高い打点からヘディングシュートを放つ永井(中)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(伊東朋子撮影)
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名古屋グランパスは14日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで練習し、15日の甲府戦(中銀ス)に向けて甲府入りした。FWケネディ、DF闘莉王、MF金崎ら主力をけがで欠く苦しい状況の中、U−22(22歳以下)日本代表FW永井謙佑(22)が自慢のスピードでJ1初得点を挙げ、チームを勝利に導く。
左サイドをドリブルで攻め上がる。右クロスには高い打点からヘディングシュート。スピードあふれる永井のプレーに疲労の色は見えなかった。
大学ナンバーワンFWとして鳴り物入りで入団したスーパールーキーも開幕当初はスーパーサブだった。しかし玉田、金崎、ケネディら前線の選手が故障のため相次いで戦列を離れた。J1でもアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)でも2試合目からは先発出場。今では当然のようにスタメンに名を連ねている。
11日(日本時間の12日)のACLのアルアイン戦にフル出場し、12日に帰国したばかり。疲労は当然あるはず。それでも「あまり長い滞在ではなかったから時差ぼけは気にならない」と、大物ぶりを発揮している。
甲府戦は、中東遠征を回避した玉田との2トップが濃厚。4月29日の川崎戦で右膝痛から復帰した玉田とのコンビは3試合目となる。「僕が(相手DFの)裏に抜けても玉田さんは追い付いてくれる。長くキープしなくてもボールを預けられる」。試合を重ねるごとに連係は良くなっている。「もっと呼吸を合わせていきたい」と、コミュニケーションを図って、さらなる向上を目指す。
今季J1昇格の甲府について情報は多くないが「センターバックがスピードがあるとは聞いていない。動き回って自分たちの流れでサッカーをしたい」。持ち味のスピードで勝機を引き出す。
甲府戦翌日の16日からはU−22日本代表の合宿に参加する。チームは3月以来の連休だが、福岡大時代から、リーグ戦と代表との過密日程には慣れている。「大学の時もこんなことは多かった」と意に介さない。「勝って気持ちよく合宿に行きたい」。今の永井は、休養よりも勝利を渇望している。 (伊東朋子)
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