◇技量審査場所(7日目)
(14日・両国国技館)
大関陣は魁皇(38)=友綱=が関脇琴奨菊を引き落として5勝2敗とした。通算勝ち星を1040勝として、千代の富士(現九重親方)の持つ最多記録まであと5とした。琴欧洲が安美錦を寄り切り、6連敗を免れて2勝目を挙げた。把瑠都は北太樹をつり出し、琴奨菊は2敗目。日馬富士は隠岐の海に寄り倒されて3敗目。横綱白鵬は小結鶴竜を危なげなく寄り切って7連勝とした。新入幕の魁聖も高見盛を寄り切り、無敗を守った。
魁皇が同郷(福岡県)の後輩、大関とりの琴奨菊の挑戦をはねのけて通算勝利を「1040」にした。不滅と言われていた千代の富士の記録にあと「5」と伸ばせば手が届くところにきた。
土俵際の魔術師のようだ。琴奨菊が右から抱えながらまっすぐ出てきたが、魁皇は自分の左腕を抜くと、なんと相手はそのまま土俵の外へ飛んでいった。「圧力で持って行かれそうだったけど、右手で引っ張ってたぐった感じ」と魁皇も自分の相撲が説明できない。対戦成績が15勝11敗と大関としては少し相性が悪いが、「だれとやろうが、(相性)どうこうではない」。今の魁皇は相性のよさや数字などほとんど超越している。
支度部屋から駐車場へ向かうとき、非常口のドアに右足をぶつけた。相当痛そうだったが、「おれはあちこち痛いから問題ないよ」と笑いとばす余裕も見せた。
弟弟子で新入幕の魁聖が7連勝と快進撃を続けている。「頑張っているのは(友綱)部屋にとっていいこと」と、38歳の超ベテランは大いに刺激を受けている。
大記録まであと「5勝」。残りは8日間。十分可能な数字だろう。それでも魁皇は「何もない。記録は気にしても仕方がない」と乗ってこない。もっとも、魁皇が気にしなくても、すでに館内ではカイオウー・コールが起こっている。 (近藤昭和)
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