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DRAGON QUEST SAGA[限定]設定資料①

 投稿者:出尾 龍児  投稿日:2000年 4月 1日(土)01時15分45秒
  表示(V)のフォントサイズを[小]に。
[年代順の各作品順序]ダイの大冒険→4→5→3→ロトの紋章→1→2→DQサーガ
[エネルギー保存の法則]物を動かすには力が必要。逆に、力を加えると物は動く。
           現象を引き出すには、その分のエネルギー量が比例して必要となる。
[天空のひつぎ]髪1本からでも肉体を再生させる棺。
        再生された肉体に[呈魂蘇生呪文]で魂を呼び戻して”復活”完了。
       [教会]から[オラクル](物質転送呪文)で届くため”携帯不要”。
        魔物にも[しもべのひつぎ]という同様のシステムが存在する。
[呈魂蘇生呪文]蘇生させるには同種族の魂をイケニエとしてささげる[魂質量]の”等価交換”が必要。
        LV4の魂を蘇生させるにはLV2の魂を2つ消費する。通常は「犯罪者の魂」が使われる。
        脳と心臓に致命的損傷が無く、腐食もしていない事が絶対要件。
「天空の棺が無い場合」死亡直後の蘇生は可能だが、等価質量の魂が当然にその場で必要。
           脳か心臓に致命的損傷がある場合2度と蘇生呪文での復活はできない。
[LV]魂の昇華値≒魂質量。自我境界の強度。オーラの量は比例する。現状は[教会]で教えてくれる。
[気]オーラ。霊・精神界側の量子。魂の構成元素。波動(波長)の極は光~闇。DQのパラメーターでは省略
   された。霊・精神界側の量子なので位相が異なる事から、物質界では物質と結合していなと存在を維持
   できない。魂なら入れ物となる体。「闘気弾」なら大気元素と結合させる。
   物質界に存在する自我境界(魂)から分離したオーラは、やがて存在を維持できなくなり霊・精神界へと
   位相転還する。
[魂]自我境界のある気=オーラ。霊・精神界から物質界へ位相転位(生)した瞬間、生命の発生(受胎)となる。
   物質界では物質と結合することで存在を維持している。
   死亡≒オーラ結合力を失い、物質と分離した魂(自我のオーラ)は霊・精神界に戻る=位相転還。
   自我(魂)は霊・精神界からオーラを摂取して、オーラ量・鮮度を維持している(エアポンプで潜水して
   いるのに近い)。鮮度の落ちた(波動の弱まった)オーラは体から放射・排出され、霊・精神界へと位相
   転還する=「オーラ還流」。チャクラを開いた者には排出されているオーラが見える。
[自我]バーチャル世界と似通った側面を持つ[霊・精神界]において、バーチャル世界でたとえるならば、
    記憶装置に存在しているデータファイル。光~闇極性のオーラの組み合わせによって、個々に独立し
    た活動を行う「オーラのかたまり(魂)」の発動現象。その現象そのものこそが[自我]である。
[HP]生理機能値。戦闘力や体力や空腹度ではない。ゼロになると、幽体(魂)離脱状態となる。
   内臓を損傷すれば、攻撃力はあまり変化しないが、生理機能値は減る。悪口など、精神的攻撃を受け
   ても減る。ケガを負えば戦闘力も下がると考えるのは論理的だが、DQのプレイヤーは死ぬ直前まで
   己を投げ打って勇敢に戦いぬく前提なので、システム上は省略。
   パラメーターの種類をしぼったのはDQの魅力の一つ。
   HPについては「オーラ結合力」として設定変更しようか思案中。
[魔力]カオス=原形量子(無個性・素粒子)の生み出す現象やエネルギーの事。カオスは物質界側の量子。
    ロウ=最終安定状態の通常量子(光子・電子・陽子・タキオン・モノポールなど)に変化する前身の
    量子がカオス。カオスは、生きる≒物質代謝の過程で発生する量子だが、多くは不安定なために最終
    安定状態のロウへと個性化(特性化)反応を起こし安定する。オーラと結合したカオスは安定度が
    高く原形量子状態で存在可能。未だ謎が多く、生物の感情の様に不規則な反応をするため、意志が
    あり、伝達・連鎖するとも言われている。呪文の火炎はカオスの個性化反応の発現結果であり、
    化学反応の現象とは似て異なるもの。酸素が燃えている訳ではないので、水中・真空・天候などの
    環境に、影響・干渉されない。
[MP]魔力量値=カオス(物質界側の原形量子)の貯蔵量。
    “生きる≒物資代謝”において物体に蓄積された”安定したカオス”の量。
    ゼロになると、死にはしないが魔法現象を”発現”できなくなる。
[精霊]精緻(せいち)なアストラル(幽体)微生命体。カオス(物質界側量子)と結合・実体化している、自我。
    活動力は、カオスの個性化反応で生じる通常量子。
[かしこさ]知力。魔法作用効率・耐魔法守備力・魔法成功率等、主に魔法と密接な関連のある指標。
[魔法の契約]身体をハードとすれば、”契約”はソフトのインストールにあたる。身体との相性によって
       制限される。
 

DRAGON QUEST SAGA[限定]設定資料②

 投稿者:出尾 龍児  投稿日:2000年 4月 1日(土)00時59分39秒
  [世界の構造]例外として物質界自我のイメージが、霊・精神界で限定空間として実体化したりする事もある。
   [物質界]①天空・地表・地下の3層。宇宙。
   [霊・精神界]位相の異なる世界。オーラは、この世界の量子。
         ②(光)魂の安らぎの空間。輪廻転生して新たな命となるか、在留して仲間と暮らすか
             選べる。時間軸無規則。
         ③(闇)=魔界。弱肉強食で、弱い自我は強い魂に吸収され喰われる。
             DQの邪神達はここに居る。単一時間軸。
[竜王]初代竜王が登場したのが「ロトの紋章」。DQ1が竜王2世。DQ1の裏エピソードとして竜王3世が
    存在する。DQ2に登場するのが竜王4世(初代のひ孫)。
[冥・竜王]竜王3世が大魔王の[マギャリク](死者召喚・暗黒呪文)により召喚された存在。
[ロト]アレフガルドに伝わる”聖なる称号”。DQ3の勇者アレル・サマルクは”アレル・サマルク・ロト”と
    なった。
[DQ1]病床の竜王2世は、地下世界を再び竜と魔物の手に取戻すために、息子竜王3世を従えて人間に
    戦いを挑む。[光の玉]で地下世界の輝石照射を封じ「異常海流」と”暗闇”で大陸間を孤立分断。
    竜王2世は病床のために竜王城を守り、息子の竜王3世が闇の中の大陸を攻める。
     ロト分家の子孫が竜王2世を倒し、ロト正家サマルトリアとムーンブルクの共同軍が竜王3世を
    撃退した。
[アレフガルド史]竜王2世(DQ1の敵)を倒したロトの子孫(DQ1主人公;ロト分家)とローラ姫が建国した
   のがローレシア国。ローラ姫の名は、ローラ・ラダイからローレシアとなった。竜王3世戦時下に造ら
   れたサマルトリア国(ロト=アレル・サマルク・ロトが建国)とムーンブルク国間の地下トンネルは
   ローレシア建国祝いとして整備され[ローラの門]と命名された。その後ムーンブルク国との交易が
   盛んになりロトの子孫がムーンブルクへ嫁ぐ。ラダトーム国は中立。デルコンダル、ベラヌール、
   リムルダール、メルキドの各城塞国と造船自治領ルプガナは、[3国同盟](サマルトリア、ローレシア、
   ムーンブルク)とは一線を引いており、ハーゴン戦(DQ2)の際も足並みがそろっていたとは言いがたい。
   ハーゴン戦の教訓はいかされず、現在の”冥・竜王戦”で廃虚となった。
[光の玉]地下世界の輝石を制御することができる。かつてDQ3で地表にある[竜の城]の女王から人間に
     託された。
[地下世界の太陽]上空の岩盤にある輝石鉱脈が輝き照らす。
     地上を覆う植物の、微少な魔力を「世界樹」がアンテナとなって束ね、それをエネルギー源にした
     [精霊ルビス]の自己犠牲・精霊呪文によって、地下世界を輝き照らしている。
     輝石光には様々な色があり、おのおのの地方で空の色も異なる。昼夜の周期は世界樹のサイクル。
[原始素霊(祖霊)]生命の精神・生命力を喰う、太古のアストラル(幽体)生命体。憎悪や恐怖などの激情を
    好む。素霊にとりつかれた国は必ず滅びると言い伝えられている。
   [ニフルーラ](魂転送呪文)によって[霊・精神界の闇]に封印されていたが、大魔王の
   [ニフリク](魂召喚呪文)によって封印から開放された。
[精霊ルビス]原始素霊から分離した、独立した存在。神のような力があるわけではないが、平和的性質の
     アストラル生命体。太古の[天地1000年戦争]終結の仲裁をして、アレフガルド側の大使・領であ
     る[天空城]の設置を提案した。現在は世界樹と融合している。
[天地1000年戦争]先住種「竜」と移民種[エンゼル]との戦争。精霊ルビスの仲裁によって終結。
          天空城が置かれた。
[天空人]太古に隕石型スターゲート(氷河期の原因)で移住して来た”光り生命体”[麗鳥類エンゼル]。
     人間・魔物の創造主。自らを「絶対の全能生命体」と自負している。逆バンパイア体質。
   ①光を浴びないと生きていけない。
   ②日光の弱い環境では[光りの輪]で代用する。
   ③通常の有翼人としての姿いがいに、[白い鳩]に変身できる。
   ④信仰心(魂とリンク)から「祈り」(生命力)を吸収している。
   ⑤吸収した「生物の生命力」と「光」を合成して活動力としている「有光子運動・生命体」。
   ⑥教会]を通し復活・解呪・解毒などの「加護」によって「祈り(生命力)の代価」を還元している。
   ⑦人間の文明水準を「記憶消去」により抑制コントロールしている。
   ⑧天空魔法[JUSTICE][JUDGMENT][バイブル][リセット][エクスペリメント][Law]
    など強力。
      繁殖方法・性別の有無など謎が多い。”群体”で一つの存在である可能性もある。
 

DRAGON QUEST SAGA[限定]設定資料③

 投稿者:出尾 龍児  投稿日:2000年 4月 1日(土)00時51分13秒
  [天空城]2000年前に天空人(エンゼル)文明社会に向けて、アレフガルド地下世界側から派遣された
   ”大使”が駐在する浮揚城。アレフガルド大使・領。[天地1000年戦争]終結の証として[精霊ルビス]
   の意志により置かれた。聖なる不可侵領域であり現在は”中立的”側面が強く[エンゼル]と[竜王]
   一族の「双方の特徴を備えた「新たな生命」が居るとも言われている。
[天空世界]天空を支配している[天空人](エンゼル)の文明社会と、アレフガルド側の大使・領である
    [天空城]の2つに分けられる。天地戦争”終結協定”では、[エンゼル]の独占不可侵領域として
     定められた。
[地表]天地戦争”終結協定”で[天空人](エンゼル)と「竜&魔物の運命共同体」との双方が、在する
    ”共有領域”となる。
[アレフガルド]地下世界。太古に「竜の民」の”氷河期用シェルター”として造られ3000年間に拡張整備
    され現在に至る。[精霊ルビス]の仲裁によって成立した”終結協定”では、「竜」の独占不可侵領域
    として定められた。
[教会]天空人エンゼルの”末端機関”。ここを通して「祈り」(生命力)を搾取しているほか、人間の文明水準
   を抑制コントロールするための”情報網”でもある。
  [天空の棺]の転送も行う。教会とつながりの無い者達は[天空の棺]の加護を受けられない。
[魔物]移民種[麗鳥類エンゼル]によって天地戦争のおり”地下世界攻略の目的”で創り出された生物兵器。
  しかし魔物達は1000年の間に徐々に[エンゼル]の制御を受け付けなくなり、やがて地下世界で”帰化・
  独自進化”を遂げていく。度々出現して文明を滅ぼそうとする”魔王達の発生”と因果関係がある。
  「竜vs天空エンゼル」代理戦争の可能性もあるが・・不明。
[人間]天空の民[麗鳥類エンゼル]によって天地戦争終結の”後”に創造された生物。終戦後の地表・地下
    に繁殖して度々魔王を生み出し天空を脅かす”魔物の勢力を抑制する目的”で創り出された「対・魔物
    用抑止生物 クローラー」。
[クローラー]人間の創造主である[麗鳥類エンゼル]が人間を呼称するときの正称。「地を這う者」の意。
[ヤダナ人]ロト(救世主)伝説を語り継ぐアトランティス文明の生き残りらしき民族。その力ゆえに恐れ
    られ迫害されてきた歴史を持つ。やがてアレフガルドに逃れた者達がラダトームとムーンブルクを
    建国した。
[エンゼルイーター]過去の魔王や邪神達の魂を合成させた魔物。大魔王の持ち駒のひとつ。
[魔動機関]ウィズドライブ。
[魔動鎧]ルーンアーマー。
[強化魔動鎧]ブーストアーマー。
[超魔5人衆]ダークホビット族の魔道士「ザボエラ」の遺産を基に、その子孫が生み出した。
      全ての面で魔物を超えている、強化改造された魔物。
[滅びの鎧]生きたキングメタルを制御して強化鎧&武器として、大魔王の息子が装備する。
     防御力・すばやさはキングメタルと同じ。攻撃力はキングメタルの剣と同じ。呪文は通じない。
[エスターク]天地1000年戦争下に導入された「魔」陣営側(竜)の魔動兵器。3体に分離し、合体の
      組み合わせによって異なる能力を発揮する。
(人型・バランスタイプ)バトルモード;地上を主に飛行も可。呪文攻撃と武具を使いこなす。1.2.3
(人型・高機動タイプ)ストライカーモード;地中・水中・空中と万能の機動力。右腕はオ決マリの
    巨大ドリル。左腕はダブルチェンソー。呪文攻撃は出来ず、武具も使わない直接打撃のみ。2.1.3
(重火器型)キャノンモード=タンクモード;ロングアームは3タイプ随一のパワーを持ち、長射程の
    魔動砲(ウィズキャノン)となる。飛行は苦手。3.1.2の合体順。
 

DRAGON QUEST SAGA[限定]呪文資料

 投稿者:出尾 龍児  投稿日:2000年 4月 1日(土)00時48分33秒
  [ブリメド]対弾障壁呪文;高速で飛来する小さい物体(矢弾など)に反応し、その物理的エネルギーを反転・
    逆利用することで、物体を破壊する。効果は数ターン持続する。同様の効果を持つアイテムとしては
   「精霊石」を用いて作られた「そなえのお守り」等がある。超々低速で質量の重い金属矢を撃ち込む
    弓術は、全対弾系呪文をかいくぐるが、その弓術(金属弦の製法)を継承する者は途絶えているという。
[ブリターン]対弾反射呪文;1度だけ矢弾を敵に反射する。反射するまでは効果が持続する。
      同様の効果を持つアイテムとしては「身守りの指輪」等がある。
      戻ってきた矢弾を対弾系呪文で再度防ぐことはできず、飛び道具には大きなリスクが伴う。
[ブリクント]高位(強大)・対弾反射呪文;矢弾を敵に反射する。ターン制限なし。
[ザキ]魂分離呪文。幽体離脱するために、仮死状態になる。
[ザオラル]魂回帰呪文。主に[ザキ]からの回復に使う。
[ザキラル]魂交換呪文。複数の肉体と魂を入れ替える。
[ザオリク]呈魂蘇生呪文
[マギャリク]死者召喚・暗黒呪文;多くの肉体と魂を犠牲に復活をとげるが、復活した者の精神は闇に
      囚われ邪悪な波動となる。定期的に新鮮な魂と、その血肉を摂取して延命をする必要がある。
[ニフリク]魂召喚呪文。霊・精神界と物質界間の移動呪文。
[ニフルーラ]魂転送呪文。霊・精神界と物質界間の移動呪文。
[ニフラ]基礎破邪呪文;邪気を打ち消す霊媒呪文。悪霊などには成仏して昇天する場合がある。
     魔物は戦闘域から離散する。単体にのみ有効。
[バクニフラ]強大破邪呪文;複数に有効。[ニフラム]の邪気浄化力の3倍。
[メガンテ]極大自爆呪文;威力は使い手のレベルに比例する。
[マダンテ]極大魔力攻撃;威力は使い手の残魔力量値に比例する。呪文ではないので使い手の資質が必要。
     [マホプラス]対魔力吸収反転攻撃には絶対に勝てない。
[ヒャダイン]強大冷気呪文
[マヒャド]極大冷気呪文
[イオダンテ]極大爆発呪文(防御型)
[イオマダン]極大爆発呪文(攻撃型)
[メラミーア]極大火炎呪文。正称;メラ・ラーミア。オリハルコン(精神感応金属)も溶かす。
[ギラゴドム]極大熱閃呪文(城塞攻略用)
[バギストーム]極大真空呪文(城塞攻略用)
[バギマザン]極大真空呪文(白兵戦用)
[スイーラ]飛行呪文。別名;トビルーラ。
[ラリ]基礎催眠呪文
[キルト]基礎・攻撃増幅呪文。攻撃力1.5倍。
[オラクル]物質転送呪文。別名;オクルーラ
[パニ]基礎混乱呪文
[マホップ]耐魔法障壁呪文
[ヘナ]基礎・攻撃減退呪文。攻撃力1/2に。
[ヘナスコ]応用・攻撃減退呪文。攻撃力1/5に。
[デーラ]召喚呪文。物質界限定。反作;バシルーラ。
[アストロック]結界錠呪文
[ベン]基礎重力呪文
[ベタン]応用重力呪文
[マベタン]強大重力呪文
[ベタンマズン]極大重力呪文
[メド]基礎消滅呪文
[メドロ]応用消滅呪文
[メドローア]強大消滅呪文
[メドルイン]極大消滅呪文
[デイン]基礎電撃呪文
[ミナデイン]極大電撃呪文
[ダークデイン]基礎電撃・暗黒呪文
[エビルデイン]応用電撃・暗黒呪文
[マデイン]強大電撃・暗黒呪文
[テラデイン]電撃精霊呪文
 

第1話 アレフガルド決戦①

 投稿者:出尾 龍児  投稿日:2000年 4月 1日(土)00時39分3秒
  本作品はマンガの下書きを前提に作られていますので、1話の長さは小説ほどではありません。
1999.01.31より公開を開始しました。劇画描ける千葉北部の方。一緒に同人誌を出しましょう。
本作品をお楽しみの方々から”主観”的アドバイスを期待します。
本作品は最低3回の書直しをします(現作品が1回目にあたる)。”キャラのイメージと反応が合わない”
“史観が違う””私ならこう動く、思う””新しいアイテムや呪文”などなど。
”武具”や”城”のデザインを作り直し「リアルなDQ」を目指します。映画「ブレイブハート」参照。
武具は、ゲームソフト「フェーダ1&2」や劇画「ベルセルク」の装備がイメージに近いです。
鎧は実用重視で、大きな肩当は厳禁。キャラデザインは「ARMS」「フェーダ」に近い感じで。


はるかなる古え
天より 悪魔くだりし
魔の呪い 竜の国を包み、凍てつく氷河の時 来たれり
竜の民 地の底に新たな世界を築き、何時果てるとも知れぬ受難の時を生きる
魔の門より導かれし 光りの民、凍てつく大地へと降り立ち
大地は かの者の世界となった
やがて魔の呪い去りて、竜の民 再び天を仰ぐ
されど 光りの民これを許さず
ここに天地の1000年にわたる戦さが始まる
たがいに滅びんとす刹那、神の使いルビスの意により 2つの民は 世界を分かち合うこととなった―――

      King of Dragon War after 150 years

 石城から遠くを見つめている20数歳の女性。
美しく透き通る白い肌。高貴の者だろう。
だが彼女は戦さの身なりをしており、その瞳には決意と深い悲しみが交錯している。
「ローレシア様。敵は何を仕掛けて来るか分かりません。どうかシェルターにお戻り下さい」
彼女(姓名ローラ・ローレシア)は兵士にうなずき「(神よ夫に力をお貸しください)」お腹にそっと手を
当てて願い、その場を後にした。
 森をぬけると広大な平原が広がる。
雄叫びや悲鳴が飛び交う平原には、人の数倍はあろう異形の者共の姿が。
兵士達はライオンの頭とコウモリ翼のある魔物を取り囲み、見事なれんけい攻撃で傷を負わせる。
しかし魔物はいっこうに弱る気配がない。6本足で後方に飛び退くと、背の翼でゆっくりと着地
「ガゴォォォ グルグルグルグル」一回雄叫びし、頭を低く構えて攻撃姿勢をとる。
≪カッ≫!!
兵士達の体が炎に包まれた。口から吐かれた閃光が兵士達をなぎ払う。
ひるんだ兵士達に跳びかかり、頭を食いちぎり、爪で切り裂く。
一人残った兵士は、それでも死相を浮べながら槍を構えた・・
「(背を見せれば殺られる) ハア、ハア、ハア」呼吸はすでにあがっていた。
「(ここまでか。妻、子らよ・・)」
脚が震え始め、しだいに大きくなっていく。
「(駄目だ。か、体が動かない)」
涙が頬を伝うのが分かる。悲しさでも恐ろしさからでもない。
意識は冴え渡っており、ただ最後の瞬間を無心で待っているだけだった。長い時に感じる
「(無心の涙・・生涯に幾度流した・・)」
兵士は跳びかかる魔物の影に包まれ、大きく開いたアゴが兵士の世界の全てとなった―――

≪ズルリ≫
魔物の頭は、妙なズレ方で兵士の胸元に転がって来た。
何が起きたのか分からずに、意識は空っぽだが体だけは意識から遠くでガタガタ震えている。
「(ど、どうして)」・・
兵士の眼前には、太陽を背にして男の姿が・・
逆光で見えなくとも兵士には分かっていた。その力強い大樹の様な波動。
勇者ロトの後継にして抵抗軍の指導者ロダ王。
「大丈夫か?」駆寄って兵士の両肩に手を置く。
王(姓名ロダ・ローレシア)のデインスラッシュ(ギガスラッシュの基礎剣技)によって、ライオンヘッドは
2つに分断されている。
「(一撃で・・これが勇者の実力・・)」兵士は固唾をのんだ。
「一人では危ない。後方の部隊に合流するんだ」
「はい。王様は?」
ロダ王は剣を地に刺して、兵士にホイミ(基礎回復呪文)をかける。
「(ロダ様すみません。この大事に・・)」兵士は心のなかで頭をさげた。
仮にロダ王の慈悲を断ったとしても、笑いながらホイミをかけてくる事は分かりきっていた。
王の闘気に引き寄せられて魔物達が集まり始める。
 

第2話 アレフガルド決戦②

 投稿者:出尾 龍児  投稿日:2000年 3月25日(土)03時02分15秒
  王は立ち上がってグルリと周りを見渡した。
ガイコツ剣士2体、サイクロプス(一つ目の巨人)1体、マンイーター(大きな花に口のある魔物)2体
遠くにドラゴン(翼を持たない大型の地竜)が向って来ている。
「おぉ。大物だな」
手前の魔物達などは眼中にないようだ。
「よ~し」ロダ王は大きく息を吸い込み
「ハッ」真空刃(真空の刃を撃ち出す剣技)を気合一閃
≪ボゴ-ン!≫
ガイコツ2体は紙くずのようにバラバラと宙に舞った。
返す剣でマンイーター2体を両断。
毒気と眠りガスが噴き出しもがいている。
背後からの剣撃をロトの盾で受ける
≪グワン≫
ロダ王の足場が陥没した。
凄まじい剣圧は、サイクロプスの持つ巨大な邪剣・破壊の剣(剣先に片刃の斧が合わさった呪いの武具)に
よるものだ。
王は手首めがけて剣を斬りつけるがかわされる。
サイクロプスはギガントアーマー(巨人用の鎧)を装備していた。
「(部隊リーダーだな・・)」
≪チャキ≫剣を構え直す王の背後をガスが流れて行く。
「(ドラゴンが加わる前に倒しておこう)」
王は剣と盾をだらりと下げる・・
「グルルゥアッ」その瞬間、巨人は袈裟斬りにきた!
≪ズドッ≫
魔物の剣が王の肩口に入った!
しかし魔物の背中からも剣が飛び出ている。
見事。破壊の剣の構造を逆手にとっている。
斧のみに刃があり、剣身は厚く柄のようになっていて刃が無く、斧部分で最凶の威力が出る構造なのだ。
王は盾を捨てて敵の懐に飛び込んだために、破壊の剣の死角をつき、さらにカウンター効果も得ていた。
サイクロプスはズシリと仰向けに倒れる。
ロダは盾を拾い肩に掛けてスイーラ(飛行呪文;別名トビルーラ)でドラゴンに向う。
空中の王をドラゴンの吐き出す[激しい炎]がとらえた。
「ムオオォ」
たまらず地上に降りると、先を読んでいたドラゴンの灼熱(炎の渦)がロダを包む「グゥゥォォ
!! ドワァ!」闘気で[かきけす](凍てつく波動の防御型)
「(冥・竜王直属の、竜か・・やるな。小細工は利くまい)」
「ギシャ――ァ」≪ボワォォォ≫竜の火炎をジャンプでかわし
大きなモーションで竜の背に[ロトの剣]を突き立てた。
≪ズドォム≫
「ギィヤオォォ」たまらずに竜の尾がロダをはね飛ばす。
「トォ―ゥ」踏み込んで[ドラゴン斬り]
(地竜の強固なウロコを裂く固有振動周波を使った高等剣技)が竜の首を落とした。
「ふぅぅ」やっと一息つける。尾がまだ動いている。
王は大声で兵士達に「私は残った部隊を助ける。みなにも後退するよう伝えてくれ。」と伝え
飛行呪文で去って行った「(最後のチャンス。この作戦で必ず冥・竜王を討ち取る)」

平原上空に浮ぶ魔動飛行船。操舵室。
「シラヌイ様。ロダの所在、確認とれました」
「クックックック」まがまがしい兜の男は片足を窓枠に乗せ、膝頭に肘をつき下界を見下ろしている
「・・魔胎核ゥ投下準備」低くつぶやいた。
「し、しかし。下では冥・竜王様が指揮なさっておりますが」
「クックククク・・おらァ!もたもたすんじゃねェ!ブッ殺されてェかァ!」
背負っていた魔導ランチャーを向ける。
「(ロダ、てめェとの腐れ縁もここまでョ。そして老いぼれ(冥・竜王)てめェもだ)」
 ―――魔法実験室。シラヌイは台上で照らし上げられている1m弱の楕円球体を見ている。
「グゥワワワワワ。どうだ。その中に島一つ蒸発させる魔力があるとは思えまい?・・試せると思ったが、
冥・竜王様は直々に戦われるそうダ。ロダの首は御自らの手で刈られるとナ」
背後の闇に体のヌメリでかろうじて存在が分かる、魔学者ヘドロはシラヌイを見透かすかの様に続ける
「わしなら城ごと、きゃつ(奴;ロダ)を焼き消してやるものを。・・なにせ・・半径4kmは完全に焦土。
・・味方とて例外ではない。味方とてな」

 美しくたたずむラダトーム城。その上空で閃光がはじけ、世界が包まれる。
遅れて轟音が響き木々が燃え上がり、それら全てを呑み込む炎の津波が押し寄せる。
広がっていく―――

 地上。シラヌイは脇腹を押えながら墜落した魔動船を見て
「半径4kmだと・・クソがァ(ヘドロの奴め、ロダ、冥・竜王、俺をまとめて始末する気だったか)
ゴホゴフ」血を吐く

 ラダトーム城跡。
赤々と燃え光る大地が広がる中、軍隊ガニとゴーレム(岩石の巨人)が瓦礫をどけている。
メドーサボール(球体全面に蛇が生え中央に一つ目のある魔物)は警戒するように飛行している。
ざっと見てもかなりの戦力であり、それが何故ラダトーム戦、決着後に出てきたのか。
ブラックマージ(魔導士)や死霊使い達が地面を浮揚しながら辺りを調べており
「ここが城の中心であったのは間違いないでしょう」一人が言う。
ネクロマンサー(最強大の魔導士)は命じた。
「斥侯・はぐれメタル(常人の5倍の素早さで動く水銀状の魔物)を放てっ」
はぐれメタル達は目にもとまらぬ速さで瓦礫の隙間に滑り込んでいった。
 

 投稿者:出尾 龍児  投稿日:2000年 3月25日(土)02時59分40秒
  地下。ひんやりとした石廊を降りていくと、その先に明かりが見える。
明かりに出ると、そこには地下とは思えない広さの4~5階建はあろう吹き抜けになっていた。
噴水の周りで子供達が走り回り、天井に聖なる種火(大灯台の明かりに使われる海神の力が宿っており
嵐でも消えない)が、輝いている。
料理場で女性達が食事の支度をしていた。
「ローレシア様。先程の地震、城に何かあったのでは・・私心配で・・」
若い娘は小声で王女にすがるかのように見つめている。
娘の婚約者は今まさに頭上で、最後の賭けをロダと共に戦っている。
ローレシアは娘を強く抱きしめた。
彼女を支えたくてというよりも、むしろ自分の心の叫びを押えたくて
「(許されるなら直ぐにでも此処を飛び出してロダを助けたい・・)」
王女は娘の髪を撫でて料理場を後にした。
「(この気配は・・)」城内出口へと急ぐ。
見張りの者は石廊に異常はないと言う。
「(気が高ぶっているせいなの?・・しっかりしなくては)」
――下から悲鳴が!王女は猛然と駆け出した。
「大丈夫!?」部屋に飛び込むとテーブルの上に仁王立ちの婦人が、ひのきの棒を構えて床を見ている。
「ああ、ローレシア様っ。今、銀色の変な物がっ。目が合うと凄い速さでどっかに」
「分かったわ。後は任せて皆を噴水に集めてちょうだい」
王女は吹雪の剣(冷気を打ち出せる宝剣)を、収めた。
「(はぐれには剣の冷気も魔法も全く効果がない。もし斥侯なら逃せば本隊が乗込んで来る。
一撃で仕留めるには・・これしかないわ)」 毒針(急所に当てればいかなる敵でも一撃で倒せる針)を手に
し、石廊入口に戻って分厚い氷で塞ぐ。はぐれメタルのギラ(基礎熱閃呪文)では抜けられない。
はぐれメタルは魔物の中でも特異種であり魔法攻撃を受け付けないだけでなく、守備力は測定できないほど
に強固で魔物一を誇る。臆病な性格で仕留める直前に逃げられる事も多く、困難を極める。
メタルスライム系は仕留めれば、通常の修業とは比較にならない程に修業者の総合力が上がる。
仕留め手の総合力が問われるため、修行目的でメタル狩りをする者もいる。
王女もまたロダ王と共によく出かけたものだ。
二人とも夢中になって追いかけ、昼はキラキラと輝く小川のほとりで手作り料理を楽しみ
帰り路をユニコーンにまたがり競争した。今でも昨日の事の様に感じられる。
「(あの幸せ・・戻してみせる、きっと。)」王女は銀の胸当てを外して少女に装備させた。
戦い慣れていない少女を守るためと、少しでも身軽にして急所に当たる率を上げるためだろう。
手筈は、まず少女が青銅の盾を構えながら部屋に聖水を撒き、飛び出て来たところを王女が仕留める。
「ローレシア様。いきますよ。えいっ」
聖水は霧状に充満して部屋を清めていき、湿ってくすんだ部屋が不思議と爽やかにリフォームされた感じだ。
しばらく待つが、一向に出てくる気配は無い。「・・他の部屋に隠れたのかも」

≪シュルルルル!≫
凄まじい速さで床を走り、少女の顔めがけて飛び掛かった!
王女は少女の持つ盾を蹴上げ
≪ズドッ≫
へばり付いた盾を蹴飛ばすと、魔物は距離を置く。
間髪、王女は少女との間に割って入る
「いい。動かないで。」
はぐれを見ながら両足を安定させ、右耳に毒針を投げようと構え
「(先手を取る!逃せば本隊が――駄目だ焦るな・・集中しろ。呼吸を整えろ)」
不整合に並ぶ魚型の眼が無感情にローレシアを捉えている。魔物の体が赤く点滅した!
≪ジュオッ≫
王女の左目にかざした左拳が焦げ、はぐれはすかさず逃げ出した。―――≪ストッ≫毒針が床に縫い付ける。
見事に急所を貫き即死。

 ――二人は噴水に降り、子供達ははぐれの死体を珍しそうにいじくっている。
婦人や娘達が二人を囲んで喝采していて、協力した少女は他の娘達によってもみくちゃだ。
男手の無い地下では王女ローレシアの責任は重い。
婦人達が交互にローレシアの傷をホイミ(基礎回復呪文)で治療している。
数時間前の地震で落ち込んでいた皆に、活気が戻ったようだ。
 

 投稿者:出尾 龍児  投稿日:2000年 3月25日(土)02時51分30秒
  ≪バシャーン!≫噴水に何かが落ちてきた。
落盤は危険だが今は落盤であって欲しい。しかし、そんな物で無い事はすぐにわかった。
黒焦げになった見張りの者。「ああ、そんなっ」その母親が噴水に入り抱き寄せる。
ローレシアは母親を引き離して連れながら叫ぶ「食堂に退避っ」
料理場は食料と水のある最後の砦として作られていた。
全員を部屋に入れ終えた王女は、皆を一人一人見つめた。
 最後の別れであることは子供心にも分かるのだろう・・すすり泣く声が聞こえてくる
「シスター後は頼みます」
子供達を抱き寄せながらシスターは応える「はい。王女さま」
「ローレシア様」「ローレシア様」皆の自分を呼んでくれる声を聞きながら・・重い扉を外から塞いだ・・。
扉にアストロック(結界錠呪文)をかける。結界を破れるのは中の者か魔法の鍵を持つ者のみだ。
「(多くの兵士は此処にいる者達の様な、各々の愛する者を守るために、戦地へと身を投じた。
失っては、なんのための王女か)」
覚悟を決める運命の時が来た。
むせぶような、湧き来る恐怖を押えながら吹雪の剣を静かに抜く。
冷や汗が背筋を伝って行く。

ロトの家系に嫁いだ時から覚悟は出来ていたが、それでも余りにも絶望的であった。
地下に敵が入ると言う事は落城かそれに近い状況を意味している
「(作戦は失敗したの?)」
ローレシアの心はドス黒い物に覆われていき、全身から力が抜けていくのがわかる。
いったい外にはどれ程の数の魔物がいるのだろうか
「(ロダ・・ロダ)」
城が落ちたとしても彼女には王女としての孤独な、そして最後であろう努めが残っている・・。
邪悪な気配が降りてくるのが感じられ、荒海の様に荒れ狂う心が見る見る冷めていくのが哀しかった。
日頃からの修行が作り上げた闘う心。
背後にプッレシャーを感じ振り向く!
焼付く息(麻痺させる特殊攻撃)を刀身で割った。
超高熱ガスが、こめかみをかすめる。
「ヤァ―――!」飛び込みフレアドラゴン(幽体の蛇)を両断。
上空の魔物達が集まって来る。
魔導士2人、メドーサボール2体、フレア1体。魔物の攻撃パターンと弱点が瞬時に浮ぶ。
魔導士はベギラゴン(強大熱閃呪文)と焼付く息。弱点は直接攻撃。
メドーサはマヌーサ(幻霧呪文)と金縛り。弱点は攻撃魔法。
一体一体はさほど強くない敵だが、この組合せは最悪だ。5体全てが機能異常や呪文を使ってくる。
いったん機能異常になれば集中攻撃をくらう。最良の攻撃は―――「イオナズン!(強大爆発呪文)」
飛び退きつつ唱える。
≪ズガァァ――ン!≫
閃光と爆発が一帯を吹き飛ばし、魔物は肉片となって散乱した。
「とにかく地上に出て、敵を引き付けなければ。」
スイーラで一気に石廊へ跳び上がり
悪魔の目玉を切り裂き、走る。
疾風突き、隼斬り、真空刃。敵を一掃して出口に立った。
暗い、雨雲の空が見える。

「( 城が・・無い・・ )」―――
何が起きたのか分からなかった。
道に迷い込んだような浮遊感で、見える筈のない空を見つめている。
完全なる敗北。絶望。暗黒の時代。
ローレシアは立ちつくし・・剣はその手からこぼれ落ちた。
地下世界で最後の城が、落城どころか・・・・消滅した・・
糸が切れたように膝を折り手を付く
「もう・・いい。
十分やったわ。
私達は、最後まで死力を尽くした。
なのに・・
神様、何故です!?
私達はただ幸せに
平和に暮らしたいだけなのに・・っ」
早く楽になって夫のもとに行きたい。

≪カラーン≫
手元にカチューシャが転がり、束ねた髪が垂れる。
[ミスリル銀の髪止め]思い出がよみがえってくる。
はにかみながら小箱を手渡す、若き日のロダの笑顔。結婚式。船旅。
知らず知らずのうちに涙が溢れていた。
気持ちを押える事など出来るわけはなかった。
「(いっしょなのね・・あなたと私・・離れ離れでも いつも支えて居てくれる。
愛してくれている・・)」
カチューシャを握りしめ
「(ロダ・・あなたに出逢えて幸せだった またそっちでも一緒になってくれる・・?)」
立ち上がり髪を直す。
「(そのためにも果たさなければ。顔向けできないわ。)」鋭い瞳で上を見上げる。
日没の曇り空の中、出口からローレシアをうかがう魔物の影、影、影。ネコ科のように眼が光っている。
≪チャキ≫剣を構えるとサッと引っ込むが、しばらくするとソォ~ッとのぞいてくる。
「ククククク。(エ、エモノ)」「ケケケケケ。(ニ、ニンゲン)」「クク、喰ウ、ニ、ニンゲン喰ウ」
「メシ、メシ喰ウゥ」「(コロセェ、コロセェ)」「ムフゥ~ハフゥ~」「ウキ――ウキャウキャ―」
 

 投稿者:出尾 龍児  投稿日:2000年 3月25日(土)02時47分43秒
  吹雪の剣の冷気が淵沿いに凍らせる≪シュゴォォ――≫≪ピキピキパキ≫
「ハッ」跳び上がり、軸転しながら剣で氷塊を斬り、スイーラで空中から数を見る。
軍隊ガニ5体、ゴーレム3体、死霊使い、エビルスピリッツ、スカルサーペント、腐った死体、鎧ムカデ
アニマルゾンビ、毒イモムシ、ヘルビートル、リップス、テールイーター、一角ウサギ、ドクロ洗い
レッサーデーモン、バブルスライム、メダパニとかげ、シルバーデビル(コウモリ翼を持つ銀毛の大猿)。
野生の魔物達も集まっている。
ローレシアは中央に降り立つ。魔物達はゴソゴソと王女を取り囲んだ。
ヨダレを垂らす奴。息を荒げている奴。爪をなめる奴。
城の跡地は、まさに地獄と化している。
ローレシアは両手首を眉間に交差させて指で”印”を結び―――叫ぶ!
「イオォダンテ!(極大爆発呪文・防御型)」
王女の腰あたりに出現した光の輪は広がっていき、光の帯となり
魔物達を包んで
≪キュオォォォォンン ズガガガァ――ン ズバァァバリバリバリバリ≫爆発。
プラズマが発生している。
ローレシアの周囲50mの存在はプラズマを残して消し飛んだ。
軍隊ガニ達がたじろぐ。
ネクロマンサー「ば、バカなっイオナズンより上位の呪文だと!?」
慌てて我が身にマホカンタ(強大・魔法反射障壁)を使う。
マホターン(応用・魔法反射障壁)やマホップ(基礎・耐魔法障壁;別名マジックバリア)をまとう魔物もいる。
王女の心に、夫の言葉が響く
「数で不利な時は、まず逃げる。それが出来ないなら、指揮者を仕留める。
敵中に守られた指揮者を仕留めるのは容易ではないが・・」
スイーラで上がり、見渡すとゴーレムの背後にネクロマンサーが見える。
「(あいつか・・)」
ローレシアはマホカンタをまとう。
襲いかかる魔物の輪は、すぐそこまで迫っていた。
ロダの言葉を思い出す
「(挟み撃ちを仕掛けられたら、弱い方に飛び込んで敵の同時攻撃を防ぐ。
すみやかに倒し、次の敵を迎え撃つ。理屈で言うほどうまくはいかないぞ・・)」
ローレシアの動きは一つに限られていた。ネクロマンサーに向けて飛ぶ。
軍隊ガニのハサミが彼女の脚をかすめる。
エビルスピリッツの吐く、甘い息の中を突っ切り、自分にピオリムを使う。
立ちはだかるゴーレムの拳がうなり来る。辛くもかわして頭に一刀
「エェイッッ」
≪ガゴン!≫
砕ける。
肩を蹴って飛び込み
「(よくも・・!)」
剣を強く握り直し
「タァ――――ッ」
≪ズバァ!!≫すり抜けながらネクロマンサーを分断
着地しながら、両足で地を滑りつつ振り返る。
ネクロマンサーの身体が見る見る変化していく
「呪いのカガミ・・影武者」
上空にネクロマンサーが。
いかずちの杖の熱閃がローレシアの左肩を貫く
≪ボトッ≫
左腕が地に転がる。
傷口は焼けていて出血は無い。
「(ピオリムの効いているうちに倒さなければ)」
かまわず飛び上がる。
!!
≪ザシュッ≫白い影がかすめ、ローレシアは地に転がった
「ぐぅあっ」
≪ズザザザザ≫
顔を歪めながら剣を支えに立ちあがる。
「グゥゥ。クッ」
シルバーデヒルが爪に付いた血を舐めている。薄暗い中に光る眼。
「ウキ―――ッ」飛び掛かる。
剣は空を切り、魔物の爪が背を浅く撫でる。
「(あの体制から背後を。ビオリムが切れたら殺られる)」
無情にもピオリムは切れ、背が血で染まっていく「(魔法回復より先に致命打を受ければ、危い)」
体力の限界か、息も上がっていた。軍隊ガニに裂かれた脚からも血がしたたり落ちている。
「(手間取っていては、囲まれる)」
「・・。」片腕で剣を右上段に構えて立つ。
白い影が飛び込んで
≪グシュ!≫魔物の爪がローレシアの腹に食い込んだ。
――「グハァッ」
口から鮮血が飛び散り、魔物の白い毛を染めた。
!!
ローレシアは瞬時に背後をとり、両脚を腹に巻きつけ、剣を首元に当てる
「ウ・・キ・・」
剣を引く
≪ブシュ――≫
勢いよく吹き出し、一緒に倒れ込んだ。
どのみち、魔物の攻撃はかわせない。自分の攻撃がはずされるリスクを考えての、相打ち狙いであった。
魔物の死骸をどけて起き上がろうとすると、軍隊ガニのハサミが眼前を覆う。
ハサミは突き込んできた剣を捕らえた。
剣を抜こうとするが、片手では無理だ。
もう一方のハサミ攻撃を横に飛んでかわす。
≪ズドッ≫
≪ズドッ≫地を転がり、かわし
「ベギラマ(応用熱閃呪文)!」熱閃が魔物を焼き、燃え上がった!
剣を拾い冷気でとどめを指す。
ローレシアを囲む魔物越しに一団が見える。
「(イオダンテを避けてか。リーダーはあそこ。だが、まだ。)」
敵の攻撃をかいくぐり逃げ回り―――
印を結び、詠唱を始める。魔物達はたじろいだ。
「ハアァァァ。イオマダン(極大爆発呪文・攻撃型)!」遠くの一団に魔法弾が飛ぶ。
魔法障壁が消えるのを待っていたのだ。
もはや、ルーラを使う魔力しか残ってはいない。
 

 投稿者:出尾 龍児  投稿日:2000年 3月25日(土)02時31分7秒
  ≪ズダァァァァンン・・≫
遠くに爆煙が立ち昇っている。
王女を取り囲む魔物達は、指揮者を失い浮き足立っている。野生の魔物達が逃げ出し始めた。
ローレシアはゆっくりと周囲にニラミを利かせて、再度、額で印を結ぶ。はったり なのだが
魔物達は、まんじりともできずに硬直している。
王女は印を解き、ゴーレムに向かって ツイッと顎を上げてみせる。
ゴーレムは向きを変えて、歩きはじめた。他の魔物も後に続く。
指揮者を失った兵が、他の部隊に合流するために後退することは、よくある。
ローレシアは生き延びたのだ。

―――魔物達の後ろ姿をみながら、地に立てた剣の横にへたり込んだ。
左腕を復元しようとする
!!
魔物達が立ち止まり、もがいている。
足元にマドハンド達が絡みついているのだ。
「グゥ、グワァワワワワ・・。
誰が、後退を許すといった・・」どこからともなく声がし
黒い霧が魔物達を包み込む。
みるみるうちに体が崩れていく魔物達。
全てが泥と化し、あたりを静寂が包む。
黒い霧は一箇所に集まり始め、一体の見たことも無い魔物へと変わった。
泥の中から、泥人形とドロヌーバが現れて、魔物の前を守る。
「見事・・ダ、王女よ・・グゥワワヮ。さて・・王女、この情景が何によるのか分かるカ?」
ローレシアは沈黙している。左腕は再生済みだ。
「ワシじゃよ。ワシの作った爆弾がのォ・・グゥ、グゥワワワワワヮ・・
消し去った。」
ローレシアの瞳は真っ直ぐに、きぜんとヘドロを見据える。
「憎いか。憎いのか?グワグワ、もっと憎めェ。おまえには、それしか出来まい。
ワシはな、みじめに消え去っていく命を見るのが、たまらなく、楽しい。
その点、魔胎核はつまらん。もっと、じんわり利いてくヤツを作らんとな~ ウム、ウム
!?」
背後にローレシアが!剣を振り降ろす
≪ドシュッ≫
ヘドロの顔は半分になっている。
「な、なん ≪ドシュッ≫ ト!?」≪ドシュッ≫≪ズバッ≫≪ザシュッ≫
ヘドロの肉片が散乱し、天に向けた手の指が、かすかに痙攣している。泥は吹雪の剣で氷っていた。
「(残魔力があれば、焼き殺してやるのに・・)」苦苦しそうに見つめながら後にするローレシア。
地下の皆を迎えに行く。
「やるではないか・・」
声に振り向くが、姿は見えない。
「ここダ。ここ。」
ハッと真上を見上げると、大空の雨雲がヘドロの顔に変わって行く。
頭上を覆うヘドロの巨顔はグニョ~っと、ローレシアの直ぐ真上まで延びて、ニタリと笑った。
ローレシアの周囲で地面が盛り上がり、ヘドロが現れる。1体2体・・計5体。
「勝ったと思ったか?残念だったな んん~?
グワッ、ワッ、ワッ、ワ 絶望かァ 死相が出てオるゾ」
ローレシアの呼吸は乱れた「ハアッハアッハアッハアッ」
幻術なのか魔法なのか、いずれにしても、このような異常体験を味わった事は無い。
「ハアッハアッハアッ ゴクッ」唾を飲み込む。
「(ロダの仇。どうすれば・・)」魔力は無い。剣も冷気も通じない。
「安っぽい術など使わずに、出てきたらどうです。それとも、女一人に臆したか!」
ヘドロは不機嫌そうに顔を歪め沈黙している。
ルーラの光球が複数降り立ち、魔物群が出現した。さっきの敵よりも、はるかに強いと肌で感じる。
「なァぶり殺してくれるゥゥ」5体のヘドロ達が笑う。
「(負けない!負けるわけにはいかない)」
目をつぶり、静かに詠唱を始める。
「くだらんな。魔力が無い事など見抜いておるわ・・グワワワワワ・・!?
!! お、おのれェェェ」
ヘドロ達が飛び掛かる。
「・・メガンテ」ローレシアはつぶやいた。
ヘドロ達の体は、ローレシアの周囲に発生した魔法力場にはばまれ、焼かれて消えていく。
「ギャァァァァ・・ァ・・ァ」≪ドシュ~≫
「くっ、くおぉ」雨雲は黒い霧へと変わって逃げ散る。
追いつめていた光は、だが、しかし急激にしぼみ始めて
≪シュオンン≫消えてしまった。
「!? !?」ローレシアは立ちつくし、自分の体を確かめる。
「おのれェビビらせおって。自己犠牲などという極大呪文を、貴様ごときハンパ者にこなせるものか!」
周りには体の一部を失った魔物達がうごめいている。ヘドロは、すかさず
「(ベホマラーで回復再生・・反撃・・)」
≪スバーン。バリバリバリ≫数条の稲妻が魔物達を仕留める。
「電撃呪文・・!? ヌゥゥ。ぬぁに者だぁ。」ヘドロは辺りを見渡す。
誰もいない。
ローレシアの下腹部が薄く発光している。
彼女はそっと腹に手を添えた。
「(おまえ、なのね。生きたいよね・・。ごめんね。)」うずくまる。
「うぬゥゥ。ロト・・“勇者の称号”を継ぐ者なのかっ」
ヘドロの体からいくつかの管が突き出し伸びる。「(災い。捨ておけぬ・・)」
 

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