方から大量の水が流れ込んでいるのがわかる。



「地図だとこの滝の裏だけど…」
「脇から入れる…ってわけでもないみたいだな」



水の勢いは強く、触れれば弾き飛ばされてしまうだろう。
まさかこんな障害物があるとは…

…!
そういえば弥那ズ・ヒントの中に…

首蔵からメモを取り出す。



<強靭な身体で水の上を高速で疾走すれば、水の壁を突破できる>



たぶん水の壁とはこの滝のことだろう。
水の上にウンディーネで立って、
デビルか何かに変身して、
高速で突っ込めば通り抜けられるということだ。



「イツキ、ちょっと卵に戻ってろ」
「ん、わかった」



卵イツキをポケットに入れて滝に向かい合う。

変身するときは身につけている物ごと変身するので、
これでイツキごと悪魔になれるはずだ。



[まさに一心同体になるわけだね]
「…なんかその言い方はヤダ」



悪魔に姿を変える。

水の上で軽く助走をつけて、突っ込む。



――バシャバシャバシャ!

「ぬわぁぁぁ!?」
[沈む、沈んでるよ!?]



ダメでした。

圧倒的な水圧でウンディーネの力を無視して水底に沈められてしまう。
馬鹿な…水没だと!?
よりによって悪魔城で!



おかしいな…伝言の意味は間違っていないハズなんだが。
加速が足りないのか?

もっとスピードをつけるには…ぬ?

――グニャッ…

…足の形が変わった。
これは…剣?

悪魔の姿の俺の足が片刃の剣のように形を変えた。
まったく関係ないが振り子刃の拷問機械を思い出した。



[これって動けるの?]
「…魔力を噴出して移動することができるみたいだな」



足の状態に比べて踏ん張りは効かないかもしれないが、
最高速はもっと出せそうだ。
それに表面積も減ったから水の抵抗も小さそうだ。

求める現象に応じて勝手に形状を変化させてくれるとは…
なかなか気が効いてるじゃないか。



「さて…蒼真、いきまーす!」



滝から距離をあけ、魔力を噴出。
加速をつけ再び滝に突っ込む。
先程よりも速いはずだ。



――バシャバシャバシャ!

[後もうちょっとだよ!]
「うおぉぉぉ!」

――バシャンッ!



抜けた!

想像以上に魔力を消費したがなんとかなった。



「お疲れ様」
「宝が目の前にあるんだ。これくらいどうって事ないさ」



悪魔化を解き、イツキも成熟期サイズに戻る。

滝の裏には扉があった。



さあ、行こうか。
宝はたぶん目前だ。





・オマケ



「…待って」
「ん? 嬢ちゃんか」
「………」
「どうしたんだ?」
「…もうここには来れないから」
「へ?」
「…お礼、言いに来た。…いままでありがとう」
「あ、ちょ…行っちまった…
 なんでもう来れないんだ?」

A. ヨーコさんの結界のせい



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 ブロッキングメイル
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

ダインスレイブ
フルンチング
ミストルティン
レーヴァテイン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル
ブリューナク
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
妖刀村正
トールハンマー
エクスカリバー
ゲイボルク
カイザーナックル

・防具

ブロッキングメイル
てつのむねあて
エルフのローブ
オルロックスーツ

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ
ポーションxたくさん



再探索の時にもっと地下水域について描写する予定でしたが、
事情によりカットさせてもらいました。
申し訳ありません。



はうあ!?
そういえば題名戻すの忘れてました!

デュプリケーター便利ですね。
一家に一台欲しいです。
ちゃんと調べてから書けば説明できたかもしれないのに、と反省してます。
あとスタートレックはエンタープライズを若干見た程度なので詳しくは知らないのです。



豆知識
コウモリはオオコウモリ亜目とココウモリ亜目という分類があり、
オオコウモリのほとんどはエコーロケーション(超音波によるソナーのようなもの)を行わず、
発達した視覚によって食物を探すんだとか。
「ワクワクを思い出すんだ!」



[20761] 暁月編63[ありったけの夢をかき集め]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/11 04:35
**********

・前回のあらすじ



「あのね…今日は大事なお話があるの…
 ゴメンなさい。今まで…
 私、ヒドイ女だったわ…」
「じゃ、じゃあ!」
「プロポーズ…よろこんでお受けします…」
「レイコさん!」
「ヨシカズさんっ!」



[後もうちょっとだよ!]
「うおぉぉぉ!」

――バシャン!



怪人・来須蒼真が現れた。
コマンド?



「た、滝から悪魔が出た!? ひいい~っ!」
「れ、レイコさん待って…ウ…ウソつきいいッ~!」



※あらすじには近未来の表現が含まれていることがあります。
 マタンゴの過剰摂取はおやめください。

**********



「炎はこうして使うものだ!」

――ゴオォォォ!

「いやぁぁぁ…!」



俺の放った火球(フレイムデーモンのソウル)により燃えていく体が木でできた乙女、ドリアード。



これでよし…と。

俺の体に貼りついていたやどりぎのタネ(仮)が力を失い塵に変わっていくのを確認し、ひと息つく。



俺達は今、滝の裏の洞窟を進みお宝の眠る区域、
通称 <不可侵洞窟> を進んでいる。



「くそ…俺はもう戦いたくないのに!」



これでドリアードは三体目だ。
全員俺の炎で消し炭になってしまった。



「魔物相手にホイホイ近寄るからだよ…」



だって服着てないんだもの。



はじめて遭遇したときは、
手招きされて近づいていったら、
小さな種のような物を植え付けられて体力吸い取られた。(前述のやどりぎのタネ)
だから燃やした。

二体目は説得を試みたんだが無視して種を植え付けられた。
だから燃やした。
ついでにソウルも手に入れた。

三体目はなにも言わずに不意打ちで種を撃ってきた。
だから燃やした。



余談だがドリアードの体は木で構成されている割には肉のような柔らかみがあった。
一体目の時にちょっとだけ触った感想だ。



洞窟の中で炎を使っているが、
魔物を燃やすだけなら一酸化炭素やらはでない模様。
エコだね☆



魔王の力であるフレイムデーモンのソウルは、
ドラキュラの三連ファイアのことだったようだ。

真空波より威力があり、また火球の数をある程度設定できる。
先程から一つにまとめて撃っているが、
俺の新しい主砲にふさわしい威力だ。
まあ真空波は気に入ってるし加減しやすいからまだ使うつもりだが。





「ヒッ…」



ん…新手か。

洞窟の奥から別のドリアードが現れた。
俺の足元の消し炭(だいぶ塵となって消えてしまったが)をみて怯えている。

もうめんどくさいな。



「お前も燃えたいか?」



手のひらに赤い火球を浮かべ問いかける。



「いや…いや!」



震えてこちらから逃げようとするドリアード。
へっへっへ…



――ボッ!



土に潜ろうとしたドリアードの周りに火の粉を撒く。
驚いて動きの止まるドリアード。
逃がさないよ。



「俺の言うことを聞いてもらおうか?」
「わ…わかった…」
「まずは何でもいうことを聞きますと宣言…痛っ!」
「このへんに海賊船があるらしいんだけど、場所わかる?」
「…海賊船? ここをまっすぐに行ったところだけど…」
「………」



ちょっとした冗談だったのに。
イツキに腕をつねられた。



それはそれとして、
ドリアードに海賊船まで案内させることになった。



**********



「ここだよ」
「おぉ…!」
「へー…」



地面をツタをくねらせて移動するドリアードについて行くと巨大な船の前に出た。



…素晴らしい。

船首についた髑髏の意匠。
そして髑髏の海賊旗。

どこをどう見ても海賊船だ。
いったいどんな宝を溜め込んでるやら…



「ねえ…もう帰っていい?」
「ああ…貴様はもう用無しだ。燃えろ!」
「ヒャッ!?」
「冗談だ」
「………」



ドリアードを一瞬泣かせてから開放する。

これでもう俺を襲うことはないだろう。
決して泣かせてみたいと思ったわけじゃない。
今後の為には必要なことだったのだ。

だから俺をそんな目でみるな、イツキよ。



「よし、潜入するぞ!」
「…弥那ちゃんにはあんなことしてないだろうね?」


…昔やったような気がする。
ちょっとした冗談だったけれど、
あの年齢の女の子にやることではなかったかもしれない…。
しばらく口聞いてくれなかったしなぁ…。



まあともかく海賊船に入ってみようじゃないか!



**********



甲板にはコウモリに変化して移動した。
イツキと並んで飛ぶことができるのはちょっと楽しい。



「…しっかし、この船どっから入ったんだ?」



元の姿に戻りながらひとりごちた。
どこか外に出る水路があるわけでもなさそうだが…。



「城の構成要素として混ざってるだけだから航行機能とかはないんじゃないかな?」



なるほど。
ただのイミテーションみたいなものですね。
ちょっとがっかりだ。
動かしてみたかったのに。



おっ!
でも大砲がある。
黒くて導線のついた昔ながらの大砲。



「なあなあ、あれ撃ってもいいかな? いいよな?」
「子供じゃないんだからはしゃがないでよ…」



だって海賊船で大砲ですよ、奥さん!



「帰りに一発だけ撃っていこう。
 ほら、もしかしたら大砲のギミックを使わないと進めない場所とかあるかもしれないし」
「ゲームじゃないんだから…」



世界は悪魔城シリーズの延長だから可能性はあるんだが…。

まあいい、とりあえず中に入って…おい。



「浸水してるじゃねえか!」
「卵にもどっておくね」



海賊船ではなく沈没船だったようだ。
船の中は水浸しになっている。
これでなぜ水の上に浮かんでいられるのかわからないくらいだ。
もしかすると船の底が地面に着いてしまってるのかもしれない。

また潜水か…。



**********



海賊船、改め沈没船の中を探索する。

魔物はキラーフィッシュくらいしかいない。



一層目はハンモックなどが大量に吊るされている大きな部屋。
船員が寝るところなのだろうか?

特に見るものもないので二層目へ。
此処から先は完全に水の中だ。



――バチャッ…



[…これはひどい]
[水浸しになるわけだね]



これは予想外。
二層目かと思ったら船に大穴が空いていて洞窟に繋がっていたでござる。



[地図だと確かにこのへんを指してたんだよな?]
[うん。この先に海賊船の中にあった宝が流れて行ってるかもね]



進んでみるか…。



――蒼真探索中…



――バシャッ!

「ふう…空気のあるところに出たみたいだな」
[戻るときにめんどうだからこのままでいるね]



洞窟は複雑な構造をしているようで、
中に空気のたまり場のような場所も出来ていた。

先へ進む。

すると…



「ぉ…おぉ…!」
[これはすごいね…]



人が入れそうなほどの大きさの宝箱。
それいっぱいに金貨や宝石が詰まっている。



「ヒャッハー、お宝だぁ!」



首蔵に放り込む。



――財宝を入手しました



これだけあれば働かなくても生きていけそうだ。
…どう売りさばいたものかな?



[宝はそれだけなの?]



「ん…妙な壁が…おっ! 宝箱がある!」



ピーピングアイが反応したが、それよりも先に宝箱を確認する。
先程の宝箱よりも大きい宝箱。

こんどはなにかな~?



「御開帳~…」
[…! 待って!]



え…



――パカッ!



「グゲゲッ!」
「!?」
[ミミックだ!]



宝箱に噛み付かれた!

蓋に牙がついていて中から舌が伸び俺の腕に絡みつく。
右腕の上腕部までパックリいかれた。
イタタタッ!



「くっ…この! 離せ!」

――ガンッガンッ…



地面にたたきつけるがなかなか離れない。



[もっと威力がないと!]



威力!?
こんな至近距離で火球を放つわけにもいかないし…
…!



「どぉるぁぁぁ!」

――ドゴォ!



俺の右腕が光ると同時に壁にたたきつけられたミミックは、
あっけなくバラバラになった。



[今の…]
「バロールのソウルだ」



ポーションを傷口にかけながら話す。

バロールのソウルは攻撃に破壊という属性を付加する。
たぶん今支配しているソウルの中では最大の威力がある。
密着して無いと使えないけど。

耐性がなければミミックのように木っ端微塵だ。





――ガラッ…ガラッ…



ん?
ミミックをぶつけた壁が崩れていく。
破壊効果が届いてしまったのだろうか…違う。
先に道がつづいている。



[隠し部屋?]
「そうみたいだな…」



さっきの反応はここか。
まだお宝がありそうだ。

奥へ進む。



**********



長い。



「道が狭くなってきたな…」
[それに暗くなってきたみたい…]



PITの電灯を頼りに進む。

こんな暗くて狭い道を通っていると、昔弥那と一緒に行ったお化け屋敷を思い出す。
最新技術の塊で作られたあのお化け屋敷は、
精神年齢30近くだった俺ですら耐えることの困難な恐怖を与えてきた。
そのままの子供だった弥那は恐怖のあまり…その…まあいろいろあった!

懐かしいな…。



「俺、城から出たら弥那と一緒に遊園地に行くんだ…」
[フラグ立ててなにをしようってのさ…?]
「そんなことよりイツキ。怖くないか?」
[はあ?]
「怖かったらもっと近くに来てもいいんだぞ?」
[…そもそも今卵だから密着してるし、突然そんなことを言い出した蒼真が怖いよ]
「………」



かわいくない奴め。
いや、容姿はかわいいと思うけどね?



――キラッ…



ん…?
いま何かが電灯の光を反射したような…。



――キラッ…キラッ…



こ…これは…!?



[黄金の…大剣?]



それは巨大な黄金の装飾剣だった。
光を反射してキラキラを光り輝いている。



「ず…図鑑!」



ジョワユース
黄金の剣。フランス語で『喜ばしき』の意味をもつ。



持ち上げてみる。



「お、重!」
[これ純金?]



なんてこった…
これ一本でさっきの宝箱に入っていた財宝と同程度かそれ以上の価値があるんじゃないか…?

首蔵に入れる。



「海賊のお宝…確かにいただいたぜ!」



もうなにもなさそうだ。
外に出よう…。



**********



甲板まで戻ってきた。



「ふう…お疲れ様」
「おう。それより見てみろよ、すごいぞこの剣…」



暗いところではわからなかったが、光のある場所で見るとジョワユースはただの黄金の塊ではなかった。
芸術品に詳しいわけではないが、
それでも非常に精密で繊細な加工がされているのがわかる。
その筋の収集家に売れば本格的に一生遊べるレベルの金が手に入るのではなかろうか。



「悪魔城…マジパネェっす」
「(教会に徴収されちゃうと思うけど)…それより大砲撃つんじゃなかったの?」
「おお、そうだった!」



大砲の状態を確認する。
…火薬は湿気ってないようだ。これも悪魔城パワーか。
船内に保管してあった弾を持ってくる。

装填よし、火薬よし。

…これで火をつければいいのか?



…まあ多少手順が間違っていても、構造上弾は飛ぶはずだ。



「よし、火つけるぞ!」
「耳あてとかしなくていいの?」
「…導火線に火着けたらすぐ耳ふさぐぞ」
「…わかった」



耳あてなんて用意してるわけがない。



「三、二、一、着火!」



導火線に火をつけ、同時に耳をふさぐ。

狙いはやや斜め下にある岩。



――ドンッ!



おお!
うまくいった!



岩に弾が当たり粉々になった。

すごいな…こんなに威力があるものだったのか…
…ん?

砕けた岩のあった場所に水が流れこんでいく。

…空洞?
隠し部屋か?



「イツキ…ちょっと降りて…おい」
「………」



イツキは耳をふさぐのと同時に目もとじていたようだ。
見る気無しかよ…。



**********



[意外と深いな…]
[もうすぐ底につくみたいだよ]



もともとさっきの岩は人工的に作られたものだったようだ。
本来は上の部分が開き中へ入れるようになっていたのかもしれない。



[底か…]
[横にまだ道があるよ]



またか…

PITを取り出し電灯をつける。

完全防水でほんとに良かった。





少し進んだ先にはいくつかの宝箱と、



[エクスカリバー?]



岩に刺さった淡い光を放つ剣があった。

電灯の光を反射するのではなく自ら光を放っている。



なるほど…そういう事か。
やっぱりあれはエクスカリ<パ>ーだったんだ。
これを抜ければ…



――ズ…ズズズ…



オーケイ。

[勇者・蒼真の誕生だ!]
[えーと…光る剣…クラウ・ソラスかな?]



イツキ、ひどいよ。



クラウ・ソラス…聞いたことないな。



[どんな伝説がついてるんだ?]
[確かケルト系の神剣だったかな?
 ブリューナクとかと並ぶ秘宝で銀の手のヌアザって神様の剣だよ]
[ヌアザ?]
[英語だとアガートラームって別名もあったかな]



ああ、アガートラームか。
それなら知ってるや。



[一説ではカラドボルグと同一視されて、さらにエクスカリバーとも同一視されてるとか]
[なるほど、つまり俺には勇者の素質があるんだな?]
[おお、蒼真よ。死んでしまうとは情けない]



**********



いやぁ、いいものがたくさん手に入った!
この調子なら他のところの宝も期待できそうだ!



「よし、次行ってみよう!」
「次は…これ幻夢宮だ」
「?」
「ほら、前になぜか進めなかった渡り廊下のとこ」



ああ、進んでいると思ったら戻っている廊下か。
なにを言っているのか(以下略)



そうか…久しぶりだな。
隊長のところにも顔を出しておこう。



新たな目的地へ向かうため、
俺達は歩き始めた。



宝を求めて!





・オマケ

…これで大丈夫。
火薬の人(ハマー?)にはもう会うことはないだろう。
もう…これでおしまい。



いろいろ見てきたけれど、やっぱりあの人達は異質だった。
人間であるというだけでもまあ異質なんだけど…。



あとは支配の少年(蒼真?)に会わなければ、もうドキドキなんてしない。
忘れてしまえる…。



[俺はこの城から出るのが目的だからな]



彼らは城から出ていってしまうのだ。
これでいい…。
これで…。



さあ、ユニコーンの角を組み込もう。



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 ブロッキングメイル
他1 首蔵

・新しいソウル New

ドリアード

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

ダインスレイブ
フルンチング
ミストルティン
レーヴァテイン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル
ブリューナク
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
妖刀村正
トールハンマー
エクスカリバー
ゲイボルク
カイザーナックル
ジョワユース New
クラウ・ソラス New

・防具

ブロッキングメイル
てつのむねあて
エルフのローブ
オルロックスーツ

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ
ポーションxたくさん
財宝



ブリキ大王の発進の時、割れた湖の水はどこへいったのか。
…構造上、藤兵衛の家のトイレ?



[20761] 暁月編64[少年と魔女]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/14 23:49
**********

・前回のあらすじ



魔力・知識・カリスマ

この世の全てを手に入れた男
魔王ドラキュラ

彼の死に際に放った一言は男達を悪魔城へ駆り立てた



「私の財宝か?
 欲しいというのならばくれてやろう。
 探せ!
 この世の全てをそこに置いてきた!」(CV若本)



男達は城主の間を目指し夢を追い続ける



世はまさに悪魔城時代!



※あらすじには全く関係の無い情報が含まれていることがあります。
 財宝等を見つけた場合は遺失物法にのっとり速やかに警察へ届け出てください。

**********



「おっ、おかえり!」
「…うん」



悪魔城蔵書庫。
そこに一人のまじょみならいが帰還した。

栗色の長い髪を伸ばしっぱなしにし、
青っぽいローブに身を包んだ箒を持った少女。
闘技場にて激戦をくぐり抜けたまじょみならいである。



「どうだったの?」
「…一応うまくいった」
「そう…それはそれとして例の本の続き見つかったわよ?
 確かこの辺に…」



――ゴソゴソ…



「あれー…?
 どこいったかな…」



久しぶりに会った同種族の友人を置き去りに彼女は自分の領域に戻る。
見つかったら持ってくからー、という声を背に受けて。



ここでは混沌の力により過去から現在にわたる様々な本が自然と発生する。
増え続ける一方にもかかわらず本が溢れたりすることがないのは悪魔城の不思議力のひとつである。






彼女はとある本棚の前で立ち止まる。



――キョロキョロ…



そして周りを確認し、



「(赤い表紙の本を入れ替える…)」



――カコンッ…ズズズッ…



小気味の良い音が軽く響き本棚がスライドして、
人の通れるくらいの隙間ができる。



「………」

――ズズズッ…



彼女がその隙間に入ったと同時に、
本棚は元の場所に戻った。



**********



そこは本棚でできた小部屋だった。

周りの壁はすべて本棚で、天井まで本棚である。
なぜか本は落ちてこない。

床だけが木の板で構成されているが、
そこは少々散らかっていた。

いくつかの植物とフラスコやビーカーなど、そして大小様々な形の鉄の塊。



他には小さな机とイスが一セットくらいか。

明かりは小さなランプで賄われている。



ここは彼女が偶然見つけた隠し部屋だ。
ここなら他の魔物は入ってくることはなく、ゆっくりと本を読むこともできる。



――ゴトッ…

「…ふう」



彼女は空いていたスペースに箒と二つ折りにされた鉄の筒、
そして細長い尖った青い棒をおいた。
どこから出したかはわからないが。



「(…少し休んだら作業に移ろう)」



彼女は椅子に座りそう考えた。

ずいぶんと疲れてしまった。

もともと大した戦闘力を持たない自分が戦うことができたのは、
武器と先の友人からもらった強化薬のおかげでしかなかったのだ。

自分でも無茶をしたと思うし、今更震えもする。
でも自分の考えは間違っていなかったということはわかった。



特殊な力を持っているわけでもないのに、
あの巨大なグレートアーマーを粉砕してみせた人間の力。

私のような非力な魔物でも扱えるということが証明できた。
火薬の人には感謝してもしきれない。



これであの時みたいにアラクネに襲われても大丈夫…



そんなことを考えながらを思い出してしまう。

かつて自分のことを助け、
闘技場にて再び助けてくれた支配の力を持つ少年。

たしか名前は…



「…クルス・ソウマ」



危ない時に自分の身を顧みず命がけで自分を助けてくれた。(彼女にはそう見えた)

その姿は昔読んだ本に出てくる勇者のようで。
とても…カッコよかった。
彼のことをもっと知りたいと思ってしまうくらいに。



「…でも」



彼はこの城から出ることが目的だと言っていた。

遠くで聞いただけだが聞き間違いではないだろう。
人間がこの城の中にいることの方が異常なのだから。





もう会うこともないだろう。
このまま忘れてしまえばいいのだ…。





――ズズズッ…



入り口の本棚が動き友人が顔を出した。



「オイっす! 本、見つかったよ」
「…ありがと」



本を受け取る。



「それじゃ、またね」
「…うん」



…ユニコーンの角を加工し始めようと思ったけれど、
急ぐことはないのだから本を読み終えてからにしよう。



**********



勇者は助けたお姫様を連れて光のお城に帰ってきました。

しかし気がつくとお姫様は煙のようにいなくなっていました。

勇者が助けたお姫様。

実は呪いに侵されていて、闇のお城の中から出ることができなかったのです。

お姫様は初めてそのことを知ってひどく悲しみました。

もう勇者様には会うことができないということだからです。



**********



「………」



イスに座り本を読み進める。

…友人は本を間違えたようだ。
この本はずいぶんと前だが読んだことがある。



光のお城に住んでいたお姫様は、
悪い魔女にさらわれて闇のお城に連れていかれた。
勇者が魔女を倒したけれど、
呪いで闇のお城から出ることができなくなってしまった。

それはお姫様にはとてもつらいことだった。



お姫様は自分のことを助けてくれた勇者に恋をしたからだ。



**********



お姫様はつらいつらいつらいと喚いてるばかりじゃ、心にシワが増えるだけだと思いました。

だから勇者のことを忘れてしまおうと考えました。



お姫様は魔法で勇者のことを忘れてしまったので、闇のお城から出ることができなくても平気でした。



**********



なぜ自分はこの本を読み進めているのだろうか。

そして、なぜ彼のことを考えているのだろう。
忘れてしまおう、忘れてしまおうと考えるほど、
彼のことを思い出してしまう。



**********



しかし、ある日…



**********



――ズズズッ…



…!

入り口ではない本棚が動き始めた。

別の通路があったなんて!?



そこから現れたのは…





どうして…



「ふっ…ここはどこだ」
「どうしてまっすぐに帰ろうとしないのかな…?」



どうして出会ってしまった…?

忘れてしまおうと強く思っていたのに…!



頭の中が真っ白になる。





現れたのは彼女にとっての勇者だった。



**********



しかし、ある日お姫様の前に再び勇者は現れました。

お姫様は勇者のことを思い出してしまい、泣きながら彼に抱きつきました。

勇者は言いました。



「あなたが僕を忘れても、僕はあなたを忘れることができません」



**********



「…ヒグッ…ゥ…!」



なんですかこれは?



「(…泣ーかした、泣ーかした。弥ー那ちゃんに言ってやろ)」
「(そういうことするのマジでやめて)」





不可侵洞窟を逆戻りしていたんだが、
唐突にインド人を右に切りたくなって実行した。

その結果妙なスイッチを見つけて踏んでみた。

そしたら隠し扉が開いた。

イツキが大人しく戻ろうって言ってきたけど無視して中に入った。

中が迷路になってたみたいで迷子になった。

なぜか地図も働かず、偶然見つけたスイッチ二号を踏んだらここに出たわけだ。



そして今俺はまじょみならいに抱きつかれて泣かれている。



今どうしてそうなった、と思ったあなた!
大丈夫!
私にもわかりません!





状況を確認する。

…周りに見える本棚と不可侵洞窟の位置から推測するに、ここは蔵書庫のようだ。
なぜか周りには弾丸や工具が転がっている気もするがそこはどうでもいい。



で、この娘はなぜ泣くだ?



「なあ、どうしたんだ?」
「…城から出るのが目的だっていってた…」
「ああ」
「…お礼も言ってない…思った…!」
「あー…落ち着いてからでいいから、な?」



…なんだか泣いている姿を見ると弥那の小さい頃を思い出す。



――ポフポフッ…

「…?」
「(…慣れてるね)」



落ち着くまで頭を撫でてやる。
弥那は頭を撫でてやると落ち着くのだ。



――ズズズッ…

「ごめーん! 本、間違…え…?」
「え?」
「…ごめーん」

――ズズズッ…



別のまじょみならいが顔を出して、
俺達のことを見て帰っていった。

なんだったんだ?



まじょみならいは、
しばらく俺の胸で泣いていた。

この言い方、俺カッコよくね?



**********



「落ち着いたか?」
「…うん」



まじょみならいの目は真っ赤で頬もちょっと赤い。
かわいい。

落ち着きを取り戻した彼女から話を聞く。



なんども助けられているのに(二回だけの気がする)
お礼を一度も言っていないことに気づいたのと、
俺が外に出ていこうとしていることを考えたらしいのだが、
俺の姿を見たらなにがなんだかよくわからなくなったらしい。

懐かれたのだろうか。



「(悪魔城という閉鎖された空間…
 男を知らずに育ったいたいけな魔物の少女を、
 あの手この手でたぶらかしてしまうんだね?)」
「(イツキェ…!)」



俺はそんなこと、しない。
むしろ、できない。

…できるなら、したい。



「…あのね?」
「ん?」
「…いままで、ありがとう」
「…どういたしまして」



若干寂しそうな顔をするまじょみならい。



「…もう会えないから」
「…それはどうかな?」
「…?」
「(ちょっと、蒼真?)」



…なんとなく言ってしまったが、適当にしゃべり続ける。



「確かに俺は城の外に出るけど…別に二度とここに来ないってわけでもないだろ?」
「…! …ほんと?」
「確実ってわけじゃない…いやいや、来ようと思えばこれないことはないさ!」



…泣きそうな顔をされたので言い直す。
でも悪魔城って日食に封印されてるし難しいかも…。



「…約束してくれる?」
「…!」



…どうする、どうすんのよ俺!?



「ああ約束だ」
「…うん!」

「(蒼真…)」



花が咲いたような笑顔を見せるまじょみならい。
やっちゃったZE☆



「ちょっと手をかして」
「…?」
「ゆーびきーりげーんまーん…」



…うん。
たぶん次の日食の発生する土地にでも旅行すれば、
また城には入れるだろ!



「(大丈夫だよな?)」
「(…ノーコメントで)」



イツキに見捨てられた。



「…ゆーびきった! …と」
「…今のは?」
「約束をするときのおまじない…ってところかな?」



小首をかしげて尋ねてくるまじょみならい。
つくづく小さい頃の弥那を思い出させる娘だ。



「…約束」
「ああ」



――ナデナデ…



うれしそうに目を細めるまじょみならいを見ながら、
早まった約束をしたものだと反省した。



**********



「じゃあ <また> な!」
「…うん」



彼は蔵書庫から出て行った。

見送りを済ませ自身の領域に戻る。



「…?」



入り口に本が落ちていた。

友人が持ってきてくれたのだろうか?



**********



勇者はお姫様に約束をしました。



「空に丸い月が昇る夜、私はもう一度あなたに会いにきます」



勇者は光のお城に帰ってしまいましたが、お姫様は平気でした。

今度は勇者のことを忘れてしまったからではありません。



お姫様には勇者との約束があったからです。



**********



「………」



また間違えてる…。



友人が置いていったらしい新しい本を開くと、
表紙は予定の物だったけれど中身が違った。



「…でも悪くないかな」


彼女はその本を机の上に置いて、
ゆっくりとイスに腰を掛けた。





「…約束…待ってるから」





・オマケ

「…あら? はじめまして…」
「…ああ」
「…?」

「あ、おかえりなさい」
「…あの人」
「え? ハマーさん?」
「さっきから私のことを睨みつけているんだけど…
 私、なにかしちゃったかしら…?
 彼、何者?」
「うーん…? 軍人さんで悪い人じゃないんだけど…」
「軍の人か…だけど?」
「…ちょっと変な人なの」
「変?」
「ここでお店を開いてるの」
「はあ?」
「変でしょ?」
「変ね…」



「タイプだ…はっ!? ん、うん、気づかれてないな!」



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 ブロッキングメイル
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

ダインスレイブ
フルンチング
ミストルティン
レーヴァテイン
ラハブの氷剣
ウィップソード
コンバットナイフ
グングニル
ブリューナク
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
妖刀村正
トールハンマー
エクスカリバー
ゲイボルク
カイザーナックル
ジョワユース
クラウ・ソラス

・防具

ブロッキングメイル
てつのむねあて
エルフのローブ
オルロックスーツ

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ
ポーションxたくさん
財宝



…向いてないや。

元ネタはグリムか何かの童話です。(少なくともイソップではないはず)



タイトル、少年じゃないし魔女でもない件ry

友人(まじょみならい)
薬品の加工に優れ、飛行もそこそこできる。
まじょまであと一歩。
ただし、ここ一番で失敗しやすい。



[20761] 暁月編65[戦乙女Forever]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2010/10/16 09:08
**********

・前回のあらすじ



あれから数十年後がたった



私はみならいではなくなり
城の中でも上位に位置する力の持ち主となった



だからといって生活が変わるわけではない

今日も一人、自分の領域で本を読むだけだ



――パサッ…



一冊の本が棚から落ちる

<光と闇のお城>

…懐かしい本を見つけた
いや、見つけてしまった…か



彼はあれから一度も私のもとに現れなかった



あの時のことは今でも鮮明に思い出せる

あの時の私はまだ幼くて
自分が物語の中心にいる、そんな幻想すらいだいていた

そんなに世界はやさしくないのに



でもあの約束
あれを支えにすることで私は今まで進んでこれた



――ズズズッ…



…!

あの時と同じように突然に隠し扉は開き始めた



「久しぶり! 元気にしてた?」
「…まったく…期待させるものね?」



中から出てきたのは古い友人だった
彼女は今、外の世界で人間に混ざって生きているらしい



「なによその言い方…まあいいけど。ほら…」
「…?」



一冊の本を渡される



「あの本の続き。結局渡せなかったでしょ?」
「…懐かしいわね」
「それじゃ久しぶりに城の中見てくるから」



友人は古い約束をまだ覚えていたようだ
部屋から出て行く友人を見送った後
イスに座り本を開く



「…中身が違う」



彼女は変わっていないようだ
人にしろ魔物にしろ存在というのはそう変わるものではないらしい



彼女はあの頃の約束を果たそうと私に会いに来た

彼はあの約束を今でも覚えているのだろうか?



「…人間と魔物の時間は違う」



私にとっては昨日のような出来事だが
彼にとっては大昔の話だ

あの時の約束だって本気だったかわからないのだ

忘れてしまっても仕方ないかもしれない



――ズズズッ…



再び本棚が動く

友人だろうか



「…なに? わすれも…の…?」



彼が、いた

年を取っているが一目でわかった



頭が真っ白になる

いろいろな思いが溢れて私からこぼれていく



「…どうして…!」
「………」



彼に詰め寄る



「…どうして今更…!」
「………」
「…私は…ずっと…ずっと…!」

――ポフッ…

「…ぁっ…」



彼は優しく私を抱きしめた



「…約束、守りに来た」
「…バカ…!」



そして私たちは…




そこからさきのことは記すこともないだろう

約束は果たされ、物語はハッピーエンドを迎えたのだから





「…という夢を見たの」
「なんで私が城の外にでてるのよ…」



※あらすじはフィクションです。
 登場する人物、団体名は本編の物とは関係ありません。

**********



「蒼真…」
「どうした?」



幻夢宮へ向かいながら話す。



「あの娘みたいな低級の魔物ならいいかもしれないけど、
 もし上級の魔物…サキュバスとかに約束を迫られても気軽に受けちゃだめだよ?」
「…?」
「上級の魔物との約束っていうのは状況によっては契約にまで発展しちゃうから」
「へー…覚えておくよ」



真面目な話なのにハッテンと聞くとネタに感じてしまうこの知識が憎い。



「あと魔物とか関係なくあーゆう夢を見せるような嘘の約束はよくないよ…」
「なに?」



俺がいつ嘘を…確かにちょっとクサイ展開だったが。



「もし外に出てまた城の中に入れなかったら、
 蒼真は仕方ないで済むけど、
 あの娘にとっては約束破られた、ってことしかわからないんだよ?」
「むぅ…」
「あとこのことも弥那ちゃんに報告しておくから」



なにゆえ。
俺は悪いことはしてないはずだぞ。





――ヤアァァァ!



…?

遠くから声が聞こえた。



「なんだ?」
「さあ?」



行ってみるか。



**********



「はぁ!」
「くっ…!」

――ガギッ



空を可憐に舞う乙女たち。
その槍と槍がぶつかり合う。



――パァンッ


…!

片方の槍がはじけ飛んだ。



「次っ!」
「いきます!」



幻夢宮の入口近くでヴァルキリー数体が戦っていた。

物陰に隠れ様子を伺う。



「たぁ!」
「タイミングが遅い!」



訓練かなにかだろうか。
トドメも刺していないし、数回打ち合ったあとはなにかを話している。

っていうか…



「(教官の位置にいるのあのヴァルキリーじゃね?)」
「(そうだね)」



そういえばはじめて戦ったのも幻夢宮の近くだったな。
このへんに住んでいるのだろうか?

鎧は新調したのか白銀の胸当てと額当てを着けている。
ただ持っている槍が、



「(どう見てもロンギヌスです。本当にry)」
「(…ああ、エリニュスのか)」



道理で見つからなかったわけだ。

闘技場での闘いのときエリニュスの魂も結局支配したので、
ロンギヌスも持って行こうとしたのだが見つからなかったのだ。

まさかいつの間にか持ち出していたとは…
俺のあげたトライデントはどこにいったのか。



「ハッ!」
「やぁ!」



訓練? は続いている。

…ふむ。



「(ここで飛び出していって、
 周りの娘の前で教官役のあの娘を完膚なきまでに敗北させたらどうなる?)」
「(………)」



やらないけど。



**********



「…ここまでだな」
「「「ありがとうございました!」」」
「こちらこそつきあわせてしまってすまない」



…ふう。

やっと使える程度にはなったか。

グングニルよりも早い…か。
やはり原典に縛られない分、負担は少ない。



他のヴァルキリーたちはそれぞれ自分の場所に帰っていく。

私ももう少し訓練したら一度休憩にしよう。



このロンギヌスの槍を使いこなせるようになったとき。
それが決戦の時。

闘技場で最後に非常事態が発生したようだが、
彼は間違いなく生き残っているだろう。

彼は強い。
ロンギヌスがあっても勝てるかどうかわからないほどに。

それでも戦わなければいけない。
グングニル(と鉄のむねあて)を自分の力で取り戻すために。



「ふう…」



負けたら…負けるつもりなんてかけらもないが、負けてしまったら…



――ゾクゾク…



肌の表面が泡立つような感覚。
これは恐怖なのだろうか。



――ガタッ…



…!



「誰だ!」



背後からの物音に振り向く。



「…にゃ~ん」

「なんだネコか…」



ふう…少し集中しすぎたようだな。

闘技場を出てから休むことなく訓練をしていたからか、
少々疲れているのかもしれない。



周りを見渡し、害になるものがないか確認する。

…大丈夫そうだな。

休憩にしよう。



私はロンギヌスの槍を手の届く場所に置き、
壁に寄りかかり眠りについた。



**********



「(…なんだネコかって…!)」
「(笑うなって…俺まで笑っちゃうから!)」



あの後にノリツッコミしない人はじめて見たよ。

俺のネコの鳴き真似は上手いとは言われるが、
流石に気づくレベルだと思うんだが…。



眠りについたヴァルキリーに静かに近づく。



「(どうするの?)」
「(眠ってるのを無理におこすこともないだろ。ほっといて先に進もう)」



すやすやと眠るヴァルキリーを見る。

…やはり美しい顔立ちをしている。



疲れていたのか目を覚ます気配はない。



「………」
「(いたずらとかしちゃだめだよ?)」



…!
しないよ!
全然しないよ!

眠っている女の子にいたずらなんかしたら変態みたいじゃないか!



「(行こう…)」



ヴァルキリーから離れ、幻夢宮への扉を開こうとする。



「あれ、蒼真さん?」



…!

後ろから声をかけられた。

…犬耳?



「無事だったんですね! あの後随分探したんですよ?」
「そうだったのか? テスカトリポカからみんな解散したって聞いてたからさ」
「確かに解散ってことにはなったんですけど…心配したんですよ?」
「…ありがとう」



いいね、女の子から心配したんだからとか言われるの。



「…ぅ…ん?」
「(蒼真…ヴァルキリー目を覚ましちゃうよ?)」



…!
忘れてた。



ヴァルキリーはうっすらと目を開いた。



「…?」



状況が読み込めていないようだ。
…どうしよう?



 1.先制攻撃
 2.逃走
→3.なにもできない



「…!」



目が見開かれる。



「な…ななな…な!?」



ロンギヌスを手に取り飛び退るヴァルキリー。



「…おこしちゃったか」
「へ? …ヴァルキリー?」



犬耳の方も状況がわかっていないようだ。



「…! くっ…寝込みを襲おうとは卑怯な!」
「ええっ!? 蒼真さん、ヴァルキリーを襲おうとしたんですか!?」
「よし、冷静になろうか」



みんな落ち着こうじゃないか。



「くらえ!」



問答無用で襲いかかってくるヴァルキリー。

迫ってくるロンギヌスの槍の穂先はグングニルの時よりも速い。



――ガギッ



「ぐっ…」
「ふう…」



ギリギリのタイミングでクラウ・ソラスを使い受け止める。
さすがは聖剣。
なんともないぜ!



「まだまだぁ!」



翼を広げ完全に戦闘形態に移行するヴァルキリー。



「え、え?」
「ちょっと離れてろ!」



犬耳を遠ざける。



「やぁ!」
「うぉ!?」

――キンッ…キンッ…


空中からの連続攻撃。

やはり技量だけで言えば彼女は俺より数段上だ。
受け止めるのも困難になってきた。

っていうかこの娘こそ闘技場に出るべきだったのではないかと思わんでもない。



意識がそれた瞬間、ロンギヌスが俺の胸を貫かんと襲いかかった。



――カンッ!

「…!?」
「ブロッキング!」



鎧があってほんとに良かった。
もし生身でうけてたら、えらいことになっていた。



――ガキンッ!



ロンギヌスをクラウ・ソラスで弾き飛ばす。



「…だいぶ使いこなしてるみたいじゃないか」
「今度こそ…勝つ!」



翼を羽ばたかせ襲い来るヴァルキリー。



「あんなに寝顔は可愛かったのに」
「!?」



ポツリと呟いた言葉にヴァルキリーの顔が朱に染まった。

隙あり!



「てい」

――ドゴッ

「くっ…!」



胸当てに守られていない胴に蹴りを入れる。

体勢を崩したヴァルキリーと少し距離が開く。

チャンスだ!



「スパイダーストリングス!」



宙を飛びヴァルキリーの体を汚さんと舞う白濁粘液。



「そうなんどもぉ!」



それを体勢の崩れた状態から避けてみせるヴァルキリー。
槍を支点にして移動したのか。



「…ふむ」
「なんども同じ手にかかるか!」



高所から急降下する勢いを加えられたロンギヌスが俺の腹部を貫いた。



「…! しま…」
「同じ手だよ」



囮人形を突き刺したヴァルキリーの翼に蜘蛛の糸を撃ちこむ。



――ドサッ…

「くっ…!」
「ふう…手こずらせやがって…」
「蒼真…悪役のセリフだよ?」



翼を動けなくして更に両手両足を地面に接着する。
…パーフェクト。



なんとかヴァルキリーを拘束できた。

どんどん単純な技量が上がっていく娘だが、
搦め手…というか絡まる粘液に弱い子だ。



「えっと…お疲れ様でした?」
「なぜ疑問形なのか」



犬耳が近づいてくる・



「その…なにか恨みを買うようなことでもしたんですか?」
「俺にはそんな記憶はないんだが…」
「…! アレだけのことをしておいて…!」



吠えるヴァルキリー。

犬耳が不思議そうにする。
その両肩に軽く手を置き真面目な顔をして話す。


「なあ…俺のこと信じてくれるか?」
「…! …はい。私は蒼真さんのこと、信じますよ」
「ありがとう」



オーケイ。

あっさりと信じてくれる犬耳。
やっぱりいい娘だ。
天然っぽいが。



「さて…」
「…!」



…目の前には動けないヴァルキリー。

ゆっくりと近づく。



お楽しみの時間…



「なにをするんですか?」
「…たいしたことじゃないさ」



犬耳は不思議そうにこちらを見ている。
あまり派手なことはできそうにないな…。



「悪いことをした娘にはお仕置きが必要だろ?」
「はぁ…」
「いま教えておかないと、俺より酷い退魔師なんていくらでもいるんだ。
 つまり、これはこの娘のことを思ってやることなんだ!(キリッ)」
「…! 蒼真さん…そこまで考えて…感動しました!」



…この娘アホの子なのかな。
まあいい。



「くっ…」



俺を睨み上げるヴァルキリー。
その顎に手を当て上を向かせる。
この姿勢、一度やってみたかったんだ。



「今回も俺の勝ちだったな」
「…っ! あの槍を使いこなせれば貴様なんかに!」
「まったく…死人に口なしとはいえ勝手に持ってきちゃいけないじゃないか…」



ロンギヌスの槍をもぎ取る。



「あ…」
「…意外と重いな」



ヴァルキリーから少し距離をとり振ってみる。

…グングニルより重い気がする。
なんでこんなもん持って空を飛べるのだろうか。



「そういえば蒼真さん。こんなところでどうしたんですか?」



犬耳が話しかけてくる。



「ん? ああ、幻夢宮に用ができてね」
「そうですか…じゃあ一緒に行きますか?」
「そうだな。案内を頼んでもいいか?」
「はい、よろこんで!」



…ヴァルキリーに目を戻すと、
拘束された上に放置された屈辱からか再び顔を真赤にさせている。



「…ふむ。ホントはお仕置き電撃でもやろうかと思ったけど…」
「え…!」



え。
…気のせいか。
一瞬、ヴァルキリーの顔が期待するような表情に見えてしまった。

くそ!
悪魔城の影響だな!
俺の思考を侵食しやがって!



「そろそろユリウスも動き始めるだろうし先を急ぐか」
「なっ…またこんな格好で…!」



…ちょっとかわいそうかな。
それにこの先会うかどうかもわからないのだ。
最後くらい印象を良くしておいてもいいかもしれない。



俺はそう考えながらヴァルキリーに近づいていった。



**********



…また負けてしまった。

ああ…今回はどんなことをされてしまうのだろう。



――ザッ…ザッ…



彼は私から奪い取ったロンギヌスの槍を片手にゆっくりと近づいてくる。



「こいつはもらっていくよ。もともとの持ち主の魂も俺の支配下にあるしな」



ロンギヌスの槍が空に掻き消える。
なんらかの魔具に収納したのだろう。

あれがなければもう予定通り戦うことはできない。

…いや、疲れていたとはいえ結局今回も勝てなかったのだ。
完全に物にしていても私は負けていたかもしれない。

もう一度自分を鍛え直すしかない。



「…でだ。俺の持っている武器も持ち主に返そうと思ってな」
「…?」

――ゴトッ…



なにか重量のある物体が床を叩く。

…!



「これは…グングニル!?」
「もしかしたらもう会えないかもしれないしな(雷ならヴィジャヤもあるし)」



彼は私の手の届かない場所に、
グングニル(と鉄のむねあて)を置き背を向ける。



「待て! どういうつもりだ!」



彼の背に声をかける。
彼は振り向かずに答えた。



「これで俺を襲う理由ももうないだろ? ここでお別れだ」



…これでおしまい?
もう会うことなんてない?



こんな目に会うことも…もうない?



「それじゃ行こうか?」
「わかりました。どうぞ」

「待って…待ってよ!」



プロセルピナ(あと妖精)とともにこの場を離れようとする彼を引き止める。



「なんだよ? まだなにかあるのか?」
「………」



顔だけをこちらに向ける彼。



なにを言えばいいのかわからない。

でもこれで終わりというのは納得がいかない!



「それでも…それでも私はあなたを襲い続けるから!」
「…まあ好きにするんだな」



城を出たあとでもまた来る予定だしな、という彼。

そこまで言った後、彼はうっすらと顔に笑みを浮かべこちらに近寄ってきた。



そして私の顔に手を添え言う。



「なんだ…もしかしてただ俺に会いたいだけとかか?」



…!?

な…なにを…!?



「…冗談だよ。そこまで嫌そうな顔をすることも無いだろうに…」
「蒼真…冗談で言うことじゃないよ。かなり嫌がってるよ?」
「あの…嫌というわけじゃ…」



なにを言っているんだ私は!?
落ち着け!



「ちが、違う!
 …そうだ!
 自分の力で貴様を倒し、恥を雪ぐためだ!
 だから…だからそれまで絶対に死ぬな!」
「…ベジータさん、乙です」



ベジータ…?



「まあそうだな…不意打ち以外なら歓迎しようかね?」
「自分は不意討するくせに」



俺はそんな卑怯なことはしない!
嘘ばっかり…



そんな話をしながら彼は離れていった。





行ってしまった…。



私は彼を追い続ける。

絶対…絶対に自分の力で、彼に勝ってみせる!





そのためにまずこの粘液を外すことを考えよう。

その後は <彼からもらった> トライデントを使いこなせるように訓練をしよう。
<彼が選んだ> 自分の身の丈に合った武器…使いこなしてみせる!



「あなたほどの人がこうもあっさり…」



…!?
他のヴァルキリー達…まさか見ていたのか?



「いったい彼は何者?」
「あの方を圧倒するなんて、人間とは思えないわ」
「まさか…伝説のベルモンド!?」



…私はただ一言、



「彼は…私の宿敵だ!」



とだけ彼女たちに伝えた。





・オマケ

ぬう…。

おかしい。

確かにここのはずなのだが…。

まさか混沌に流されてしまったのか?



…もしかしたら壁の中に入り込んでいるのかもしれんな。



本日未明、素手で壁を砕く中年退魔師が目撃されました。
近隣の魔物達は被害を避け…



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 ブロッキングメイル
他1 首蔵

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

コンバットナイフ
ウィップソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
レーヴァテイン
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
ジョワユース
ダインスレイブ
クラウ・ソラス
妖刀村正
エクスカリバー
トールハンマー
ゲイボルク
ブリューナク
ロンギヌスの槍 New
カイザーナックル

・防具

オルロックスーツ
てつのむねあて
エルフのローブ
ブロッキングメイル

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ
ポーションxたくさん
財宝



Q.なぜヴァルキリーは武器を強いものに変えているのに勝てないのか?

A
1.蒼真も強い武器を変えているから
2.根がまっすぐなヴァルキリーは搦め手を使われると弱いから
3.大人の事情があるから

正解はWEBで!



[20761] 暁月編66[時の魔術師]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2011/05/15 14:56
**********

・前回のあらすじ



「…ここか」



四方を山に囲まれた小さな村。
そこに一人の少女がたどり着いた。

真っ白な肌に美しい銀に輝く長い髪。
街で通りすがりの人間に尋ねれば、
間違いなく回答はひとつに絞られるであろうほど、
容姿の整った少女である。



彼女の姿に気づいた村人の老人がため息をつきながら近づいていく。



「…また余所からきたのか」
「…また?」
「ここ数年はかつてないほどでな。しかもそれがほとんど女ときたもんだ」

――どうせあんたもあそこに用があるんだろ?



彼女はその問に静かに頷いた。





「ここだ。あとは好きにしな」
「………」



墓石だった。
村人たちの共同の墓地から少し離れた場所にあるそれには、



――来須蒼真 ここに眠る



ただ、それだけが刻んであった。



「…ふっ…しばらく姿を見せなくなったと思えば…」



彼女は墓石に手を添える。



「…まったく…」

――ポロ…ポロ…

「勝ち逃げなんてズルイじゃないか…!」



しばらくの間、そこにはすすり泣く声だけが響いた。





――ガタッ…

「誰だ!」



突然の物音に彼女は振り返る。



「…失礼。驚かせてしまったかな?」



現れたのは仮面をつけた人間だった。
真っ黒な外套に身を包み、その姿を把握することはできそうにない。
声も仮面の中で反響しているからか正確にはわからない。
話し方からは男であると推測される。

…あからさまに怪しい。



「なにものだ?」
「そう警戒しないでくれ。そうだな…これを見てもらえばわかるかな?」
「…教会の人間か」



男の取り出した教会の紋章。
それは教会所属の証であると同時に、
優秀な退魔師であることの証でもある。



男は墓石の近くの岩に腰掛けた。



「しかし…こんな辺鄙なところまで人が来ているとはね…」
「………」
「それも君のような <魔物> が」
「…それがどうした? 私を祓おうとでも言うのか?」



挑戦的な物言いで彼女は男に言う。



「怖い怖い…残念だが俺は平和主義でね。戦うつもりはないよ」
「…ふん」
「ただ聞かせてほしいな」
「…?」
「なぜここに君が来たのか」
「………」



しばらく彼女は黙っていたが、
静かに語り始めた。

墓の下に眠っている彼の話を。



…彼と出会った時のこと

…彼を追いかけて悪魔城の中を駆け回ったこと

…城を出た彼が再び会いに来てくれたこと

…彼となんども刃を交えたこと



「こんなところか…」
「随分と仲がよかったみたいだね?」
「そんなことはないさ…でも、彼と一緒にいるときは…」

――楽しかった…

「………」
「ふっ…初めてあった人間、それも退魔師になんて話すことじゃないんだがな…」



彼女は立ち上がり墓石に目を落とす。
その姿は儚く、触れば壊れてしまいそうであった。



「…面白いことを教えよう」



唐突に仮面の男は話を始めた。



「…?」
「その墓の下、彼はそこにはいない」
「どういうことだ?」
「その墓は形だけなのさ。彼が死んでしまったことにしたい奴らのね」



男は墓石の裏にしゃがみ込んだ。
すると、



――ズズズッ…



墓石が動き出し、狭いが人ひとりが通れる程度の階段が現れた。


「…! これは…?」
「君は」

――真実を知りたいかい?



彼女は一瞬の逡巡ののち、
その言葉と共に差し出された男の手を取った。





――カツッ…カツッ…

「………」
「………」



階段の中は石の通路になっていた。
暗い道を照らすランプの明かりの中、二つの足音だけが響いている。



「…お前は何者だ?」
「さっき見せただろう? 教会の退魔師さ」
「………」
「おっと、この奥だ」



小さな鉄の扉。
男は懐から小さな鍵を取り出しそれを鍵穴に差し込んだ。



――カチャ…



開いた扉の奥は暗闇。
中がどうなっているのかを知ることはできない。



「どうぞ」
「…!」
「レディファーストだよ」
「………」



彼女は部屋の中に足を踏み入れた。



暗い部屋。
だが完全に光源が無いわけではないようで、
目が慣れていくと少しずつ様子が理解できるようになっていく。



「…!? これは…」
「そう、彼の所有物だ」



部屋の中には世界中の伝説を残す物品が乱雑に散らばっていた。
カラドボルグ、ヴィジャヤ、妖刀村正…数え上げればキリがない。

だがその中に混ざっているのは…グングニル。

彼が彼女と最後に会ったときに持ち出した、
彼女の属する神話の最上位の神具。



「………」



あのとき私たちは、おそらくはじめて正面から真剣に戦った。

彼女はかつての闘いのことを思い出す。



[いいぜ。今回は能力は一切なし。正面から戦ってやるよ]
[…本当だな?]
[…やっぱり、いくつかだけ使ってもいいか?]
[………]



結局、彼は純粋な剣術のみで戦ってくれた。
その戦いの末、彼は純粋な技量のみで彼女を下したのだ。



「………」



「さて…予定が変わってしまったな」



ランプの明かりと共に仮面の男が入ってくる。
その影が大きく揺れる。



――ざわっ…!



彼女は一瞬の悪寒に反応し、
その場を大きく飛び退いた。



――パリーンッ…



ランプが彼女のいた場所にたたきつけられる。



「…どういうつもりだ?」



彼女は静かに下手人、仮面の男に問いかける。



残っていた燃料に引火したのか周りが明るく照らし出される。

その明かりが照らし出す男の影は不気味に揺らいでいる。



「たいしたことじゃない。退魔師のやることを思い出しただけさ」

――ちょうど武器もある



男は床に転がっていた剣を拾い上げ構えた。
銘はわからないが込められた魔力から、名のある魔剣であることは理解できる。



「この場所じゃ翼も広げられないだろっ!」
「…!?」



そして凄まじい速度で彼女に襲いかかった。



「くっ…!」



彼女は一番近くにあったグングニルを拾い上げ迎え撃つ。



――ガキンッ!



「そぉら!」
「…!」



連続の斬撃。
それは彼女を追い詰めるのに十分な技量であった。
これほどの剣技の持ち主と戦うことは彼女にとってもそう滅多にあることではない。



だがそれ以上に彼女の頭を占めていたこと。



「(この太刀筋は…それにさっきの言葉…)」

――ドッ…

「…!」



彼女の背は壁にまで届いていた。



「そこだ!」



――カンッ! …カランッ…カランッ…



グングニルが弾き飛ばされ床を転がる。

男の剣は彼女の首元を捉えていた。



「俺の勝ち」
「………」



彼女はなにも言わない。



「…なんで最後に力を抜いた?」
「………」



彼女はなにも言わない。

ただ、
その目には責めるような輝きだけがあった。



「…はぁ」



男はため息をつき、

その仮面を外した。



「ちゃんとグングニル使えるようになったんじゃないか」



男は墓の持ち主、その人であった。



「………」
「えーっと…なんか言ってくれないと反応に困るんだが…」



男は仮面を放り投げ軽くおどけてみせる。



「…生きていたんだな」
「ちょっと事情があってね。
 …まさか追っかけてこんなところまで来るとは思わなかったけど」
「あんな話までさせて…!」
「いやぁ…もしも <恨み、はらさでおくべきか!> ってのだったらここまで連れてこなかったんだが」
「………」



彼女は静かに涙を流し始めた。



「ちょ…! 泣くなよ!」
「会いたかった…!」
「…! …悪かったよ」



――ぽふっ…



男は彼女の頭に軽く手を置き撫でた。



――バッ!

「…! お、おい…?」



彼女はその手を払いのけ、
彼に抱きついた。



しばらく彼女は男の胸で涙を流していた。





「…やっとわかった。今なら素直に言える」

――大好きだ










「ところで勝利者の俺には敗者に命令する権利があると思うんだ」
「え…」

――ダンッ!

「きゃっ…なにを…」



彼女は男に両手首を掴まれ壁に押し付けられた。
足の間に男は足を押し付け逃げられなくする。

顔と顔がふれあいそうな程の距離。



「くくくっ…あの時から何年たったと思っているんだ?」
「まさか…」

――俺の支配を受け入れろ

「ぅ…」



耳元で紡がれる言葉。
脳が蕩けそうになるほど甘い囁き。



「期待…してなかったわけじゃないんだろ…?」
「ぁ…ぅ…」
「さぁ…



続きはWEBで!



※プランC、いわゆる <あらすじ> ですね。
 あ? ねぇよそんなもん。

**********



広い机に大量の書類が積まれている。

その前には一人のプロセルピナ。
現在のプロセルピナたちの統括者、ようするに隊長である。



「…ふむ。こんなところか」



とりあえず仕事はここまでだな。

休憩にするか。



「隊長ぉ~紅茶をお持ちしましたぁ~」
「ん、ありがとう」



一人のプロセルピナが紅茶を持って現れ、優雅な香りが漂う。

彼女は最近なにかと私の補佐をしてくれる娘だ。

紅茶を一口含む。

…ふむ。
なかなか…。



「そういえばぁ~あの娘は二回戦で敗退だったみたいですねぇ~」



…コロシアムのことか。



「まあ一回戦でアークデーモンと当たったらしいからな。
 彼女のバトルスタイルならば十分だろう」
「…むぅ~。隊長はいつもあの娘に甘いですぅ~」



そうだろうか?
確かに彼女には期待が大きいかもしれない。

彼女にはメイドとしての素質が非常に溢れている。
あとは時々あるドジさえなくすことができれば私のあとを任せることも可能だろう。



「それとぉ~優勝者は彼みたいですよぉ~?」
「彼…そうか…」



やはり間違いではなかったようだな。
あとは…



――ガチャッ…

「報告です」
「はいは~い…
 あれぇ~? ちょうど彼が幻夢宮に入ったみたいですよぉ~?」



他のプロセルピナから報告を受けこちらに伝えてくる。



ふむ…ちょうど休憩にしようとしていたところだ。
せっかくだから会いに行こうか。



「そうだな…少し気分転換に出てくるよ」
「…隊長ぉ~? やっぱり彼のことを~好きだったりするんですかぁ~?」



…またその話か。



「…前にも言ったとは思うが、彼のことは友人だと思っているよ」
「へぇ~…」
「彼がどう思っているかはわからないがね」
「…!」



彼は人間で、私は魔物だ。
私が彼を友人だと思っていても、
彼にとっては私は恐怖の対象になり得るのだ。



――パサリッ…パサリッ…



それはしかたないこと…って、



「な…!? なにをしているんだ!?」
「えぇ~?
 隊長にぃ~あんな男よりぃ~女の子の良さを教えてあげようってぇ~…」
「なぜ服を脱いでるんだ!?」
「あれぇ~? 隊長ってもしかして初めてなんですかぁ~?」



な…ななな…なぁ!?
なぜこんなことになっているのだ!?



服を脱ぎ、下着だけになった彼女が椅子に座った私に覆いかぶさってくる。

私は…



**********



「あ…鏡も張りなおしてある」
「その…あの時はすみませんでした…」
「あ、いやいや。あの時のことはいいから!」



幻夢宮を移動して件の渡り廊下を目指す。

あのポルポル誘発通路。
なんでもメイドたちの間では魔の渡り廊下とか呼ばれているそうな。





「…ってことは隊長のところに顔を出せるってことか」
「はい。通り道ですから」
「蒼真、なにか用事でもあるの?」
「いやいや。
 幻夢宮をこんなふうに安全に移動できるのも、
 実質隊長のおかげだからな。
 せっかくだから挨拶だけでもしていかないとな」





「ここですよ」
「ふむ。見覚えのある通路だ」
「ねぇ、蒼真…」
「イツキ、言わなくてもわかる」



――ヒソヒソ…

「あの人、隊長の…」
「今度はあの娘に手を出したのかしら…」
「新情報よ!
 あの人間に触られると身も心も支配下に置かれちゃうらしいわよ!」
「「「怖~い…」」」

――ヒソヒソ…



…断片的にしか聞こえないが、何かしら間違っている気配だけはする。



「まあともかく隊長に挨拶したらすぐに渡り廊下に向かおう」



ドアノブを握る。



「ノックしたほうがいいんじゃない?」
「別に大丈夫だと思いますよ?
 隊長はいつも開けっ放しにしてますから」



ノックしなくてもいっか。



――ガチャッ…

「お久しぶりで…」

「あ…」
「隊長ぉ~♪」



――バタンッ!



「よし! 渡り廊下に向かおう!」
「そうだね!」
「え? どうしたんですか?」



彼女は見なかったらしい。
君にはそのまま純粋でいて欲しい!



[待って! 助けて!]
[隊長ぉ~最後の一枚ですよぉ~?]
[こ…いいかげんに…!]
[や~ん。激しいぃ~♪]



俺はなにも見ていない。
俺はなにも聞いていない。
俺はなにも言わない。



さあ、行こうか。





後にどうしてPITで動画保管しなかったのかを悔いることになるが、
それはまあどうでもいい。



**********



「ここだな」
「それじゃあ私は仕事に戻りますね?」
「ああご苦労様。ありがとうな?」
「蒼真さんにだったらいつでも大丈夫ですよ?」



手を振って去っていく犬耳。

いい娘だ。
あの獣臭漂うひと時を補い余りあるほどの癒し成分。



「…蒼真、にやけてないで早く進もうよ?」
「おう、そうだな」



にやけてたかな?



さて…

渡り廊下の入り口に向きあう。



歩き、前に進む。



――ざわ…



「あれ? 蒼真、あっちだよ?」
「…いま起こったことをry」



進んでいたと思ったらやはりもどっていた。

だがその直前、以前は感じなかった妙な感覚を得た。
この感覚…いったい…?



「蒼真。弥那ちゃんのメモは?」
「なにかあったかな?」

――パサリ…



イツキに言われ弥那ズヒントを取り出す。
これじゃない…これでもない…ん?



<時間を止める怪物がいる・それが効かない怪物もいる>



…まさかこれってほんとにポルポルさんと同じ状況だったのか?
空間の歪みもほとんど感じ無いし。



このメモの内容を要約するとこうだ。

時間を止める魔物がいるならばそれが効かない魔物を支配すればいいじゃない。



「止まった時間を認識する…」
「…そんなソウルあった?」
「…ある」



こいつに違いない。



「スター・カイナッツォ! ザ・ワールド!」



光速を超越することで止まった時間が認識出来る!



「オラァ!」



突っ込む。



「…お帰り」
「…うん」



ダメでした。

気がつくと後ろを向いていた。



「ほかには…」
「上級の魔物とかには効かない奴が多いはずだけど…」
「上級の魔物ねえ…」
「魔人とか魔神とか…」
「…おおう」



ガラモスのソウルに魔力を流す。

これで俺には魔人の性質が発現する。

即死に対して耐性があるなら、停止に対して耐性があってもおかしくない。
そして先程の奇妙な感覚。
あれはガラモスが反応したに違いない。



「いくぞ…」
「うん」



渡り廊下に足を踏み入れた。





――カチッ!



世界が、止まる。



…理解した。
これが時の停止。



そしてそれを行ったのが



「キュ?」



こいつだ。



巨大な懐中時計を抱えたウサギ。
時間の止まった世界で動き続ける俺のことを不思議そうに見つめている。



「キュ…キュイ!?」

――パタパタパタ…



…走って逃げていった。



――カチッ!



世界が動き始める。



「さっきのが原因みたいだね」
「ああ。…て、お前も認識できてたのか!?」



周りと一緒に停止してたと思ってたよ。



「うん。たぶん僕にも蒼真が発動してるソウルの影響はあるみたい」

バロールの時も思ったんだけど。と、イツキは言う。



ふむ。
半妖精だけの特徴だったりするのだろうか。

半妖精といえば時計塔とかでハンマー振り回していたイメージしかないんだが。



「ともかく先にすすめるようになったね」
「ああ」



行ってみよう。





ちなみにあとで図鑑で調べた。
奴の名前はクロノメイジというらしい。



**********



「…だれもいないな」
「そうだね」



クロノメイジがずっとあの通路を封鎖していたせいだろうか。
幻夢宮の他の場所と異なり、
埃まみれ、蜘蛛の巣まみれ、ゴミまみれと、
まみれにまみれている。



「俺、蜘蛛とかあんまりすきじゃないんだけどな~」
「口から蜘蛛の糸だす男がなに言ってんのさ」



自分が出すのとはまた違うじゃないか。



「っと、上にまだなにかありそうだな」
「今度はなにがあるかな?」



塔の屋根裏に上がる。

やはりそこも埃まみれ。



「ケホッ…ケホッ…」
「イツキ、大丈夫か?」
「う~口の中にホコリが…」



こんだけ埃まみれなら仕方ない…ん?



埃まみれの屋根裏。
だがその一角に、そこだけ切り取ったかのように綺麗な場所がある。
その真ん中には、



「これがここのお宝だな…」



銀に輝く鎧が置いてあった。



「図鑑では…エバーシング!」
「なになに…永遠に壊れないと約束された鎧か…」



なんという俺得装備。

タダチニソウビする。

サイズはぴったり、可動範囲も広い。
今までで最高の防具だ。



さすが優勝賞品の地図だ。
スペシャルなお宝を手に入れることができた。



あと一緒にゴールドリングとやらも拾った。
金運が上がるらしい。



**********



まだ地図にはいくつかお宝の場所が記されてはいるが、
いったん弥那のところに帰ることにした。

べ、別に弥那に会いたくなったわけじゃないんだから!



「よし、帰るか」



――カチッ!



世界が止まる。
だが、


「キュ!?」
「…またいるよ?」
「もう意味ないってわからないのかね?」



ガラモスは意外と魔力の消耗も緩いのでつけっぱなしにすることにした。

よって今目の前でガクガクブルブルしているクロノメイジは俺に何一つできない。

…しかし意外とかわいいな、このウサギ。



「…ほーら大丈夫。怖くない。怖くない…」



クロノメイジを撫でてみる。



「…キュー?」
「大丈夫だ、君を傷つけたりしないよ」
「…キュッキュッキュキュキュー?」
「日本語でおk」



まあいい。
とりあえず敵対意思がないことは理解してくれたようだ。



「じゃ、ばいばい」



軽く手を振りクロノメイジとわかれる。



「弥那ちゃんのところにもどろっか」
「ああ」





渡り廊下を抜けた頃



――カチッ!



ちょうど時間が動き始めた。



――バンッ!



そしてそれと同時に向かいの扉が開き、
中から人影が飛び出してきた。



「!?」
「…! た、助けてくれ」



まさかの隊長だった。
ただし下着姿。

さらけ出された白く透き通った肌はほんのりとピンク色に染まっている。
メイド服を小脇に抱え、
顔は赤く息を荒らげている。

なにがあったし。



「た~いちょ~♪」



「…! 来る!」
「え、ちょ、ま…がはっ!?」



隊長に体当たりをされそのまま渡り廊下に押し戻された。



「キュ…ムギュ!?」
「あ」

――ゴキュッ…



イツキのすっとぼけた声と同時くらいに、
背中に柔らかい、そしてすぐ後に固いものが崩れるような感触があった。



――ボシュッ

クロノメイジ ソウルゲット



…なにかを潰してしまったようだ。



俺を押し倒したままの隊長に問いかける。



「隊長、いったいなにが…」
「しっ! 静かに…!」



押し倒されたまま口を塞がれる。



「た~いちょ~? ど~こかな~?」

「「「………」」」

「ん~? 魔の通路~? …は流石にないかな~?
 た~いちょ~♪ ど~こで~すか~?」



声が遠ざかっていく。



「…行ったか」



額の汗を拭う隊長。



ここで現在の俺の状況を説明しよう。

俺、仰向けに地面に寝ている。
隊長、その上に下着姿でまたがっている。
イツキ、PITでそれを写真にとっている。



もうなんていうか…その…下品なんですが…以下略



「隊長…」
「ん? …!?」



声をかけられた隊長が一瞬の間を開けて飛び退く。



「すすすまない…ちょ、ちょっと向こうを向いていてもらえるか…?」
「あ、はい」



大人しく後ろを向く。

俺の倒れていた場所には塵となって消えていくクロノメイジの残骸があった。
…なんだか悪いことしちゃったな。



「…もう大丈夫だ」
「いったいなにがあったんだ?」
「えっと…その…ちょっと落ち着くまで待ってもらっていいか?」
「かまわないけど…」





いったいなにがあったのやら…





・オマケ

――ふらっ…

「弥那ちゃん!?」
「あ…ヨーコさん…」
「大丈夫?」
「大丈夫…ちょっと貧血みたい…」
「(…っ! まずいわね…これだけ結界を強化してもやっぱり…)」
「…ヨーコさん」
「…! なあに?」
「蒼真くんには言わないでね?」
「………」
「蒼真くんに…心配…かけたく…ない…」
「…わかったわ」
「ありがと…」
「…! 気を失っちゃったか…。
 急いでね…蒼真くん…!」



絶賛宝探し中です。



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 エバーシング
他1 首蔵
他2 ゴールドリング

・新しいソウル New

クロノメイジ

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

コンバットナイフ
ウィップソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
レーヴァテイン
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
ジョワユース
ダインスレイブ
クラウ・ソラス
妖刀村正
エクスカリバー
トールハンマー
ゲイボルク
ブリューナク
ロンギヌスの槍
カイザーナックル

・防具

オルロックスーツ
てつのむねあて
エバーシング New
エルフのローブ
ブロッキングメイル

・その他

首蔵
ゴールドリング New
手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
アンチドーテ
ポーションxたくさん
財宝



…ふう。
あやうく <前回のあらすじ> がXXX逝きになるところだったぜ!



カイナッツォであそこが通れると思った人は結構いるはず。

エバーシングのデザインは、
エルシャダイのイーノックの一番いい装備みたいな感じをイメージしてます。



・暁月編65のQについての正解
前回の投稿後はじめての感想で言われてしまったでござる。



[20761] 暁月編67[リリウムはご信頼に背きました]
Name: ユージン◆ec605aed ID:1eaac150
Date: 2011/05/15 14:55
**********



・前回のあらすじ



1.やっと念願の壊れない鎧を手に入れたぞ!
 →殺してでもry



2.さ…最後の…スパイダーストリングス………
 メ…ッセージ…で…す………
 これが…せい…いっぱい…です………ベルモンド…さん
 受け取って…ください………伝わって…ください…



3.見えて…いるのか?
 見えているのかと聞いているのだ!
 イツキッ!

 さあ…なんのこと…?
 わからないな、蒼真…



以上の三本立てでした。

それでは来週も、ジャンッケンッポンッ!
ウフフ…♪



※あらすじには本編に必要なことは一切書かれていません。
 気にもとめず読み流すのが得策であることは、そう、コーラを飲んだらry



**********



「はぁ…はぁ…」



隊長の息は未だ落ち着かない。



「大丈夫か…?」



流石に心配になってきたので尋ねる。



「(やはりさっきの紅茶に…)
 …! すまない、大丈夫だ…」



荒い息、紅潮した肌。
どう見ても大丈夫じゃないです。本当にry

いかん…ずっと見ていたら興奮してしまいそうだ。



「…ほんとに大丈夫?」
「ああ…」



………。



「ほんとに?」
「…わかった。
 ちょっと毒を盛られてしまったようでな…。
 もしも解毒薬かなにかがあったらわけてもらえないだろうか?」
「解毒薬…アンチドーテくらいならあるけど…」
「本当か?」
「こんなもんでよければ」
「…すまない」



――コク…コク…



手渡した緑色の液体の入った小瓶。
それに口をつけて中の液体を体の中に流しこんでいく。
透明な瓶を通して時折見える隊長の舌が妙になまめかしさを醸しだす。

それはそれとしていったい誰がどんな毒物を使用したというのか。



「…ふう」
「どう?」
「だいぶ感覚的にはマシになってきた…ほんとうにありがとう」
「いえいえ」



さて、なにがあったのか話してもらいましょうか。



**********



「…つまり同僚に襲われそうになって逃げてきた…と?」
「…言葉にするとそうなってしまうな」



どういうことなの。



「彼女は最近生まれた娘だったはずなんだが、
 非常に優秀で私のサポートも良くしてくれていたんだ…」
「へー…」



…これは俺にはどうしようもないことではなかろうか。
仕事上の人間関係…否、魔物関係については部外者が口を挟めることではない。



「これからどうするんだ?」
「…体調が落ち着いたら、もう一度彼女と話をしてみようと思う。
 もし彼女と納得のいく話が出来れば、問題はないんだが…」



隊長の体調…くっ!
俺は一体なにを考えているんだ!



「もしも彼女がそれでも変わらないというならば…」
「ならば?」
「薬まで使ってくる相手だ。戦いはさけられないだろう」
「ふむ…俺に何かできることはあるか?」
「…いや、これは幻夢宮内部の問題だ。
 君を巻き込むわけにはいかない。
 それにやることがまだあるんだろう?」



やること…?
とりあえず弥那のところに戻って、
その後は城主の間を目指すことになるけど…
その頃にはきっとスーパーベルモンド人が自称ドラキュラを倒している頃だろうから、
たいして急ぐ必要は無いはず…たぶん。





――フラッ…



…あ!

壁にもたれて座っていた隊長の体が傾き倒れそうになる。



「おっと」



手を彼女の肩に置き、安定させる。

他に悪いことはしていない。



「~っは…ぁ…!」
「!?」



だが彼女は俺の手が体に触れた瞬間に激しく体を悶えさせた。

え、なに、俺のせい?
肩に触れただけなんだが。



「だ、大丈夫か?」
「~っ、…大丈夫だ…まだ薬が完全に抜けきっていないようだ…」



…薬って、そういう薬?



「…おおむね君の想像通りのことだよ」
「…襲われたってそっちだったのか」



てっきり食われかけたのかと…いや、違う意味で食われかけたみたいだが。



「今の私では下手をすれば低級のゾンビにもかなわないくらいに弱ってしまっている」
「そこまで!?」
「おそらくコレクターの殺した錬金術師の残した薬だろうな…効果が強すぎる」



…錬金術師目指してみようかな。



「どれくらいで完全に回復する?」
「そうだな…完全とまでは言えないが、
 ある程度動けるようになるまではそう時間はかからないと思う」



君のくれたアンチドーテも効いているみたいだしな、と隊長。



…さて、どうしようか。



 1.隊長をここに残し弥那のところに向かう
→2.隊長の護衛のためにここに残る
 3.体調の悪い隊長を弄ぶ



…いま頭の中で邪な選択肢が浮かんだ気がするけど、
別にそんなことはなかったことにするぜ!



「それじゃあ、隊長の具合がよくなるまで俺もここにいるよ」
「そこまでしてもらうわけには…」
「いくらここが他の魔物が寄り付かないっていっても絶対じゃないだろ?」
「しかし…」



なおも断ろうとする隊長。



「流石に女の子を放っておくのはどうかと思うしな」



言っちゃったZE☆



「女の子…私が?
 …フフフッ…君よりは遥かに年上だと思うんだがね?
 そこまで言ってもらったんだ、お願いするとしよう」
「光栄の極みでございます」



最後に軽く顔を合わせ笑いあった後、
静かに隊長は目を閉じた。

ゆっくりと休んでもらおう。



**********



「話は終わったかな!」
「なぜ怒る?」



イツキがとても怒っています。
なぜでしょうか?



「見捨てるわけにもいかないじゃないか?」
「そうかもしれないけど…毎回相手が人型の女性体っていうのが納得いかない!」
「なんだよ…俺がミノタウロスを守る展開を希望するのか?」
「そういうことじゃない…はぁ…もういいよ…」



いいじゃないか。
女の子(見た目)にはカッコつけたい年頃なんだよ。



**********



さて、まだ隊長は休んでいる。
どうしようか。



1.イツキと相談する
2.PITに入っているゲームで遊ぶ
3.隊長の寝顔を覗く



1.イツキはなんだかプンプンして話を聞いてくれない。

2.イツキが持っている。使わせてもらえる様子ではない。

3.…これしかないな。





眠っている隊長に近づく。



「………」

――スゥ…スゥ…



ヴァルキリーはツンとしたタイプの美少女だったわけだが、
隊長は、なんていうか、できる女? みたいな感じ。
見た目は女の子なんだけど、言動からお姉さんみたいな気配がする。



…気丈な女性の見せる無防備な寝顔。
素晴らしい。



ん?
あれ?
今気づいたけれど、
俺、もしかして男として見られてない?

…違うな、これは信用だとみた!



まあそんなことはどうでもいい。



いまはこの寝顔を堪能するのみだ。





そのときは隊長の顔を覗き込む俺を、
イツキがPITに録画していたことなんて全く気がつかなかった。



**********



「…ん…」



しばらくして隊長が目を覚ました。



「おはよう。気分はどうだ?」
「…大丈夫そうだ」
「それはよかった。こっちも特になにもなかったよ」
「結局君には時間を無駄にさせてしまったな…」
「かまわないさ」



立ち上がろうとする隊長に手を貸す。



「とりあえず外に出ようか?」
「そうだな…」



二人(とイツキ)で魔の渡り廊下を抜ける。





ふう。
なにもなくてよかった。



――ゴソゴソ…



隊長は服を整えている。



「…? ああ、すまない。急いで着込んだせいか、少々乱れていたようだ」



俺の視線に気づいた隊長が言う。





「それじゃあ、俺もそろそろ行くよ」
「ああ、ありがとう。また近くを通ったら寄ってくれ。
 今度こそ歓迎させてもらうよ」



最後にそういってお互いに別れようとしたそのとき、





「見つけましたよぉ~…たぁ~いちょ?」



「「!?」」



HERE COMES DAREDEVIL!



メガネをかけたお下げ髪のプロセルピナが現れた。



「…っ!」



隊長は非常に警戒している。
この反応からして彼女が件の娘であることは間違いないだろう。



「も~…そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ~?」



魔物っ娘特有の容姿の淡麗さを持つ少女は、間延びした声で言う。



「…君はなにがしたいんだ?」



隊長が静かに問いかける。



「ん~…私~隊長のこと好きですから~♪」
「だからといって…」
「あ、もうあんなことはしないですよ~?
 だって~…
 隊長はその子と <にゃんにゃん> してたんじゃないんですか~?」

「………」
「「………」」



「な…!?」←隊長
「へぁあ!?」←俺



ΩΩΩ<<なっ…なんだってー!?



「あの薬を抑えるためには~そういうことが必要ですし~
 私は祝福しますよ~あははは~…」



くるくると回りながら凄まじい速度で遠ざかっていくプロセルピナ。
髪が一緒に回ってグルングルンなってる。



「ちっ…違…待って! 待ってくれ!」



それを追いかける隊長。



「あ~ん、追いかけてきてくれるなんて~
 やっぱり女の子のほうがいいですか~?」
「それも違う! とにかく止まって…」
「アハハハ…」



…行ってしまった。



「…よし。弥那のところに帰ろう!」
「そうだね!」



スムーズに切り替え、
出発することにした。



弥那…元気にしてるかな?





・オマケ1



「聞いた?
 あの男の子…魔の渡り廊下から隊長と一緒に出てきたんですって」
「あそこ通れるようになったんだ。
 また掃除の範囲が広がっちゃうなぁ…」
「それはまあそうなんだけど…
 重要なことはね…?」
「…?」



――そのとき隊長が服の乱れを整えながら出てきたんですって



「「「!?」」」

――ざわ…ざわ…

「…その情報はどこから?」
「ピーピングアイからの確定情報よ」

「なん…だと…?」
「どういうことだってばよ?」
「ありえない、何かの間違いではないのか?」

――ガチャッ

「あ、お疲れ様です」
「あら…おかえりなさい。あなたこそお疲れ様。大変だったでしょ?」

「あの娘は確か…」
「聞いてみる…?」

――魔物娘説明中…

「ん~…たぶん大丈夫じゃないですか?」
「「「…?」」」
「蒼真さん、そういうことできる人には見えないです」
「「「………」」」



「…ハックション!」
「ひゃっ!? もう…口ふさいでよ。もうちょっとで巻き込まれちゃうところだったよ?」
「悪い悪い。きっとどこかで俺の噂が流れているんだ」
「…また古臭い迷信を持ってきたね」
「いやいや、迷信には理由があるって地獄先生も言ってたし」
「誰それ?」





・オマケ2



「くっ…雑魚共がうろちょろと…!」
「「「ピギャァァァ!」」」
「早く…早く城主の間に行かなければ…!」



あの子供よりも…なによりもベルモンドより先に!



む…鎧…?



――カシャン!

「…!
 なるほど…番人といったところか」



[汝、力を示せ]



「ほう…いいだろう。
 ドラキュラの力…その身に焼きつけるがいい!」



グラハムさんも手間取ってたり。



・オマケ3



「アハハハ…」
「待って…待ってくれ!」



私を追いかける隊長。
焦って紅潮した顔。
ああ…なんて可愛らしいんだろう。



[…前にも言ったとは思うが、彼のことは友人だと思っているよ](言うまでもなく本心である)
[彼がどう思っているかはわからないがね](魔物と人間の関係についてである)

[もし彼が私のことを…というのなら、それもいい](メガネのプロセルピナの勝手に補完したセリフである)



その隊長のためだ。
ちょっと背中を押すことぐらいはしたかった。

男なんて一度 <にゃんにゃん> してしまえば、
隊長なら虜にしてしまえるだろう。

少し寂しいが…それでも隊長のためだ。

――待って~…

いまはこの隊長を愛でることにしよう。



原因は勘違いである。



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 エバーシング
他1 首蔵
他2 ゴールドリング

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

コンバットナイフ
ウィップソード
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
レーヴァテイン
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
ジョワユース
ダインスレイブ
クラウ・ソラス
妖刀村正
エクスカリバー
トールハンマー
ゲイボルク
ブリューナク
ロンギヌスの槍
カイザーナックル

・防具

オルロックスーツ
てつのむねあて
エバーシング
エルフのローブ
ブロッキングメイル

・その他

首蔵
ゴールドリング
手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
ポーションxたくさん
財宝





・新ジャンルあとがき・前回のあらすじの続き



――俺の支配を受け入れろ



「ぅ…」



耳元で紡がれる言葉。
脳が蕩けそうになるほど甘い囁き。



「期待…してなかったわけじゃないんだろ…?」
「ぁ…ぅ…」
「さぁ…始めようか…?」



男は彼女のなだらかに膨らんだ胸元に手を当て、



――ビリビリッ…



いとも簡単にそこにあった邪魔な布きれを破り捨てた。



「…~っ!」
「隠さなくていい…」



彼女は顕になった胸を腕で隠ししゃがみ込む。
その腕を男は掴み上げ立ち上がらせた。



地面に広がった油に着いた炎が、
その美しい肢体を照らし出す。



「…だ…だめ…!」
「だめじゃない」



――とても綺麗だ



「ぁ…」



再び耳元で紡がれる囁き。
全身がしびれるかのような衝撃。



――くらっ…

「おっと」



男は倒れそうになった彼女の体を抱きとめ、
優しく床に寝かせる。



「は…ぁ…」
「ゆっくり…深呼吸するんだ」
「…ぁ…わた…はじめて…」
「大丈夫だ、問題ない」



そして男は彼女の期待に震える双丘、
その頂点へと唇をあてがった。



「~っくぁっ…ぁ…はっ…!」










「大丈夫ですか!?
 しっかりしてください!」
「…はっ!?」



――バッ!



彼女はかつて自分とともに
その技を磨きあったヴァルキリーに目を覚まされた。



「…ゆ…め?」



彼女は石の壁にもたれていた体を起こした。

…手が汗ばんでいる。
いや、手だけじゃない。
体中が…火照っている。



「随分うなされていましたよ?
 いったいどんな夢を見ていたんですか?」
「…え」
「なんだか <もっと激しくても…> とか <そんなに優しくしないで…> だとか…」
「!?」
「夢のなかで訓練でもしていたんですか?」
「………」
「…顔真っ赤ですよ…ってうわっ!?」
「フガアァァァ!?」
「ちょ、暴れ…きゃあ!?」

――フガアァァァ…!?





※やあ(´・ω・`)
 ようこそ、悪魔城へ。

 このうまい肉はサービスだから、まず食べて落ち着いて欲しい。

 うん、 <また> なんだ。
 済まない。
 仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

 でも、このあとがきを見たとき、
 君はきっと言葉では言い表せない <ときめき> みたいなものを感じてくれたと思う。

 殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい…
 そう思って、このあとがきを作ったんだ。

 じゃあ、注文を聞こうか。





気軽に <続きはWEBで!> なんて書くものじゃない。
そう思いました。

…えっ?
セーフですよね?



[20761] 暁月編68[休憩中6]
Name: ユージン◆ec605aed ID:5bc127e2
Date: 2011/05/15 14:55
**********



・前回のあらすじ



「どれくらいで完全に回復する?」
「そうだな…完全とまでは言えないが、
 ある程度動けるようになるまではそう時間はかからないと思う」



…さて、どうしようか。



 1.体調の悪い隊長を弄ぶ
→2.体調の悪い隊長を弄ぶ
 3.体調の悪い隊長を弄ぶ



「ならチャンスは今しかないな」
「え…」
「てい」

――ツン

「~っ!?」



隊長のほっぺたを突っついた。

悶える隊長。

肩に手を置いただけであの反応だったんだ。
露出した肌に直接触れればこうなることはわかりきっていた。



「い…いきなりなにを…?」
「薬の効果が切れる前に逝けるとこまで逝ってみようかな、なんて…」
「な…正気なのか!?」



俺はいつだって…全速前進(フルアヘッド)だぜ!



「そぉら」

――ツンツン

<耳たぶ>

「~っぁ…!」



「オラオラァ」

――ツンツンツン

<うなじ>

「~っ…だめだ、やめてくれ…!」



「そぉい!」

――トゥントゥン



<鎖骨>



「~~~っ!?」

――ビクンッ…ビクンッ…!



激しく痙攣する隊長。



…動かなくなった。

やりすぎたかな?
目から光が失われている。

冗談だったのに。



「隊長?」
「………」
「たいちょ~?」
「…ふぁい?」



…かわいい。



「ふむ…
 隊長の新しい一面が見れたので満足しました。
 安心してください(キリッ)
 薬が切れるまではこの来須蒼真があなたを絶対に守り…」
「…ぁ」



――バサッ!



…隊長に押し倒された。



「我慢してたのに…」
「え?」
「君を巻き込まないように我慢してたのに!」
「…!」
「もう…我慢しきれない!」



あ、まって、ちょっと…やめっ…アッー!





「そうして隊長は~高ぶる身の火照りに心をまかせて~
 まだ幼さの残る少年の体を~…」(メガネ)
「「「きゃ~♪」」」(その他)
「してない! なにもしてないぞ!」(隊長)



「隊長ってやっぱり年下の…」
「あらあらあら…まあまあまあ…」
「私も隊長に押し倒されたい…」



「ぐぬぬ…いいから仕事にもどれ!」
「「「は~い!」」」



「(ああ…焦る姿がまたかわいい…)」



「はぁ…はぁ…」
「隊長、お茶でも飲んで落ち着いてください」(犬耳)
「…もらおう」

――コクコク…

「…!」

――カシャンッ

「隊長、大丈夫ですか!?」
「…もしかして台の上にあった葉を使ったのか?」
「はい、そうですけど?」
「よ…よりによって…!」
「え、駄目だったんですか!?」
「うぐ…怒ってないから泣かないでくれ…。
 …私は少し休ませてもらうから、仕事に戻ってくれ…」

――ふら…ふら…

「大丈夫ですか? 肩、お貸ししますよ?」
「あ…今触ったら…」

――ピタッ…

「~~~っ!?」
「た、隊長!? 隊長~~~!?」

「ここは~責任をとって~私が隊長のことを送っていきます~。
 あなたは~仕事に戻っていいですよ~?」(メガネ)
「(責任?)本当ですか?
 それじゃあ、隊長のこと、お願いしますね?」

――タッタッタッ…

「…待って…この娘と一緒に…しないで…」
「大丈夫ですよ~? ちゃんとスッキリさせてあげますから~」
「…やめ…アッー…!」



※あらすじ【粗筋・荒筋】
 [意]だいたいのすじ。[類]概要。(国語辞典より引用)

 ん、だいたいそんな感じ。



**********



帰ってきました悪魔城入り口(仮)



「おう、遅かったじゃねえか」
「寄り道しまくってたんでね。
 金目の物がたくさん手に入ったからあとで買い物してくよ」
「そうかそうか。ガンガン買ってくれよな。お得意さんなんだからよ」



ハマーと軽く話しをして弥那のところに移動する。





「ただいま」
「おかえりなさい」



弥那は起きていた。
また眠っていたらイタズラしてやろうと思っていたんだが…



立ち上がってこちらに駆け寄ってくる弥那。

…?
一瞬違和感を感じた。



まあいい。
とりあえずふざけてみよう。



「ご飯にする? お風呂にする?」
「え? え?」
「それとも…」

――ポカッ

「なにアホなこと言ってんのさ」
「だからといって叩くことはないだろ。体罰で訴えるぞ」



イツキ(完全体)に殴られた。
あの数瞬で巨大化し俺を殴るだなんて…無駄にすごい。



「イッちゃんもおかえりなさい」
「ん、ただいま」
「この前は折角来てくれたのに寝ちゃっててごめんね」
「大丈夫だ、問題ない。ちゃんとメモも置いておいてくれたしな」



弥那ズ・ヒント。
いろいろお世話になりました。



「よかった…。今回はどれくらい居られるの?」
「ん~…まあ、少しゆっくりしていこうかな?」



ユリウスがきっと何とかしてくれるだろうし。



「ほんと?」
「ああ、たまの休暇だ。しっかり家族サービスしないとな」
「へ?」
「蒼真、君はなにを言っているんだ?」



頭の中に浮かんだ言葉を自然と紡いだらこうなった。
反省もなければ後悔もない。





「ハァイ、仲良くしてる?」



背後からの声。



「ヨーコさん!」



ヨーコさんでした。
相変わらずお美しい。



「もう動けるのか?」
「おかげさまでね。
 …ところで、その娘誰?」
「へ?」



…!
イツキが…隠れてない…だと…?

ヨーコさんに自己紹介をするイツキ。



「半妖精のイツキです。蒼真が城の中で拾った卵から孵化しました。
 決して有角とは関係ありません」



ちょ、語るに落ちるってレベルじゃねーぞ!



「そう…悪魔城なら仕方ないわね」



そして納得した!?

…どういうことなの。



まあそれはともかく、
弥那にどんなことがあったのかを話すことにした。



「話をしよう。あれは今から…」





――蒼真説明中…





前に戻ってきた時に出来なかった話も一緒にしたので、
随分と長くなってしまった。



――すう…すう…



ちょっと退屈だったか弥那は眠ってしまった。



…いや、それだけが原因じゃないことくらいわかってる。



「蒼真…」
「流石に俺でもわかるさ」



最初に感じた違和感は間違っていなかったようだ。



悪魔城の瘴気は確実に弥那を蝕んでいる。



「…少しいいかしら?」
「ヨーコさん?」
「話をしましょう。できれば二人で」
「…わかった。イツキ、弥那を頼んだ」
「了~解」





「このへんでいいかしら?」



少し離れた場所でヨーコさんは立ち止まった。



「まずは改めて、
 蒼真くん。私のことを助けてくれてありがとう」



そういって頭を下げるヨーコさん。



「それは大丈夫だよ。それよりも…」
「うん。弥那ちゃんのことね?」



うなずく。



「私自身が残った力を使って結界を強化したけれども、
 それでも影響はでてしまっているわ」
「つまり、元を断つしかない…ってことだね?」
「そう…でもそのためには…」
「グラハムか」



あのエセキュラが邪魔だ。



「彼はあの時まだ城主の間にたどりついてはいなかったの。
 それでも外にいた時とは比べ物にならない力を使っていたわ。
 時間を与えればそれだけ強力になってしまうかも…」
「たぶんそれについては大丈夫だ」
「え?」
「実は僕の知り合いにベルモンドがいてね?」



残念だけど三人用、ではない。



「ベルモンドって…まさかユリウス・ベルモンド!?」
「あれ、知り合い?」
「神社でちらっと見かけたの。
 そのときは気のせいだと思ったんだけど…
 やっぱり城に引き寄せられてきたのかしら?」
「本人はそう言ってたよ」
「確かに彼ならグラハムなんて目じゃないわね」



さすが最終兵器ベルモンド。
納得の信頼性だ。



「ともかくユリウスも城主の間に向かってくれてる。
 俺ももう少ししたら城主の間に向かうよ」



少し考えてみた。
おそらく城主の間にあるのは城の所有権。
管理者権限と言ってもいい。
お絵かき吸血鬼はそこを封じて城を制御していたんだしな。

ともかくそれを利用して外への道を開くのが目的になる。

…有角のセリフからまだなにかありそうな気はするけど。


ベストなのはグラハムより先に到着すること。
もしくはユリウスがグラハムを倒したあとに到着すること。
グラハムがどのくらいの位置にいるのかわからないが。





「…わかったわ。でも休息はしっかり取っていってね?」
「いやぁ、ヨーコさんと話しているだけで十分な休息ですよ。ハハッ」
「…同じこと、弥那ちゃんにも言ってあげてね?」
「へ?」



え、なんで?



「…弥那ちゃん、ずっと心配してたんだから」
「ぬう…」



考えておこう。



**********



「おっ、目が覚めたか」



帰ってきた頃には弥那は目を覚ましていた。



「蒼真くん…ごめんね。話の途中で…」
「かまわないさ。状況が状況だ。疲れもたまるさ」
「うん…ありがと」



…弥那は体調が悪いのを隠しているようだ。
気づかないふりをするのが礼儀だろう。



「ところで…ヨーコさんとなにを話してたの?」



ふむ…ふざけるチャンスか。



「ちょっとした大人の話ってやつさ」
「…!」

――ざわ…

「…!
 今後のことについて話していたのよ!
 もう少ししたら出発するんでしょう?」



ヨーコさんによる全力否定を頂きました。

そんなに力いっぱい否定しなくてもいいじゃないですか…orz



「まあそんなこんなでハマーのところで適当に買い物したら出発するよ」
「もう行っちゃうの?」



寂しそうにする弥那。

そうだな…



「弥那、ここから無事に出ることができたら、
 一緒に遊園地に行こう」
「え?」
「もう随分と行ってないし、ちょっとしたデートみたいなもんさ」



気分は休日前のお父さん。



「デ…デート!?」
「嫌か?」
「嫌じゃ…ないけど…」



弥那の顔が赤い。
まずいな…目に見えて体調が悪くなっている…。

…いや、デートという響きに照れているだけか?



「もう…目の前でデートの取り決めだなんて、ちょっと妬けるわね」



ヨーコさん、その言い方は俺も照れます。



「家族旅行みたいなものさ」
「(家族旅行…そうよね…)」



…?
一瞬弥那が残念そうに見えたが気のせいか?



ともかく



「だからさ…もうちょっとだけ待っててくれ」
「うん…わかった」
「いい娘だ」

――ナデナデ…

「…もう、子供扱いばっかり…」
「ハッハッハッ…それじゃ、ヨーコさん。
 あとをお願いします」
「はいはーい…任されました」



行こう。



「…気をつけてね?」
「大丈夫さ。イツキ、行くぞ」
「はいはい…じゃまたね~」



弥那とヨーコさんを残し、
俺はイツキを連れてハマーの店に向かった。



**********



「これ買い取ってくれ」
「…こいつはすげえな」



ハマーの前に差し出したのは海賊船から盗って…採ってきた財宝。
金、銀、宝石…
ハマーはそれを手にとって注意深く観察している。



「本物だな…」
「わかるのか?」
「ある程度はな。そうじゃなきゃ軍人なんてできねえぜ」



その理屈はおかしい。



「で、これならどんなもんがもらえる?」
「いや、十分だ。あるだけなんでも持ってきな!」
「おう! 太っ腹だな!」



まずはアスカロンと…他には…





――蒼真買物中…





「確かにあるだけ全部とは言ったけどよ…」
「いやぁ想像以上に首蔵に物が入るもんだから、つい…」



ほんとに全部もらっちまったぜ。



「んにゃ、男に二言はねえ! 持ってきな!」
「キャーハマーサーン! ステキダワー!」
「…気色悪いな、おい」
「………」



突然冷静になられるとふざけにくいじゃないか。



「ともかくたぶんこれで買い物はラストだ」
「ん、決着がつきそうなのか?」
「ああ」
「そうか…まあ俺はしばらくここにいるからよ。
 また機会があればよってくれや」



もしもまだなにかあったら…だな。



「そういえば外に出たらハマーはどうするんだ?」
「そうだな…まずは軍を抜けねえといけねえが…
 その後はこの財宝を元手に店でも開こうかね…」
「へぇ…じゃあ次は外で買い物することになるかもな」
「おう、お得意さんだからな。安くしとくぜ?」



軽く笑いあう。



「じゃあ…」
「おう」



イツキを連れて出発する。



「蒼真!」
「…?」



後ろからハマーに声をかけられる。



「…気をつけてな」
「…ああ、サンキュ」



行こう。





目指すは城主の間。

俺の物語。
その終焉は、近い。
たぶん。





・オマケ1



――蒼真がヨーコさんと話してた頃



「…ん…あれ?」
「あ、目が覚めた?」



…また眠っちゃったんだ。



「イッちゃん…蒼真くんは?」
「あっちのほうでヨーコさんと話してるよ」
「そう…」
「そうそう、弥那ちゃんにこれを見せておこうと思って」
「…?」



蒼真くんのPITを渡される。

その画面に映っていたのは、



「…!?」



犬の耳がはえたメイドさんに押し倒される蒼真くん。
何かの粘液でベタベタになった翼の生えた女の子を見下ろす蒼真くん。
裸の女の子を見下ろす蒼真くん(やや煤けている)。
栗色の髪の女の子に抱きつかれている蒼真くん。
眠っている女の子の顔に自分の顔を近づけている蒼真くん。
………



「…他にもあるよ?」
「そう…」



そっか…そっか…
蒼真くん、冒険を楽しんでいたんだね…

帰ってきたら少しお話がしたいな…



※しかし遊園地の約束で忘れる



・オマケ2



――買い物中



「ところで蒼真」
「なんだ?」
「あの人って…」
「ヨーコさん?」
「ヨーコさんっていうのか…」
「なんだ、惚れたのか?」
「ああ、俺好みだ…」
「………」
「ところでさっき二人で話してたよな? なに話してたんだ?」
「今後のことについてだよ」
「そうか…俺のことなんか言ってなかったか?」
「特には…」
「そうか…いや、まだこれからだよな!」
「………」



※正直どうでもいい、とは言えない蒼真



**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 エバーシング
他1 首蔵
他2 ゴールドリング

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

コンバットナイフ
ウィップソード
グラム New
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
レーヴァテイン
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
ジョワユース
ダインスレイブ
アスカロン New
クラウ・ソラス
やすつな(安綱) New
妖刀村正
エクスカリバー
トールハンマー
ゲイボルク
ブリューナク
ロンギヌスの槍
カイザーナックル
シルバーガン New

・防具

ぐんぷく New
オルロックスーツ
てつのむねあて
ゴールドプレート New
エバーシング
エルフのローブ
ブロッキングメイル
アーミージャケット New

・アクセサリー

首蔵
真紅のマント New
ゴールドリング

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
ポーションxたくさん
アンチドーテxたくさん





レポートが終わらない?
だったらSS作ればいいじゃない(゚∀゚)



[20761] 暁月編69[ふと振り返ってみると]
Name: ユージン◆ec605aed ID:5bc127e2
Date: 2011/05/15 14:54
**********



・前回のあらすじ





[心配するな、必ず帰ってくる。一緒に遊園地に行こう]





蒼真くんは笑って言った。
絶対に大丈夫。
そう思っていた。





そんなこと、私の抱いていた理想でしかなかったのに…





「待って…ダメ…!」
「…へっ…へへへ…やっぱ俺って…不可能を可能に…」



最後まで
私に
笑顔を見せながら



「ぬわーーーっっ!」
「いやぁぁぁーーー!」












「…またここにきていたのか」



教会管理の共同墓地。
そこで私は後ろから声をかけられた。



「…有角さん? お久しぶりです」



振り向くとそこには有角さんがいた。
相変わらず容姿には変化がない。
彼は墓を見下ろしながらこちらに近づいてきた。



「あれからもう三年か…」
「ええ…」



来須蒼真が死んだ日から。



あの時私がいなければ…あるいは…

今更言ったところでなにも変わりはしないけれども。






――ガサガサッ!



「なに…!?」



突然墓の裏の茂みが激しく揺れる。



「「「コキョキョキョッー!」」」



墓の影から化物達が飛び出してきた。



「こんなところに魔物だと!?」
「コッキョー!」
「キャァッ!」



鳥のような姿をした化物達はその爪を振りかぶり私に襲いかかった。



――ガキンッ!



だが、それは有角さんの持つ剣によって遮られた。



「くっ…! すぐにここから離れるんだ!」
「でも…」
「墓の外に出れば教会の人間が気づくはずだ! 急げ!」
「は…はい!」



共同墓地の出口へと走る。



「キョルリョッー!」
「貴様らの相手は…俺だ!」









走る。

早く教会の人に伝えなくちゃ…!



「はぁ…はぁ…もうすぐ…!?」
「キョキョッロー!」



あと少しで出口というところで、化物に道を塞がれてしまった。

待ち伏せ…!



「こ…こないで…!」
「キュッキュッキュッ…?」



ゆっくりと化物は私に近づいてくる。



「おっとそこまでですよ」
「!?」
「キュ…」



絡みつくような湿り気を帯びた声。

化物の影から真っ黒なローブに身を包んだ男が現れた。
化物はその男の言葉に動きを止める。

化物を操っているのはこの男のようだ。



「いきなり殺してしまっては聞きたいことも聞けませんからねぇ…」
「…あなた、誰? どうしてこんなことをするの!?」
「別にあなたに興味はありませんよ。
 私が興味があるのは彼の残した <秘宝> だけですから」



言葉の端々でいちいち大仰な仕草で手を動かす男。
まるで自分が舞台役者であるとでも言いたいのだろうか。



「あなたは知っているはずだ。彼がそれらをどこに隠したのかを…」
「そんなの知りません!」
「それは残念…教える気はないということですかねぇ?」



こちらの言葉をまるで信じる気のない男。
その手が軽く振られるとともに、
化物が動き出した。



「キョッキョリョー!」



そしてその鋭い爪で私を切り裂こうと飛び掛ってきた。



――ビシュッ

「痛ッ…!」



爪に腕の肉が切り裂かれる。
痛みにうずくまる。



「フフフッ…すぐには殺しませんよ。
 話したくなるまでじっくり可愛がってあげますよ」
「だからそんなの知らないって…」
「ならばあなたが踊り疲れるまで弄ぶまでですよ。
 真の力を発揮していないあの男など数で押せば動けないでしょう。
 時間はたっぷりありますからねぇ?」



あの男…有角さんだろうか?



男はにったりと笑みを浮かべた。



「キョッキョッキョッー!」



化物の爪が再び私に襲いかかる。



「…~っ!」



思わず目をつぶる。



昔からの思い出が頭の中を通りすぎていく。

走馬灯というものだろうか。

お父さん、お母さん、ヨーコさん、有角さん…
いろんな人の事を思い出していく。
そして…



「(蒼真くん…)」



いつも一緒にいたのに。



どうしてこんなことになってしまったのだろう。






「あなたを守る騎士(ナイト)はもういない!」



――トンッ…



男の声が聞こえて、その後軽い衝撃が体を通り抜けた。






…私はどうなってしまったのだろう。
恐怖と傷の痛みで意識が朦朧としている。



「バカな…なぜ……様が…生きて……はずがない」



声がかすれて聞こえる。
耳もしっかりと機能していないみたいだ。



「騎士はもういない…?」



だけどそんな中はっきりと聞こえる声があった。



[いるさ…ここに一人な!]



かろうじて開けることのできた目にうっすらと写ったのは――









「おい、しっかりしろ!」
「…有角さん?」



気がつくと私は墓石にもたれかかって眠っていた。



「いったいなにがあったんだ?」
「私…あれ?」



腕の傷が…無い。



「どうして…」



あの痛み…夢ではないはずだ。



「…ともかく無事でよかった」
「…うん」
「む…それは?」
「え?」



…いつの間にか私の首には小さなペンダントが掛かっていた。



「…中に写真が入っているようだな」



とりあえず首から外して有角さんに渡す。



「中身は…君の持っていた写真と同じだ!
 そ…そうか!
 彼だったんだ、彼だったんだよ!」
「有角さん…なにをいっているの?」
「君を助けにスーパーマンが戻ってきたんだよ!」






[あの男は永遠のスーパーマンだ!]











――ガバッ!



「…っ!?」
「どうしたの?
 鳩が豆鉄砲にでも撃たれたような顔して?」
「ヨーコさん…ごめんなさい、変な夢を見ちゃっただけ…」
「へぇ…どんな夢?」
「…たいした内容じゃないから」
「そんなふうに言われたら気になるじゃない。ねえ?」
「もう! ほんとにたいしたことないんだから!」
「ほっほ~…さては蒼真くんが出てきたとか?」
「…!」
「図星かな~?」
「…ヨーコさん、ちょっとオヤジ臭い…」
「!?」





※それはまぎれもなくヤツさ。



**********






「あ、やべ…!」
「どうしたの?」
「いや、たいしたことじゃないんだが…」
「…?」



闘技場を出てからサキュバスのソウルに微量だが魔力が通しっぱなしになってたようだ。
なにか悪い影響がでていないといいけど…。



今現在、俺とイツキは悪魔城最上層目指して移動中だ。

久しぶりに通る道、久しぶりに会う(というか襲ってくる)魔物たち。



思えばこの城に入ってからいろいろなことがあった…ような気がする。
はじめはなにもわからなかったんだよなぁ…。



――カショーン…カショーン…

「覚えてる? ここで初めて僕が蒼真に声をかけたんだよ?」
「ああ、このアックスアーマーか」



あの時は怖かったアックスアーマーもいまでは余裕で吹き飛ばせる。
…恐怖が麻痺しているわけではないのだけれど。



「ここでがしゃどくろと戦ったんだっけ?」
「うん」



俺の初めての強敵。(トモとは読まない)

ん?
スケルトンキッカーEX?
そんなものは記憶から抹消した。



「俺も成長したもんだ」
「自分で言うんだ…」



俺は褒めて伸びるタイプだ。
今そう決めた。



「イツキ、俺を褒めろ!」
「あ、そこの階段上だから」



イツキのスルー力も成長したもんだ。



**********



「なるほどね…ここを上に抜ければ最上層だった…ってわけか」



かつてゾンビアーミー達と蛇ごっこをした通路。
その上は吹き抜けとなっていた。
あの時はダンボールかぶっていたから気がつかなかったぜ。



「あの時は通れなかったけど…今なら…」
「空も飛べるはず…!」



オオコウモリのソウルに魔力を通し、変身する。



――ポンッ!

「キッー!」
「それ毎回やるの?」
「…癖になっちゃったみたいで」



――バサッ…バサッ…



イツキを伴いゆっくりと上昇していく。



最上層。
そこにたどり着けばあとは城主の間までは一直線だ。
シリーズのセオリーなら、たぶん巨大な階段を目指せばいいはず。






…そういえばこの世界は本当に悪魔城シリーズの世界なのだろうか。
齋宗真はシリーズの半分程度はプレイしていたはずだ。
携帯機作品だけでも漆黒、輪月、白夜、暁月、蒼月、GoL、刻印…

日本が舞台のものなんて…あれ?
なんだ…なにか違和感が…

<俺> の記憶には無いはずなんだが…?

…なんだ?



「あそこだよ」
「ん…ああ」



齋が上方の扉を指さして言う。



…まあそんなことはどうでもいい。
とにかくまずは城の外に出ることだけを考えよう。

そうでなければ弥那の危険が危ない。

別に世界がどうとか興味がない…わけではないが、優先すべきことくらいわかる。



そう、俺は弥那が嫁にいくまで守るのだ。



――ポンッ!

「…っと」
「この扉の先から悪魔城最上層だよ…」



ついにここまで来たか…



「行こう」
「うん…」



――ガチャリ…



俺はゆっくりと扉を開いた。






――悪魔城最上層、到達









・オマケ



――ざわ…ざわ…



――キタ

――カンジル

――オウノタマシイ

――マチガイナイ



「…っ! なんだ…?」



――マガイモノ

――マガイモノ



「…気のせいか? ふんっ…」



――ざわ…ざわ…






**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 エバーシング
他1 首蔵
他2 ゴールドリング

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

コンバットナイフ
ウィップソード
グラム
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
レーヴァテイン
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
ジョワユース
ダインスレイブ
アスカロン
クラウ・ソラス
やすつな(安綱)
妖刀村正
エクスカリバー
トールハンマー
ゲイボルク
ブリューナク
ロンギヌスの槍
カイザーナックル
シルバーガン

・防具

ぐんぷく
オルロックスーツ
てつのむねあて
ゴールドプレート
エバーシング
エルフのローブ
ブロッキングメイル
アーミージャケット

・アクセサリー

首蔵
真紅のマント
ゴールドリング

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
ポーションxたくさん
アンチドーテxたくさん





PCの修理が完了。

修理中にR-TypeDeltaをやっていましたが、
未だクリアに至っていません。
何回やっても何回やっても、飛んでくる緑地獄が倒せない。
…大人しくEasyにしようかな。(現在Nomal)



[20761] 暁月編70[悪魔城最上層]
Name: ユージン◆ec605aed ID:5bc127e2
Date: 2011/05/15 14:54
**********



・前回のあらすじ



悪魔城最上層へ到着しました

以上



※今回のあらすじには誇張表現等は一切含まれておりません。
 純度100%のあらすじをお楽しみください。



**********






最上層に侵入して初めて見たもの。
それはルビカンテの群れだった。



(°д°)ハァ?



赤い皮膚の鬼たちが部屋の中をひしめき合っている。
距離がまだあるため入り口にいる俺達には気づいていない。



「「………」」



近くに別の通路があったためそちらに進むことにした。



エリニュスの群れと遭遇した。



( ゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚)
(゚д゚;)彡



安全な場所まで戻る。






「…よし! あきらめよう!」



あとのことはユリウスに任せよう。



「戦わなきゃ、現実と」



イツキが言ってくる。



「冗談。こんなもの、どうやって相手にすればいい?」



アンタもそう思うだろ?

だって闘技場二回戦進出者がぞろぞろ歩いてるんだぜ?



「よく見てみなよ」
「…?」



イツキの言葉に納得できないながらも、
隠れながらルビカンテの群れを観察する。



…あれ?



「わかった?」
「なんか貧弱そうだ…」



闘技場で戦った時とは違い、
プレッシャーを全く感じない。



「闘技場に出てたのは異常に強い奴だったんだよ」
「あんなのが群れになって襲ってくるのかと思ったよ…」



大ハマリかと思ったぜ!



「でも…流石にあいつら全部を相手にするのは面倒だね…」
「ふむ…ならば…」



クロノメイジのソウルに魔力を流し吠える。



「ザ・ワールド!」

――カチッ…



時間が止まる。



「クックックッ…これが <世界> だ」



いかなるものであろうと、この <世界> の力からは逃れることは…
…ってあるぇー?



「イツキ…ルビカンテは止まった世界の中でバッチリ動いているようなんだが…」
「前にも言ったけど上級魔族には無効化する奴が多いよ?」



なんてこったい/(^o^)\

時間を止めまくってやり過ごそうとしてたのに、
予定が狂ってしまった。



…よくルビカンテたちをみてみると、
動いている奴と動けていない奴がいる。
時の停止に対する耐性にも個体差があるのだろう。
動いている奴らは動いていない奴らを不思議そうに眺めている。



――カチリッ…



時が動き出す。



「「「???」」」



ルビカンテたちはお互いに顔を見合わせ首をかしげていたが、
しばらくすると元の生活に戻っていった。
…闘技場で戦った奴に比べて知能レベルも低そうだ。



「…で、どうするの?」
「うーん…」






しばらく考えてエリニュスがいた方の道を通ることにした。
弱いとは言ってもルビカンテだ。
バーサーカーになってしまえば予想以上にてこずるかもしれない。

…別に見た目女の子のほうがいいや、とか考えたわけじゃない。






**********






――カチリッ…



時が動き出す。



「ふむ…止めていられる時間は体感で5秒ほどか。
 時が止まっているのに、5秒とはおかしいが、とにかく5秒ほどだ」



あと魔力を大量に使いすぎる。
そう連発はできないな。



「いざってときの切り札として以外は使わない方がよさそうだね」
「ああ、じゃないと…」



「「「!?」」」



「こうなるもんな…」
「自業自得でもあるけどね…」



エリニュスに囲まれてしまった。

エリニュスは時間停止に対する耐性を持っていなかったようなので、
時を止めてエリニュスたちの間を通り抜けようとしていたんだ。

しかしちょっと興味をそそられるものが目に入ってしまい、
それをつまみあげていたら時間が動き出してしまった。



「な…なにもの!?」



鎧の裾から垂れたスカートのような布をつまみあげられたエリニュスは、
槍を突き出し襲ってきた。
手を離し逃走する。



「くそっ…! あと少しだったのに!」
「蒼真、最低だね」



時間を止める力が手に入ったら、
男の子はみんなやると思うんだ。
スカートめくり。

心の中ではダメだとわかっていても、
その薄い布切れに隠された場所になにがあるのか…
知りたい。
その知的好奇心から逃れることはできないのだ。



「つまり俺は悪くない」
「「「死ねぇ!」」」



イツキの声とエリニュスの声が重なったような気がした。



そのまま俺はエリニュスの大群に追いかけられながら最上層を駆け抜けることになった。

へへへっ…女の子に追いかけられるのは慣れてるぜ! (嘘)






**********






――悪魔城最上層・空中庭園



…どうやら撒いたようだ。



「はぁ…はぁ…」



息を整える。
途中でルビカンテやらグラディエーターやらも混ざって追いかけてきて大変だったぜ!
数が多すぎて戦うという選択肢はなかった。



「ここまでくればもう追ってはこないだろう…」
「フラグを立てるのは趣味なの?」



日常生活で立てるタイミングのないフラグは、
立てれるときに立てておきたいのだ。



「今どのへんだ?」
「…適当に走ってたのに上層へちゃんと向かえてるってのもすごいね。見て見なよ」



はるか上方を指差すイツキ。
その先には



「まさかほんとに階段があるなんて…」



一際高い塔の上へと続く階段。
あの塔に城主の間があるのだろう。



「…オオコウモリで飛ぶにしても距離がありすぎるな」
「大人しく隣の塔から移動しようか?」
「ああ」






「待って!」
「「!?」」



移動を開始しようとしたとき後ろから聞き慣れた声がした。
振り向くとそこには…



「弥那!?」



倒れ伏した弥那がいた。

なんでこんなところに!?



「待って蒼真! 状況的におかしすぎる!」
「…!」



…そうだ。
冷静に考えればありえないことだ。



「ちっ…何者だ!」
「…やっぱり簡単にはひっかからないわね」

――バサッ



弥那の姿をしたなにかはその身を包む巫女服を脱ぎ捨て、
それと同時に姿を変えた。

くっ…見えなかった…!



「ウフフッ…♪」



奴の正体はサキュバスだった。



「くそっ…ふざけやがって!」
「かかってきなさいな…吸い尽くしてあげる♪」



闘技場のサキュバスに比べれば雑魚も同然…
一撃で決めてやる!



クラウ・ソラスを振りかざし強く踏み込んだ瞬間、



――ボコッ…

「も?」←俺
「え?」←サキュバス



床に穴が開いた。

突然踏み込んだ足場がなくなれば当然落下する。



「蒼真!?」
「うわぁぁぁっー!?」



そのまま俺は穴の底へと落ちていった。
イツキもそれを追いかけて穴の中へ。






――ヒュゥゥゥー…



「えーっと…まあいっか♪」



なんともいえない空気の中一人残されたサキュバスは、
一瞬穴を覗きこんだが、すぐに飽きていなくなった。






**********






――ドサッ…



そんなに穴は深くなかった。



「いてて…落とし穴とはやってくれる…!」
「蒼真、大丈夫?」
「大丈夫だ、問題ない」



追いついてきたイツキに無事なことを伝える。

穴の底は暗闇に満たされている。



「明かり明かり…!?」

――ポワァァァン…



PITを取り出そうとしたが、その前に突然周りが明るくなった。
なんだ?



「…クラウ・ソラスか」



クラウ・ソラスが淡い光を放っていた。
これは便利だ。
忘れてたぜ。






…明かりを手に周りを見渡すと、
ここがサキュバスの仕組んだ落とし穴でないことがわかった。

ここは…地下墓地?
なんでわざわざこんなところに…ん?

ピーピングアイが石の壁に反応した。



「そぉい!」

――ガラガラガラ…



壁はバロールの力によって、あっさりと崩れていく。

墓の中の人たち、お許しください!



中にはソウルキーパーがあった。



――ガシャンッ

――ヒポグリフ ソウルゲット



「ラッキーだったね」
「ああ、サキュバスにお仕置きできなかったのは残念だが…」
「………」



まあいい。
上に戻ろう…



――ガションッ!



…!?



――ガショーン…ガショーン…!



…何か…来る!



「蒼真! 下がって!」
「…!」



――ガシャンッ!



墓石の裏から…ゴーレムが現れた!



「墓守か!」
「アイアンゴーレムだ!」



アイアン…鉄製!?



――カショーン…カショーン…



アイアンゴーレムはゆっくりと近づいてくる。



「…なにか弱点は?」



――クルン…クルン…



アイアンゴーレムはその腕を回転させ始めた。



「弱点は殆ど無いはず…足が遅いから逃げちゃったほうがいいかも」
「よし…採用!」



――ドゴォッ!



アイアンゴーレムが遠心力を加えたその腕を地面に叩きつけるのと同時に、
俺は脱兎のごとく撤退した。



**********



やばい、高い、怖い!



穴から飛び出すのにヒポグリフのソウルを使った。
ヒポグリフの力は空中を駆け抜ける…いわゆるハイジャンプ。
月歩といっても可。

だが…跳び上がりすぎたようだ。



「落ち着いて蒼真!」
「おまま…おま…ちょ…!?」



突然の高所からの落下。
頭が回らない。



「フライングアーマー使えば大丈夫だから!」



…忘れてた。



――バサッ…



フライングアーマーを実体化して落下速度を落とす。



――ストッ…



「…ふう、怖かった」
「自分の能力でピンチになるってどうなの…?」



…ゆっくりと考えなおすと、
空中でオオコウモリになっても良かったしメディウサヘッドを使っても良かった。
もっと冷静に判断すればよかった。



まあ過ぎたことは仕方ない。
とっとと城主の間を目指そう。






**********






――コッコッコッ…



城主の間。
俺はその隣の塔を登り始めた。
…なぜか魔物はいない。



「嵐の前の…って感じがしてすごい嫌なんだけど…」
「警戒は続けてね…僕も注意はしておくから」
「おう…」



――コッコッコッ…トン…



ここがこの塔の最上階…
結局魔物は出てこなかった。

しかし城主の間へ向かう通路には…



――ガシャーン…



巨大な剣を持った黄金の鎧が立ちふさがっていた。



「ファイナルガード…これが最後の番人みたいだね」
「こいつが…」
「アイアンゴーレムよりはまともに戦えるはずだよ」
「コイツを倒せば城主の間か…」



――ガシャーン!



相手もやる気みたいだ。






これが最後の戦い…だといいなぁ…






・オマケ



「なんてことだ…」
「蒼真、どうしたの?」
「今気がついた…
 魔物の魂は…同種族のものを複数束ねることで魔力の変換効率が上がる!」
「へぇ…例えば?」
「魔力の消費量低下をはじめ、威力の上昇、効果時間の延長が期待できそうだな」
「じゃあソウルはあればあるだけ得ってこと?」
「ああ。チャンスがあったら集めてみよう」






**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 エバーシング
他1 首蔵
他2 ゴールドリング

・新しいソウル New

ヒポグリフ

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

コンバットナイフ
ウィップソード
グラム
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
レーヴァテイン
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
ジョワユース
ダインスレイブ
アスカロン
クラウ・ソラス
やすつな(安綱)
妖刀村正
エクスカリバー
トールハンマー
ゲイボルク
ブリューナク
ロンギヌスの槍
カイザーナックル
シルバーガン

・防具

ぐんぷく
オルロックスーツ
てつのむねあて
ゴールドプレート
エバーシング
エルフのローブ
ブロッキングメイル
アーミージャケット

・アクセサリー

首蔵
真紅のマント
ゴールドリング

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
ポーションxたくさん
アンチドーテxたくさん






友人からなにか絵を書いてPixivにupしろと催促されています。
絵…下手なのになぁ…。



[20761] 暁月編71[握力×体重×スピード×破壊因子≒超破壊]
Name: ユージン◆ec605aed ID:5bc127e2
Date: 2011/05/15 14:54
**********



・新ジャンルあらすじ・前回のIF



状況
追いかけてくるエリニュス、ルビカンテ、その他もろもろから逃走していたとき、
もしこんな声が聞こえてきていたら



[臆病者め…逃げてばかりいるな…一回…あと一回だ…]



「!?」
「蒼真! 追いつかれるよ!」
「あ、ああ…」



気のせいか?
声が聞こえた気がしたんだが…






――<中略>――






「なんでよりによって最上層に地下墓地なんて作ったんだ?」
「さあ?」



最上層なのに地下って矛盾してる気がするけど。



「名前は…ワタナ…、後はすり減っていて読めないな…」



墓石に刻まれている名前を読んでみる。

ふと何かが目の端に入る。



「…ん? 横に何か刻まれているな」



[逃げるな…逃げ続けると…黒い…ヒョウが…石に…]



「「………」」



いや、そんな

<あの手は何だ! 窓に! 窓に!>

みたいなこと墓石に書かれても…



――ガショーン…ガショーン…



「…!」
「アイアンゴーレムだ!」



 戦う
 パス
 アイテムを使う
→逃げる



――逃亡…



「相手にしてられるか!」



――ざわ…



…!?

背筋が泡立つような感覚。



「どうしたの? 早く逃げないと!」
「あ、ああ…」



今のは…



――ざわ…



…!?



俺は突然暗闇に閉じ込められた。
だが明らかに不自然。
暗闇の中、自分の姿だけがはっきりと浮かび上がっている。



「なんだ…イツキ! おい、イツキ!」



返事はない。

この空間にいるのは俺だけのようだ。






[たくさん逃げたな…]



!?



[私の名は <死の予兆> …]



な…なんだ…!?
いったいどこから…!?



[おのが呼び込んだ運命からは逃れることはできぬ…]



暗闇を裂いて現れる鋭い牙と爪、爛々と光る眼。
闇と同化したような漆黒の毛色のヒョウが姿を見せた。



「う…うわぁぁぁ…!」



そして俺は









「…蒼真、どうしたの? いきなり立ち止まって…」



半妖精は自らの主に語りかける。



「………」
「蒼真…?」



だがその声は届くことはなかった。



――ゴトッ…



「蒼真!?
 い…石になってる…
 いったいなにが…
 蒼真…蒼真ぁぁぁー!?」



…後には一つの倒れた石像と泣き叫ぶ少女、
そしてそれにゆっくりと近づいていく鉄の人形だけが残った






※まさかのガメオベラ。
 逃げてばかりいるなと思ったので。
 本編とは関係ないです。



**********






ファイナルガードは剣を構えこちらと向かい合っている。

俺の三倍くらいの巨大な黄金の鎧。
その巨体に見合った剣と盾を持っている。

兜の隙間からは瞳のような赤い球体が見えるがそれ以外中身はないようだ。



「せめて月下サイズででてきて欲しかったな…」
「はぁ?」
「なんでもない」



鎧、剣、盾の各所には美しい装飾が施されている。



余談だが、

ファイナルガードとは、
グレートアーマーの中でも性能のいいものを選考して
城の要点等の守護に設置される物。

ゴーレムなどもそうだが、
中世では悪魔城だけでなく貴族たちに一般に使用されていたものでもあるので、
見た目も重要なのだ。



閑話休題。



「とりあえずは…てい!」

――コォッ!



火球を撃ちこむ。



――ボフッ…

「…すごいな」



だがそれは鎧に当たってはじけて消えてしまった。
ファイナルガードは悠然としている。

…ドリアードとか一発で消し炭にできるのになぁ。



――ガシャ…

「…!」



ファイナルガードはその巨大な剣を頭上へと掲げていく。



――バッ…!



俺はバックステップで距離をあける。



「流石に元はグレートアーマーか。動きが速いわけじゃない…!?」



余裕を持って回避したつもりだったが、
剣を掲げるファイナルガードを見て驚愕する。

剣が…魔力で放電している。
込められた魔力で刀身が赤く染まっている。

ファイナルガードはその剣を逆手に持ち替えた。



「蒼真、跳んで!」
「くっ…!」



剣が振り下ろされる。



――ガシャ…



それは地面に軽く叩く程度のものだった。

しかし…



――バチバチバチッ!



剣から魔力が吹出し、
激しく放電し火花を散らす魔力塊が、
地面を沿ってこちらに疾走してきた。



――タンッ!



俺は跳び上がり空中へと逃れる。

標的を失った魔力塊はそのまま近くの壁に激突して



――バシュッ!



はじけ飛んだ。

壁に焦げた跡と煤が残る。



「~っ! グレートアーマーとは違うのだよ…ってかぁ!?」
「気をつけて!
 威力がないように見えるけど、
 実際に巻き込まれたら体がはじけ飛ぶよ!」



おそらく破壊が発生するのは魔力塊の内側なのだろう。
壁などにぶつかったときは内側に巻き込まれる前に消滅する。

城を傷つけず敵だけを破壊するってか?
よくできた能力だ。



「厄介だな…」



まさか遠距離攻撃搭載とは…



――バチバチバチッ!

「まだくるよ!」
「げげっ!」



れ、連発できるのか!?



「ぬおぉぉぉ!?」



地面を飛び交う魔力塊から逃れるため跳び回る。
直進しかしないが数が多い。



――ガシャ、ガシャ、ガシャ…



関係ないがファイナルガードは魔力塊を発射するたびに、
なんども剣を持ち上げ、降ろす動作を繰り返している。
それがホッピング(上に乗って飛び跳ねる遊具)のようにみえて非常にシュールである。



「そっちはダメだ!」
「…!?」



俺の着地しようとした場所に複数の魔力塊が飛来しようとしていた。

ヤバい…アホなことを考えすぎた…!



――バシュバシュバシュッ!



魔力塊が互いにぶつかり合い、はじけ飛び黒煙をあげる。



「蒼真!」
「…大丈夫だ、煤だらけだけど…!」



俺は空中で静止していた。

メディウサヘッドのソウルを発動させたのだ。

はじめからこうすればよかったのだ。

最近ソウルの種類が増えたせいで、
どこぞの青ダヌキみたいにとっさに有効なソウルを判断できなくなってきてるな…。



「これでこの距離なら安全だな」
「どうするの…?」



どうしよう。
悪魔化して接近、バロールで殴りかかるのが一番有効な気がするんだけど、
足元を魔力塊が飛び交っていて近づけない。

俺もイツキみたいに自由に飛び回れたらよかったのに。






そんなないものねだりをしているうちに、
突然ファイナルガードは盾を構えた。

…?
なんだ?



「なにをする気だ…?」



・今こんな感じ↓

○ ]     。
|―]    ○
| ]     

↑ファイナルガード
  ↑盾   ↑俺
        ↑イツキ



――ガラガラガラッ!



盾が、伸びた。



・こんなん↓

○  <<<] 。
|―――――]○
|  <<<] 



「なにぃ!?」



ちょ、シールドバッシュ!?
そんなのありかよ!?



「イツキ!」
「キャッ…!?」



とっさに体をひねって手を伸ばしイツキを俺の後ろに移動させる。



――ゴッ!

「ごぶぁ!?」
「ヒャァッ!?」



後頭部に黄金の盾が激突する。



――ドサッ…



地面に落下する。



「あががが…!」



軽い脳震盪と闘いながら立ち上がる。

盾はファイナルガードの手元に戻っていこうとしているのではっきりとは見えないが、
裏側になにかギミックがあったようだ。



「蒼真…大丈夫…?」
「痛つつ…お前こそ大丈夫か?」
「うん、ありがと…」



うまくイツキのクッションにはなったようだ。



ちくしょう…
やってくれる…!

痛みとそれに対する怒りが湧いてくる。

この状態ならルビカンテのソウルを使えば大層効果があるだろう。



しかし接近しなければどうしようもない。



――バチバチバチッ…!



再び魔力塊が飛来する。

跳び上がりそれを避けるが、
ファイナルガードはそれを確認してまた盾を準備している。






…!

接近する手段…思いついたは思いついたが、
もし失敗すればミンチになってしまう…。



「蒼真、くるよ!」
「…ええい、ぶつかりませんようにっ!」



ヒポグリフのソウルに魔力を流す。



――ガラガラガラッ!



盾が撃ち出される。



それと同時にハイジャンプ

だが飛ぶのは上ではない。



――バシュッ!

「行けえ!」



前である。



周りの景色が線となって後ろに飛んでいく。
こちらに向かってきていた盾にかすりながらも避け切り、
ファイナルガードの前に躍り出る。



よし、避けれた!



「うおぉぉぉ!」



悪魔に変身、更にルビカンテのソウルを発動。
怒りの限りを右腕に込める。

そして極めつけの…



「バロォォォォォォル!」



全力の一撃。
ハイジャンプの勢いを載せて破壊の力を持った右腕が、
ファイナルガードの胸に接触する。



――ドワォ!



…ほんとにそんな感じの音がした。



――ドサッ…



力を失った俺の体はファイナルガードの胸を突き破りその背後に落下した。



「やった…!?」
「イツキィ!?」



どうしてフラグを立てた。



――ガシャーン…ガシャーン…



胸に大穴を開けたファイナルガードがこちらに振り向く。



「くっ…」



そして剣を振りあげて



――ガラッ…



「…ふう」



――ガラガラガラッ…



そのまま崩れていった。



――ボシュッ



中から魂が飛び出す。



――ポシュン…



ファイナルガード ソウルゲット



びびった…。
まじでフラグパワーで生きてるかと思った…。



「大丈夫、蒼真?」
「ああ…」



ファイナルガード…厄介な相手だった。



ともかくこれで城主の間。
やっとおうちにかえれるよ。

階段の方へ移動する。






**********






「もげっ!?」



青白い鎧が二体、剣を交差させて階段への道を塞いでいた。



「今度こそラストか…?」



戦いに備えようとするが、
その前に



――ガシャン…

「!?」



二つの鎧は剣を解き、俺に道を開けた。



「なんだ…?」
「通っていい…ってことじゃないかな?」



なぜに?

恐る恐る近づいていくが襲ってくる様子はない。
ほんとに通っていいようだ。



「なんなんだいったい…」



戦わなくていいならそれでいいが、
なにか嫌な予感がする。






**********






――ヒュォォォ…



風が体を包む。

城主の間へと続く階段。
そこをゆっくりと進んでいる。



かつてベルモンド一族を代表とする数多の退魔師が通った階段。
そこを一般人である俺が通っている。



――ザッザッザッ…

「…なんで突然そんな妙な歩き方になったの?」
「これは通称ベルモンド歩き。古くから伝わる歩き方だ」
「はぁ?」



ヤバい。
テンション上がってきた!

感覚的にはアビイ・ロードでビートルズのポーズをする感じ。






「そういえばさ…」
「ん?」
「前に教えてくれるって言ったよね?」
「なにを?」
「前世のことで隠し事」
「…おおう」



てっきり忘れてたと思った。
というか俺が忘れてた。



「もう教えてくれてもいいんじゃない?」
「いやぁ…」



一言で言うと…めんどくさい。



「約束…破るの?」
「ぬ…ほら!
 もうすぐ家に帰れるわけだし、
 ちゃんとゆっくり話が出来る時にしたほうがいいだろ?」
「…うん、わかった」



そうだ。
もうすぐ帰ることが出来る。
そして遊園地に行くのだ。



「そういえばイツキも行くか?」
「え?」
「遊園地」



イツキはいまは肩に乗っかる程度の小さな姿だが、
やる気になれば子供程度の大きさにはなれるのだし。



「…弥那ちゃんとふたりきりで行くんじゃないの?」
「たくさん人がいたほうが盛り上がるだろ?」



遊園地でふたりきりだと待ち時間暇だしな。



「…そうだね。全部終わったらそれもいいかもね」



よし、決まりだな。

ちょうど階段も終わる。

長い階段だったな。
神社の前の階段と同じくらいか?






「(この戦いが終わったら…卵に還ることになるかもしれないけれど…)」






**********






最後の扉。



「この先が…城主の間…」



――ギギィー…



音を立ててゆっくりと扉が開いていく。



長い戦いだった…
だが…それもここで終わる…!









そう思っていた時期が俺にもありました。



「遅かったね、蒼真君」
「グラハム…ジョーンズ…」






…正直忘れかかってたよ。



また面倒なことになりそうだ…。









・オマケ



「なあイツキ…」

「なに?」

「この鎧…なんか煤けてないか?」

「…たしかに青白く発光してるせいでわかりにくいけど煤やらがついてるね」

「なにか戦いでもあったのかな…」

「それでひどい目にあったから僕らを通してくれてるとか?」

「そうだったら笑えるなwww」



――(# ゚Д゚)ガシャン!(゚Д゚ #)――



「うお!?」

「道を塞がれた!?」

「…どうしよう」

「蒼真が馬鹿にしたからじゃないの?」

「そんなわけ…ナマ言ってすんませんでした!」



――( ´ー`)ガシャン(´ー` )――



「…通ってよさそうだな」

「そうだね」

「…行こうか」

「うん」






「ところで馬鹿にしたのってイツキじゃないか?」

「気のせいだよ」






**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 エバーシング
他1 首蔵
他2 ゴールドリング

・新しいソウル New

ファイナルガード

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

コンバットナイフ
ウィップソード
グラム
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
レーヴァテイン
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
ジョワユース
ダインスレイブ
アスカロン
クラウ・ソラス
やすつな(安綱)
妖刀村正
エクスカリバー
トールハンマー
ゲイボルク
ブリューナク
ロンギヌスの槍
カイザーナックル
シルバーガン

・防具

ぐんぷく
オルロックスーツ
てつのむねあて
ゴールドプレート
エバーシング
エルフのローブ
ブロッキングメイル
アーミージャケット

・アクセサリー

首蔵
真紅のマント
ゴールドリング

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
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Q.…原作とTF5のイリアステルの設定、矛盾してまいか?
A.調整中です。



[20761] 暁月編72[決戦・玉座の間前編]
Name: ユージン◆ec605aed ID:5bc127e2
Date: 2011/05/15 14:53
**********



・前回のあらすじ



「ねー蒼真ー…なんか話そうよー…」
「………」



魑魅魍魎の跋扈するこの悪魔城。
そこを一人の少年と半妖精が歩いている。

この少年、
その名を来須蒼真という。



――ガショーン…ガショーン…

「…! ファイナルガードだ!」



黄金の鉄の塊で出来ている巨大なさまよう鎧が、
ゆっくりと彼らに近づいていく。



「くるよ! どうする…って、なにやってんの!?」
「………」



少年はなにも言わずに悪魔に姿を変えていた。



――グググッ…



そして体をねじり、大きく右腕を振りかぶった。



――ググッ…ミシッ…

「っ…!」
「ちょっと蒼真!?」



更に体をねじっていく少年。
激しい負荷に身体中の骨が軋み筋肉が音を立てる。



――ミシッ…ミシミシッ…



それはまるで
硬いバネを無理やり抑えつけるかのような



――ガショーン!

「き…きた!」
「…!」

――グギュッ…



少年の拳が握り締められる。



――ヒュォッ!



指の隙間から抜けた空気が立てた音。
それが彼の拳に込められた力の強さを感じさせる。



そして…少年は弾けた。



――パァンッ!



小気味のよい炸裂音。
それは少年の体が爆発的な加速を得て飛び出した音。



――ドグァッ!



そして続く鈍い爆発音。
それは…



――ガラ…ガラガラ…



彼の拳が、目の前の巨大な鎧を砕いた音だった。






簡単なリクツだ



デビルで体重を増加させ

ルビカンテで握力を強化

ヒポグリフでスピードを付ける



スピード × 体重 × 握力 = 破壊力!






「すごいよ蒼真!」
「………」



しかしこの少年、来須蒼真
先のように金属の塊を一撃で破壊する力を持ちながら



全力で戦ったことがない



なぜ…?



一生懸命台本を片手に練習を繰り返し
リハーサルでも完璧な演技をしてみせた役者が

本番の緊張で突如としてセリフをすべてド忘れしてしまうように



来須蒼真は戦い、死合いと言うものへの心構えが足りないのだ。






その来栖蒼真が



この度、本気で戦う






※あらすじには誇張表現や誇大表現、過大評価やらなんやらが含まれるかもです。
 騙されない様に気をつけてください。



**********






やっとたどり着いた玉座の間。

RPGなどによく出てくる王様に会うための部屋みたいだ。
玉座の裏に血の涙を流す女神像がなければ。
流れだした血は床中に広がって水たまり…血だまりをつくっている。

そしていまこの玉座に座って、足を組み、
ひじ掛けに立てた腕に顔を乗っけたまま俺を見下ろしている男、
それはグラハム・ジョーンズだ。



「遅かったね、蒼真君。
 すでに、ドラキュラの力は私のものだ」



新しいおもちゃを自慢するかのような声音で俺に言ってくるグラハム。

ユリウスめ…間に合わなかったか。



「へぇ…で?」
「つまり…ここにドラキュラは復活したのですよ。
 もはや君にできることはなにもない」
「いや…ドラキュラがどうとかはベルモンドとかとやってくれないか?」



だって俺、バンパイアハンターじゃないしー。



「俺がここにきたのはこの城から出るためだ。
 まぁ…アンタのしたことについて思うことが無いわけじゃないがな…!」



ヨーコさん刺したこと思い出したらちょっとイラっとした。
無事だったから良かったものを…!

グラハムはイスからゆっくりと立ち上がり、手を顎に当て考えるようなポーズを取る。



「今の私ならあなたを城の外に放り出すなど簡単なこと…」
「じゃあそれでいいよ」



あとはユリウスと仲良くやってくれ。



「だが…あなたは私の資産である魔物の魂を支配している。
 そんなことが許されるか!?
 …いや、許されるはずがない!」
「カッコ反語」
「…?」



突然声を荒げたグラハム。
だが思わず俺の口からこぼれた言葉に怪訝そうな顔をしている。



「…ともかく魔物の魂を開放すればいいんだろ?」



適当に相手の言うとおりにして終わらせよう。

魔物の魂を解放する。






できない…
…どうやるんだ?



「今更返したところで人のものを盗んだ罪は消えんのだよ!
 そんなことも知らんのか!?」
「…はぁ?」



なんだ…?
グラハム…言っていることが支離滅裂じゃないか。
アンタの言うドラキュラの力も…ああ、自分がドラキュラだと思ってるんだっけ?



「そして罪を犯したものには罰が与えられるのは当然のこと」
「アンタなに言ってんだ?」
「罪状はこの私からの窃盗。
 従って、死刑以外考えられません!」



…!
なんなんだいったい!?

ガキ大将もびっくり仰天の飛躍理論だ。



「蒼真、話して通じる相手じゃない!
 あれはもう…人間から外れてる!」
「くっ…」
「ほぉ…妖精か。貴様がここまでこれたのはそいつのおかげというわけか」



グラハムの眼がイツキにとまる。
その眼はまるでゴミでも見るかのようだ。



「…っ!」
「イツキ、下がってろ!」
「…! うん…」
「ふふふっ…だがもはやどうでもいいこと!」

――ブワッ!



奴の体からどす黒い魔力が噴出する。

なんて魔力だ!

そしてかすかに感じる混沌の力…
やはり魔王の力は混沌と繋がっている。






「特別に城主である私自らが、貴様に罰を与えてくれる!」






魔力を纏い宙に浮かび上がったグラハムは
俺に指を突きつけ言い切った。



「ちっ…! やってやる…死んでも恨むなよ!」



ただでやられるかよ!






**********






「ハァッーハッハッー!」

――スッ…



高笑いと共にグラハムの体が消える。

…!
ワープ…どこに…!



――スッ…

「どこを見ている?」



背後からの声。
振り向くと同時に額に指を突きつけられた。



「燃えろ!」
「…!」
「蒼真!?」

――ポォ…



グラハムの指先から火球が発生する。
とっさにバックステップをしながら体をそらす。



――ヒュォッ!

「~っ熱!?」



直撃は免れたが前髪が少々炭になって消えてしまった。
顔面爆発するところだったことを考えればまだマシか。



「大丈夫!?」
「くっ…ヘルメットがなければ即死だった…!」
「ふざけてる場合じゃないよ!
 今までの戦いと一緒だとは考えないで!」
「わかってる! とにかくお前は安全な位置にいろ!」



近くにきたイツキを遠ざける。



「どうした! そんなものか!?」
「うるせぇ! お前が燃えろ!」

――ポォ…

「なに…!?」



フレイムデーモンのソウルを使い火球を放つ。



――ヒュォッ!

「これは…!」

――スッ…



だが少し距離があったせいでワープで避けられてしまった。

ちくしょう!
避けられるなら意味深に驚くんじゃねえよ!



――スッ…

「…ふんっ、まあいい!」



今度は少し離れた場所に現れたグラハム。

ワープばっかりしやがって、お前はドラキュラか!?
…自称ドラキュラか。



――ざわ…

「…!」



部屋の空気が変わったのを感じ取る。

見ればグラハムの周りに多数の漆黒の魔力球が浮かび上がっている。



「さぁ…跪けぇ!」

――ズドドドッ…!



それらがいっせいに俺の頭上に降り注ぐ。



「うおぉぉぉ!?」



避けるために前に転がり出る。

頭の上を通りすぎていく大量の魔力球。

なんで狙いがすべて上に…?



「フハハハッ! 無様だな、来須蒼真!」
「…げっ!」



今の俺は魔力球を前に跳んで避けたため、
まるでグラハムに跪くかのような体勢になってしまっている。

このためだけに今のやったのかよ!



「馬鹿にして!」



地面を蹴って立ち上がり、グラハムに殴りかかる。



「無駄だ!」

――スッ…



しかしそれもワープによって避けられてしまう。



「くそっ…面倒な…!」



…くそっ!
人間相手ってのはやりにくいな!
その場その場で相手の嫌がることを実行してくれる…!



「蒼真、落ち着いて!
 ワープの完了直後は隙だらけだよ!」



玉座の陰に隠れていたイツキが言ってくる。



「どこに出てくるかわからないのに無茶を言うな!」
「もう一つ隙が…」

――スッ…



玉座の横、イツキの目の前にグラハムは現れた。



「イツキ!」



まずい…距離がありすぎる!



「軽々しく玉座に触れてくれたな。
 先に始末しておいたほうがよさそうだな。
 そのほうが彼もよく鳴いてくれるだろう…!」
「しまっ…」



グラハムの手に火球が浮かぶ。
そしてただ一言、



「焼け死ね」



そして炎が放たれようとした。



「…っ!」
「やめろぉ!」



助けるには…

…切り札を切る!



――カチリッ…



時間が停止する。



「…!? なんだこれは!?」



突然世界が変革したことに驚愕するグラハム。



「ボディが…」
「…!」



俺はその隙に接近して



「ガラ空きだぜ!」

――ドゴォッ!



全力でグラハムの腹を殴り抜いた。



「~~~っぁぐぅ…!
 魔物の力…かぁ…!?」
「イツキ、来い!」
「え…キャッ!」



さらにイツキを拾い上げグラハムから離れる。

かなり力を込めたつもりだったんだが、
効いてはいるようだが決定打にはなりそうにない。
おそらく城の魔力で体も強化されているのだろう。

しっかり時間停止に耐性も持っているようだ。
だが初めての感覚によって隙を作ることはできた。



――カチリッ…



時間が動き出す。
それと同時に大量の魔力の喪失からくる脱力を感じたが、
それよりもイツキだ。



「大丈夫か、イツ…」
「なんで時間を止めたの!」



うぉい!?

助けたのに怒られた。



「こんなところで無駄に魔力を使ったらチャンスを潰すことになるだけだよ!」
「いや…だって…ほら…」
「僕だってそれなりの覚悟は…」



「ふ…ざけるなぁ!」
「「!?」」

――ズドドドッ…!

「貴様ごときが…貴様ごときがぁ!」



グラハムが魔力球を狙いをつけずに乱射してきた。
一発食らってキレたのか!?



「話は後だ! ともかく離れないでくっついてろ!」
「…わかった!」



イツキを肩に乗せ、
魔力球を避けながらグラハムに近づいていく。



「があぁぁぁっ!」



獣のように吠えながらこちらに魔力球を打ち込んでくるグラハム。
先程までのような精度の良さはなく、徐々にだが接近できる。

今度はもう素手でなんてやらない。
手加減は、しない。
クラウ・ソラスで叩き斬る。

間合いまではあと四歩。



…あと三歩。



魔力球が体をかすり服が破ける。



…あと二歩。



今度は胸にかすったがエバーシングによって守られた。



…あと一歩!






「消えろぉ!」






…やられた。

あと一歩、あと一歩の距離で魔力球を真正面に発生された。
当たる位置は腹。
ここまで近づいてしまえば避けられない…!



「蒼真!」



耳元から聞こえるイツキの声。

ああ、俺もこれだけ体が小さければ…。



あ…!






魔力球は俺の体に当たらなかった。



「なん…だとぉ…!?」



驚愕に眼を広げるグラハム。



――バサッバサッ…



とっさにオオコウモリに変身して避けたのだ。



――ポンッ…



グラハムの上で変身を解く。

体は重力に引かれ落下する。



「さっきいってたワープの隙だけど」
「ああ」
「相手が攻撃してきてる時、だよ」
「つまり今ですね、わかります!」

――ザシュッ!

「がっ…あぁぁぁ!?」



取り出したクラウ・ソラスで、
落下の勢いのまま俺はグラハムの体を切り裂いた。






**********






…くそっ…足りないか!

グラハムは咄嗟にスウェイして避けたようだ。
スーツは斜めに切り開かれているが、
中の体にはうっすらとしか傷がない。



結構覚悟決めて斬りかかったつもりだったが、
人を斬るということに対して俺の中の理性が…
…ないな。

そもそも人型の魔物も結構相手にしてきたし。



『馬鹿な…』
「へ?」
『なぜ貴様にその力があるというのだ!?』



突然外国語で話しだしたグラハム。
日本語でおk。



『認めん…ドラキュラは私なのだ!』

――ザクッ…ザクッ…!



…!

グラハムは突然自分の爪で自らの体を切り裂き始めた。



――ビシュッ…ビシュッ…



飛び散る鮮血に気分が悪くなる。



「おぇ…」
「気をつけて…なにかするつもりだよ!」



――ボコッ…



…!



――ボコッ…ボコボコッ…



グラハムの体が…変化していく。



――ボコボコボコッ…



グラハムの背中から大きな翼が生える。

…違う、翼じゃない。
これは…女の上半身?



それは一対の翼のように髪をなびかせた、
互いに向かい合った二体の巨大な女の上半身だった。

しかし胸のあたりから下端まで内蔵を露出させている。



「…うぶっ」



強烈な吐き気。
グロすぎる…。



グラハムはその二体の女の中心にある奇怪な肉の球体と融合している。



――フワッ…



その頭上から天使の輪のようなものが…訂正、
髑髏の連なった輪っかが浮かび上がった。



「…完全に化物だな」
「でも今までよりも強い力を感じる…」



『これが…力だ…』









「これが最後なんだ…派手にやってやるさ!」









・オマケ



「…城主の間はどこだ?」



迷子の迷子のベルモンド。






**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 エバーシング
他1 首蔵
他2 ゴールドリング

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

コンバットナイフ
ウィップソード
グラム
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
レーヴァテイン
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
ジョワユース
ダインスレイブ
アスカロン
クラウ・ソラス
やすつな(安綱)
妖刀村正
エクスカリバー
トールハンマー
ゲイボルク
ブリューナク
ロンギヌスの槍
カイザーナックル
シルバーガン

・防具

ぐんぷく
オルロックスーツ
てつのむねあて
ゴールドプレート
エバーシング
エルフのローブ
ブロッキングメイル
アーミージャケット

・アクセサリー

首蔵
真紅のマント
ゴールドリング

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
ポーションxたくさん
アンチドーテxたくさん






「クククッ…神を墓地に眠らせることがどれだけ恐ろしいことか教えてやろう!」

<死者蘇生>

「不死鳥は墓地より…」
「特殊召喚はできません」
「え?」



[20761] 暁月編73[決戦・玉座の間後編]
Name: ユージン◆ec605aed ID:5bc127e2
Date: 2011/05/15 14:52
**********



・前回のあらすじ



「来たな…」

「…?」



どこから…



「フハハハ、ここだ!」

「…!」



上か!

城の屋根裏に飛び乗る。

そこには先までの戦いで傷を負ったグラハムが立っていた。



「見るがよい!
 これからこの世界をおさめる気高き私の姿を!」



吠えるグラハム。



――ざわ…



なにをする気だ…?



「グッ…ググッ…」

――ブチッ…ブチブチッ…



グラハムの体が歪む。



「ゲッ…ゲコゲコッ…!」

――ビシャァァァ…!



飛び散る鮮血。



――ドベシャァッ!

「ゲロオオッ!」



変身…だと…!?



…バカヤロウが…!



「そんな姿にならなくってもなぁ…強くなれんだよ…!」






そうだろ、イツキ!






※あらすじには主に主観的なry
 基本的に意味なんて考えてなry



**********






目の前にそそり立つのは奇怪な肉のオブジェ。

向きあう巨大な白っぽい肌の女性の上半身。
その目と目は細い管のようなもので繋がり、
更に胸のあたりから露出した内臓が腹部で一体化し共有され、
巨大なひとつの物体となっている。

伸ばされた手の甲にはこちらを見据える巨大な眼球が埋めこまれている。

…そして中心部にある膨れ上がった肉腫に、
この肉の塊の主であるグラハムは融合している。



化物。

それはその言葉で表されるだろう。



『あ゛あ゛あぁぁぁっ!』

――ブンッ!

「うおぉぉぉっ!?」



絶叫とともに俺を引き裂こうと巨大な異形の手が振り回される。
それをバックステップで避ける。
巻き起こる豪風が俺の体を更に後退させる。

バロールと同じくらいのサイズだが…動きが速い。
当たればエバーシングがあっても先に内臓がもっていかれるだろう。



「くそっ…当たったらまずいな…」
「蒼真、腕、腕!」
「ん?」



イツキの声に腕を見る。

…右の前腕部がパックりと裂けていた。



「…痛ぉぉぉっ!?」



なんで?
当たってなかったのに。



「爪の周りに真空波が発生してるんだ! 気をつけて!」
「ぬ…!」
「気持ち大きめに避けるくらいでいいはずだから!」



ポーションで傷を治しながら距離を取って、
部屋の壁際まで後退する。

遠くから改めて見たグラハムの姿、そのシルエットは天使のようにも見えなくもない。

まったくなんの冗談だ。
ドラキュラは変身するものだ…ってか!?



あの姿になったグラハムは部屋の中心から動くことはできないようだ。
なんかいかにも私がボスなのです、みたいな感じでムカつく…!



「さすがにここまでは手も届かないみたいだな…」
「城主の間が広くて助かったね」



しかしどうしたものか。
遠くから地道に攻撃したほうが安全だとは思うが、
先の時間停止の所為であまり魔力が残っていない。
シルバーガンでも使ってみるか?



『ヘァハハハ…!』



グラハムはこちらを向いて届かないのにもかかわらず、
その手を伸ばしわきわきと動かし顔を歪ませて笑っている。

…とても正気には見えない。
あと手についてる目、こっちみんな。



――ブゥン…

「上からなにかくるよ!」
「…!」



イツキの声に上を見上げると、
先程までグラハムの頭の上を浮かび上がっていた髑髏の連なった輪が真上にまで来ていた。



――ヒュン…ヒュンヒュンヒュン…



高速で回転していく輪。



――バチッ…



それが放電を始めた。
輪の中心の空洞に電流が集まり膨れ上がっていく。

なんかやばい!



――バッ!



その場を跳び去る。



――バジジジジジジッ!

「…っ!」



それと同時に電撃が俺の居た場所に落下した。

遠距離用の分離型武器か!



「あれもグラハムが操ってるのか!?」
「わかんない…でもすごい威力だ…」



――ジュゥゥゥ…



城主の間一面に広がっていた石像の流す血の涙の後が、
電撃が落下した場所だけ蒸発し、絨毯を黒く焦がしている。

先程まで俺や奴の放った炎でも全く蒸発しなかった異常な液体だが、
それも関係なく消し去るとは…。



『ヨウコソォ!』

――ブォン!

「げっ…しまっ…!」



移動した先がグラハムの間合いに入ってしまっていた。

伸びてくる手。
その爪が俺の腹部に突き刺さる。



――ガギッ…!

「ぐぇ…」



くの字に体が折れ曲がる。
エバーシングによって体は守られるが、
衝突の衝撃が鎧の中身である生の肉体に激しく伝達される。



――ガンッ!

「うごっ…!」



そのまま弾き飛ばされ壁に激突する。

痛い…
頭がフラフラする。



「蒼真!」
「だびじょ…ぼ?」



壁にぶつかったときの衝撃で口の中が血だらけでうまくしゃべれない。



「げっ…ぶっ!」

――ベチャッ…



しかも血の塊まで吐いた。



――グラッ…

「蒼真!?」



これは…まずい…

自分の血を大量に見たのと血臭のせいで目眩がする。



――ヒュン…ヒュンヒュンヒュン…

「あの輪っかも来てるよ!」
「…!」

――バチッ…



しかももう帯電してるじゃねぇか!?
起き攻めってレベルじゃねーぞ!



「イツキ!」



肩に乗っていたイツキを掴んで投げ捨てる。



「なっ…キャァァァ…!?」



――バジジジジジジッ!



直撃した。



「うわぁぁぁぁぁぁ!」
「そ、蒼真ぁ!」
『ヘァハハハ…!』



イツキは無事のようだ。

だが俺の全身には衝撃が走る。



「あああ…あああぁぁぁ!」
「蒼真…蒼真ぁ!」



熱い…いや痛いのか。

身体中をミキサーで掻き回したらこんな痛みがするのではないだろうか。
ともかく辛い。






――シュゥゥゥ…

「ぅあ…」



電撃がやんだ。

それと同時に俺の体は膝をついて床に崩れ込む。



「蒼真、しっかりして!」
「ぁ…?」



近づいてきたイツキの方に目を向けるが、
それ以上体が動かない。
痛みでなにかを考えることもできない。



――ヒュン…ヒュンヒュンヒュン…



頭上でまた髑髏の輪が回転を始めるのが見えた。

ああ、またあれが来るのか。

逃げないといけないとなんとなくはわかるが、
体をかすかに動かすだけでも痛みが走る。



「がんばって、蒼真!
 あと少しなんだよ!」
「僕、もう疲れちゃったよ…」



自然と言葉が紡がれるが、内容は間違っていない。



疲れちゃったよ、俺。



この城でいろんな奴と戦ったけど、
なんとか今まで生きてきた。

でもそれは俺が強くなっていってたわけじゃなくて、
きっと運がよかっただけなんだ。

もう…だめぽ



『ヘァハハハ…死ねぇ!』






「遊園地に行くって約束したでしょ!?」






…!

意識が、醒める。



――バチッ…



「目を…キャッ!?」
「つかまってろ…」
「…! 蒼真!」



そうだ…
せっかく死亡フラグを立てたんだ…



「派手なことはさせてもらう…!」
『…!?』



――バジジジジジジッ!



電撃が落ちる。

だがそれよりも先に…



――バシュッ!



ヒポグリフのソウルによって、俺の体はグラハムの本体目がけて跳んでいた。



「ヒャァァァ!?」
「舌を噛むなよ…!」



イツキは吹き飛びそうになっているがなんとか肩につかまっている。
俺も身体中がこれ以上はマジでヤバい、って悲鳴を挙げているがなんとか意識を保つ。



『ムダダァッ!』



真っ直ぐに跳んでくる俺に対しグラハムは手を盾にして壁を作った。

やっぱりファイナルガードの時のようにはいかないか…!
だったら…



「真正面から…ぶち抜く!」



少ない魔力を振り絞り、
デビル、ルビカンテ、バロールのソウルを発動させる。



「っぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁ!」
『ヌゥ…!?』



接触。



――ブバッ!

『ナンダト…!?』



俺の体はグラハムの手を貫いた。

しかし魔力がついに底を尽き、ソウルの効果が切れる。



残ったのはヒポグリフによる加速だけ。



肉腫と融合したグラハムの目の前までそのままの勢いで浮かび上がる。



俺と奴の、目と目が合う。



アイツの目は驚愕に見開かれていたが、
目の前で悪魔化が解け元の姿に戻った俺を見ていたのか、
若干の安心が見えた。

…へへっ…!



「まだ…俺のターンは終了してない…ぜ!」
『…!?』



俺はグラハムのちょうど目の前を落下し始めていた。

だから…



「どぅるぁっ!」

――メキョッ…

『グガァ…!?』



落下速度を追加した頭突きをグラハムの額に叩き込んだ。



――ベチャッ!



そのまま俺の体はグラハムの体に何度かぶつかりながら床に落下する。



「ぶっ…甘っ…!?」



床に広がる血(のような液体)が口に入ってくる。



『グッ…グググッ…!』



…やっぱり無理だったか。
全力で殴っても大丈夫だったんだ。
さすがに頭突きじゃあ倒せないわな…。



額から血が流れていくのがわかる。



「蒼真!」



イツキが話しかけてくる。



「イツキ…お前は逃げろ…!」
「なにいってるの! 僕は君の半身なんだよ!」



ちっ…強情な奴だ…。

意識が遠のく中、こちらへ爪を振り下ろそうとするグラハムが目に入った。



『クッ…コンドコソ、コロシテヤル!』






まあ…独りよりは寂しくはないかな…









――パリンッ…

『…!?』

――パリンッ…パリンッ…

『ナンダ…ナニガオキテイル!?』
「…?」



…何だ?



――パリンッ…パリンッ…パリンッ…

「グラハムの体が…崩れていく…」



…なんで?

かすかに目を開けると城の魔力を噴出しながら体を小さくしていくグラハムが見えた。

体を起こそうとする。



「…痛っ…!」
「わ、わかんないけど今のうちにこれ飲んで!」



渡されたポーションを飲む。
イツキは俺の頭の上からポーションを盛大にぶっかけている。



――シュゥゥゥ…



傷が完璧とは言えないが治っていく。



…だいぶ落ち着いてきた。



『ナゼダァァァッ!?』



いつの間にかグラハムの体は元の人間の姿に戻っていた。



――ユン…ユン…ユン…



城主の間には崩れたグラハムの体から噴出した魔力が渦巻いている。

これは…かすかに感じる混沌…城の魔力か。
城の魔力を使って変身していたのか…。



『なぜ…なぜ!?』



グラハムはひとり絶望に染まった顔で頭を掻きむしっている。



『…!? まさか…そんな馬鹿な…ありえん!』
「…なんだよ…!」



突然こちらに目を向け吠えるグラハム。
くそっ…やっぱり何言ってんのかわかんねぇ…



――ユン…ギュン…ギュン…!



…!
城の魔力が強くなった!?



――ゴゴゴッ…!



城主の間の中心、グラハムの頭上に真っ黒な<なにか>が発生した。



「なにが起きているんだ?」
「信じられない…」



声に反応し目を向けると、イツキが驚愕を顔に貼りつけていた。



「イツキ、知っているのか?」
「混沌と…繋がる…」
「はぁ!?」



――ズゾゾゾッ…



グラハムの頭上のそれは、<穴>だった。



――ギュォォォッ…



その奥からは混沌の魔力が流れこんでくる。
同時に部屋の中の空気が穴の向こうに吸い込まれていく。



『ぬ…ぬわっ!?』
「あっ!?」



グラハムの体が浮かび上がり穴に吸い寄せられていく。



『馬鹿な、ありえん!
 私がドラキュラでは、無いというのかーっ!』



――ヒュォッ…



悲痛な叫び声だけを残しグラハムの体は穴の奥に消えた。



――ゴゴゴッ…!



…!
どんどん部屋の中の混沌の力が増えていく。



――ざわ…



「…!?」



何かが…流れこんでくる?



「…蒼真…!」



イツキも感じたようだ…当然か。
イツキの体は俺の魔力で構成されているのだから。



「…ぅぁ…」
「イツキ…!」



イツキのこの苦しみ方…
混沌の…



――ざわ…



…!?

なにか…来る…!



――ギュォォォッ!



俺の中に流れこんでくる!?



「う、うわぁぁぁぁぁぁ!?」






**********






城主の間には静けさが戻っていた。

混沌への道は閉ざされ、いるのはひとりの少年とひとりの半妖精だけ。






「…思い出してきた…なんで忘れてたんだ…!」






「来栖蒼真は…ドラキュラの転生体だ…!」









・オマケ



――ざわ…



「…この気配は…!」



やはり蒼真が…



ならば宿命は果たさねばなるまい…

許せ、蒼真…



※遅刻してきたベルモンド(というか現在進行形で遅刻中)






**********

・ステータス

来須蒼真(クルスソウマ)

・装備

防具 エバーシング
他1 首蔵
他2 ゴールドリング

・新しいソウル



・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

コンバットナイフ
ウィップソード
グラム
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
レーヴァテイン
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
ジョワユース
ダインスレイブ
アスカロン
クラウ・ソラス
やすつな(安綱)
妖刀村正
エクスカリバー
トールハンマー
ゲイボルク
ブリューナク
ロンギヌスの槍
カイザーナックル
シルバーガン

・防具

ぐんぷく
オルロックスーツ
てつのむねあて
ゴールドプレート
エバーシング
エルフのローブ
ブロッキングメイル
アーミージャケット

・アクセサリー

首蔵
真紅のマント
ゴールドリング

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
ポーションxたくさん
アンチドーテxたくさん






ドラキュラ的ワープは基本的にジャッジメントのやつみたいに瞬間移動みたいなのをイメージしています。
で、ワープ中も相手のことは見えている(もしくは感覚的に理解できる)と思ってます。
月下でアルカードがワープしてた時もプレイヤーは画面見えますし。
(単にプレイヤーのためだけで本人には見えてない可能性もありますが)



Arcadia投稿掲示板内の別作品を読ませてもらっていたところ考えたのですが、
感想掲示板への書き込みに対しては、きちんと名指しで返答したほうが良いのでしょうか?
他の作品の作者の方々はその方式の方が多いので、自分もそのようにしたほうがいいのか迷っています。



[20761] 暁月編74[覚醒]
Name: ユージン◆ec605aed ID:5bc127e2
Date: 2011/05/15 14:52
**********



・新ジャンルあらすじ・こんな覚醒は嫌だ





「そうか…そうだったのか…」
「どうしたのかね、来栖くん」
「有角警部、皆さんを集めてください。真犯人がわかりました」

――突然推理モノになる





「そうか…そうだったのか…」
「やっと会えたね…もう一人の僕」
「ああ、お前の勇気が俺たちを巡りあわせたんだ!」

――二重人格だ





「そうか…そうだったのか…」
「そうだ、この未来永劫の時の狭間で戦うために…!」
「此処から先は俺達だけで十分だ…イツキ、お前たちは…!」

――虚無る





「そうか…そうだったぶるぅあああ!」
「やめろ蒼真! 化け物になる気か!」
「我は神の代理人、神罰の地上代行者。
 我が使命は我が神に逆らう愚者をその肉の最後の一片までも絶滅すること…Amen」

――声優変更(cv.若本)










「蒼真くん! 今日は来てくれないかと…」
「何を言うんだ弥那。
 君は俺にとって特別な人だ。
 俺の最初の眷属だからな」
「蒼真くん…」

「蒼真! それではドラキュラと変わらない。お前は…」
「うるさいぞ、有角。
 俺はあの人を超えた。
 そう、すべての面であの人を越えるのだ。
 眷属も万でも億でも集めてやる。
 それから、他の吸血鬼を屈服させる。
 人間も魔物も俺の足元にひれ伏させるのだ」

「…だからいったろう、こんな奴に期待するなと」
「ハマー、もうお前の武器なぞいらん。立ち去れ」
「ふん、悪魔城も終わりだな」

「お前はどうするんだ、有角」
「…俺はお前について行く。それが俺の罰でもある」
「よし、ではイツキを捕らえてこい。
 アイツ、自分で悪魔城を攻略した気でいる。
 だれが魔王かじっくり教えてやらねば」
「城の眷属たちはどうする?」
「放っておけ。あの人の食いカスなど興味無い」

「蒼真くん…こわい…」
「大丈夫だよ、弥那。
 二人で永遠の宴を楽しもう。
 俺にはその力がある。
 フハハハッ…!」



――なんかハーレム作ろうとする






※以上、こんな覚醒は嫌だ、でした。
 まったねー(^o^)/



**********






キャッスルヴァニア暁月の円舞曲。
GBA悪魔城シリーズ第三弾、全体で四作目の探索型アクションゲーム。
闇の呪印にてサンジェルマンの言った、
<ドラキュラと人間の最後の戦い>
その後の時代、舞台を日本に移した作品。

主人公は…来須蒼真。
つまり今の俺だ。



そして俺はドラキュラの生まれ変わりとして魔王に覚醒した。



わかっていれば避けることのできた事態。



どうしてこんなことになったのか。


なぜいままで思い出せなかったのか。
なぜ今更思い出したのか。



頭がかき回されるようなほどの混乱。



――ざわ…



さらに先程から感じる巨大な悪意、混沌。
少しずつだが俺の中に入り込んで、俺という個を食いつぶそうとしてくる。



ここまででも十分大変なのだが、それよりも…



「…ぅぁ…!」
「イツキ…」



俺に流れ込んでいる混沌の影響を直接受けているイツキ。

以前に死神と戦ったときの苦しみとは比べものにならないのだろう。
今までに見たことのないほど激しい苦悶の表情を浮かべ、
血の広がる床に倒れこんでいる。

イツキの体を抱き起こし壁にもたれかかせる。



「…とっとと出てこい、有角」
「………」



俺の言葉に有角は静かに城主の間の奥から出てくる。



「蒼真、お前は…」
「悪いが呑気にシリアスやってる暇はないんだ。
 お前が何を考えてこうなるようにしたのは大体理解してる」
「なっ…!?」



相手が喋り始める前に先に話を断ち切る。
たらたらと話をしていてもイツキの苦しむ時間が長くなるだけだ。



「とにかく今俺がどうすればいいのか、それだけを簡潔に教えろ」
「…魔王となったお前に影響を与える邪悪な意思は、
 破壊と混沌を求める人間達によって作られたものだ」
「ああ、わかってる。
 だからその総意識である混沌を切り離せばいいんだろ?」
「そうだ。
 ドラキュラの魔力から生まれているこの城は精神世界そのものだ。
 だからこの城のどこかに混沌も存在する。
 そこに辿り着く資格があるのはドラキュラに目覚めたお前だけだ」



忘却の庭園にあった空間の歪みに囲まれた、
あの通ることの出来なかった場所のはずだ。



「…で、具体的にはどうすればいい?」



俺にある知識ではただ戦っただけだったが、
それだけで終わるようなものじゃないことはわかっている。

これまででも数回、混沌に触れてるんだから。
アレはそんなに生やさしいものじゃない。



「あとはお前が強く混沌を否定すればいい」



いや…そんな抽象的じゃなくてもっと具体的に…



「混沌と接触すれば自然とわかるはずだ」
「そんなもんかね…」



まあ信じるしかない。



「これを持って行け」
「これは…」



ソウルキーパーと…服?

ソウルキーパーはその場で壊す。



――ボシュッ

ブラックパンサー ソウルゲット



「かつてドラキュラが着ていた服だ。
 お前の魔力との親和性は高いはずだ」
「…鎧があるんだが」
「何かの役には立つはずだ」
「うーん…」



一応預かっておく。

というか親父の遺品軽々しく渡していいのか?



「俺は力を使ってお前に流れこむ悪意を押さえておく。
 さぁ、行け!」
「…まかせた」



…行くか。

おっとその前に…



「少しいいか?」
「…?」



城の力を使う。



――フワァ…






**********






――フワァ…

「…! これは…?」



空気が変わった…?



「あれ…?」
「…どうしたの、弥那ちゃん?」
「なんだかいきなり体が軽くなって…気持ち悪いのもだいぶ楽になったんだけど…?」
「(…城の影響がこの周辺だけなくなったの?)」






**********






「くっ…これは…」
「さすがに完全とはいかないけどマシになったはずだ」



弥那のいる周辺の、人間に悪影響を与えそうなものを除去した。

今の俺は城の内部のことが手に取るようにわかる。
まるで自分の体のようにだ。
故にこのような芸当もできる。

今の俺は本質的には人間を外れているのかもしれない。



「…あまり城の力を使い過ぎるな。
 今の城は混沌との繋がりが強くなっている」



そのことで負担がかかったのか少し声を強めていってくる有角。



「それでもこれくらいはわがままさせてくれ…」



弥那にもイツキにもこれ以上無理をさせるわけにはいかないんだ。



「それじゃあ、行ってくる」
「ああ」
「それと…」
「…?」



有角に言っておくことがあった。
振り向かずにその場で言う。



「城をでたらこれまでの仕返しはさせてもらうから覚悟しておけよ?」
「なっ…」



そのまま有角の姿を確認せずに俺は城主の間を飛び出した。






とりあえずイツキを弥那に預けにいこう。






**********






「行ったか…」



過酷な運命を俺の都合で背負わせてしまった。

だが…蒼真なら…



[城をでたらこれまでの仕返しはさせてもらうから覚悟しておけよ?]



「…フッ…後は信じるしかないな…」



――オォォォ…!



そのためにもここでこの悪意は食い止める…!






父上、蒼真が貴方と同じ道を進まぬことを信じます。






**********






「ただいま」



帰ってきた。
ブラックパンサーのソウルによって高速で移動できるようになったので、
想像以上に早く着いてしまった。



「おっ? なんでぇ、今回で終わりじゃなかったのか?」
「ちょっと隠しボスが出てきてな」



話しかけてくるハマーに適当に対応する。



「じゃ、ちょっと急いでるから…」
「…なぁ、なんかあったのか?」
「…!? ちょっとな…たいしたことじゃない…」
「大丈夫か?」



…自分が魔王になったということを打ち明けてもいいとも思ったのだが、
気がつけば俺は適当にはぐらかそうとしていた。



「じゃっ、また!」
「あっ、おい…」






**********






「ヘイ、ガール!
 俺が留守でも元気してたかYO!」
「えーっと…とりあえずおかえりなさい?」
「ユー、いきなりちょっとCoolじゃないYO!」



…また気づいたらふざけていた。



「…蒼真くん?」
「Oh、ヨーコさん…あいかわらずVeryビューティNE!」
「…ありがとう?」
「…すいません、ふざけすぎました」



ヨーコさんのかわいそうなものを見る目に口調をもとに戻す。

…っと、本題本題。



「弥那、ちょっとコイツ預かっといてくれ」
「…ぁ…ぅ…」



イツキを弥那に預ける。



「えっ…ってこれイッちゃん!?
 どうしたの、こんなに苦しそうにして!?」
「ちょっと体調崩しちゃったみたいでな。
 俺はちょっとまだやることができたから…」



そのまま素早く立ち去ろうとする。



「…蒼真くん、私に何か隠し事してない?」
「…!? そんなことないYO!」
「…そうだよね。蒼真くん、深刻な嘘はつかないもんね?」
「ぅ…」



…たぶん弥那は魔王になったことを伝えても俺を受け入れてくれるだろう。
だが、混沌との戦いで俺が負ければ…俺は…俺でなくなる。

さっきハマーに言えなかったのもそれが原因なのかもしれない。
自分でない自分になってしまう。
…人に言えるようなことじゃない。



「…じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃい…蒼真くん!」
「ん…?」
「必ず…帰ってきてね?」
「………」



俺は何も言わずに弥那のもとを離れた。






「蒼真くん…」
「…ヨーコさん」



少し離れたところでヨーコさんが待っていた。



「………」
「………」



沈黙が痛い。

…ヨーコ・ヴェルナンデス。
ヴェルナンデス一族の末裔。
現職の退魔師。

原作ではグラハムに刺された傷のせいでずっと眠っていたが…

もしかして…気づいてる?



「…はぁ…」
「…! (ビクッ)」



しばらくするとヨーコさんはため息をついた。

それだけでなぜかビビった。



「いいわ、私は何も言わない」
「な、なんのことですかね?」
「ただし!」
「…!? (ビクビクッ)」



なに、なんですの?



「弥那ちゃんのこと…泣かせちゃダメ。約束よ?」
「…! はい…!」
「それじゃ…気をつけて」
「行ってきます…!」



軽く手を振って見送ってくれた。

弥那を泣かせない…当然だ。
俺だってそう簡単に乗っ取られたりは…しない! …はず!



**********



「おい蒼真…」
「悪い、また今度…」



城に入る前にハマーに声をかけられたが、
これも適当に流して先を急ごうとした。



「蒼真!」

――ポーン

「うぉっ…!?」

――パシッ



突然投げつけられた小瓶を受け取ってしまい立ち止まる。



「いきなりなに…ってこれは…!?」
「もってけ、餞別だ。金は取らねぇ」



そういったあとハマーは後ろを向いて道具の整理をし始めた。

渡されたのは虹色の液体の入った小瓶、

エリクサーだった。



「ハマー…」
「もともと拾ったもんだ。前の財宝の分もまだ余ってるしな」
「…サンキュ。大事に使うよ」
「…無茶すんなよ」






そして俺は再び城の中に踏み込んだ。






**********






「…おかえりなさい、ヨーコさん」
「…ぁ…ぁぁ…!」
「その娘…かなりひどい状態ね…」
「うん…」
「ところで…」
「蒼真くん…嘘ついてた」
「…!」
「蒼真くん、嘘つくときいつもにも増してふざけるから…」
「弥那ちゃん…」
「でも、私も嘘ついてたから…蒼真くんも気づいてたのかな…?」
「………」
「…私は蒼真くんのこと、信じてるから」
「…きっと大丈夫よ」



あの子は約束したことを破るような子じゃないから…









・オマケ



「…これは餞別よ」

「え?」



――チュッ…



「…!?」

「フフフッ…まだ蒼真くんには早かったかしら…!?」



――ざわ…



「…! これは…混沌が…押し返されていく!?」



――ざわ…ざわ…



「蒼真くん…」

「み、弥那…さん?」

「ヨーコさんと…そういう関係だったの?」

「へぅぁ!?」

「み、弥那ちゃん…落ち着いて…」

「私は…私はこんなに…!」

「う…うわぁぁぁ…!」






※今回のオマケはフィクションだよ?






**********

・ステータス

来須蒼真EX(クルスソウマ)

・装備

防具 エバーシング
他1 首蔵
他2 ゴールドリング

・新しいソウル New

ブラックパンサー

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

コンバットナイフ
ウィップソード
グラム
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
レーヴァテイン
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
ジョワユース
ダインスレイブ
アスカロン
クラウ・ソラス
やすつな(安綱)
妖刀村正
エクスカリバー
トールハンマー
ゲイボルク
ブリューナク
ロンギヌスの槍
カイザーナックル
シルバーガン

・防具

ぐんぷく
オルロックスーツ
ドラキュラの服 New
てつのむねあて
ゴールドプレート
エバーシング
エルフのローブ
ブロッキングメイル
アーミージャケット

・アクセサリー

首蔵
真紅のマント
ゴールドリング

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
ポーションxたくさん
アンチドーテxたくさん
エリクサーx1 New






有角さんへのお仕置き募集。
とりあえず決定しているのは、まずウサミミの刑。



[20761] 暁月編75[王の力]
Name: ユージン◆ec605aed ID:5bc127e2
Date: 2011/05/15 14:51
**********






・新ジャンルあらすじ・お仕置き編予告



「イケメン☆ビーム!」
「なんで俺まで…」



「落ち着くんだウサミミ…いや有角!」
「離せ! 俺を死なせてくれ!」
「そうよ。落ち着いて、ウサミミ…プッwww」
「う…うおぉぉぉ!?」



「まだ俺のエフェクトは続くぅ!
 俺は感想掲示板のお仕置き案の数だけ追加攻撃できるぅ!」
「やめたげてよぉ! もう有角さんのライフはゼロよ!」
「HA☆NA☆SE!
 これが(チラ裏で)生き残るための俺のあがきだぁぁぁ!
 アルカード・オシオキ・バースト! グォレンダァ!」



「…有角さん、息してないわ!」
「なにぃ!?」



大体そんな話になる予定。



※お仕置き編の投稿は本編終了後になります






**********






――ヒュドォォォ…



ブラックパンサーのソウルを使って城の中を走る。



ブラックパンサー。
特定の姿を持たない流状生物で様々な形状に姿を変えられる魔物。
普段は黒豹の姿が多い。
それなんて三つのしもべ?



これを床に這わせ上を走る事によって、俺は爆発的な推進力を得ている。
地面の凹凸を無視でき、異常にグリップ力の強いかつ高速の、動く歩道。
その上を走っているようなイメージをしてもらいたい。

更に、



――ガスガスガス!

「ウボァー!?」
「プギャー!?」
「ムリョー!?」



城の中を走る俺に襲いかかってきた魔物たちが吹き飛ばされていく。



走っている間は衝撃波を発生させてくれるので、
ゾンビなどの脆いものは吹き飛ばしながら走れる。



…もっと早く欲しかった。






**********






――ズガァァァン!

「…っん…!」



手元で起きた爆発の振動に少女は顔をしかめた。



――ガコンッ! プシュゥゥゥ…



少女が手に持つ <突起がいくつも突き出した筒のようななにか> (他に形容しがたい形状をしている)から、
<薬莢のような物> (一般的によく目にする形状だが異常に大きい)が弾きだされ、
あたりに黒い煙が立ち込める。



「…ふぅ」



軽く息をつき、自らの起こした現象の結果を確認する少女。



彼女の目線の先。
石の壁に出来ていたのは巨大な穴だった。



「(…失敗かな?)」



隣の部屋まで繋がった穴。
崩れた壁の瓦礫の中に青白く光る細い棒。
煉獄闘技場より彼女が(勝手に)持ち出したユニコーンの角である。



ユニコーン
伝説に名を残す一角獣。
その角は強靭で、大木をも一突きに貫く。
だが、一般には解毒効果等の方が有用であるため、
武器に使ったりするなど酔狂の域でしかない。



彼女の持つ筒(略)、…パイルバンカーをよく見ると、
発射口とおぼしき場所から捩じ切れた金属片が顔をのぞかせている。
おそらく本来は留め金に、
先の杭である角が引っかかり止まる予定だったのだろう。
予想外の威力にそのまま杭は飛んでいったようだが。

本来の標的であった適当な台に置いたメロンは下半分を残し完全にはじけ飛んでしまっている。



――パク…

「…おいしい」



少女はそれをスプーンでつつきながらこれからの事を考える。



「(…留め金はもっと強化するにしても…やっぱり角自体にも加工は必要かな?)」



魔物のあまり通りかからない場所を選んでこのような実験を繰り返すのは、
彼女の日常となりつつあった。






――ヒュドォォォ…



「…!?」



風を切り裂くような音に彼女は驚き飛び上がった。



「(…何かが…くる?)」



彼女はまだ熱を持った筒と杭をスカートの端でくるんで持ち上げ、物陰に隠れた。






――ザッ…

「(…あ…!)」



彼女は現れた人物を見て喜び、顔を綻ばせた。



「…ここはどこだ?」



それは彼女の憧れの人間であったからだ。



――ざわ…

「…っ!?」



だが、彼女は彼の前に姿を表すことができなかった。



――ざわ…ざわ…



彼から感じられる気配が、以前とはまるで変質していたからだ。



それは魂の奥底からの本能的な直感であった。
今の彼から感じる威圧感。



「(…怖い…怖い?)」



その原因を生まれてまもない彼女は知る由もない。



――ガタッ…

「(…あっ!?)」
「ん? 誰だ?」



恐怖に負け、不用意に身動ぎした彼女の立てた音。
それは彼の気を引くのには十分な音だった。



「…ひっ…!?」



恐怖に息を飲む音が彼女自身にも聞こえていた。






**********






「…ここはどこだ?」



華麗に迷子。

いくら自分の体のように城のことがわかるとは言っても、
細かい部分に関しては背中のホクロの場所を調べるようなものだ。

…大人しく地図を見よう。



――ガタッ…



…?



「誰か居るのか?」



変に強力な魔物でも出ない限りは大丈夫だと思うが…



「…ひっ…!?」
「…あれ?」



まじょみならいじゃないか。
それもいつもの。



「こんなところでどうしたんだ?」
「…ぁ…ぅ」

――ポテンッ…



腰を抜かしてへたり込むまじょみならい。

…驚くほどに怯えられてるんだが、泣いてもいいかな?

って、ああ…



「…魔王、か」



さっきから襲ってくる魔物の様子がおかしいと思っていた。
(まぁほとんど吹き飛ばしていたからじっくり見ていないが)
魔王の力に対して魔物の本能が畏怖の念やらなんやらを抱かせるのだろう。

ふむ…



――ザッ…

「…!?(ビクッ)」



まじょみならいに歩み寄る。

俺を不安そうに見上げる二つの綺麗な瞳。
ちょっと涙ぐんでいる。



「(なんだかいじめてあげたくなるような…っと、いかんいかん!)」



今のはきっと混沌の影響だ。
おのれ混沌!



――サッ…

「…っ!」



俺の手が軽く動いたた瞬間に彼女は目を固く瞑ってしまった。



――ポフッ…

「…ぇ…?」



頭に軽く手を載せる。
不思議そうな声を出して彼女はゆっくりと目を開けた。



「驚かせてごめんな?」
「………」



軽くしゃがんで目線を合わせてあげる。



「…うん…私も…ごめんなさい」
「ん、いい子だ」

――ナデナデ…

「…ぁ…♪」



ん~、懐かしいな…ほんと弥那の小さいころを思い出す。
…もう大丈夫だな。



「それじゃちょっと急いでるから」
「…ぁ」



手が離れた瞬間、残念そうな顔をされたが、
さすがにいまは時間に余裕が無い。
地図はどこにやったか…PITを見たほうが早いか?



「…約束」
「ん?」
「…約束、守ってね?」



約束…ここに来てからたくさん約束してるような気がするなー。



「ああ、いつかちゃんと会いにくるさ」
「…うん♪」



地図を確認し忘却の庭園へと急ぐ。



…たまたま壁に空いていた穴が近道になっていた。






**********






――ザッ…

「…!?(ビクッ)」



彼が近づいてくる。
私へと、真っ直ぐに。



怖い、逃げ出したい。
でも足は動いてくれない。



――ザッ…



彼はもう私に手が届く距離まで来てしまっている。



――サッ…



彼の手が、動く。



「…っ!」



とっさに目を瞑る。



――ポフッ…

「…ぇ…?」



頭に何かが載せられた感触。
それ以外何も起きなかった。



「驚かせてごめんな?」
「………」



彼はわざわざしゃがんで目線を合わせて私に言ってきた。

ああ、彼から感じていたこれは <恐怖> なんかじゃない。
自分より圧倒的上位の存在に対して感じる <畏敬> の念だ。



「…うん…私も…ごめんなさい」
「ん、いい子だ」

――ナデナデ…

「…ぁ…♪」



温かい手。
大きく、私を包み込む。






いけない…もう…私は…この人に…






「それじゃちょっと急いでるから」
「…ぁ」



手が、離れる。



彼は服から小さな鉄の箱を取り出し、それ見つめ何かをしている。



…そうだ。



「…約束」
「ん?」
「…約束、守ってね?」



[また会いに来てくれますか?]



「ああ、いつかちゃんと会いにくるさ」
「…うん♪」



その言語だけで、私は天にも昇る気持ちになってしまった。



それから彼は壁の穴を通って去っていった。



「…♪」






私は今とても幸せだ。



彼との約束があるから。






**********






――ヒュドォォォ…

「ん…あれは…?」



訓練中だったヴァルキリーは見知った顔が風の如く走り去っていくのを見かけた。



「あれって確かこの前の人間ですよね?」
「ん…ああ」



訓練に付き合っていた別のヴァルキリーが声をかける。

もう一度目を戻すと彼は彼女たちの前をちょうど通り過ぎる頃だった。



――チラッ

「…!?(ドキッ)」



その目線が、ヴァルキリーに向いた。



――ヒュドォォォ…



だが彼は立ち止まらずそのまま走り去っていった。



「(な…なんだ…今のは…?)」



彼女に心臓と言えるものがあるのかは知るすべはないが、
もし仮に彼女が人間であったのならば、
それを心の臓が高鳴った、と表現できるだろう。



――ポォ~…



なんとも気の抜けた表情になっていたヴァルキリーだが、



「はぇ~…カッコイイ…」
「…!?」



もう一人のヴァルキリーの声に意識を取り戻す。



「待て待て待て! 奴は決してそんないいものではないぞ!」



とっさに知人が間違った道に進まぬように忠告する。



「でも貴方に勝てるくらいだから、とっても強いんですよね?」
「うぐ…!」



実際に彼女は彼に負けているため何も言えない。



「あんなにかっこ良くて強いなんて…惚れちゃいそうです…」
「!?!?!?」



惚れる。
その単語に彼女の顔は真っ赤になった。

ヴァルキリーの中でも純粋な戦闘力(ただし真正面からの打ち合い)については最上位にいる彼女。
だが他の魔物娘の例に漏れず、男性経験など無い。



「…? どうしたんですか?」
「やめておくんだ! これは忠告だ!」
「…もしかして貴方も狙ってるとか?」
「ブッ…ゲッ…ゲホッ…な、なにを…!?」
「さすがにないですか…まぁアレだけやられて好きになるってことも無いですもんねぇ…」
「…ぁぅ…」



他のヴァルキリー達には彼に負けたこと(ついでに白濁粘液まみれにされたこと)は伝わっている。



「…! 実は酷いことをされるのが好きだったり!?」
「…!? そ、そんなこと…」



そんな話をしているうちに、



「二人で何やってるんですかー?」
「幻夢宮でお菓子もらってきたんで、休憩がてら一緒に食べません?」



他にもヴァルキリーが集まってきて、



――キャーキャー、ワイワイ



…悪魔城。
退魔師が入ってこない限りは魔物がコミュニティで暮らすには、わりかし平和な場所である。






**********






「ここか…」



――ドドドドドドッ…



忘却の庭園。
空間歪曲の起こるこの場所。

その一角に黒い歪みに道を塞がれた部屋がある。



[ここは良くない場所だ]



イツキはあの時この奥の良くない物に気づいていたのだろうか。

今なら俺にもわかる。



――…ォォ…ォォォ…!



この先に混沌はある。

それに俺は打ち勝たなくてはならない。



「…いくか」



――ドドドドドドッ…



歪みが裂けて道ができる。



――ザッ…



足を踏み入れる。



そういえば今更戻った原作知識。

正直乖離が激しすぎて参考になりそうもない。
だが少なくとも俺以前の <過去> については、
俺の知っていることが起きたというのは間違いないようだ。

つまり原作からの乖離が起き始めたのは俺が生まれてからの <未来> なのかもしれな…



「待て!」
「…?」



背後からの声に思考を中断し振り向く。



「やはりお前だったか。
 信じたくは無かったが…」
「…わーぉ」



…ズレているとは言っても少しくらいは参考にするべきだったか。



「ユリウス…」
「ドラキュラは倒さねばならん。
 それが俺の宿命だ」






最強のバンパイアハンターが俺の目の前に現れた。









・オマケ



「…ぅ…ぅぅ…」

――キラッ…



「あら…これは…ルーンリング?」
「え?」
「この指輪よ。刻まれてる文字によっていろんな効果が出るの。
 もしかしたらこれのおかげでこの程度で済んでるのかもね…」
「蒼真くんがあげたのかな…」
「えーっと…刻まれてるのは…
 生命、保護、愛情…愛情!?」
「…!?」



※結婚指輪に刻むことも多いとか
 離婚率が二割ほど下がる






**********

・ステータス

来須蒼真EX(クルスソウマ)

・装備

防具 エバーシング
他1 首蔵
他2 ゴールドリング

・新しいソウル

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

コンバットナイフ
ウィップソード
グラム
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
レーヴァテイン
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
ジョワユース
ダインスレイブ
アスカロン
クラウ・ソラス
やすつな(安綱)
妖刀村正
エクスカリバー
トールハンマー
ゲイボルク
ブリューナク
ロンギヌスの槍
カイザーナックル
シルバーガン

・防具

ぐんぷく
オルロックスーツ
ドラキュラの服
てつのむねあて
ゴールドプレート
エバーシング
エルフのローブ
ブロッキングメイル
アーミージャケット

・アクセサリー

首蔵
真紅のマント
ゴールドリング

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
ポーションxたくさん
アンチドーテxたくさん
エリクサーx1






魔王の能力
それはナデポ及びチラポとかニコポ(対魔物限定)
ちなみに女性型以外にも効果がある



[20761] 暁月編76[宿命]
Name: ユージン◆ec605aed ID:5bc127e2
Date: 2011/05/15 14:51
**********






・前回のあらすじ



う~、混沌混沌

今、混沌をもとめて全力疾走している僕は
高校に通うごく一般的な男の子

強いて違うところを挙げるとすれば
ドラキュラの転生体ってところかナーー

名前は来須蒼真(クルスソウマ)



そんなわけで
忘却の庭園にある
混沌へと続く部屋に
やって来たのだ



ふと見ると
ベンチに一人の退魔師が
座っていた



ウホッ! いいヴァンパイアハンター…



そう思っていると
突然その男は
僕の見ている目の前で
ヴァンパイアキラーのホックを
はずしはじめたのだ…!



「やらないか」






※さぁ、よいこのみんな、集まれーぃ!
 みんなそろそろあらすじとか、飽きちゃってry






**********






――ヒュオォォォ…



異次元空間に浮かぶ部屋。
その部屋は渡り廊下のそうな物で壁などはなく、城の外の世界を一望することができる。

探索中に外壁で見た城を取り囲んでいた黒い雲はどこにいったのか。
城の外は満月さえはっきりと見えるほどに澄みきっている。
(日食の中にいるはずなんだが)
…あと満月の隣に逆さ城があるような気がするが俺は気にしない。

本来部屋の天井を支えていたのであろういくつもの並んだ柱は崩れ落ち、
その機能を失っているが部屋が崩れる心配はないだろう。
悪魔城なら仕方がない。



まぁ、そんなような場所で二人の男が対峙しているわけだ。



「ドラキュラは倒さねばならん。
 それが俺の宿命だ」

――パシンッ!



俺の目の前には36年前にドラキュラを完全に滅ぼした男がいる。
ユリウス・ベルモンド(55)だ。
鞭が地面をたたき、空気の弾けるような音を立てる。



――ビリビリッ…



間違いない。
あれがヴァンパイアキラー…
本能的にアレに危機感を抱いている。
触れれば一瞬で浄化されてしまいそうだ。



――ガクガクガクッ…



ふふふっ…震えが止まりません(笑)



そしてそれを扱うベルモンド。
悪魔城が発生すれば、それを一晩のうちに消滅させる超次元戦士。
すでに人間の枠を外れているのは間違いない一族だ。



それと俺が戦う?

それなんて無理ゲー?






さぁ、ここで問題だ。
やる気満々のユリウスを相手にどうするか?

3択―ひとつだけ選びなさい

1.ハンサムな蒼真は説得を試みる
2.有角に全てを押し付ける
3.戦闘は避けられない。現実は非情である。






――1.の場合

「確かに俺はドラキュラの転生体らしい…
 だけど俺はドラキュラじゃない!
 俺は俺、それ以上でもそれ以下でもないんだ!」



…完璧なセリフではなかろうか。
ああ、自然と心にもない言葉がポンポン浮かんでくる自分が恐ろしい…。



「だがお前から感じる強い暗黒の力、
 それはドラキュラのものと同じだ」



アルェー?



「だからといって…」
「それはお前がドラキュラになってしまったということだ。
 お前がどんなに否定しても、だ…!」
「…!」



…だめだ、予想以上に頭が硬いらしい。
所詮は脳筋一族なのか…






――2.の場合



「まず俺の話を聞いてくれ。
 これは全て有角が仕組んだことだったんだ!」
「なに…?」
「有角は俺を魔王として目覚めさせ、その力を利用しようとしている!」
「………」
「俺はなんとか奴をあの混沌の奥深く中心に追い詰めることができた。
 あと少しなんだ。
 それにはユリウス、アンタの協力が必要なんだ!」
「…蒼真、さすがに無理があると思うぞ」
「…俺もそう思う」



ですよねー。






――3.の場合…



「もう十分だろう…始めよう」
「やめてくれ!
 金ならいくらでも払う!」
「…問答無用! 行くぞ!」
「う…うわぁぁぁ…!?」



キ…キタァァァ!?



答え―3. 答え3. 答え3.…






**********






――カンカンカンッ…!

「タアァァァッ!」
「ふぬぁぁぁっ!」



固い物体の打ち合う甲高い金属音。
その音を発している獲物は二つ。

ひとつは聖剣クラウ・ソラス。
もうひとつは聖鞭ヴァンパイアキラーである。

… <鞭> である。



一体何でできてやがるんだ!?



「ハァッ!」
「ぬおぉぉぉ!?」

――ガキンッ!

「ぬぅ…!」
「へっ…!」



俺は半円を描いて迫り来る鞭をギリギリで受け止め…



――グォンッ!

「うならぁぁぁ!?」



…れずに弾き飛ばされる。



ありえねぇ!?
鞭がバロールとかの拳と同じくらい重いんですけど!
物理法則もあったもんじゃねえ!



「ゆくぞっ!」
「こっちくんな!」



鞭を真っ直ぐに撃ち出しながら、
再びユリウスは接近してくる。



――カンッ! カンカンカンッ…!

「くっ…!」



連続して撃ちだされるヴァンパイアキラー。
クラウ・ソラスの大きさを利用して逸らし続けるが、
どうやっても捌ききれずカスっていく。



――ジュゥゥゥ…

「うぐっ…」



ヴァンパイアキラーのカスった場所が焦げて煙を上げる。

不完全とは言え魔王。
聖なる鞭は俺を排除するのにもしっかり力を発揮するようだ。

まだ人間のつもりなんだけどなー!



「どうした蒼真!
 お前の力はそんなモノではないだろう!?」
「…!」



…違和感。

なんだろう。



――カンカンカンッ…



鞭を捌きながら考える。






…捌きながら?
ベルモンドの鞭を?

いくら脚色があるとは言え、
ドラキュラと戦い続けてきた一族だ。
俺程度が片手間に戦える相手とは思えない。



「…ちっ!」

――バッ!

「なに!?」



俺はクラウ・ソラスを首蔵に仕舞いこみ、、
撃ち出される鞭に無防備な体を晒し上げた。



「くっ…!」



ユリウスの動きが鈍った。

やはり…



即座にクラウ・ソラスを取り出し、
直線的に撃ち出された鞭を弾き返し、
そのまま下段から斬り上げる。



――ブンッ!

「むっ…!?」



力の入っていなかったそれだが、
ユリウスは大きく跳び退さって避けた。



――ザッ…



距離が開く。



今…これが最後のチャンスだ!



「くっ…まだまだ…!」
「もういい」
「…!?」



静かに、まるで聞き分けのない子供にゆっくりと言い聞かせるように言う。



「俺には分かる。
 ベルモンドの力はこんなもんじゃない」
「………」



言葉にしてそれが確信に変わる。
俺の中のドラキュラの魂がそう言っている。



そう、俺は手加減をされているのだ。



「アンタだって迷っているんだろ?」
「………」



これはつまりユリウスも迷っているということに他ならない。



「このまま戦いを続ければ…俺はその迷いを利用するよ。
 だから…」



こんな無意味な戦いは…



「…わかった」



ユリウスは鞭を持つ手から力を抜いた。

やっと…やっとわかってくれたか!






「このままではお前も本気を出せないということだな…」









え?









「はあぁぁぁぁぁぁ!」

――ドドドドドッ…!



ユリウスは鞭を目の前まで持ち上げ吠える。
その体からは肌を突き刺すような波動が放たれ、
空気が更に張り詰めていく。



――ビキッ…ビシビシッ…



…!?
ヴァンパイアキラーが…!



――ビシビシッ…



鞭の表面が崩れていく。



――パリーンッ…!



…嘘だろ?



…強化アイテムでも取ってきたんですか?

鞭が鎖製に変わっていた。



――ビリビリッ…!



…!

肌を突き刺す圧倒的な威圧感。
まるで今までは力を封じ込められていたかのよう…な…

…マジで?



「…これがヴァンパイアキラーの真の姿だ。
 いくぞ蒼真…いや、ドラキュラ!
 ベルモンドの力…とくと味わえ!」






どうしてこうなった。









**********

・ステータス

来須蒼真EX(クルスソウマ)

・装備

防具 エバーシング
他1 首蔵
他2 ゴールドリング

・新しいソウル

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

コンバットナイフ
ウィップソード
グラム
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
レーヴァテイン
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
ジョワユース
ダインスレイブ
アスカロン
クラウ・ソラス
やすつな(安綱)
妖刀村正
エクスカリバー
トールハンマー
ゲイボルク
ブリューナク
ロンギヌスの槍
カイザーナックル
シルバーガン

・防具

ぐんぷく
オルロックスーツ
ドラキュラの服
てつのむねあて
ゴールドプレート
エバーシング
エルフのローブ
ブロッキングメイル
アーミージャケット

・アクセサリー

首蔵
真紅のマント
ゴールドリング

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
ポーションxたくさん
アンチドーテxたくさん
エリクサーx1






鞭はバンパイアキラー、ヴァンパイア・キラー等、
作品ごとに表記ゆれが起こることがありますが、
本作品内では今後 <ヴァンパイアキラー> で統一させていただきます。

有角さんのお仕置き案は今回の投稿日時を持ちまして締切りとさせていただきます。

今回ちょっと短めで申し訳ないです。



[20761] 暁月編77[最強のヴァンパイアハンター]
Name: ユージン◆ec605aed ID:5bfc021b
Date: 2011/05/15 14:50
**********






・前回のあらすじ






(^q^)やっちまったwww

ベルモンドが本気とかwww

うぇwwwうぇwww



\(^q^)/俺オワタwww






※今回のあらすじは蒼真の脳内イメージです。
 作品との関係を保証するものではありません。






**********






――ドドドッ…



ユリウスから放たれる圧倒的な威圧感。
…それは <殺意> 。

ドラキュラを倒すため。
それだけのために伝えられてきたベルモンドの業とも言える聖なる力。
それが俺に向けられている。



…なぁにこれぇ?



「…って待てよ!
 もう一回状況をゆっくりと考えて…」

「行くぞ…!」

――スッ…



…!
ユリウスが消え…!?



――ゾクッ…



背後から感じた悪寒。
それに正直に従い前方に体を投げ出し跳び退く。



――ドスッ…



鈍い音。
転がりながら音の正体を見る。

俺の居た場所に斧が刺さっていた。



「ちょっ、おまっ!?」
「…よく避けた」



俺のさっきまで居た場所、
その死角となる位置にユリウスは立っていた。



「…アンタのほうがよっぽどバケモンだろうが!」



魔力も気も一切感じなかった。
たぶん今の瞬間移動は単純な体捌きがそう見えただけだった、ってことだ。
…ありえん。



「まだまだ…ベルモンドの力はこんなモノではない!」



そう言いながら俺に襲いかかるユリウス。



「~っくっそぉ!?」



もう後戻りはできない。
やるしかない…!






そうして俺は最強のヴァンパイアハンターと戦闘を開始した。



もう一度だけ言っておく。

どうしてこうなった。






**********






「光りあれ!」

――ヒュンヒュンヒュン…



回転しながら飛んでくる十字架。



「うおぁぁぁ!?」



それを体を反らして避ける。

確かあの十字架はアックスアーマーの斧と同じように戻って…



「たぁぁぁっ!」
「なっ…!?」



目の前にユリウスがいた。
その右足が俺の腹部に突き刺さる。



――ゴッ!

「ぉぶっ…」



鉄板でも仕込んであるのか異常に硬い靴の裏と俺を守るエバーシングがぶつかり音を立てる。
水下に起こった衝撃で吐きそうだ。



そのまま弾き飛ばされる。



「(まさか格闘戦を仕掛けてくるとは…)」



ベルモンドの力は鞭だけじゃないということか。

まあいい。
とりあえずこの勢いを利用して距離を…



――ヒュンヒュンヒュン…

「…!?」



なん…だと…!?

吹き飛ばされた先には、
十字架が狙いすましたかのように飛来していた。



「しまっ…!?」



接触。



――バリバリバリッ!

「ぐぁぁぁ!?」



十字架に込められた聖なる力が俺の体を焦がす。



――シュゥゥゥ…

「ぐっ…くそっ…」



なにその格ゲーみたいなコンボ。
現実でやるあたりがとってもベルモンド!



ユリウスは手元に戻ってきた十字架を腰の金具に手早く取り付けながら、
こちらに向かって走り寄って来ている。

中・近距離戦は勝ち目がない…
なんとか距離を開けないと!



「行け!」

――ヒュォッ…



火球を生み出し撃ちこむ。
威力は対魔物用のものと同程度。
この程度じゃ足止めにしかならないだろうけど…

撃ち出した火球は4。
3つは正面・左右から取り囲むように、
1つは正面の火球に隠して上方の死角からユリウスを狙う。



――ゴォォォッ…

「…!」



…よし。
足が止まった。



「はぁぁぁっ!」



ユリウスは鞭をまるで新体操のように自分の周りに回転させた。



――ブワッ!



鞭から巻き起こるエネルギーが3つの火球をかき消す。

それができるあたり大概バケモノだとは思うが…



「(…今!)」

――クンッ…



最後の火球がユリウスの真上から降り注ぐ。



「…ぬっ!」
「食らえ!」

――ゴォォォッ!



直撃コース…やったか!?
…あ。



「甘い!」

――ガシュッ!






工エエェェ(´д`)ェェエエ工

ユリウスは右の拳で火球をはじき飛ばした。
鞭いらねえよ、アンタ。



「ぐっ…、はぁぁぁっ!」



…!

その後すぐに鞭を撃ち出してきたユリウス。
だが鞭を握る前にかすかに顔が歪んだ。

大丈夫…さすがに当て続ければダメージはあるようだ。



鞭を避けるために大きく飛び退き、再び距離を開ける。



「へっ…!」



遠距離から狙い撃ちだ!



「裂けろ!」

――パチンッ!


真空波がユリウスの周りに飛来する。
八つ裂きに…違った、行動不能まで追い込んでやる!



「ぬっ…!」

――スッ…



ユリウスの姿が消えた…
また瞬間移動か!



――スッ…

「てやぁぁぁ!」
「ぬぉぉぉ!?」



目の前に現れたユリウスが鞭を撃ち出す。



――バシッ!

「くっ…」



エバーシング越しに俺の胸を打ったヴァンパイアキラー。

ふっ、さすがエバーシング。
なんともない…



――シュゥゥゥ…



ん?



――ジュォ!

「ぐがぁぁぁ!?」



俺の体に異変が起きた。



「ぬぐぉぉぉ!?」



熱い!
焼けてる!?
これ焼けちゃってるよぉ!?

エバーシングによって守られたはずの俺の胸には炎がついたかの如く熱が発生していた。



「ヴァンパイアキラーの真の力…鎧程度で防げると思うな!」

――シュパンッ

「~っ、ぬ…ぐぅぅぅ!」



説明しながらも鞭を撃ち出してくるユリウス。
俺は大きく飛び退き距離を開けようとする。



「無駄だ!」

――ジャリ…

「…!?」

――ジャリリリ…!



鞭が…伸びたー!?



「ふっ…ぬん!」



着地と同時に体を捻り鞭の射線上から逃れる。



――ビシッ…

「痛っ…!」



頬を掠めていく鞭。
傷が熱を持つ。

ギリギリ…セーフ…



「無駄だといっただろう!」

――グンッ!

「…ぃ!?」



俺の横を通りすぎていった鞭の先端。
それが鋭角に方向を変え俺に向かってきた。

ありえ…マズい!



――バシーンッ!

「~っ!?」



背中に起こる衝撃。



――ジュォォォ!

「ぐぁぁぁ!」



俺の体が焼ける。
いや、壊れていくのがわかる。

これがヴァンパイアキラー…
これ以上は…マズい…。



「ぅ…くっ!」

――タッタッタッ…

「…! 待て!」



べっ…別に逃げてなんかないんだから!
足をユリウスと逆の方向に向かって交互に突き出しているだけなんだから!



部屋の出口へと走る俺。



「(とにかく一度体勢を立てなおして…)」
「逃がさん!」

――パリーンッ!

「…!?」



ユリウスの投げたなにかが俺の足元で壊れてはじけ飛ぶ。



――ゴォォォ…!

「ぬわぁぁぁ!?」



それが巨大な蒼い炎をあげる。



「熱っ!? 熱ちちち!?」



これは…聖水!?



聖なる炎によって焼かれ俺は部屋の中へと転がり戻る。



――ベシャッ…



「づぁ…!」



満身創痍…
たった数発あたっただけで俺の体は張り裂けそうなほどのダメージを受けてしまっている。

またこんな目にあうなんて…



部屋の出口は聖水から発生する炎によって塞がれてしまった。



「決着はここでつける…逃しはしない!」
「ぐっ…!」



退路はない。

ユリウスが近づいてくる。



「これで…終わりだ!」

――ヒュォォォ…!



ユリウスの振るうヴァンパイアキラーが俺へと襲いかかる。



「(…ちくしょう…!)」



これがあたったらもう…








――キラッ…









…!?
あれは…



<希望> を見つけてしまった。
…だが、ある意味では <絶望> 。



また一か八か、か…



ヒポグリフのソウルに魔力を込める。



「…むっ!?」
「…ぃっけぇ!」

――ダンッ!



ユリウスに向かってヴァンパイアキラーのすぐ横を飛翔する。



「…はぁ!」



ユリウスが手を動かしヴァンパイアキラーが俺の体を打つ。



――ジュォォォ…!

「ぁっ…がぁ…!」



だが単純に加速された俺の体は止まらずユリウスと接触する。



――ゴッ!

「ぐっ…!」
「ぐぁっ…!」



そして双方はじけ飛ぶ。



――ドサッ…



「くっ…やってくれる…!」



ユリウスにさほどダメージはなく俺には大ダメージ。



だが俺の目的は…



「…盗ったぜ」
「…それは!?」



――オオォォォ…!



混沌からの影響を受け、
激しく鳴動するそれを俺は装着する。



イツキ…耐えてくれよ…






カオスリングを装備した。






**********






「ぅ…ぅぁあああ!?」
「…!? ヨーコさん!」
「これは…!?」



激しい悲鳴をあげる半妖精。
体を蝕む黒い痣は急激に勢いを増し、彼女の白い肌を覆い隠していく。

…この娘の体を構成しているのは彼の魔力。

まさか…蒼真くん…






**********






――オオォォォ…!

「ぐっ…これは…!」



混沌から流れこむ悪意が…強く…



蒼真…






**********






――ゴゴゴッ…!

「………」
「ぐっ…これは…!」



魔力が…溢れる…昂ぶる…



――シュゥゥゥ…



傷も…治っていく。



「最高…いや <極上> だ! これが…混沌の力!」



魔力の余波だけで今までにないほどのエネルギーが発生し空気を引き裂いていく。



「まさかこれ程とは…!」



ユリウスに向き直る。



「随分と派手にやってくれたなぁ…おぃ」
「…蒼真ぁ!」









さぁ、パーティの始まりだ!









・おまけEX



「蒼真…戦う前にひとつ言っておくことがある」

「いやだから戦うとかじゃなくて…」

「今日の俺は…TAS仕様だ」

「…はぁ!?」

「行くぞ!」

「え、ちょ、おま!?」



――ドゥドゥドゥドゥドゥドゥ…



「おごごご!?」



――…ドゥエ!



「うぶろばぁ!?」

「許せ蒼真…」

「…クックックッ」

「…!?」

「忘れてもらっちゃ困るな…
 俺もまた…TAS仕様のソウルを支配している!」

「しまった…!」

「行くぞ…キシン流奥義!」



――ムムッムッムホァイ!



「ぐぁぁぁ!?」

「どうしたぁ! TASの力…こんなもんじゃないだろ!?」

「ぐっ…行くぞ!」

「来い!」



「「うおぉぉぉ!」」



※…収拾つかなくなった。









・ステータス

来須蒼真EX(クルスソウマ)

・装備

防具 エバーシング
他1 首蔵
他2 ゴールドリング
他3 カオスリング

・新しいソウル

・PIT

魔物図鑑
地図拡張
道具図鑑

・武器

コンバットナイフ
ウィップソード
グラム
フルンチング
ミストルティン
ラハブの氷剣
レーヴァテイン
ブルトガング
カラドボルグ
ヴィジャヤ
バルムンク
ジョワユース
ダインスレイブ
アスカロン
クラウ・ソラス
やすつな(安綱)
妖刀村正
エクスカリバー
トールハンマー
ゲイボルク
ブリューナク
ロンギヌスの槍
カイザーナックル
シルバーガン

・防具

ぐんぷく
オルロックスーツ
ドラキュラの服
てつのむねあて
ゴールドプレート
エバーシング
エルフのローブ
ブロッキングメイル
アーミージャケット

・アクセサリー

首蔵
真紅のマント
ゴールドリング
カオスリング New

・その他

手回し充電器(PIT用)
古文書
うまいにく(ウニ)
ポーションxたくさん
アンチドーテxたくさん
エリクサーx1






\カオス状態/



PCを新調しました。
初めての自作に挑戦して、やっと安定してきたので再開します。



>>>御剣澄和様

「○○○ェ…」についてはふにゃ子様のおっしゃる通り、
母音子音関係なく、何でもかんでもそうしてしまう…というのがネタになってしまっています。

しかしごく一部の地域で使われる方言のような物なので

「ああ、そういうネタもあるのか」

程度に読み流して頂けるとありがたいです。

>>>



[20761] 暁月編78[テンション上がってきた]
Name: ユージン◆ec605aed ID:7bb205db
Date: 2011/05/15 14:49
**********






・新ジャンルあらすじ・幼なじみはXXX






「起きて、蒼真くん…起きて、ねぇ起きて!」
「う…ううん…」



<幼なじみに起こされる、いつもと変わらぬ朝>



「朝御飯、もう出来てるよ?
 今日はご飯とお味噌汁!」
「わかった…今起きるから…」



<朝食もバッチリ>



「ほら、起きて蒼真くん!」
「あっ…ちょま…」

――バサッ…

「…! きゃぁ!?」
「やめっ…朝だから! 朝だからー!」



<朝の生理現象イベントも完備>
<ギャルゲーではよくある光景>






<と思われた…>






「なんで、神社が悪○城になってるんだ!?」






――その日、全ては変革した






「だって私…」



――ベルモンドだもん






☆幼なじみはベルモンド☆






<その日を境に彼の平和な日常は木っ端微塵に吹っ飛んだ>



――Emergency!
――姿勢制御不能!
――  ・
――  ・
――  ・

「ジェネレータに誰かが干渉を…ダメだ!」

――  ・
――  ・
――  ・
――緊急着陸まで、カウント3!

「お、落ちる~!?」



<地球に向かっていた宇宙船がアクシデントによって悪魔城に墜落>



「ぬわぁぁぁ!?」

――プチッ



<今代のベルモンド、ユリウスはとてもお見せできない姿に>



<混乱を避けるべく、半妖精型宇宙人はその場に居合わせた少女を代役に立て>



「ごめんね~!」
「へっ…?」

――ぐるぐるぐる…

「はわわ…???」



<つじつまを合わせるために全人類を洗脳した>



<一夜にして悪魔城はアクションからアドベンチャーへ>



「Yes,Amen!」
「「「Yes,Ameeeeeeeeeen!!!」」」

「どういうことなの…」



<あろうことかベルモンドは幼馴染の女の子>



「えーいっ!」

――バチーンッ!

「ギョワァァァ!?」
「「「ベルモンドだー! ベルモンドが来たぞー!」」」

「なに、うちの娘ってそんな恐怖の象徴なの!?」



<彼女が鞭を握れば魔物も裸足で逃げ出す悪魔城>



「さすが弥那・ベルモンドだ!」
「「「キャーッ、ミナサーン!」」」
「えへへっ…♪」

「みんな、落ち着いてゆっくり素数を数えてみような、な!」



<しかも、誰一人この異常な悪魔城を疑問に思わない>






――ライバル登場



<悪魔城に導かれ主人公の前に現れた魔女>



ヨーコ・ヴェルナンデス



「あまり私を怒らせないほうがいいわよ…?」
「地べたに額を擦りつけて謝るので許してください」



<美しき教会の危険な「魔女」>



「あ、ヨーコさんこんにちは」
「久しぶり! 元気にしてた?」

「知り合いかよ!?」



<しかも、宇宙船(笑)までもが押しかけてくる始末>



――謎の宇宙船

「俺は…俺は一体…何のために戦っているんだぁぁぁ!」

「ごめん、ちょっと黙っててくれないか?」



航宙船アルカ アド



<ベルモンド補佐官>

「久しぶりの悪魔城か…腕がなるのぉ…!」

「ジーサン無茶すんな!」



ジョナサン・モリス(109)






<主人公を巡って、委員長キャラと不良キャラ間程度の危機が勃発>



「蒼真くん…お姉さんとちょっとイイコトしない?」
「よろこんで!」
「…ヨーコさん、蒼真くん…ベルモンドの真の力、見せてあげようか?」



<果たして、悪魔城の運命は?>






<何が原因でこんなことに>






<何故か本来あるべき悪魔城を知っている>

<お前の記憶を使って元の世界に戻す。協力しろ>



「僕に任せておけば大丈夫だよ…フフフッ…」
「お前は何を言っているんだ」

――陰謀?



――死神のお導き

「かつてドラキュラは言いました…
 リア充は死ね! と…」
「歪みねぇな…」
「故に…刈取らせてもらおう!」
「え、なんで!?」






<悪魔城はノリと勢いで攻略>






<イロイロと意味不明なシナリオ>

<あらすじの命運をかけて>









☆幼なじみはベルモンド☆






2035年10月30日

あらすじ内同時発売

(年齢が600歳未満の方はご購入いただけません。ダメ、ゼッタイ)












「魔王・蒼真と弥那・ベルモンドの力は互角

 勝てるかどうかはTASの最適化次第だ」












※前回のあらすじ



「混沌と繋がったままベルモンドと戦うなんて
 
 頭がフットーしそうだよぉっ!」



以上






**********






――オオォォォ…!

「フフフ…」



混沌から魔力が流れこんでくる。
無尽蔵の魔力。



「ハハハハハ!」



魔力だけじゃない。
混沌から生まれ出ようとする魔物たちの魂が俺に流れこんでくる。



「ヒャーッヒャッヒャアア!!」



そして悪意が、憎しみが、
人の持つドス黒い心が俺の心の隙間を埋めていく。
それが酷く…心地良い。



「蒼真…!」
「んん~?」



ユリウス…



「逃げるなら…いや、もう遅いか」

――スッ…バサバサバサッ…

「…!」



俺の体が無数のコウモリの形をした影に変わり空に掻き消える。

まぁユリウスの死角に転移しただけなんだが。



「どこを見ている?」
「…っ!?」

――ブンッ…



背後からクラウ・ソラスで斬りかかる。



「くっ…!」



ユリウスはバックステップで避ける。
捉えるべき対象を失った刃が地面に当たる。



――ゴッ!

「…っ、なんだと!?」



地面がはじけ飛び、
砕けた破片が魔力を纏いユリウスを襲う。



「くっ…!」

――カンカンカン…!

「ヒュゥゥゥ~…やるねぇ…」



破片はすべて鞭によって弾き飛ばされた。
相変わらずのチートっぷりだとは思うが、どこもおかしくはないな。



「よく避けた…ってか?
 さっき俺が言われたことだったっけかぁ…あぁ?」
「………」



ユリウスは厳しい目で俺を睨みつけている。



「ふっ…ふくくっ…!」



自分の口からこらえきれない笑い声が漏れている。



――コツッ…コツッ…


俺はゆっくりとユリウスの方に歩み寄る。



――コツッ…コツッ…



ユリウスも俺から目を離さずゆっくりと近づいてくる。



――コツッ…ザッ…



お互いの肩が触れ合いそうな距離、並ぶ。



――ドドドッ…



張り詰めた空気の中、
俺は薄く笑みを浮かべ、
ユリウスは厳しい表情のまま、
互い